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貸金業法改正(6/18)

いわゆる総量規制によって、今日から年収の三分の一を超える借入ができなくなりました。

改正貸金業法、メガバンクに火種 傘下の金融、淘汰も
<引用開始>
多重債務者を減らすことを目的に、二〇〇六年から段階的に施行されてきた改正貸金業法が十八日、完全施行される。消費者金融などからの借入額を、借り手の年収の三分の一以下に制限する総量規制の導入などが改正の柱だ。ただ、貸金業の利用者約千四百万人のうち、約七百万人が総量規制に抵触するとみられる。新たな借り入れができない利用者、市場が狭まる貸金業者の双方から不安の声がやまない。 (西尾玄司、東条仁史)

 ■借りられない
 「十八日以降、お金を借りられる場所を教えてほしい」。女性の多重債務者の相談活動をする特定非営利活動法人(NPO法人)「女性自立の会」(東京)には、総量規制についての問い合わせが相次いでいる。

 収入のない専業主婦がお金を借りるときは、夫の同意書や年収を証明する書類などが必要となる。複数の書類を確認する事務処理が増えるため、既に多くの貸金業者が専業主婦への融資を取りやめている。

 女性自立の会の有田宏美理事長は「買い物をやめられないなど、多重債務は心の問題という側面もある。法改正による規制強化だけでは解決にならない。相談窓口やカウンセリングの充実をもっとするべきだ」と指摘する。

 ■業界にも誤算
 貸金業界も、法改正のマイナスの影響を大きく受ける。金融庁に登録する貸金業者数は今年四月末で三千九百七社。ピークだった一九八六年の約四万七千五百社から激減した。過去の過払い分の返還請求が多発している影響だが、大手消費者金融の幹部は「完全施行で貸し出しが制限され、業者はますます淘汰(とうた)される」と予想する。

 消費者金融を傘下に抱えるメガバンクにとっても誤算だ。個人部門の強化につなげるもくろみは外れ、消費者金融がグループの足を引っ張りかねない。

 三菱UFJフィナンシャル・グループの二〇一〇年三月期連結決算は、子会社のアコムの赤字転落が三十億円弱の減益要因となった。三井住友フィナンシャルグループも、一一年三月期連結決算で傘下のプロミスが数百億円の赤字になるため、大幅な減益要因になると見込む。業績次第では、傘下の消費者金融に対し追加の出資などの支援を迫られそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2010061802000057.html
<引用終了>
多重債務は心の問題ねぇ・・。お金がなければ買い物しなくて済むじゃないかとは思うのですが、そうなるとヤミ金に走るってことになるのかな。
この種の問題ではどうしても個人的な感想が、先立ちます。自分の場合は、借金してまで買うものがあるか?という根本的な命題が常に定立します。お金のあった過去も、お金のない現在も買い物のスタイルは変わらない。単純にいえば倹約、吝嗇、ケチというものです。

売り場に立って、購入を検討する商品を仔細に検討します。割引はできないか?カードのポイントはいくらあるか?近い日に特売はないか?

次に、商品の機能はどうかと考える。求めている機能が揃っているか。無駄な機能はどれだけあるか?別のもので代替できないか?
いわゆるVE(ValueEngineering)手法で分析するわけです。

そして肝心の見映えはどうか?機能に対する価格づけは妥当か?買った後に生活はどうなるか?買った後に後悔しないか?等など。
脳内で様々な葛藤を繰り返し、顔を歪めながら売り場でしばらく立ち尽くしています。
三越、高島屋、バーバリー、ユナイテッドアローズ、モンベル、ラルフローレン、アップル、ビックカメラにイトーヨーカドーと店を選ばない。
そして殆どは購入断念の無情なデシジョンを下すわけです。店の人は迷惑だろうな。

「ちょっと色(形)が気に入らない」
「すぐ欲しいわけではない」
「いつでも買える」(ここ重要)
「後からもっといいものが出る」
「余裕があるとき考えよう」
等などと、自分に沢山のエクスキューズを与えつつ帰路につきます。

尤も、品物を散々眺めてカタログももらってたりしますから、すっかり眼福になり、まるで買ったような錯覚にも浸れます。
「買ったつもり」ウィンドウショッピングの効用は小さくないですな。

要は如何に購買欲求をコントロールするかという点に尽きましょう。

記事では債務者に対してカウンセリングの必要性なども書いていましたが、これは実際に動きがあったんです。以前にも日記に書きましたがもう一度紹介します。
95年当時、アコム会長の音頭とりで、消費者金融各社の全店舗に専属カウンセラーを常駐させようという業界全体で構想が持ち上がりました。
カウンセラーの目的はただひとつで「多重債務者を増やさない」ということでした。
当時、研修を企画する立場だった筆者もこの構想に乗っかって各店舗に常駐されるカウンセラーの手配、その育成計画などを設計してアコムに提案したことがあります。
この構想は結局、各社の足並みが揃わず、互いの抜け駆けを警戒したりして何も進まないまま廃案となりました。
あのとき、少しでも業界全体で努力していたら今のような業績も違った着地点になっていたかもしれません。
今日の苦境は自業自得の面が強いですが、あのときがひとつの分岐点だったと思う。

それから、東京新聞の記事ではメガバンクも誤算が生じていると書いてます。他の新聞でもメガバンクが揃ってこの問題で苦境に立たされていると多分に同情的な記事を書いていますが、全く理解できません。
いわゆるグレーゾーン金利問題が出だして、消費者金融各社の経営が揺らいでいた際に足元を見て買い叩いたのがメガバンクではないですか。
大したリスクも負わず、多数の顧客情報を入手しおえたわけです。
そもそも、消費者金融がこれだけ乱立したのも銀行が中小以下の顧客を政策的に無視したが故でしょう。
それを今更、リスクだなんだとどの口で泣き言をいうのか。

そもそも、公的金融支援を受けてから今日まで彼らは社会的に新しい貢献をしたのですか。なんにも産み出してなどいない。
特別顧問という抜け道を作り、一億円以上の役員相当報酬を隠蔽し続けるみずほFGをはじめとして、やってることは極めて反社会的じゃないか。
それで法人税減税要求するとは、ふざけるのも保土ヶ谷バイバスです。

乗っかった罪(6/17)

SFCGの大島健伸元会長ら四人が、逮捕されましたね。
<引用開始>
昨年2月に経営破綻(はたん)した商工ローン大手のSFCG(旧商工ファンド、東京)が破綻前、親族会社に400億円を超える資産を流出させたとして、警視庁捜査2課は16日、民事再生法違反(詐欺再生)と会社法違反(特別背任)などの疑いで、同社元会長の大島健伸(けんしん)容疑者(62)と長男で会社役員の嘉仁容疑者(33)ら4人を逮捕した。同課によると、大島容疑者らは「やっていません」と容疑を否認している。同課は大島容疑者が犯行を主導したとみて、経緯や実態の解明に乗り出す。

 逮捕容疑は、大島容疑者らは民事再生手続き前の平成20年12月、SFCGが保有する不動産担保ローン債権約三十数件、約418億円分を親族が経営する大阪府の不動産会社「白虎」に譲渡して流出させ、債権者とSFCGに損害を与えるなどしたとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100617-00000042-san-soci
<引用終了>
今から、七年ほど前の秋でした。所用で飯田橋のエドモントホテルに出向いた際に、ロビーが大変にぎわっています。スーツ姿の大学生と思しき若い人たちが大量に集まっています。
何事かと思い、ロビーの隅にあった看板を見てみると「SFCG会社説明会」とあります。

ああ、商工ファンドか。その少し前に国会で証人喚問されてたなと思い出しました。日栄の松田一男とともに商工ファンドの大島が民主党の議員などに質問されていましたっけ。

この子たちは、ここがどんな会社かわかっていて、説明会に来ているのか?素朴な疑問が頭を過ぎりました。おおかた、金融のニュービジネスであるという一方的なプロパガンダによって、錯覚したままきたのでしょう。説明会会場前の資料配布コーナーには目つきの鋭い嫌な感じの社員が何人もいたのが印象的でした。ぱっと見て、気付けよな。

一連の商工ローンの問題の核心は、取立ての過酷さにあります。
日栄では高い回収ノルマが設定され「金がなかったら腎臓売って作れ!」って有名な科白がありましたね。言ったやつは逮捕された筈。

SFCGの場合はすぐに裁判を起こしてそれこそ身ぐるみ剥がす。借りる最初の段階で、契約書に沢山の付帯条項をつけておき、たしか根保証を連帯保証人にも要求できるとかも含まれていました。

一年前の破綻直後にも、資産隠しが行なわれたのではないかと日刊ゲンダイなどが追及してましたけど、警察はずっとこの間捜査をしていたということなんでしょうかね。

松田一男にしろ大島健伸にしろ大悪党であることは間違いないので、秘匿した資産を全て吐き出させて、逮捕投獄のうえゆくゆくは極刑に処すべきだろうと筆者は考えます。

罪深いのはこういう連中をあたかもベンチャー経営者の鑑として採り上げた人たちです。
前の勤め先も、ベンチャー企業としてはそこそこ名前が通り、経営者たる男も有名人でした。その会社のHPのなかで起業家を毎回採り上げるコーナーがあり、大島健伸もインタビューされて会社躍進の話などをもっともらしくしていました。
商工ローン問題がそろそろ喧しくなり、彼らの立ち位置にも疑惑の目が注がれだした段階で、それでも記事にすべくインタビューしていたわけです。
しばらくして過酷な取立てが問題になり、彼らは国会に呼ばれて喚問を受けました。
すると、いつのまにかインタビュー記事は削除されていました。

それとは別の機会にも似たようなことがありました。
いわゆる労働者派遣事業において問題が出てきたとき、当時最大手だった六本木にあったG社の会長も、それまでたびたびインタビューされたり記事がアップされたりしていました。同じ年齢、ともに商社の出身で若くして起業という共通点が多かった。それにも関わらず、ある日を境にして全ての関連記事が削除されたのです。悪評を立てた人と知り合いであるというのはマズイのでしょう。

レピュテーション・ビルディングという考え方があります。企業の信用と知名度を高めるために、社会的に問題のある人や企業と関係しているととられかねない話は未然に削除するということです。
なるほど、そうするしかないということだってあるでしょう。

しかし、おっとり刀で削除するだけで事足れり、でよいのかと思う。
例えば大島健伸の記事の場合、会社の悪評とか社会的な捉えられ方というのは記事にする前に分かると思うのです。そのうえで掲載するかどうかあらためて判断すべきではないのか。不用意で視野が十分ではなかったのではないか。率直に反省をすべきでしょう。

G社の場合は、多少事情が異なります。倫理的にはどうかと思いますが、明白な犯罪行為はない(らしき行為は散見されたが)のだから、堂々とそのまま載せていればよかったのです。
ともかく、一緒くたにされたら堪らないってわけか。

しかし、いいのか?心が痛まないのか?
事業資金がショートしてしまって、国民金融公庫から新たに千万単位で借入れたことがあります。
当然、保証人が求められたのですがその時に「快く」引き受けてくれたのは件の会長でした。

困ったときだけ泣きついて、そうでなければ知らん顔か。
是々非々は勿論大事ですが、少なくとも恩義に悖るようなことはしてはいけないと思う。

こういうときって、そのひとの器量があらわれますよね。勉強になります。

名古屋場所(6/16)

大相撲の名古屋場所。中止すべしが大勢となっています。
ダイヤモンドオンラインでのアンケートによればそうなってる。
http://diamond.jp/articles/-/8453

あまり困る人もいないのだし、一回くらい休んでもいいのじゃないか。
そんなことはない、中継を楽しみにしている人も数多いと反論もあるかもしれない。しかし彼らにしたところで取り組みの度に『このなかの誰かが賭博を常習的にやっている』と思い出す。だから見ていて、はなはだすっきりしない感じになるのではないか。

たばこ銭程度を争った仲間内で行なわれる麻雀とか花札とかああいうのと同じ。だから大目に見てあげればよいという意見もあります。しかし、掛け金の値が庶民の感覚とはおそらく全く違います。最低でも十万単位なのではないかしら。

相撲協会は法人税を殆ど払わないで済む財団だし、ご祝儀とか懸賞金をいちいち申告するような細かい管理はできていないでしょう。となれば当然、遊び金だって大雑把に使っているはずです。

モラルとか常識とか社会性、残念だが十分に備わっていない。協会の記者会見やインタビューを見るたびに、ガバナンスの低さを露呈させていて、とてもマネジメントは期待できません。
年寄株、維持員、茶屋制度、タニマチ。このような前近代的な残滓を伝統と言い繕って保守した結果が今回の事態です。
げんを担いで洗わないという「まわし」も、いい加減洗うようにしたほうがよくないか?現内閣が標榜しているごとくクリーンに変身するのです。

こうなりゃ、いったん解散して国技館は草相撲とかに無料開放してみたらいいんですよ。

W杯仕様(6/15)

勝ってしまいましたな。攻撃起点であるソングが出ていなかったとか、不協和音があるとかいろんな理由もありますが、ともかくも次に向かって頑張って欲しい。

オシムが「スポーツ紙の一面が本田だけになったら次は危ない」と含蓄あるコメントをしてました。気を引き締めろということですね。
そういえば本田圭佑を代表に最初に選んだのもオシムでした。

さて検索のグーグルもW杯仕様になっているようです。
例の「google検索」の画面から「FIFA」とか「ワールドカップ」とか、今回の大会に関連する言葉を検索してみると、検索画面の左下に出現する「Gooooooooogle」の文字が「Goooooooooal!」になりますね。

ところが「サッカー」「soccer」「岡田ジャパン」では変化がありません。「Goooooooooal!」にはならないで「Gooooooooogle」のまま。

何でだ?ゴールには縁がないってメタファーなのかな?

そういえば、Greeeenなんてバンドもあったなあ。

遠隔操作(6/14)

「はやぶさ」すごいな。
<引用開始>
宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」が13日夜、7年に及ぶ旅を終え、地球に帰還した。

飛行した距離は、地球―太陽間の40倍にあたる60億キロ・メートルで、満身創痍(そうい)の奇跡の帰還だった。機体は大気圏突入で燃え尽きたが、突入前に分離した耐熱カプセルは、ウーメラ(南オーストラリア州)付近に着地した。宇宙機構は今後、カプセルを日本に運び、内部の確認を行う。はやぶさは月以外の天体に着陸して帰還した人類初の探査機となった。

カプセル内には、小惑星の砂が入っている可能性がある。小惑星の砂や石は、ぎゅっと固まる過程を経た惑星の岩石と違い、太陽系の初期の状態をとどめているとみられる。米アポロ計画で採取した月の石などに続く、貴重な試料として、世界の研究者の期待を集めている。

はやぶさは、2003年5月に地球を出発。05年11月に地球から3億キロ・メートル離れた小惑星「イトカワ」に着陸し、砂などの採取を試みた。小惑星に軟着陸したのは、史上初だった。
しかし、離陸後に燃料漏れで制御不能になり、通信も完全に途絶した。奇跡的に復旧し、07年に地球への帰路についたが、帰還は3年遅れとなり、劣化の激しい電池やエンジンでぎりぎりの運用が続いてきた。

はやぶさは13日午後8時21分(日本時間午後7時51分)、インドの上空7万4000キロ・メートルでカプセルを分離した。同11時21分(同10時51分)ごろ、まずカプセル、続いて本体がオーストラリア上空で大気圏に突入し、夜空に光跡を描いて落下した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100613-00000818-yom-sci
<引用終了>
人のツィッターを見ていましたら『どうせカメルーンに負けるんだから、その前に日本の技術力を世界中に見せ付けてやろう』と呟いている人がいて笑いました。戦う前からそれはなあ。韓国から闘志をもらったのではないのか。

単に金属の塊に過ぎない筈なのに、大気圏突入で燃え尽きてしまった本体を見て、泣いている方もいる。気持ちはわかります。故郷に還ってくるひとのようにも見えるのでしょう。

筆者が一番凄いと思ったのは遠隔操作による修理というやつです。
燃料漏れ、通信途絶、エンジントラブルまであったのに、無事にこうして帰還してこれた。
こういう技術って高所作業車とか無人車にどんどん応用ができるでしょうね。

尤もサーバメンテナンスなんかは既に遠隔操作の時代に入っているのでした。(シスコシステムズなどはそうですね)
ただ、万が一のことを考えて有人状態を望む会社が多いから、サポートスタッフが常駐しているわけです。ただこのままでは技術力の向上が遅滞してしまう可能性もある。
宇宙というエッジな環境でこそ、技術力もまた磨かれるのでありましょう。

技術力とともにロマンも感じますね。『地球の緑の丘』なんて思いだしてしまいました。

バイアス(6/13)

W杯。予想していたよりはるかにスピードのある好試合が続いています。
昨日の韓国×ギリシャ戦も素早いプレスが見られました。特に二点目の朴智星の二人抜きも素晴らしかったなあ。

一点目の李天秀も二点目の朴も、Jリーグに所属する(した)選手です。彼らを見ていて素直に誇らしいと思うと同時に、複雑な感情が芽生えます。『同じことができるのか?』日本代表のことと引き比べてしまいます。
同じ東アジアで、人種的にもモンゴロイドで同じです。生理学的にみて体力や体格、運動能力において彼我の差がはっきりあるとは思いません。
では何が違う?「使命感」「根性」「執念」とかか?でも、そんな説明できない主観で片付けたくはありません。ロジックでわからないからといって、情念に逃げるのは思考停止ではないですか。

しかも、ギリシャは決して弱いチームではない。欧州選手権に優勝もし、監督はあの名将オットー・レーハーゲルですからね。

意思が統一されていて各選手に血肉化されているということだろうか?
思いが「もう一歩」体を動かす最後の一滴なのかもしれません。
このことは試合を見ながら、もう少ししっかり考えておきたいところです。
昨晩NHKの「スポーツ大陸」で岡野雅行が採り上げられましたがひとつのヒントになりそうです。あらためて素晴らしい選手だと確認しました。
http://www.nhk.or.jp/spotai/onair/231/index.html
それにしてもだ。考えても詮無いことですが、どうにもメディアのバイアスかかった報道が選手たちをスポイルして現実から遠ざけているようで、腹立たしいです。的確な批評ではなく、無責任に持ち上げたり落としたり。低迷の原因の一翼は間違いなくメディアに内在しますね。
代表の試合を目前にして、次の言葉を思い出します。そして強く念じたい。
『勝負事に絶対はない。だが、絶対を信じなければ敗北する』(大西鐵之祐:闘争の倫理)

私の男(6/12)

今更ながら、桜庭一樹「私の男」を読みました。2007年の直木賞ですね。

ちょうど文庫版が出たばかりなので読んでみました。
<引用開始>
消費されて終わる恋ではなく、人生を搦めとり、心を縛り支配し、死ぬまで離れないと誓える相手がいる不幸と幸福。 優雅で惨めで色気のある淳悟は腐野花(くさりのはな)の養父。物語はアルバムを逆から捲るように、二人の過去へと遡る。震災孤児となった十歳の花を若い淳悟が引き取った。空洞を抱え愛に飢えた親子には、善悪の境も暗い紋別の水平線の彼方。そこで少女を大人に変化させる事件が起き……。黒い冬の海と親子の禁忌を、圧倒する恐さ美しさ、痛みで描ききる著者の真骨頂。
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163264301
<引用終了>
こんな話だったんですね。筆者は惹きこまれてぐんぐん読み進みましたけど、読み手の好悪がはっきり分かれる作品だと思います。
近親相姦をテーマにした小説は他にもいろいろありますけど、本作で出てくる「欠損家族」という言葉が非常に暗示的です。
そう思って本の表紙を見るとこれまた暗示的。エロチックにもグロテスクにも見える。

読んでいて怖かった。それは何故かというと、似たような境遇の人を知っているから。
そういう愛の形に囚われていて、しかし後ろめたさもあって抜けたいと思うができない、どうすればよいか?そんな甚だ重い相談を受けたことがあるのです。
かといって第三者が正解を出せるような問題ではないし、非常に困ったことを思い出します。やがて、当事者の一方が亡くなられたことでその状態は解消しました。
そんな形の愛憎があることを知っているから、この作品がとても絵空事とは受け取れませんでした。
本作に出てくるエッジな行動はともかく、父と娘にはそんな関係が胚胎する機会がそこかしこにあるのかもしれない。
娘を持つ友人を見るたびに、失礼ながらそうも思うのです。

趣味悠々(6/11)

趣味悠々というNHK教育の番組がありますが、この場合はどう言ったらいいのか。

<引用開始>
漫画本計上「不適切だった」=秘書の私物レシート混入―荒井戦略相
荒井聡国家戦略担当相は11日の閣議後会見で、自身の政治団体の経費に漫画本などの購入費が計上されていたことについて、「秘書が私費で購入した漫画本のレシートが混入していた。不適切だった」と釈明し、修正申告する意向を示した。
 荒井氏は公開したレシートに含まれていたパチンコ音楽のCDについては「道知事選落選後の励ます会の際の入場BGMに使用した」と説明。15万円のスーツ代や有名衣料品店のレシートについては、選挙ポスターの撮影や事務所スタッフの着替え用に購入したと述べた。
 マッサージ代などについては言及しなかったが、同氏は監査法人に監査を依頼したとした上で、「問題と指摘された点については修正したい」とした。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100611-00000096-jij-soci
<引用終了>
漫画本は「パラダイスキス」だそうですね。矢沢あい・・。どこかで聞いたことがあるなと思ったら「NANA」の作者でしたっけね。
キャミソール購入のレシートもあったっていうから、女装趣味があるんでしょうか。まあ、犯罪ではないがモラル的にどうかってところだな。

数少ない菅直人の腹心なんでしょうから、辞任は難しいのかしら。
しかし、財政健全化を超党派でやるとか、親玉の所信表明演説には激しくがっかりしているので応援しません。しかも改革改革と連呼するので非常に嫌な予感がしています。

折角のW杯開幕だというのに全く気持ちが浮き立たないじゃないか。
15年前のラグビーW杯は違ったぞ。マンデラもまだ若く(当たり前か)問題山積だったけど、見事に南アは優勝を果たしました。

今度のW杯サッカーでもヨハネスブルクのエリスパークを使うというから、ちょっと目頭が熱くなってきます。このエリスは勿論、ウィリアム・ウェッブ・エリス。「サッカーの試合中、見事にもルールを無視し、腕にボールをかかえて走り」ラグビーを発明したといわれた人物です。その名前を冠した競技場で先祖がえりをするとは感慨ひとしおです。

熱戦を期待したいです。今日のNHKも見たいのだが中田英寿が出るのはなんだか嫌です。

総会招集(6/10)

第一生命から郵便物が届きました。表書きには「定時株主総会召集ご通知」とあります。

おお、そうだった。株主だったのだ。しかし四月に上場したばかりなのに、もう総会を実施するんですね。
相互会社から株式会社への業態転換というのも非常に興味がありました。
はじめて株式会社として見る損益計算書と貸借対照表が新鮮です。
そういわれれば第一生命株式会社という名前も新鮮ですね。

封筒には、召集の通知と議決権行使用の葉書などが封入されていました。

六月28日の月曜朝十時に株主総会がやるって書いてある。面白そうだからいってみようかな。どこかのホテルかなんかでやるんでしょう。。。

幕張メッセ?うわ、大人数を予想してオオバコを用意しやがったな。
でも、そんなんじゃ弁当とか出ないよなとちょっとがっかりです。

幕張だったら都心に行くのと変わらないから、本当に出てみようかな。

金融業界では、新たに誕生したこの会社の130万人ともいわれる株主の取り込みが期待されているようです。

実は、ここ最近の間にいくつかの調査会社より、株主としてインタビューを受けました。
相互会社から株式へというあまり例のない転換のためか、主幹事として野村證券が第一生命専用口座というのを作って、別に希望がない限りここの口座を無料で使うことができます。
しかし、ここを足場にして総合口座へ株主を誘おうというマーケティングをそろそろと始めだしているようです。
インタビューもそのあたりの内容が中心になりました。

金融商品についてどう思いますか?
野村という会社にどんなイメージを持ちますか?
どんなインセンティブがあったら口座を移そうと思われますか?

質問はそのあたりに集中していましたね。

投資という言葉にはなにやら鉄火場の匂いがあって、どうにも胡散臭く感じること。その言葉を聞くと、将来の年金代わりだといってワンルームマンションを脅迫同然に売りつける業者のことを反射的に思い出してしまい、ネガティブなイメージで捉えることもあるなどと正直に話をしました。

優良見込み客として相当期待していることは間違いないようです。

ボーダー(6/9)

六月に入って以来、テレビを見るのが非常に重苦しく感じて特定のもの以外は見ないようにしています。総理交代でテレビ局がはしゃぎ過ぎですよ。特に朝晩の立教出身キャスターな。
内閣が変わりましたが、あの玄葉光一郎とかいう人の顔が正視できません。目がイッてるというか、ドラッグでも決めてんじゃねーかって思わせます。舛添さんと組めます、改革のプランを出します、とか威勢がいいのだが、少子化担当大臣は渋るという好き嫌いぶり。この人のポリシーを見ると最悪な人選だと思う。役立たずな松下政経塾出身だし。絶対にボロを出すでしょうね。応援しないよ。

空いた時間は読書に費やしているので、とてもはかがいきます。本日は垣根涼介の新刊「ボーダー」を一気に読みました。

<引用開始>
渋谷でのあの事件から3年。チームを解散し、別の道を歩み始めていたアキとカオル。ところがある日、カオルは級友の慎一郎が見に行ったイベントの話を聞いて愕然とする。それはファイトパーティーを模したもので、あろうことか主催者は“雅”の名を騙っていたのだ。自分たちの過去が暴かれることを恐れ、カオルはアキに接触するが―。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E2%80%95%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%80%884%E3%80%89-%E5%9E%A3%E6%A0%B9-%E6%B6%BC%E4%BB%8B/dp/4163291504/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1276077651&sr=1-1
<引用終了>
リストラ会社の主人公と彼に追い立てられる人たちを活写した名作「君たちに明日はない」で有名ですが、どうしてどうして他のシリーズも垣根涼介は大変に面白いです。

でも、上の紹介文だけ読んでもわからないですよね。これは「ヒートアイランド」という小説から始まる一連のシリーズがありまして本作はこの第四作目にあたります。
ヒートアイランド、ギャングスターレッスン、サウダージときて本作ですね。
主人公は裏金を専門に強奪するチームに属する辻本秀明ことアキ。悪党の上前をはねるこの悪党チームの頭目が30代半ばの柿沢という男、とにかく頭が切れて冷静。渋谷の不良あがりだったアキは本当はちょっと苦手です。しかし彼と、相棒の桃井というもう一人の男から専門知識、格闘技、運転技術、射撃といった各種の能力を徹底的に叩き込まれます。「ワイルドソウル」などもそうですがこの作者が描く主人公はかっこいい男性ばかり。一流のピカレスクロマンが描けていると思います。

このヒートアイランドシリーズと並行して「午前三時のルースター」という作品があります。これも読んでおいたほうがいいでしょう。
というのは本作「ボーダー」で、この作品の人物も登場してくるのです。なにか聞き覚えがある名前だなあ、と思ったらそうでした。

ヒートアイランドは映画にもなりました。主人公がちょっとイメージと違ったのが残念ですが、小説は文句なく面白いです。是非、ご一読を。

実力差(6/8)

楽天0-巨人1、西武4-中日3、ソフトバンク3-阪神3か。
昨日の交流戦はどこも接戦だったんだなと続きを見ると、日本ハム13-横浜3!ロッテ14-ヤクルト2!
極めつけはオリックス21-広島10って。これはラグビー並みのスコアです。しかもニチームで連続10人安打の日本タイ記録が生まれたっていうんですから。

これほどまでの差は一体何なのかと思います。高卒出身の選手を鍛え上げてきたパの各チームで、特に投手が揃ってきたことが要因としている解説が多いですね。
昨年のWBCにおいても主力投手はダルビッシュ、涌井、岩隈、田中、杉内と殆どがパ所属。メジャー組もイチロー、松坂と中心はやはりパになっている。

好投手が揃えば、比例して好打者も育ちます。そんなわけで現在のところ、育成が順調にいっているパが有利な戦いになっているのでしょう。

ただ、こうなった原因は何かと考えてみます。筆者はフリーエージェントや逆指名の実施が影響していると思う。
フリーエージェントや逆指名によって、実入りのいい球団や人気球団、育成のしっかりした球団が選べるようになりました。

これによって人気選手が一斉にセ・リーグかメジャーに移ってしまい、パ・リーグの人材が確実に払底した時期が五年ほど前までありました。
例えば日本シリーズやオールスターといった試合でもなかなかセに勝てなかった。人気も実力も劣り、セ・リーグ、Jリーグ、パ・リーグといった揶揄までされる始末。雌伏の時期を、高卒入団選手を主に育成することでパリーグはしのぎました。

1リーグ10球団の策謀、近鉄のオリックスへの吸収合併などという真っ当な企業活動では考えられない暴挙もありました。
FAも逆指名も未遂に終わった一リーグ制も、いずれも特定勢力の思惑が仄見えます。
自分だけが強ければ、強くあり続ければ手段はなんでもいいんだ。あり余る資金を使ってどこが悪いのか。球界全体の発展なんてそんなのはあとからついてくる。
こうした利己的で乱暴な新自由主義者によって、セはリーグ全体で基礎体力を疎かにしてしまったのではないか。そんなふうに見えます。
その矛盾の極大化が21点をはじめとした連夜の大差のスコアだと思われます。

これだけ実力差がついたのだから交流試合なんて止めてしまえという意見もあるようですが、ファンの立場からは今後も続けていくべきだと思います。むしろ四試合から六試合に戻して欲しいくらい。試合が増えれば投手ローテーションの関係で、勝敗も均衡してくると考えます。
特定組織が突出せず、等価値な12球団で連携して維持発展して欲しいものです。

リング(6/7)

読書していて最も幸せだな、と感じるのは関心領域が広がっていくことだと思います。
それまで全く関心がないことが、自分の知らない間に様々な物語が進んで、現在も進行中であるということが分かるとなんだか損したなと思うこともあります。

百田尚樹の近刊「リング」を読んでみてそんな思いを強くしました。
<引用開始>
1960年代、リングという四角い小さな戦場で、2つの拳だけで世界をつかもうとした若者たちに多くの日本人が熱狂した。
その中心にいた一人のボクサー。
19歳でフライ級王者となり、22歳で「黄金のバンタム」エデル・ジョフレを破って二階級制覇、26歳でフェザー級王座に挑戦し「幻の三階級制覇」で生ける伝説となったファイティング原田―。
時代の高揚感の中で躍動し、命を削ってぶつかり合った原田とライバルたちの激闘を、スピード感と臨場感あふれる筆致で描いた傑作ノンフィクション。
http://bookweb.kinokuniya.jp/htm/4569779352.html
<引用終了>
佐瀬稔や沢木耕太郎といった素晴らしい書き手によって、ボクシングを描いたルポルタージュにはいくつも力作があります。本作も、その中に位置づけられるのではないかと思います。

現在、ボクシングの世界チャンピオンというと総計で60人くらいいるようです。WBA、WBAなど大手四団体がそれぞれチャンピオンを決め、体重別に十七もの階級があります。
しかし1960年代では一団体(WBA)で八階級のみです。つまりプロボクシングのチャンピオンとは世界で当時たったの八人しかいなかったのです。

亀田某のように、日本人と一度も戦わずしてチャンピオンになることができる現在と違い、チャンピオンに挑戦するのも防衛しつづけるのも大変な努力をしないといけません。まず挑戦するためには、上位ランカーと戦っていい成績を上げないといけないし、防衛するのも上位六位までのランカーか、同級一位の選手と一定期間内に試合をしなければいけません。そのあたりの競技のあり方は随分厳しいものであったようです。

作品では、日本人初のチャンピオンであった白井義男から始まって、矢尾板貞雄、主人公といえる原田政彦(ファイティング原田)、海老原博幸、青木勝利、西城正三など錚々たる選手が描かれています。

当時三歳だった筆者も、ファイティング原田のタイトルマッチはぼんやりと覚えています。
当時のテレビ視聴率が50%を越えていたというから如何に熱狂したかがよくわかりますね。
ボクシングには関心がなかったし、特に亀田一家などの品のなさに辟易して遠い存在でしたが、本書を読んでボクシングに対しての考え方をあらためるきっかけが出来ました。

事実は小説より奇なりで、大変面白い。是非ご一読をお勧めします。

依頼(6/6)

今日は父親がpoloで田舎まで行ってくるといい、朝五時に出かけやがりました。田舎は山形の南部で拙宅から350キロ程度あります。
近所の買い物はともかく、もう年だから新幹線で行けばとサジェストしたのですが「今回で長距離のラストランにする」などというので、一時間に一度は必ずPAで休憩をとるようにきつく申し渡しました。

いつもの葛西JCTから高速に入ると、最初の休みが那須塩原SAだというから張り切り過ぎだと叱責。覆面にも捕まったことがあるのでこまめに休憩をとるようにと指導しました。
つい先日車検を通したのですが、三ヶ月近く経ったので空気圧など念のためにチェックして異常なしを確認しました。

そして今朝十時。携帯が震えました。「もう着いた」って。馬鹿野郎!休んでないな!
「早く着きすぎたから駅前で時間潰してる」って間抜けな営業マンみたいなことをいいます。
田舎の身内が倒れ、容態を案じて現地の病院に見舞いに向かったのですが、休日の面会は午後一時からだというわけです。調べてから出ろ!
とりあえず、行きは無事に着いたか。帰りがまた気を揉みそうです。

そんなことをやっていた正午過ぎ、再び携帯が震えました。また、何かやりやがったのか?
表示を見ると、あれ?珍しい男から電話だ。ん?もしかして?嫌な予感がします。
「もしもし・・」。低い声で電話に出ます。

「あ♪poloさん♪ご無沙汰でーす!実は今、近所のロイヤルホストに来ているんですけど、折角なんでもしよかったらいらっしゃいませんか?」

Aというその男は元同僚でした。今は独立して会社を経営しているらしい。

「うーん、ちょっとくらいならいいですよ」しぶしぶ同意しました。
「有難うございます。じゃ、お待ちしてます」と電話は切れました。

おおかた、アレだよな。彼が筆者に会おうという用事は想像がつきます。

店について見渡すと、奥から手を振られました。休日というのにスーツを着込んでニコニコと笑っています。彼の隣には知らない男がこれもまたスーツです。

「どうも、ご無沙汰してます。いやぁー久しぶりですね。ふふ。元気そうじゃないですか!」と快活にアプローチしてくる彼です。

「・・・・いや、まあ、そうでもないよ」とこちらはゲンナリと応じます。

しばらくは近況報告をしあいましたが、やがて居ずまいを正した彼はこう切り出しました。

「poloさん、ご存知かと思いますが七月に参議院選挙があります。poloさんは東京選挙区ですよね。今回は是非○○○○に投票していただけませんでしょうか?宜しくお願いします」。深々と頭を下げてきます。隣の男も見事なシンクロで頭を下げました。

やっぱりな・・。選挙だろうと思った。そんなんでなきゃ連絡してこないもんな。
「まだ、何処に入れるとも決めてないんで確約できませんよ」素っ気無く答えておきました。
「そうでしょうそうでしょう。我々の推している候補はここがいいんです」と延々と自慢が始まりそうになったのでまあまあと遮りました。

「それより、もういい時間ですからランチでも食べませんか?」と水を向けます。
「あ?あぁ、そうですね。すいません。こちらが誘ったわけですから遠慮なく仰って下さい。お好きなものを注文してください」。
奢るくらいは当たり前だよな。腹いせに高いやつを選んでやろうと探しましたが、どれもこれも2000円を越えるものがありません。

「ビール飲みたくないですか?」。これくらいは罰が当たらないだろ。
「え?いや、我々車なんで・・・。poloさんどうぞ」。悪いねえ。

2000円近くまでかさを上げて差し上げました。
その後も、誰それが我々と同じだとか新たに有名人の誰が入信したとか披露してくれました。
聞いているこちらがおかしくなるのでそのたびに話題を他のこと、共通の知り合いの消息などに振り向けていきました。

小エビのカクテルにドミグラスのハンバーグ。ただ飯にありつくことができたのですが、どれもこれも砂を噛むような味がしました。
はいはい、ようくわかりました。絶対に入れてあげませんからね。

蜆をしみじみと見る(6/5)

拙宅の近くに左近川という水路があります。川幅5メートルくらい。
これは荒川放水路(新中川)と旧江戸川をつないでいるもので、以前は一級河川として東京湾に流れ込んでいました。現在は川の機能がなく、上下二層構造で下は生活排水を流す暗渠、上は川の水をそのまま流しています。

数十年前に越してきた当座は、生活排水が流れ込んできて単なるどぶ川にしか見えませんでしたが、度重なる水質改善作業を行い、さらに生活排水を流さないようにしたことで環境が大分蘇ってきました。

そして昨日、買い物のためにそばを歩いていると川面の石の上で大きなくま手を使って水底を浚っている人がいるので「何をしているんですか?」と聞いたら「蜆が取れるんだ」というではありませんか。

蜆がいるの?ああ、そうか。ここは海に近いから川といっても汽水域だから採れるんだな。結構、水が綺麗になってきたということです。
そういえば、以前に野生の白鷺が飛んできたのを見たことがありました。鳥が川辺に来るということは餌があるということですものね。

笊の中を見せてもらったら結構大振りな蜆がぎっしりあります。
「蜆だけでなく、荒川本流では鰻も取れるんだよ」と漁をしていた人は言いました。あんなところで?しかも60センチくらいのが夜中に釣れるという。家で食べるのではなく、料亭に売るのだともいいます。

そういえば、鰻の生態って謎なんですよね。かっては東京湾全体で年間400トンもの水揚げがあったといいます。
現在は激減してますが、川猟師という仕事が東京にも残っているそうです。

いい話を聞いたなとしみじみしながら帰宅しましたが、疑問がここで湧いてきました。
漁業権ってそういえばどうなっているんだ?カイマキ(大きなくま手)を持ったあの人は、もしかしたら密漁者だったんじゃないか?

そのとき写真とっておけばよかったな。後から現場の写真を撮りましたが。

番外地の安堵(6/4)

総理辞任から今日までのマスコミ各社の報道にはお腹一杯になります。
辞めろ辞めろと狂ったように吼え続け、いざ辞任となれば「無責任だ」「国民不在だ」「闇将軍だ」「影響力排除だ」と狂ったように言い募る。
その姿は、「いきなり電話を切るなんて失礼じゃないですか」「貴方のために電話しているんです」「ご自身の言葉に重みがないんですよ」「断るとか断らないとかそんなことは関係ないんです」「これから貴方の家まで伺います」「ここまで説明させといて買わないなんて営業妨害だ」。こういう投資マンションの勧誘と寸分も変わりません。

論理が破綻していようがこちらがどう思おうがお構いなし。暴力と自己利益拡大にのみ狂奔するその姿勢は新自由主義者にも通ずるものです。
特に現場の記者たちの殆どが発するあのエリート臭は鼻持ちならないもの。ありがたい情報を、民草どもにお下げ渡ししてやるといわんがばかり。どこに社会の木鐸はいったのか。

ひとしく足並みを揃えた報道内容は、あの朝鮮中央放送とも重なってくる。だったらフジ+日テレ、TBS+テレ朝で合併でもすればいいと思います。普段は滅多に民放を見ませんが、テレビがついていると目が向くこともある。うんざりしながらチャンネルをザッピングしていると、ひとつだけオアシスがあるじゃありませんか。

おお、テレビ東京だ。各社が一斉に辞任報道の特番をやっている中、「効果には個人差があります」ってなんか怪しげな薬か健康食品PRの番組をやっています。
その脱力をも伴った放送姿勢はかえって新鮮に映ります。しかも辞任会見の放送の同時刻には「スーパーミリオンヘアー」のCMじゃないか!
(これ使ったことがあるが、後悔と大変哀しい思い出が残りました・・・)

現代は多様性が尊重される時代のはずです。
誰もが、横並びの翼賛報道など見たいわけではない。
大衆から個衆へというマーケティングトレンドではないのか?
日経と深い関係にあるテレ東ですが、こういう報道姿勢は好ましく映ります。

あの昭和天皇崩御の翼賛報道下でも、アニメ放送してたものね。
これからも、脱力を伴いながらも楽しませておくれ。

トギオ(6/3)

宝島社「このミステリーがすごい」第八回大賞作の『トギオ』(太郎想史郎著)を読みました。
以前に日記で書いた「さよならドビュッシー」(中山七里著)と大賞を分け合った作品です。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1438119757&owner_id=297101
<引用開始>
第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。選考委員を驚愕させた衝撃の問題作!
「ブレードランナー」の独創的近未来、「AKIRA」の疾走感、「時計じかけのオレンジ」の暴力。21世紀不良少年はもうひとつのTOKIOを漂流する。

捨て子の「白」を拾ったがために、大きく狂いはじめる主人公の人生。家族は村八分に遭い、主人公はクラスメイトから生々しく執拗ないじめを受ける。村を出た主人公は港町に流れ、やがて大都会・東暁(とうぎょう)を目指すことに。生き抜くために悪事に手を染め、殺伐とした東暁で地べたを這いつくばって生きる主人公が唯一気にかけていたのは、村に置いてきた白のことだった――。

(最終選考委員コメント)
「冒頭の一行から尋常でない。異世界SFの傑作」 大森望(翻訳家・評論家)
「数奇な遍歴をたどる運命は21世紀少年たちの未来像かも」 香山二三郎(コラムニスト)
「一言で言って、ものが違う、と感じさせる異彩ぶり」 茶木則雄(書評家)
「本年度『このミステリーの枠を超えてすごい!』大賞はこれ」 吉野仁(書評家)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%82%AE%E3%82%AA-%E5%A4%AA%E6%9C%97%E6%83%B3%E5%8F%B2%E9%83%8E/dp/4796675280
<引用終了>
ペンネームも、太郎(たろう)想史郎(そうしろう)と変な名前ですが、内容も非常に異色です。
意欲的な実験作であるともいえるか。読者を試すというか、読解力と想像力がある程度ないと途中で投げ出してしまうかもしれません。
題名のトギオとは作品に出てくる都市「東暁」(とうぎょう)を指しています。これは、異次元の東京と日本を現しています。

この街と周辺地域の間では通行証がないと行き来できず、街の高台に住んでいる人はハイクラス、高度が下がるとともにそのクラスも下がっていってついには下水近くにブルーテントで暮らしている市民権のない人たちまでいます。街のあちこちには監視カメラが整然と並び、買い物をするのも「オリガミ」と称する一種の情報端末を通じてやるのが普通です。通常の現金取引でも買い物はできますが店が限られているという環境です。便利なのか不便なのかよくわからない状態です。

また、このオリガミは、人の行動や経験などを蓄積する機能もあってそのデータはどうやら国家によって集められています。つまり、人々がおのおのどんな生活をしてどんな信条を持っているかが丸裸にされている、といった状態です。高度情報化を遂げた超格差社会であるらしいのです。

「らしい」というのは、本作では説明や解説に近い文章が一切なく、いきなりオリガミとか「情報洋」(クラウドのようなもの?)などといった未知の名称が出てきますので、類推していくしかないわけです。

アマゾンの書評でも散々なようですが、ゆるい携帯小説みたいなのばかり読んでいる人には読了することが苦行以外の何物でもないでしょう。
多少は文学に素養があると自負し、異世界やSFが好きで、暗喩などに想いをはせる人にはお勧めできます。
たとえばかっての安部公房とか好きな人にはいいのかもしれません。

しかし、ミステリー大賞だからといってミステリーを予想して読むと大変に裏切られますので注意が必要です。
個人的には、不思議な魅力が感じられて最後まで読みきってしまいました。
ミステリーでも謎解きでもない、なんだか悪い夢を見ているような気もしますがそれでも読みきらせる魅力がどこかにあります。

さりとて、是非ご一読を、とは言いづらい作品なんですね。
図書館で借りてお手すきなときに読んでもらうのが適切だと思います。
筆者も図書館で予約してようやく読み終えました。

優越感(6/2)

こういう記事を読むと、この人の本来の性根が透けて見えるようです。
結局、どこまでも人に対して優位に立ちたいだけなんじゃないかって。

楽天・三木谷社長 急に「英語かぶれ」
<引用開始>
日本語で会話はダメ
●日本法人に外国人役員ゼロだが…
 楽天の三木谷浩史社長が、悲願のグローバル展開を強力に推し進めている。26日は、インドネシア最大の複合メディア企業「グローバル・メディアコム」と合弁会社を設立し、現地でネットショッピング事業に乗り出すと発表した。
 楽天はすでに台湾、タイに進出している。今年1月には、中国インターネット検索最大手の「百度」と合弁会社を設立することで合意。近く、米国でも事業を始める予定だ。
 ところが、一連の海外展開に対し、社内ではブーイングが巻き起こっているという。理由は社長の“英語かぶれ”だ。
 今月中旬に行われた決算説明会の席上、三木谷社長は「社内公用語を英語にする」とブチ上げた。「サービス会社が世界で成功した例があまりないのは、英語が話せないから。コミュニケーションを英語にすることで本社を国際化する」と意気込む。三木谷社長は米ハーバード大でMBAを取得しているから、英語力に自信があるのだろう。が、一般の社員にしてみれば、たまったもんじゃない。社員のひとりは、こう打ち明ける。
「毎週月曜の朝8時から、『朝会』といって全社員が集まるミーティングがあるのですが、4月から配布資料がすべて英語になった。チンプンカンプンなので、iPhoneをいじってます。朝会ではまだ日本語が飛び交っていますが、役員会や経営会議は、会話もすべて英語。ウチの日本法人は、外国人の役員がひとりもいないのに、滑稽ですよ。つたない英語を使った会議では効率も悪い。せめて重要な経営戦略については、意思疎通が確実に図れる日本語で、じっくり話し合ってもらいたいですね」
 三木谷社長はノリノリで、ツイッターで英語会議の成果を自慢。英語でつぶやくことも多い。最近は、中国語のレッスンも始めたようだ。26日は「I just finished my 14th Chinese lesson」と投稿していた。
 社員の不安や心配をよそに、楽天は社内掲示やカフェテリアのメニューまで着々と英語化を進めているという。
http://gendai.net/articles/view/syakai/124146
<引用終了>
日産やIBMが英語を公用語にする意味はまだ理解できるところもあります。しかし楽天みたいなドメスティックな事業の組織で実行したところで何が変わるというのだろう?
これやると、言葉の壁によって仕事を失う人がいる一方で結局は、仕事能力が全くないのに英語だけが話せるという人材しか残らないんだよね。いわゆる「英語使い」要員ってやつだ。おべっかばっかり言って上げる情報にバイアスをかける。こうなると会社は絶対に伸びません。断言します。

そりゃあ、ハーバードでMBA取得したような人だ。それなりの資質もあるし、相当な努力だってしたことは認めます。
でも、所与の条件まで含めて全て自分の能力だけで勝ち取ったかのように振舞われれば、それは違うでしょう、といいたくなる。
余裕がある環境だったから勉強や語学取得に専念できたって事実もある筈です。
そこは無邪気に無神経にすっ飛ばしておいて、英語以外は禁止って強要されてもな。そのシンプルな「無邪気さ」には恐怖すら感じてしまいます。

仮に、死ぬ思いで勉強して身につけても、グローバル競争の結果一層のリストラを図るためにやっぱりお辞めいただきませんかとなりはしないか。そういうリスクが変わらなかったとしたら、こっちは間尺に合わないじゃないか。

その同じハーバードでは、マイケル・サンデルの「白熱教室」で、入学試験におけるアファーマティブ・アクション、即ち人種差別ゆえの入学優遇措置について議論が戦わされていました。激烈な入学競争に勝ち残ってきた学生たちからは様々な意見が出ましたが、サンデル教授は「君たちはたまたま入学を許可された人に過ぎず、それも君たちの能力を正確に評価・吟味してその決定にいたったわけではない」と説明します。
ややもすれば功利主義に陥りがちな学生に対し、正義・公平・機会の平等について多面的に考えていく必要を述べていました。これは深いです。
ビジネススクールでは、そういう議論はやらなかったのかな。

そりゃあ、しゃべれるに越したことはない。でも、選択するのと強要されるのでは全く違う。

グローバル競争に勝ち抜くとかいうけど、固有の技術力を持たずに単にM&Aでのし上がった会社が勝てるかねえ。だからこそ英語公用語に踏み切ったという見方もできますが。
従業員には受難の時代が続きますね。

目指せ!ロックギタリスト(6/1)

月曜日のお楽しみが終わってしまいました。NHK教育で夜十時から「チャレンジホビー~目指せ!ロックギタリスト」という番組をやっていました。三月末から放送されていて昨日が最終回の10回目でした。

<引用開始>
これまでの趣味講座とは違い、主人公は講師ではなく生徒。ハッキリとした目標を掲げた生徒が、目標に近づくためのステップを1つ1つこなしていくさまを、先生とのレッスンに加え、個人練習風景なども交えて紹介。最後に目標の達成度を確認するための「発表会」や「テスト」などの舞台を用意し、チャレンジの結果をドキュメント風に描いていく。

 シリーズ第1弾で取り上げるのは「ロック・ギター」。最近「おとなのバンド」ブームが盛り上がってきている。以前かじっていたものの、仕事や子育てなどで音楽から離れてしまった人たちが、40代前後になって再び楽器に触れているのだ。その一人である39歳のお笑いタレント・ますだおかだ増田が今回のチャレンジャーである。若いころ、アコースティックギターに触れて挫折した増田が初めてエレキギターに触れて、「ロックの名曲をライブで披露する」という夢にトライする。
<引用終了>
10回の番組で様々な練習をして、最終的にはCharの「スモーキー」を弾けるまでを目指すという番組でした。
生徒役のますだおかだ増田は、ギターをかじったことがあるが多くの人が挫折しがちなFコードを押さえられずに楽器から遠ざかっています。

この気持ち、よくわかります。
最初のうちはFとかBとかって、親の仇のように高い壁になってしまうんですよね。慣れるしかないわけですが実はこれ、はじめからエレキで練習したほうが早いんです。

普通の人はフォークとかクラシックギターで、Fを押さえようと苦闘しますが、弦も固いしネックは広いし、すごく力が要るように錯覚します。
しかしエレキだったらネックは細く、弦も柔らかいのでわりとスムーズに押さえることができます。エレキで押さえられればコツがわかり、アコースティックでもすぐにできます。

増田英彦は、番組以外で相当練習したんだと見ていてわかりました。勘の良い人のようなので上達は早いでしょうが努力をしたのでしょう。
先生役の野村義男の教え方も上手だったので驚きました。相手の気を逸らせることなく、楽しく話しながら地道な練習を指導していました。見た目と同じで、人柄が良いのでしょうね。

昨日の放送では、無事に卒業ライブも成功しました。習い事はなんでもそうですが毎日続けないとダメだなってあらためて思います。
特に楽器は毎日触ってないと、傷みが早いような気がします。

来週からは、高田延彦がうどん打ちに挑戦するそうです。これも引き続き見ることにします。
http://www.youtube.com/watch?v=qk0SDGMWAQw&feature=channel

身をもって知る(5/31)

彼らに、転げ落ちるという想像は微塵もなかったのでしょうね。

ボンネット・屋根に4人…無免許大学生、1人ひく
<引用開始>
30日午前2時20分頃、岐阜県瑞浪市稲津町小里の私道で、走っていた軽乗用車のボンネットに乗っていた多治見市の男性会社員(19)が転落。

この軽乗用車にひかれ、意識不明の重体となった。多治見署は、無免許で運転していた瑞浪市の男子大学生(18)を、自動車運転過失傷害と道交法違反(無免許)の疑いで逮捕した。

発表によると、軽乗用車には、車内に大学生を含めて3人、屋根とボンネットの上に会社員ら4人が乗っていた。7人は今春同じ高校を卒業した同級生で、いずれも18、19歳の男性。

現場は、卒業した高校の近くで、4人がふざけて屋根やボンネットに乗り、約120メートル走ったところで会社員がボンネットから転落した。軽乗用車は、7人とは別の元同級生の家族の名義だという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100530-OYT1T00388.htm
<引用終了>
幼い、あまりにも幼い。慣性の法則とか習わなかったのか。そもそも何をやりたかったのだろうかと思う。18,9というけど精神年齢は10歳に届かないと見えます。痛い思いをして初めてわかるか。もう遅いが。
他の報道によれば走っていたのは私道で私有地であるといいます。
運転してたやつは無免許だというけど、公道でなく私有地を走っている分には免許云々は関係ないだろうって、そういう屁理屈はきっと持っているんだよな。
そういう場合、教習所内と同じで善良なる管理者の指揮指導の下でという但し書きがつくが、どこかに吹っ飛んでいるわけだ。

轢かれた側も轢いた側も一生引きずっていくことになるのだろう。

しかし屋根やボンネットに大人4人も載せられるとはね。
あらためて日本の自動車の堅牢さを示す事件でもありました。

追悼デニス・ホッパー(5/31)

徹底的な拗ね者。あんな74歳はそうそういないでしょう。

<引用開始>
映画「イージー・ライダー」などで知られる米俳優のデニス・ホッパーさんが29日、前立腺がんによる合併症のためロサンゼルスの自宅で死去した。74歳だった。

 10代でワーナーブラザースと契約して俳優の道に入り、故・ジェームス・ディーンの「理由なき反抗」(55年)、「ジャイアンツ」(56年)などに出演したが、その後、出演作品の監督と衝突。ハリウッドから事実上追放されたホッパーさんの名を世に知らしめたのは、若者たちの放浪の旅を描いた、69年の「―ライダー」だった。

 ピーター・フォンダ、ジャック・ニコルソンらと共演した同作で、ホッパーさんは役者としてだけではなく、監督・脚本も担当。低予算ながら大ヒットを記録し、カンヌ国際映画祭の新人監督賞を受賞した。同時に当時流行した、反体制的な人間の姿を描いた「アメリカン・ニューシネマ」の代表作ともなった。

 一方で、“トラブルメーカー”としても知られた。プライベートでは5度の結婚、離婚を繰り返し、70年代には配給元とのトラブルや麻薬中毒、アルコール依存症で表舞台から遠ざかった。それでも、86年にデヴィッド・リンチ監督の「ブルーベルベット」で復帰。その後は人気を取り戻し、数々の映画に出演した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100531-00000006-sph-ent
<引用終了>
ある漫画の科白に『デニス・ホッパーの出る映画に外れはない』というのがあって妙に気になってました。
彼自身が出ていないが、監督作品である「カラーズ~天使の消えた街」というロサンゼルスのストリートギャングと警官の戦いを描いた作品を見ました。ショーン・ペンとロバート・デュバルが主演のやつ。
映画評はそう芳しいものではなかったが、十分に面白かったです。「外れはない」という一端をわかったような気になりました。
いわゆるハリウッド的な予定調和を考慮しないというのですかね。
「ブルーベルベット」に出てたというが、記憶にない。デビッド・リンチのマニアックな世界に馴染めないこともありますが。そうですか。

ピーター・フォンダのコメント「デニスはポップアートを映画に持ち込んだ人だ。僕らはそれまで、馬が走っていたアメリカのハイウェイの画をガラッと変えたんだ。僕は彼の情熱と友情のおかげでとても恵まれたと思う」。合掌

伝統という名の因習(5/30)

山口組系弘道会組員が、大相撲名古屋場所のいわゆる「砂被り」に日参していた問題で大騒ぎしているけど、どうして騒ぎになるのかがわかりません。

弘道会が指定暴力団だから?弘道会出身で現在収監中の司忍が山口組六代目だからか?
それとも大相撲が国技だから?両者の位置が極北にあるからけしからんというのか?

横綱による一般人暴行、体罰しごきによる弟子死亡、大麻吸引力士の発生、大関の野球賭博関与に今回の砂被り維持員席の不正譲渡。まだまだある、タニマチとの癒着、相撲茶屋の不明朗会計、消えない八百長の噂。暴力団の皆さんとやっていることは変わらないように見えます。
どちらも、前近代的で暴力の匂いを強く発している特定集団ではないですか。

そもそも勧進相撲から発展してきた伝統芸能であり、寺社仏閣などで行なうときに土地土地の有力者の後援を頼んでやってきたわけでしょう。
任侠の徒との関わりも少なからず出てくるわな。彼らは巨大なスポンサーでもあったし、今もそうだとわかったわけです。そういう歴史の積み重ねに目をつぶれというのか。

それとも、現代でそのような関係が許されないというのならば、まず着手すべきは財団法人の資格返上ではないのか。社団法人でもなく財団法人という点で一段と不明朗さが色濃く出ています。法人解散が嫌なら経理内容を全て公開せよ。現状では文科省に対して報告義務があるわけだが、全体に示したらどうなのか。疚しいことがないというならできるはずです。

相撲茶屋というのもおかしい。特定者が独占的に座席を高額で販売するって変じゃないか。観戦だけでいいのにお弁当だお土産だと、必要ないものまでつけて暴利を貪るあの仕組み。もし、見に行きたくなっても十分に萎えさせてくれる魅力的なプライシングです。
都合のいいときだけ公益を強調するのもやめてくれないかしら。

追い詰める(5/29)

戦後の大事件となった菅生事件のドキュメント「消えた警官」(池上遼著)を読みました。面白い内容ではありませんが、十分に読ませました。

<引用開始>
57年前、大分県菅生(すごう)村(現竹田市)で起きた警察官駐在所爆破事件「菅生事件」の真相解明に挑んだジャーナリストたちの執念を描く。事件後に姿を消した1人の人物が囮(おとり)捜査官だったことを暴き出し、警察の謀略を追う当時の新聞、ラジオ、通信社の記者たちの取材合戦の熱気が生々しく伝わってくる。自らも事件記者だった筆者が「国家権力の犯罪」と、それに挑んだ「調査報道」の原点を追ったサスペンス・ノンフィクション。
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2150492
<引用終了>

3月24日の日記でも紹介しましたが、どんな事件だったかをあらためて紹介しましょう。

<引用開始>
菅生事件:
 1952(昭和27)年大分県菅生村で起こった駐在所爆破事件。張り込んでいた約100名の警官が飛ぴ出して「現行犯逮捕」し、3人が事後逮捕された。すなわち、協力者を装った「市木春秋」と名乗る男が、「カンパを渡すから」と夜の12時に党員2人をおびきだし、交番内部に仕掛けた爆弾を爆発させたのである
 共産党員の犯行とされ一審では懲役10年などの判決。
 二審になって「市木」が現職警察官戸高公徳であることがつきとめられた。そして共同通信らの記者の活動によって、その姿を現わさざるを得なり、法廷にでて、上司の命令で「おとり」となって党員を罠にはめたことを証言してはじめて(ようやく)被告たちは無罪となった。最高裁もこの判決を認め、駐在所爆破事件の無罪は確定した。
  なお戸高は、ダイナマイトを運搬したことを認め、検察官は、爆発物取締り罰則違反で起訴したが、裁判所は、戸高は上司の命令で運んだので、これを拒否することを期待できる条件にはなかったと、無罪判決をした。
 その後戸高は昇進して警祝庁に勤務した。
 「市木春秋」が国警の現職警察官・戸高公徳であることをつきとめたのは、熱心にこの事件を追っていた新聞記者たちであった。
 結局この事件は、共産党の壊滅を狙った謀略事件だったこととなる。
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/sugoujiken.htm
<引用終了>
戦争直後の解放からほどなく一転し、アメリカは日本を反共の防波堤とすべく、いわゆるレッドパージを仕掛けます。
これによって戦闘的な性格に変貌した共産党はその一部が地下に潜り、有名な山村工作隊となって全国各地で破壊活動を始めるのです。
菅生事件とは、大分県の山村を舞台にした、国家警察による謀略事件です。しかも警官によって駐在所にダイナマイトを仕掛けて爆発させ、その犯人を共産党の活動家にはめ込もうした極めて悪質な事件です。

ここでは、ドラマの中でだけよく出てくる「囮捜査」が使われます。
現在、日本で囮捜査が合法とされているのは麻薬事犯のみ。麻薬取締捜査官だけがその手法を採ることが認められています。扱う対象から考えて、素人にもなんとなく納得のできるものです。

麻薬取締捜査官は厚生労働省の特別職であります。警官と同じですね。
話をもう少し逸らしますと、日本で銃器の携帯が公認されている職業は四つだけ。警察官・自衛官・麻薬取締捜査官・海上保安官です。国鉄が民営化される直前までは、これに鉄道公安官が加わってました。現在は鉄道警察隊として警察機構に組み入れられてます。

菅生事件は、現役警察官が共産党に潜り込んで破壊活動をするという事件であり、今から60年近く前に行なわれていたとは思えないものです。

敗戦したとはいえ、戦前の雰囲気がまだまだ残っていたあの当時、このような冤罪の犯罪を前に果敢に戦い、消えた警官を追い詰めて真相に迫っていった記者たちがいたことを忘れてはなりません。

著書は言います。「今日、マスメディアが様々な危機に直面している中、ジャーナリズムを活性化させるのは『調査報道』しかない、と私は考えている」「発表報道に慣らされた記者には苦痛かもしれない」と。

こういう報道の対極にあるのが現在の記者クラブへの過度な依存なのでしょう。
公権力には、十分な監視とけん制が働いていないといけない筈です。彼らの「自浄能力」にのみ期待するのは民主主義の自殺行為とも思う。

現在の国家公安委員長の中井洽も「取り調べ可視化法案」導入と引き換えに「囮捜査」と「司法取引」導入のバーターを提案してきてます。
ここは、注意して成り行きを見ていく必要があると思います。

60年近く前の話ですから、関係者は殆ど鬼籍に入っています。驚いたのは、この消えた警官が現在も健在で都内に住んでいるらしいとのことです。事件の後、ノンキャリアでありながら異例の警視長にまで昇進したこの人。職業人生としては十分に栄華を極めたといえるが、本当に幸せであったのかどうか、なんだか聞いてみたい気分です。

是非ご一読を。

人のふり見て3(5/28)

昨日の日記でも書いたことの続きです。不採用を前提とした面接があるというから、そんな面倒なことやるのか?と聞いたら本人から返事が来ました。

“不採用を前提とした面接は、中小ベンチャーで多いですよ。
今回の会社のように、立場によって採用の目的や求める人材に違いがあるためです。
・・・・中略・・・・・この会社の責任者からすれば、私は経験者ですからOJTの負担も少なく、新しい知識が入るので大歓迎だったと思いますが、会社の社歴よりも長い経験者を入れるほど、経営層としては懐が深くはなかった、ということでしょう。・・・・中略・・・・この事例を持って、経営層としては、誰でもいいということではないんだよ、という態度を示したわけです。ある意味、入社前に分かってよかったのかもしれません。経営層の経験値が理解できたので”

うーんとね。やっぱり彼のいう意味がわからないです。

立場によって採用の目的や求む人材に違いがある、って何?
立場が違えば、ものの見方が異なるのは当然のことじゃないか。

しかし、採用がそれらの見方にダイレクトに影響されるようになったらそれは会社でもなんでもないじゃないか。

具体的にはどんな流れになるかというと、まず現場か人事で面談する。
ついで、こういう人材がいますけど、是非引見してくれませんかと役員に具申と紹介をする。役員は事前情報を参考にしながらその人材を見極める。そして、皆の意見と大同小異であることを確認しつつ、採否の決定をくだすのではないの?

筆者が最も引っかかったのは彼の次の言葉でした。
“この事例を持って、経営層としては、誰でもいいということではないんだよ、という態度を示したわけです”

そんな態度を示すために、わざわざ時間を割いて見ず知らずの人間とはじめて面談し、言いたいことをいって恨みを買うようなリスクまで犯したっていうの?
それをやったことで、一体誰がどんな得をするっていうのだろう?
君は、不採用になった恨みを少し履き違えてはいないだろうか?

振り返ってみて、君の言動は当日どうだったのだろうか?
一つの論理的誤謬もなく君の考えを述べ、意欲と熱情も併せて面談者に披瀝したのか?成功裡に面談終了したと言い切れるのか?

kanonさんも昨日おっしゃっていたように、彼の前職が災いしているのかもしれません。
なまじ、人材紹介・派遣会社に在籍したことがアダになってはいないか。
無意識のうちに相手に対して、『プロ』のしたり顔で接し、応酬と交渉を使いこなしたつもりで馬脚を現してはいやしないか?
喩えれば「業界に染まった人間」として、君は判断されてしまってはいないか?

などと考えました。返信メールでそんなことを書くと逆恨みされるからやめておきます。

“出来立ての会社か、社歴の長い会社を探してみます”
メール末尾をそんな言葉で結んでいました。だから、そういうビホウ策では解決しないよ。

反面教師(人のふり見て2)(5/27)

求職相談に乗っている知り合いですがまたまた、不採用を喰らったようです。
今度のは都内の中堅出版社で、そこの教育事業部を受けてのこと。
話を聞く限り、仕事の内容は慣れ親しんだもので、現場の責任者とのリレーションも非常に上手くとれたという。これは、いよいよか。と期待して吉報を待っていましたが、役員面接であえなく不採用になりました。

彼によれば、面談の場に出てきた二人の役員は揃って、不採用を前提とした揚げ足取りのトークを弄してきたのだといいます。
彼は前の会社で執行役員でしたが「役員のくせに仕事を投げ出すというのは無責任じゃないの?」とやられたそうです。
彼によれば、不採用を前提としたそういう面接はよくあるそうで、まさか自分がやられるとは思っていなかったともいう。ほんとかいな?

個人的にも今までそういう面談を受けたことはありません。
(鈍いから気付いてないのかもしれませんが)

不採用前提面接の具体的な方法は、仕事や業績に無関係な人格攻撃などに現れるといいます。「押しが弱い」「やりたいことがわからない」「暗い」とか。しかし、いわゆる「圧迫面接」ってやつでもないのですね。単に暇つぶしでそういうことやるとか。まさかなあ。

しかも不思議なのは、役員面談に入る前に担当者にわざわざ入社意思を確認されているというんですね。すると面談は儀礼的なものではないのか。

だいたい、不採用ならわざわざ面接なんか必要ないではないか。
何かよほど、面談の受け答えで間違えたんじゃないのか?と聞こうと思いました。
だが、危ないので止めておきました。

これは聞き方が難しいし、下手をするとこちらが恨まれる可能性が出てくるからです。
君にあう会社がきっとあるよ、と慰めるのは簡単ですが根本的に対処方法で間違っているところがあるのではないかと勘ぐっています。

何か、プライドが邪魔をして彼のメッセージが伝わってないような気がしてきました。
わが身に振り返って、こういうのは非常に参考になりますけれどもね。

しかし、君が早く決まってくれないとこちらもなんだか動きづらい。
君の内定がわが背中を押してくれる筈なのだから。
その意味で、君はけっして一人じゃないぞ。

置いてけぼりになって、初めてやる気になる俺の身にもなってくれw

白熱教室(5/26)

ハーバード白熱教室を初めて見てしまいました。面白いじゃないか。
もっと早くに、みておけばよかったとすごく後悔しています。まとめて再放送を希望します。
http://www.nhk.or.jp/harvard/archive.html

1000人も受講する人気クラスだというけど、大変な緊張感がありますね。大教室ですが、日本でお馴染みの居眠り学生が一人も見当たりません。
講義というより、ディスカッションでどんどん進んでいくのですが我々だと気後れしてしまいそうな感じですが、学生は誰も臆せずにどんどん挙手をしていきます。誰もかれも話したくて話したくてしょうがないと嬉しそうな顔をしています。

He saidではなく、あくまで I thinkと主張していく。それを受け入れる教員にはそれなりの力量が要求されるのに。難なくこなしていきます。
教員も学生も共に学んでいく。こういう関係っていいですね。

利得判断(5/25)

昨日のサッカー親善試合。押されてる一方だったな。サッカーを詳しくわかっているわけではありませんが素人目にそうとれました。
センターバックが一人変わるだけで指揮系統が失われたかのように見えました。

それにしても朴智星の動きはキレがありました。韓国の東亜日報とか聯合ニュースを読みに行ったら『智星を日本にください』とサポーターに懇願されたなんてニュースまでありました。
彼は日本語も流暢だから、生活には困らないんでしょうけど、それはやっぱりまずいよね。
そういえばJリーグに来る韓国選手、ノ・ジュンユンに始まってホン・ミョンボ、キム・ドフン、チェ・ヨンスに朴智星等など。
短期間で皆日本語が上手くなりますね。同じ膠着語に属するから、英語なんかより簡単なのかもしれないが、逆パターンが成り立つかというと自信がありません。
韓国選手は、ストレスとかプレッシャーの扱いに長けているのかもしれません。昨日の試合でもそんなふうに感じました。

さて、同じ韓国の哨戒艦の沈没事件。国連事務総長まで発言して大騒動になっています。
沈没は北朝鮮による攻撃の結果である、とされていますが個人的にはこの説明にとても解せない印象を持ちます。
魚雷の残骸やら手書きの数字やら見せられても、ほんとかねって。
仮に北がやったとしよう。でも、何のためにやったのかと思うんです。
後継とされる三男の金正雲への忠誠をあらわす示威行為として、一部のはねっかえりがやったんだとまことしやかに吹聴する人がいます。
やるかな?アメリカと国交正常化交渉を急いでいた筈なのにやるかな。
理解できないことをやるのが北朝鮮という国だ、という説明も多いですがね。浅い海域で魚雷を発射するか。ついには、人間魚雷だったんじゃないかって話まで飛び出てきてます。

韓国軍が何か事故を起こして隠蔽するために北がやったということにしたんじゃないか?
そういう下衆の勘ぐりをしております。亡くなった人が46名。殆どが若い兵隊で、中には高卒で徴兵されてすぐ乗艦した人もいたそうです。折からの悪天候で救助しようとした魚船の人も三名ほど亡くなっている。

ところが、この哨戒艦に乗船していた将校クラスの人は全員が助かっている。これは偶然なのかね。それとも弾除けに兵士を利用しているってことなのか。軍機をたてに韓国軍が情報公開しないから疑念が膨らんでいます。

韓国では六月二日には地方選挙があります。これに利用するつもりか?

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