« 2011年2月 | トップページ | 2011年4月 »

切り取れ、あの祈る手を(3/30)

佐々木中(あたる)の「切り取れ、あの祈る手を」を読了しました。
マイミクの方の日記で絶賛されてましたので、便乗した次第です。
佐々木中は、今売り出し中の気鋭の哲学者。その聞き書き?を五回に分けて文章に起こして本にしています。哲学書では異例の三万部以上の売上があるそうで。版元の河出書房は特需だったのかしら?

<引用開始>
取りて読め。筆を執れ。そして革命は起こった。思想界を震撼させた大著『夜戦と永遠』から二年。
閉塞する思想状況の天窓を開け放つ、俊傑・佐々木中が、
情報と暴力に溺れる世界を遙か踏破し、あまたの終焉と屈従とを粉砕する、限りなき「告知」の書、登場。
白熱の五夜一〇時間。

〈目次〉
「文学の勝利」
「ルター、文学者ゆえに革命家」
「読め、母なる文盲の孤児よ ― ムハンマドとハディージャの革命」
「われわれには見える ― 中世解釈者革命を超えて」
「そして三八〇万年の永遠」

内容(「BOOK」データベースより)
思想界を震撼させた大著『夜戦と永遠』から二年。閉塞する思想状況の天窓を開け放つ、俊傑・佐々木中が、情報と暴力に溺れる世界を遙か踏破する。白熱の語り下ろし五夜一〇時間インタヴュー。文学、藝術、革命を貫いて鳴り響く「戦いの轟き」とは何か。
http://www.amazon.co.jp/%E5%88%87%E3%82%8A%E3%81%A8%E3%82%8C%E3%80%81%E3%81%82%E3%81%AE%E7%A5%88%E3%82%8B%E6%89%8B%E3%82%92-%E3%80%88%E6%9C%AC%E3%80%89%E3%81%A8%E3%80%88%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%80%89%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E4%BA%94%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%A4%9C%E8%A9%B1-%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8-%E4%B8%AD/dp/4309245293
<引用終了>
読了した、と書きましたが、実際には「字面を追った」のが正しいです。難解。著者の語りらしきものをそのまま文章にしているので、熱気は十分に伝わってくる半面、文章のテンポに時々戸惑うとこもありました。
さらに、扱っている内容が非常に広い。カトリック、プロテスタント、イスラム、ムハンマド、ジブリール、ルターからラカン、ドゥルーズ、ガタリ等。予備知識がないと理解するのに難しい箇所もしばしば出てきます。
それでも迫力がある。それもこちらが居ずまいを正さざるをえないような力が文章から伝わってきます。わからないまでも『先を読め』『最後まで読め』というメッセージがひしひしと伝わってきます。

個人的な印象を書かせていただきますと、一章に驚き、二章に唸り、三章に感心し、四章で呻き、五章で得心する、そんな感じです。
最初は解釈が難しくとも、最終章で何となく理解できたかもしれないと感じさせます。
長い交響曲を聴いてきて最終楽章で腑に落ちるといいますかね。

私見では、文科系とりわけ大学の文学部出身者は必読の内容かなと思う。
文章を読み、読みかえ、書いて、書き換える。そんな習慣がある人は特にお勧め。
少なくとも、私はこれを読んでものすごく勇気付けられました。
心当たりある方はご一読をお勧めします。人生が変わる。

統ばる島(3/29)

池上永一の「統(す)ばる島」を読了しました。あの『テンペスト』の作者の近刊です。
<引用開始>
すばる【統ばる】(動)集まって一つになる(大辞泉より)

空に星座があるように。
人と人、人と島、島と島、すべては繋がってこそ輝きを増す。

祭の島、竹富島では、女は踊り、男は狂言を舞う。
最南端の波照間島では、さらに南にあるという、伝説の楽園を目指す娘がいた――
沖縄・八重山諸島の八つの島々を舞台に紡がれる物語は、島ごとに異なる色を見せ、最後には鮮やかに織り上げられる。
豊穣な物語の祝福がここに。
http://www.amazon.co.jp/%E7%B5%B1%E3%81%B0%E3%82%8B%E5%B3%B6-%E6%B1%A0%E4%B8%8A%E6%B0%B8%E4%B8%80/dp/4591123928
<引用終了>
沖縄県には、二つの文化圏があると考えています。ひとつは、本島及びその周辺諸島。もうひとつはこの作品の舞台である八重山群島です。
主な島は八つ。石垣島・西表島・小浜島・竹富島・黒島・新城島・波照間島・与那国島。
それぞれに異なる個性があります。石垣と竹富には三年前に行ったことがありますが、そのときのことを思い出してしまった。最初に訪れて感じるのは人が親切であること。それもよくある観光地ずれしたものでなく、心からのホスピタリティであることが感得されました。
物語は、神話と伝説と生活とが渾然一体となった八つのエピソードから成っています。

こんな時期に読んだせいもあるけど、なんだか移住したくなってしまうぞ。
『テンペスト』同様、ご一読をお勧めします。

逃げ切り(3/28)

亡くなった人を悪く言いたくないが、報に触れて真っ先に頭に浮かんだのが「逃げ切り」。

訃報 氏家斉一郎さん84歳=日本テレビ会長
<引用開始>
日本テレビ会長で、元日本民間放送連盟(民放連)会長の氏家斉一郎(うじいえ・せいいちろう)さんが28日、多臓器不全のため死去した。84歳。葬儀は近親者で行い、後日お別れの会を開く予定。

東京都出身。東京大経済学部卒業後、51年に読売新聞社に入社。80年に同社常務、82年に日テレ副社長に転じた。92年に社長に就任。94~03年の10年間、三つの時間帯で年間視聴率が首位となる「三冠王」を達成した。

96~03年、民放連会長を務め、第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の設立に尽力するなど、放送業界で強いリーダーシップを発揮した。

日テレ会長兼最高経営責任者(CEO)だった03年に発覚した視聴率操作問題の責任を取ってCEOを辞任したものの、会長にはとどまった。05年に取締役会議長となったが、09年会長に復帰した。

警察刷新会議座長、東京都現代美術館館長などを務めたほか、10年には旭日大綬章を受章している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110328-00000016-maip-soci
<引用終了>
完全地デジ化も、震災や原発の顛末も知ることなく逝かれましたか。ご心配なく、三つともどうせ、ろくなことにはなりはしませんから。
筆者が驚いたのは、その重責ぶり。無くなるまで代表権を持った会長だったとは思わなかった。てっきり名誉会長などの『上がり』の役職だと認識してました。かまどの灰までも自分のもの、とでもいうべき妄執によるものか。
その権勢欲はすごい。最も、彼の盟友なる方もいまだに『主筆』なる肩書きを手放そうともしないから、あの手合いに特有な病気かなんかかな。

しかし、従業員はたまらんだろう。80歳を過ぎた人間に高度な経営判断ができるものかどうか。常識的に考えてその可能性は小さい。その年頃だとまず僻みっぽくなるし人の悪口ばっかりいうようになる。よいブレーンでもいなければ公正な判断は望めまい。
尤も、テレビ局なんて許認可事業だから誰でもある程度経営ができるのか?
お友達の科白で、開幕延期を『俗事だ』などと明快に割り切れるその頭脳は切れる、というより切れてるのではないかね。あるいは、震災を『天罰だ』『我欲を洗い流すいい機会だ』と新しい価値を提供したつもりの齢80を目前とした首長も同じ眷属か。
みんなそろって頭、涌いてるんじゃないか。
経営って点で言えばテレビ局首脳の能力は一般企業よりかなり劣るのかもな。横浜ベイスターズに対する拙劣な意思決定を見ていると証明ができる。
本当の競争になんて、絶対に勝てないだろうと確信します。

オルタナティブ・プラン2(3/27)

そうだ。その手があったんだよ。電力不足には。

住金、鹿島の火力発電再開…全量を東電に供給へ
<引用開始>
住友金属工業は26日、鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)内にある火力発電所の稼働を再開したと発表した。

 発電した電力の全量(出力47万5000キロ・ワット)を東京電力に供給する。発電規模は茨城県内の家庭用電力需要をまかなえる規模に相当する。

 住金は11日の東日本巨大地震の発生後に発電所の稼働を止めた。設備の一部が損傷したが、25日夕に発電を再開し、26日未明にフル稼働を回復した。

 また、同製鉄所では、炉内への送風を止めて休止していた第1高炉も26日午前9時過ぎに送風を再開し、第3高炉とあわせて高炉2基ともに稼働を再開した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110326-00000830-yom-bus_all
<引用終了>
この発電所知っている。住友金属鹿島製鉄所には、一時期定期的に通っていました。
複線型人事制度が定着して一段落してきた時期に、事務系従業員の業務目標と人事制度との見直し作業を進めました。月に二回、「あやめ」に乗っていった。
周辺の知識もどたばたと頭に叩き込んだ。たとえば楠田丘に滝沢算織とか。当時、一世を風靡した職能型等級制度や複線型人事制度、賃金改革の論者。沢山読んだ。結局は成果主義の咆哮を前に沈黙しやがった。今にして思うと、これはこれで罪深い存在です。どれだけ人事スタッフを悩ませたか。

それはともかく、鹿島の場合は鹿島共同火力という会社がこの発電所の主体ですね。住金と東電と地域の各社の出資で出来た会社です。溶鉱炉で石炭とか燃やすから、その余熱やら発生したガスを使って電気タービンを回して発電するという仕組みですね。http://www.tgn.or.jp/ksk/
住金の仕事をやっているうちに周囲の会社にも話が伝わっていろいろお仕事をいただきました。鹿島共同火力もそのひとつ。皆さん、いい人たちばかりで楽しく仕事できました。

製鉄所は、大きなガスを産み出すので殆どのところで発電所を設けています。東京湾なら旧川鉄の千葉製鉄所、扇島の京浜製鉄所、君津の新日鉄にもある。同じ住金なら和歌山にもこの種の発電所はあります。そうだよ、これら発電所の供給をあてにするというのは、オルタナティブ・プランとして実にspot onです。

オルタナティブ・プラン(3/26)

3/11以降、オルタナティブ・プラン、つまり代替策を実行中です。ラジオについてはサイマルシステムである「Radiko」を聞いています。http://radiko.jp/

これは便利。AMもFMも聞けるし、今は東名阪の民間ラジオ局を聴取することができます。
これで初めて「ありがとう浜村純です」とか道上洋三とか聞くことができました。自分にはあまり面白くなかった。中京圏には「ぎふチャン」なんてあるんですね。
関東以外の人も「大沢悠里のゆうゆうワイド」とか聞けてるのかしら。毒蝮三太夫の『ババァ』とか聞いて驚いているのだろうか。個人的には俳優石井伊吉=ウルトラマンのアラシ隊員という印象が強い。しかも地元の大先輩でもある。ラジオの公録で何回か見たけど感じのよい人だった。

で、Rajikoはストリーミングなので聞くだけでなく録音もできます。フリーソフトがいくつも出ていて、長年エアチェックしているFM番組も今ではこれで録音している。最初はカセット、それからMD。そしてストリーミングをDLと変化してきています。物理的な場所をとらない分、現状は理想的だといえます。

ところが、震災後に状況は一変しました。ストリーミングのDLは予約録音ができる。つまり、Radikoのサーバにアクセスしていくわけだけどこれが動かなくなった。震災による利用拡大とサーバ負荷低減のためかRadikoへのアクセスが制限されるようになったのです。
いくつかフリーソフトのサイトを訪ねて、解決のヒントを探ったけど現在は非常時対応とのこと。つまり、ストリーミングでの予約録音ができなくなりました。もう少し落ち着いてきたら新たな解決手段が浮上するらしいので、それまでの間は代替手段で録音せざるをえません。

またステレオでMD録音に戻るのも業腹だしなぁ。どうしようかと探していたら、パソコンの発する音をそのまま録音できるソフトを発見。勿論ライン録りもできるし、予約もできるではないですか。Radikoを起動、選局しておいてこのソフトで予約することにしました。パソコンの音を録るわけですから、Beep音や立ち上がりのジングル音なども拾ってしまう。でもそれをミュートする機能も持っている。テストしてみました。まあまあいけそうです。

というわけで日曜のエアチェック時には、しばらくこのやり方でいきます。
ピンチはチャンス。創意工夫が発揮される。如何にして不便を生じさせないか、または逓減させていくか、高い壁を前にして孤独な挑戦は続いていくのです。

熱帯夜(3/25)

ふと目に留まったので曽根圭介の「熱帯夜」を読了しました。うん、これは拾いものです。

<引用開始>
猛署日が続く8月の夜、ボクたちは凶悪なヤクザ2人に監禁されている。友人の藤堂は、妻の美鈴とボクを人質にして金策に走った。2時間後のタイムリミットまでに藤堂は戻ってくるのか?ボクは愛する美鈴を守れるのか!?スリリングな展開、そして全読者の予想を覆す衝撃のラスト。新鋭の才気がほとばしる、ミステリとホラーが融合した奇跡の傑作。日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作を含む3篇を収録。
http://www.amazon.co.jp/%E7%86%B1%E5%B8%AF%E5%A4%9C-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%83%BC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9B%BD%E6%A0%B9-%E5%9C%AD%E4%BB%8B/dp/4043873026
<引用終了>
角川ホラー文庫に入っているのですが、表題作「熱帯夜」と「あげくの果て」はホラーとは言い難い。三番目の「最後の言い訳」がホラーかな。
これは作者の幅広い守備範囲によるものであって、肯定的に評価したいです。
なんといったって「沈底魚」で乱歩賞、「鼻」でホラー小説短編賞、本作で推理作家協会賞を受賞している俊才です。
個人的にはホラーは本当は苦手。でも、話の構成が非常に緻密で優れている。何重にも張り巡らされた仕掛けと、そこかしこに見えるギャグ。あっといわせるようなオチもある。それも爽やかな予定調和でもなく、底意地の悪い意外性があります。
「熱帯夜」は短編ミステリー、あげくの果ては暗い近未来を描いたいわゆる『ディストピア』もの。「最後の言い訳」は、ゾンビものです。ゾンビを蘇生者と呼んで、この連中が普通に生活し始める。やがて人間を襲いだす。
この蘇生者、どんどん日本社会で増えていってとうとう生者より増えていく。それは社会問題にもなり、生命保険が払えなくなるなんてギャグも出てきます。「死亡していないから保険金は払えない」「亡くなったので個人年金は払えない」と矛盾する方針を発表する保険会社も出る始末。その外資系の保険会社の名前が「アコギ・ジャパン」だってさ。爆笑しました。

ゾンビに齧られたものも感染してゾンビ化してしまうといいますね。ここでは、ハンバーグなどの加工肉の一部に感染した人肉を「安いから」と混入してしまう食肉加工会社も出てきます。そう、例のミートホープを彷彿とさせる話が含まれてます。

老人虐待とか格差社会とか、偽装などの一連のモラルハザードといった社会におけるネガティブな要素をこれでもかとちりばめて作中に展開しています。大変興味深く、ときには笑いながらも読みました。本当に悪い冗談だなと、感心です。

これは面白い。ご一読をお勧めします。

一瞬、水やら野菜のことやらを忘れさせてくれた。こちらは悪い冗談ではないぞ。

六分の一(3/24)

浄水場は予想通り、他所でもヨウ素が検出されだしています。野菜にあり原乳にあり、だからそうなるだろうとは思ってました。
今朝のヨーカドーに行ったら予想通り水類は皆無。昨夕から今朝にかけて不安に苛まれし人が買っていった模様。僅かに残ったスポーツドリンクもお一人様一本となっていますが、箱だしして陳列されるそばから手が伸びて無くなっていきます。品物の山を作ろうとして果たせず、積めども積めども崩される。まるでシジュポスの神話のようです。

ヨウ素は日本人は摂取が多いですから殆どの放射性ヨウ素は排出される。野菜についても半減期が一週間程度だから、一ヶ月も冷暗所に保存しておけば無毒化。なんて理屈ではよくわかっていますが、思いつめたような目をしている奥様方には通じそうもありません。そろそろ次は水産物が登場してくるのでしょう。鮟鱇とかソイとか、茨城沖でも美味しい魚があるんだけど。

さて、プロ野球。六分の一の立場を常に踏み倒して、残り五つの意見を圧殺し、あまつさえもう一方の六つも制覇しようという動きがあります。
その増長ぶりには今更発見もありません。しかし、どうしてあそこまで倨傲になれるのか。
そのヒントになりそうな本を見かけました。「原発・正力・CIA 機密文書で読む昭和裏面史」(有馬哲夫著)。『大正力』こと正力松太郎は、日本における原発推進の筆頭でした。1950年の第五福竜丸事件によって、沸騰しかけた日本の反原子力世論をたくみに誘導し、懐柔して安全神話を刷り込んだ人物ですね。親米にして記者クラブの旗振りを果たした人でもある。
戦後エスタブリッシュメントの骨格がこのとき作られたといってもよいでしょう。
停電を起こしてもプロ野球興行を開催しようとする、安全が担保されなくとも原発神話を徹底的に刷り込む。この両方で中心的な役割を果してきている読売グループ。なんだかなあ。
未読なので、近いうちにしっかり読んでおきます。

サイコパス&レヴォリューション0(3/23)

柴田哲孝の新刊「サイコパス」(徳間書店)を読了しました。
<引用開始>
新宿歌舞伎町で白人女性の連続殺人事件が発生した。
公園に投げ込まれた頭部と手足。
空き店舗にオブジェのように飾られた体。
どの死体からも、顔の皮膚が剥ぎ取られていた。
現代の日本に甦る切り裂きジャックの亡霊。
元FBI捜査官のエミコ・クルーニルと西新宿署の城島秀明は、次第に事件の中枢に巻き込まれていく。
http://www.tokuma.jp/book/bungei/30b530a430b330b9
<引用終了>
柴田作品には数少ないシリーズもの。前作「悪魔は天使の胸の中に」で登場する元FBI捜査官のエミコ・クルーニルが主人公です。非常に優秀なプロファイラーで魅力的な女性に描かれているのですが若干多情な気もあり、周辺の人物とすぐ親密な関係になってしまう。男性としてはある意味では理想的かもな。しかし、その相手というのが男としては格好いい、というより我々『こっち側』の人間としては鼻持ちならない気障なやつだったりします。傍にいたら、速攻で内股か足払いでもかけたいタイプだな。同性からとことん嫌われる男っていますよね。女でもいるけど。山路徹とかそんな感じです。
本作には複数人サイコパスと目される人物たちが出てきますが彼らもそんな類型でして、読んでいてムカムカしてきます。
でも、物語は面白かった。ジャック・ザ・リッパーことウォルター・シッカートの伝説を横軸に、新宿歌舞伎町で連続する女性不審死事件の容疑者としてあるサイコパスが捜査線上に浮かび、やがて凄惨な有様が説き明かされていきます。
柴田哲孝は「下山事件」という最高傑作があります。これ以外の「DANCER」「KAPPA」「RYU」「TENGU」なども大変にスリリングで面白い。外れらしい外れがない。そのため、新作が出れば無条件で読むことにしています。
今回も外れなし。ご一読をお勧めします。

金城一紀の新作「レヴォリューション0」も読了しました。
<引用開始>
これから話そうと思っているのは、僕と仲間たちの生まれて初めての冒険譚だ――。ザ・ゾンビーズ結成前夜。すべてはここから始まった!
http://www.kadokawa.co.jp/revolution/
<引用終了>
金城一紀をどう評価しておけばいいのか?単なる青春小説の書き手では決してあるまい。
描かれる主人公たちは一見軽薄そうでありながら、大抵は重い鬱屈を抱えています。でも、それと真摯に向き合うだけということでなく適当に息抜きし、悪いこともやりながら、時々抱えたものの重さを感じるという生活を送っています。
彼らの誰もが「大人は分かってくれない」的な絶望から非行に走る、本当は寂しがりやな不良少年というよくあるパターンではない。
個々が自立し、社会にいる本当の敵と味方を見分ける眼を持っています。
テレビドラマになりそうで決してそうはならない個性を持っています。
一般的には、いわゆる底辺高校に通う落ちこぼれというカテゴライズをされるのだろうけど、各人がとても魅力的です。
かって我々が持っていたかもしれない青春の躍動を感じさせる。いや、今でも奥底には残ってるのかもしれない、そんなことを気付かされました。

以下の印象的な文章で物語りは終了します。

目を見張れ。
耳をすませ。
感覚を研ぎ澄ませろ。
そして、準備を怠るな。
驚異的なダッシュを見つけるために、身軽になれ。
誰かが勝手に決めた偏差値。
あいつらに植え付けられた劣等感。
ありきたりな常識。
過去のちっぽけな栄光。
ありふれた未来を約束する保険。
全てを捨て去れ。
リセットボタンを押し続けろ。
何度でも、ゼロに、戻れ。

米倉の口が、開いた。
言葉が、全身に突き刺さる。
いま、引き金が引かれる。
僕たちの革命が始まる。

「君たち、世界を変えてみたくないか?」

ご一読をお勧めします。

純平、考え直せ(3/22)

奥田英朗の新刊「純平、考え直せ」(光文社刊)を読了しました。
<引用開始>
坂本純平、21歳。
新宿・歌舞伎町のチンピラにして人気者。
心酔する気風のいい兄貴分の命令は何でも聞くし、しゃべり方の真似もする。
女は苦手だが、困っている人はほうっておけない。
そんな純平が組長から受けた指令、それは鉄砲玉(暗殺)。
決行までの三日間、純平は自由時間を与えられ、羽を伸ばし、様々な人びとと出会う。
その間、ふらちなことに、ネット掲示版では純平ネタで盛り上がる連中が…。
約一年半ぶりの滑稽で哀しい最新作。

坂本純平。21歳。現在、歌舞伎町でちんぴらやってます。男気溢れる憧れの兄貴のためなら、なんでもします。女は苦手で、街のホステス、キャバ嬢たちからいいようにからかわれてますが、困ってる人を見るとほうってはおけません──。そんな彼が組長から受けた指令は「邪魔な組の幹部を殺して、男にならねえか。標的? 一度見れば分かる」。決行までの3日間、純平は金と自由時間を与えられ、羽根を伸ばす。さまざまな人と出会い、語り合い、行動を共にする。そして貧乏でグレた少年時代を経て、そのまま住み込みやくざになった日々には味わえなかった「普通の人たちの楽しみ」を経験する。──どうする、純平、命令どおり決行するのか? ベストセラー作家奥田英朗が放つ、悲哀と爆笑のちんぴらストーリー
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4334927416.html
<引用終了>
久しぶりの奥田作品ということで楽しみにしてました。
奥田には、多彩な作品群がありますがこれは「邪魔」「最悪」「無理」に近い世界観を持ちながら「東京物語」「ララピポ」のような青春小説の形態を持っていると思いました。

主人公に少なからぬ影響を与える西尾老人の科白が耳に痛い。
『若者が死を恐れないのは、人生を知らないからである。知らないのは、ないのと同じだから、惜しいとも思わない。わが子を抱いた感動も、大業を成しえたよろこびも、肉親を看取った悲しみも、旧友と語り明かした温かみも、ろくな経験がないから、今燃え尽きてもいいなどと平気で言う。まったく若者はおめでたい生き物だ。おまけにやっかいなのは、渦中にいる者はその価値がわからないということだ。健康の価値は病気にならないとわからないのと同様、若さの価値は歳をとらないとわからない。まこと神様は意地が悪い』。

若いとはすなわち無知。自らが持つ狭い世界観でなら何でも叶うような気持ちになれる。しかし、一旦井戸の外を覗く経験を持つと彼らはどうなるか?
そんなことを訴えているようにもとれました。

物語の結末は大方の予想通り。コミカルさもありながらベースには一貫してペーソスが漂います。
筆者には金子正次の「チンピラ」「獅子王たちの夏」が思い出されました。
川島透によって映画化された「チ・ン・ピ・ラ」は洒落たエンディングでしたが、原作のほうは苦い終わり方をするのですね。

さすがは直木賞に本屋大賞をとる作家です。ご一読をお勧めします。

ダークゾーン(3/21)

貴志祐介の新刊「ダークゾーン」(祥伝社刊)を読了しました。

<引用開始>
神の仕掛けか、悪魔の所業か。
地獄のバトルが今、始まる!
戦え。戦い続けろ。
各賞撃破!
1997年日本ホラー小説大賞、2005年日本推理作家協会賞長編賞
2008年日本SF大賞、2010年第1回山田風太朗賞
エンターテインメント界の鬼才が贈る最新長編!

「覚えてないの? ここ、端島(はしま)じゃない」
その名前に触発されて、いくつかの情景が意識に現れようとした。しかし、その映像はぐにゃりと歪(ゆが)み、闇の中に溶け去ってしまう。まるで、この島に関する記憶は、絶対に思い出してはいけない禁忌(きんき)であるかのように。
「そうか……そうだった。
俺も、たしかに、ここへ来たことがある」
長崎(ながさき)市の沖合にある、遺棄(いき)された海底炭坑の島――端島。コンクリートの護岸に囲まれて、建物が密集した独特の外観から、軍艦島(ぐんかんじま)という通称で知られている。だが、何のために、こんな島へ来たのかは、思い出せない。まして、なぜ、ここで戦わされているのかは、見当もつかなかった。(本文より)
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396633585&jcode=
<引用終了>
「悪の教典」に続く新作ということでどんな内容だろうと期待して読み始めました。
で、読み始めてすぐに「悪の教典」のことは忘れようと思いました。どことも知れぬ薄暗い島に、赤い光を湛えた異形の18人(体)が登場するところから物語りは始まります。
彼らが、同じような異形で青い光を湛えた18体と戦うという話。で、これが単なる空想だとかゲームとかの話ではなく、合間合間に「断章」という形で現実らしきものが浮かんでは消えていく、とそういう話になるわけです。
そういう一見荒唐無稽な設定が好きでなかったり、「悪の教典」ではまったりした人は過大な期待をすべき作品ではないと思います。

ただ、異形のものが戦ったり、どこかでゲーム形式だったりする内容は同じ貴志の「クリムゾンの迷宮」でもお馴染みであるし、主人公塚田裕史とその恋人井口理紗のエピソードは「青の炎」も思い出させます。
貴志作品特有な人間の邪悪さなども時々描かれていまして、いつもの感じだなあと読みながら思いました。
こういう世界の描き方もそれはそれでいいかな、と。決して夢落ちではありません。
ご一読をお勧めします。

そのときテレビは何を映したか(3/20)

東北地方太平洋沖地震発生時の全テレビ局同時マルチ映像
なんだかんだでもNHKなのか。テレ東が一番遅いけども東京ローカルだし、仕方ないかな。いち早く通常放送に戻っているけど、番外地として割り切って独自の道を行ってるしあまり責める気持ちにもなりません。
何度も言ってるけど、4・6・8・10は輪番制で放送すればいいじゃないか。報道内容もスタンスにも何らの差異がないのだから。

それとCM。38歳で子宮頸がんに罹患したことはいい加減によくわかりましたよ。そろそろそれ以外のことも吐露してください。前の旦那さんを略奪したときのこととか自身の再婚とか。或いは先ごろ華燭の典を挙げられたご子息の二丁目話でもいいですから。目先を変えてみましょうよ。<externalvideo src="YT:eOrAwvJLKxo">

ROI(3/19)

ニューヨークタイムズが、地震で被災した地域の震災前と後の航空写真を紹介しています。
写真にカーソルを入れると中ほどでスケールと目盛りが出てきます。これを動かすと同じ場所での震災前後が分かるというもの。言葉にとても尽くせない。
http://www.nytimes.com/interactive/2011/03/13/world/asia/satellite-photos-japan-before-and-after-tsunami.html?src=tptw
問題なのは、何故日本のメディアから出てこないのかということ。防護服の作業員や周辺住民の線量を計測する検査員の姿も初めて目にしたのはNYタイムズかロイターでした。日本メディアは比較的安全な場所にしか居ないのだろうか。民放のレポートを見ると出張気分でカメラを回しているのがミエミエです。危険手当みたいなのもはずんでいるのかもしれない。
と同時に思いつくのです。東電に対する大きな気兼ねがあるのだと。テレビ局にしてみれば優良大スポンサーだから、原発の問題を正面きって論じることが憚られる。週刊誌などの雑誌も表2表3近辺で、電力会社のタイアップ広告が結構ありました。原発の安全性とかエコがどうだとか、著名人と対談の形などで広告があります。広告収入が激減して経営が逼迫している雑誌もこの巨大スポンサーには逆らいにくい。クリーンで安全、CO2も出さないという表向きの啓蒙普及は進む。
かくして東電はROI(投資に対する回収)を高めているのだな。
まだまだ、山のように言いたいことがあるがこのあたりにしておきます。

地震酔い(3/18)

大地震から一週間。地震酔いに悩まされています。椅子に座っていても、横になっていても体が常にグラグラ揺れている気持ち悪い感覚が続いてます。

揺れた!と思って電灯の紐をみてもピクリとも動いていない。また揺れた!動いてないの繰り返し。ところが、頻発する余震によって本当に揺れている場合もあるので大変ややこしい。

一番揺れを錯覚するのはトイレ。腰掛けたときにものすごく揺れているように思い込んでしまいます。自分が揺れているだけなのだが思わず壁に凭れてしまいます。しばらく続くんだろうなあ。なんとか治したいものです。

炉心が溶融とか水蒸気が出たとか中性子、セシウムが検出されたとか喧しい。
でも、この場を離れませんから。絶対に東京からは出て行きませんからね。

液状化(3/17)

拙宅のある地域は輪番停電の対象からずっと外れています。周辺区部であるのにどうしてだろうと訝っていましたが、どうやら都心送電の関係でそうなっているようです。
つまり千代田・中央・港区に電力供給する中継地としての機能が持たされており、ここを停電させるということは首都機能を停電させることになるのだというわけです。
五年前に旧江戸川で上流に向かうクレーン船が高圧線を切っちゃったことがありました。大騒ぎになったことを思い出したりもします。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=197429487&owner_id=297101

停電で不便になっている周辺の区や市には申し訳ないような気持ちがしてます。特に川を挟んだ浦安市は大変なことになっていました。

東京からもっとも近い被災地・浦安
<引用開始>
今回の東日本大震災で大きな被害を受けたのは、岩手県、宮城県、福島県の東北3県だ。そのため、千葉県浦安市の被災状況について報じられることはほとんどない。しかし、そのことは震災被害の小ささを意味しているわけではない。

東京湾岸でもっとも大きな被害を受けた地域は、コスモ石油の石油精製コンビナートが炎上した市原市であろう。が、浦安市も、元町地区(内陸部・東京メトロ東西線浦安駅周辺)を除く埋立地域がいたるどころが液状化し、水分を含んだ大量の土砂が地表に噴出。多くの道路に亀裂が走ったほか、木造住宅が傾くなど大きな被害が発生している。

 震災から3日を経過した「東京からもっとも近い被災地」の被害状況と復興への歩みについてルポする。
http://www.toyokeizai.net/life/living/detail/AC/fe1a3d5eb9ecc1031b3a55deedcb8fb7/
<引用終了>
徒歩五分ほどで舞浜大橋があります。そこを渡って浦安に入ると様相は一変しました。あちらこちらに土が溜まっている。いや、堆積しているというのが正しい表現か。上下水道が破断しているとかで、TDL裏のホテルは休業で真っ暗です。

電気はようやく復旧したそうですが、新浦安のヨーカドーがしばらく閉まっていたこともあり、葛西のヨーカドーに川を越えて浦安の人が沢山来ています。
近くのスーパー銭湯も満員札止め。家の風呂が入れないのでこちらに来ている模様。尾篭な話ですが、トイレも水洗が使えない為にこちらで用足ししているようですね。
道まだ遠し。平穏な日常が如何に貴重なものであるかがわかります。

この映画が見たい(3/16)

すごい求人情報を見つけました。今このタイミングでこの期に及んでというか。
消し忘れたのだろうけどもそこはお役所仕事。とりあえず掲載しとけということか。

福島第一・第二原発の作業員求人
http://job.j-sen.jp/hellowork/job_3373229/
<引用開始>
仕事内容:原子力発電所内の定期検査・機械・電気・鍛冶溶接及び足場作業
雇用形態:正社員以外
給与 日給
9,000円~11,000円

a 基本給(月額平均)又は時間額189,000円~231,000円
b 定額的に支払われる手当
a + b
189,000円~231,000円
学歴不問・年齢不問・通勤手当あり 各種保険あり マイカー通勤可能
スキル・経験 不問
雇用期間の定めあり(4ヶ月以上)又は12ヶ月契約更新の可能性の有無あり
<引用終了>
まったく。泣けてくるような待遇じゃないか。怒りの持って行き場がない。

今、無性にこの映画が見たい。全てのうそうそとしたものを祓いたい。

「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」
http://www.amazon.co.jp/%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%A6%E3%82%8B%E3%81%86%E3%81%A1%E3%81%8C%E8%8A%B1%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%82%88%E2%80%BE%E6%AD%BB%E3%82%93%E3%81%A0%E3%82%89%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%82%88%E5%85%9A%E5%AE%A3%E8%A8%80-VHS-%E6%A3%AE%E5%B4%8E%E6%9D%B1/dp/B00005N2FL

いわゆる原発ジブシーを描いた作品で、一度だけテレビで見たことがあります。徹底した反体制ですね者ばかりが出てくる。お上品な口先人間は一人も描かれない。
主演が倍賞美津子、原田芳雄。共演に平田満、梅宮辰夫、殿山泰司など。
監督は森崎東。「喜劇女生きてます」「喜劇女は男のふるさとョ」「男はつらいよ」等ありますが、本作は最高傑作ではないかなと思います。
残念なことにDVDが出ていません。まるで電力会社からの圧力でもかかっているのかと勘ぐりたくもなりますね。

バイロケーション(3/15)

北風に雨。まるで悪夢のような現実から逃れようかと小説を読了しました。
「バイロケーション」(法条遥)は、第十七回ホラー小説大賞の長編賞です。
以前に紹介した「お初の繭」(一路晃司著)がこの回での大賞作品ですね。
<引用開始>
画家を志す忍は、ある日スーパーで偽札の使用を疑われる。10分前に「自分」が同じ番号のお札を使い、買物をしたというのだ。混乱する忍は、現れた警察官・加納に連行されてしまう。だが、連れられた場所には「自分」と同じ容姿・同じ行動をとる奇怪な存在に苦悩する人々が集っていた。彼らはその存在を「バイロケーション」と呼んでいた…。ドッペルゲンガーとは異なる新たな二重存在を提示した、新感覚ホラーワールド。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%83%BC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B3%95%E6%9D%A1-%E9%81%A5/dp/4043943873
<引用終了>
自分と全く同じ人間が存在する恐怖。そして憎悪。これらを上手く描いてます。
「お初の繭」よりこちらのほうが個人的には面白く感じました。はっきりとした恐怖というより、漠然とした不安を掻きたてる内容です。ホラーといえばホラーですが、ゾ~っとする怖さは感じない。
でも、物語の構成はその手があったかと思わせる巧みなものです。

バイロケーション=同時両所存在。以前にも書きましたが、自分自身も似たような経験をしたことがあります。隣のビルに自分に酷似した人間が勤めていたことがあり、社内が騒然としたことがあります。
自分から見れば差異は結構あると思うのですが他人から見ると完全な「相似形」というものらしい。全く同じものが並立しているという恐怖。それが自分であったらどうなるか?こういう怖い感覚は確かにあるのでしょうね。
ご一読をお勧めします。

騒擾のなか(3/14)

東電の野郎の自作自演テロで、大騒ぎになっています。GS行けば「売れません」、スーパー行けば「パンも弁当も入荷なし」、ドンキと100均に行けば「乾電池とコンロは売り切れ」だと。

輪番とか計画停電とかえらそうなことをほざきやがって、てめえの不始末で電力不如意にしたくせに、そのツケをこちらに払わせようなんざ100年早いってんだ。

何が「クリーン」「エコ」「絶対安心」「私は必要だと思う」だ。社会を恐怖と不安に陥れ、いたずらに秩序を破壊し、民心を狂わせたその罪は万死に値する。そんなに人体に影響がないのなら双葉でも浪江なりにヘッドクォーターを移転させてみろや。

一日確定申告書類を作っていたのでした。自分でなくて親の分だ。それがたびたび「冷却に失敗」「燃料棒が露出」「爆発」なんてネガティブ情報によってたびたび作業が寸断され、結局終わったのが今だよ。朝九時からウダウダやってて今までかかっただよ。もう、どうしてくれようか。まだ自分の分が残っているのに。

アレだ。震災があったから確定申告の期限を延長するっていうから暢気にしてたら「東京は含まれないんです」ってよ。さっき確認したよ。
しかも、メール便で出そうとしたら、郵送はOKだけどこれはダメなのな。
医療費領収書の束でえらい重い。だから〒で出したら200円はかかるぞ。

仕方ない、明日の早朝にひと走りして、時間外受付箱に投げ込んでくるか。
往復五キロ。萎えそうなので久々にスクーターで向かうことに決定。

罰として東電は今年一杯の電気代無料にせよ。

粛々と(3/13)

今日は団地の全棟清掃デー。朝の九時から団地周辺の掃除と点検をあらためて行ないます。こちらは駐輪対策部会であり、全棟清掃と並行して無許可駐輪車を撤去作業を実行しました。

先々月に配布した駐輪シールを貼付していない自転車などを広場に引っ張っていって集積・処分しようというもの。ちょっと心配してました。作業が大変じゃないかって。

でも、優れものの機器があって案外楽に捗ったのでした。
放置自転車といっても大半は鍵がかかっています。ロックだったりチェーンだったりいろいろありますが、どちらかのタイヤは動かない。

となると動かないほうのタイヤを持ち上げて引きずっていかなければならないのかと思ってましたが、実にいいものがあるんですね。

添付写真は自転車をレッカーする台車です。四隅にキャスターがついていてこのフレームの上に鍵のかかったほうのタイヤをはめ込んでそのまま押すか引っ張るかして持って行くのです。これは楽でした。片手で楽々持てます。
前輪後輪両方に鍵をかけているのもありましたが、両輪とも台車に乗っけて事なきをえました。普段だったら、気力が萎えてとても引きずれなかったでしょう。

駐輪対策部員が全部で15名くらい。一時間ちょっとで100台あまりの放置車輌を広場まで曳航してあげました。
放置車輌は、住所や名前を調べて倍額の駐輪シール代金を課すことになってます。

団地もチェックしていると川沿いの号棟では外壁に13階まで縦にはいったひび割れを発見。また、水道管に亀裂が入って一階の診療所で水道が使えないという不具合も発見しました。

天気もよく作業も快調に終わりましたが鬱々としてしまう。こんなときに撤去作業とは。
原発ではあらたに女川の動きが気になります。会見をNHKがいきなり中断したりしてる。
「ごく微量です」「人体に影響はない」「格納容器は壊れてない」「被曝者が認められたが除染を検討している」「爆発『的事象』です」「海水注水完了した」ともっともらしくいう。大したことない、案ずるなというわけだ。
でもそれらには「念のため」というマジックワードが必ずつく。「外を出歩くな」「半径何キロの方は避難しろ」等の条件が加わる。
政府と保安院とかの会見を見ていると全ての事柄が「念のため」の方向に向かっていってるじゃないか。(保安院って何となく北朝鮮の機関名っぽいね)

それから、輪番制で配電をストップするとか東電がほざいているが、原発に対する一種のアリバイ作りにも見えて仕方がありません。快適な生活を送りたければいうことを聞け、か。

復活の日(3/12)

一日が経過した。
管理組合代議員として今朝召集されました。当団地のダメージがどの程度のものかを確認するためです。
一戸一戸ドアフォンを押して、住人の状況を確認し壊れたものを聞き出します。
建物にも何らかのクラックがないかどうか、外周を見て廻ります。目視結果では大きな亀裂もなく、一階ピロティの壁塗装部分が剥がれている箇所があったくらい。
団地は、川沿いに建てられた棟に被害が集中している。拙宅は最も西側なのですが、食器棚の食器やコップが毀れだしてるのに対し、東側川沿いの住居では箪笥が横倒しになったり、揺れ方がより激しかったようです。
たった300メートル程度しか離れていないのに。同じ耐震改築を施したばかりなのに。運としかいいようがない。目立ったけが人がいなかったのがせめてもの救いです。

それでも、こちら側ではまだ護岸がしっかりしているのでよいようです。ここから二キロほど西側、東京湾と中川に面した清新町方面に出向いたところ、道路の両端の側溝から大量の泥が噴出して歩道が全て泥だらけになっていました。
どうやら津波の影響があったようです。川床の泥が引き波で一旦海まで持っていかれて、津波として倍加したエネルギーに乗って噴出したということなんでしょう。

スーパーマーケットに行ったらどこもパンがありません。三軒くらいいったけどどこもなし。日配品であるパンのロジスティクスが機能してないのだな。それでも買い物客は多い。いつにも増して多い。誰もが昨日までの生活を取り戻そうと挑戦するかのようだ。今の時点でまったく想像ができないのだが、復活の日は来るのであろうか。

NYタイムズ、ワシントンポスト、デイリーメール、ルモンド、南ドイツ新聞、アルジャジーラに人民日報。海外のサイトをひとわたり確認しましたが、日本の地震がいずこもトップニュースなんですね。

日はまた昇る。再び興隆する日の本の奇蹟を世界に示してやろうじゃないか。

災い転じて(3/11)

本日の揺れによる被害。皿とかコップが半減するくらい壊れました。
幸いなことに箪笥や食器棚が倒れなかったのがせめてもの救い。衣類を入れているプラスチックボックスの蓋が割れて粉々。おかしなところにダメージが出るんですね。
皆さんのところではどんな感じでしたか。こちらは東京湾に面していて津波警報が出ているので、河や海には近づくなと先ほどから区の広報車がそこらを街宣しています。

要らないものを片付けられたと思えばいいかな。母が大事にしていた天目茶碗とかグラスとか全壊。でも、戸棚の奥に入っていたコーヒーとかいろいろ見つかったのでよしとするか。様々な災厄が出てきて溢れかえったけど、最後に希望が出てきて救われたというパンドラの匣の逸話をちょっと思い出しました。

皆さん、どうかご安全で。

迎撃せよ(3/10)

福田和代の最新刊「迎撃せよ」(角川書店)を読了しました。

<引用開始>
官邸に送られたメッセージ。猶予は三十時間。緊迫が高まる中、航空自衛隊岐阜基地から、ミサイル搭載戦闘機F-2が盗まれた。
緊迫が高まる中、送りつけられてきた犯行予告動画。ミサイル防衛に携わる航空自衛官・安濃将文は戦慄した。俺はこの男を知っている!
かつて、俺の上官だった男だ―。日本を、家族を、自分たちの手で守れるのか?決死の攻防に、一人の自衛官が立ち向かう。
http://www.amazon.co.jp/%E8%BF%8E%E6%92%83%E3%81%9B%E3%82%88-%E7%A6%8F%E7%94%B0-%E5%92%8C%E4%BB%A3/dp/4048741616
<引用終了>
アマゾンの書評は辛いじゃないか。こういうミリタリーものに女流作家が挑むという図では抵抗が強いのか。個人的には大変面白かったけどなあ。
今朝は三時過ぎに地震がありました。あれですっかり目覚めてしまって寝られなくなった。
枕元に読み始めたこの本があってチラチラ読んでは目を瞑って寝ようとしたけどダメ。とうとう残りの360Pを一気に読んでしまいました。
眠たいけど話の続きが気になって眠れないでまた手に取るという繰り返しです。
主人公の掘り下げ方が足りないとか、犯人の動機が十分明かされてない、とかアマゾンでは書いてあるけどそれはディテール求めすぎじゃないのかしら。自衛隊などに相当取材したんだろうなと思わせます。
たとえば「亡国のイージス」(福井晴敏著)を面白く感じた人なら本作でも楽しめることは間違いありません。

幹部自衛官が人間臭く、しかし正義を持って描かれているのも印象的でした。人にたかったりあざとく立ち回ったりと、現実に接した幹部自衛官は嫌な人ばかりだったので余計に新鮮に映ったのでした。

ご一読をお勧めします。

パチンコ(3/9)

若宮健「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」読了しました。面白かった。
いや、面白いといっては不謹慎ですね。非常にためになりました。

<引用開始>
パチンコによる被害が叫ばれて久しい。依存症でサラ金、闇金の借金まみれになった末に家庭崩壊、自殺という例は跡を絶たず、炎暑下の赤ちゃん車中置き去り死亡事故も相変わらずである。著者は長年、パチンコ依存症の問題を取材してきたが、2006年暮れ、たまたま旅行した韓国で、パチンコが全廃され、すべての店舗が姿を消しているのを目にした。ところが驚いたことは、日本に帰ってきて新聞雑誌をみても、そのことを報じている新聞は皆無で、そのことを知っている識者も誰もいなかったことである。
日本では、政界、警察、広告、メディアがパチンコ業界と癒着して、抜き差しならない関係になっていることは、およそ薄々知られているが、それならなぜ、韓国ではそれが全廃できたのか、日本と韓国とでは、何が違って何が共通していたのか、ますます疑問を深めた著者は、再び韓国に渡り、事情を取材して歩いた。
本書は、そんな韓国のパチンコ事情の報告に加えて、日本におけるパチンコを取り巻く種々の問題点を取り上げ、パチンコ廃止の必要性を世に訴える。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396112264&jcode=
<引用終了>
韓国が禁止したことは知っていました。たしか台湾でも禁じられているのではなかったか。
筆者はこれまでやったことがありません。見るも軽薄な大学生だったのに何故か?単に貧乏なのでケチったからです。小金を惜しんだわけだ。
父親が少しやっていてときどき缶詰とかチョコとかを戦利品として持ち帰ってきたことを思い出します。当時は換金が禁止されていたし、台の前で立って打っていました。70年代前半までの風景。国道(第一京浜)を渡った旧東海道沿いに小さなパチンコ屋があってそこにいってました。確か渡世の人が経営していた。小さな小さな組だったと覚えています。いまでは暴力団などと悪しき記号で称されますが、そんな悪い人達にはとても見えなかった。
CR機になり、カードが出てきて椅子が用意されてからパチンコの性格は変わった。

一攫千金への射幸心が煽られ、随所にサクラが仕込まれ、大当たりが演出され、テレビCMの解禁によって理性の箍を緩めようと様々な画策がなされました。
いわゆる「保通恊」が発足したのが82年。後の暴対法発足より先行して、警察官僚による業界支配が始まりました。その頃からこのギャンブル依存者も増えてきたように感じています。
「数千人の莫大な利益のために、数百万人を泣かせる行為」がパチンコである、と著者は断じています。これには同感。「自己責任だからやった本人が悪い」と安易に言い切れません。
よく夏場にパチンコ屋駐車場の車中で幼児を熱中死させてしまう事件があるけど、これも依存症ゆえかなと思います。分かっているけど止まらない。

あまり報道されないけど、ギャンブル依存症の代表格としてパチンコ・パチスロの問題は深刻さを増していると思う。韓国では2006年に撤廃したわけですが、背景には儒教に裏打ちされた社会全体での黙契というか、思いやりの気持ちが残っているからではないかとも思いました。30兆円産業だとか経済成長に資しているとかそんなことでなく、これは良風美俗の問題ですよね。

前回読了した「イスラム-癒しの知恵」(内藤正典著)と並行して読んだことでいろいろと考えさせられました。心の持ちようの大切さといいますか。
著者はやや思い込みが激しい文章を書きますが、言わんとすることへの共感は大でした。
ご一読をお勧めします。

手を抜くな(3/8)

今日も今日とて迷惑フォルダにドカドカとスパムメールが届きます。
ここ一ヶ月くらい毎日来ている「120億の遺産譲渡します」メールも止まる気配がありません。
詐欺なら詐欺で徹すればよいのに、なかには何をとち狂ったか、歴史を捏造して物語りを作って送ってもきます。
今回最も感動したのは次のメールだ。

<引用開始>
嘉保院 倉之助【12O億財産相続】様より
◆銀行口座引き落とし代理決済を受付ました◆
◆全ての機能が無料◆
★━━…‥・
送┏━━┓無
受┃\/ ┃料
信┗━━┛中
・‥…━━☆
〔銀行口座引き落とし代理決済とは?〕
☆★☆★☆★☆★☆★☆
嘉保院 倉之助【12O億財産相続】様の銀行口座から引き落とし利用中:ゲスト様の利用料金は代理決済にてお支払いされておりますので【完全無料】にてご利用頂けます。
☆★☆★☆★☆★☆★☆
★━━…‥・
《嘉保院 倉之助【12O億財産相続】》様より

▼タイトル
私は敗戦後シベリア抑留されて、見知らぬ土地で青春を費やしてきました。その後渡米しソフトウェア開発という当時チンプンカンプンであったものに魅了され、私の人生を大きく動かす事になったのです。それは現在のソフトウェアから比べると随分稚拙なものですが、確実に現在この世界の大半を占めるプログラムの源泉となっていったものです。現在あなたを無料にしてこうしてお話ができるのもまさにプログラムがあってこそ

▼本文(閲覧無料)↓
続きを読む/返信≫≫http://walnut733.info/mem/recv.php?zid=HC37Eq5wfwnWiUVrAGH2Ag==&sc=2&sid=322921
<引用終了>
シベリアに抑留された後に渡米してソフトウェア開発をやった、ちょっと待て。
1945年から抑留者は最長で10年ちょっと居させられた筈。その後に渡米というけど、当時は日本からアメリカへは渡航制限があった筈です。しかもソ連に居たとなれば赤狩りの影響でさらに困難を極めた筈。一体どんなルートを使ったのだろう?それとも瀬島龍三のような大物だったのか?
さらに謎がある。ソフトウェア開発に魅了されたとある。IBMなどの原型であるノイマン型コンピュータがアメリカで世に出たのが50年代の初め。抑留直後に渡米できたとしてそんな先端技術に何故手を染められる?そもそも、その頃に「ソフトウェア」という概念があったかな?
もし事実だったとしたら世界を揺るがす大変な大物だったと思うのだが。
文面を見る限りではその感じはない。仰々しく自らの佇まいを描こうとしてるが、知恵足らずでバカばれちゃったという小物感しか伝わってこないぞ。

歴史考証はもっと時間をかけて手を抜かないで欲しい。もう少し楽しませてくださいな。

ようやく(3/7)

ようやく着手する機運が出てきた。大変に喜ばしいです。まさか蓮舫に助けられるとはな。
<引用開始>
悪質マンション勧誘防止で法的措置=認定農業者は制度見直し―仕分け2日目
時事通信 3月7日(月)12時23分配信

 政府の行政刷新会議(議長・菅直人首相)は7日、東京都品川区のTOCビルで、国の規制や制度を見直す「規制仕分け」の2日目の議論に入った。マンション投資をめぐる悪質な勧誘が後を絶たない問題では、消費者保護の観点から不動産業者への規制強化が必要と判定。不動産取引を規制する宅地建物取引業法関連の省令改正など、法的措置を含めた改善策を検討する方向を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110307-00000042-jij-pol
<引用終了>
行政刷新会議もたまにはいいことやるじゃないか。少し見直したぞ。でもなあ、この勧誘って覚えている限りで98年頃から本格的に始まっていて、以来十年以上も放置され続けてきたんですよね。

筆者も勤めていた企業の社員名簿を業者に売り渡したバカのおかげで連絡先を特定され、今まで散々この手の勧誘に悩まされてきました。
明和、FJネクスト、ニッテイ、アルデプロ、日商ハーモニー、ウィング、TFD、トーシン、陽光都市開発に青山メインランド・・・。君らの名前は忘れない。ようやく、ようやくお別れできるのか。数限りない強要、強迫、恫喝、罵倒に今日まで耐えてまいりました。
だから、嬉しい。シャンパンでも抜栓したい気分、祝祭だ、カルナバルだ。

しかし勧誘を受けて契約に至ったのが15%もあるのか。ふざけた連中です。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20101125_1.html
脅迫罪で立件し、違法勧誘に一人残らず実刑を科して欲しいくらいです。

イスラム-癒しの知恵(3/6)

同志社大学教授である内藤正典の「イスラム-癒しの知恵」を読了しました。

<引用開始>
・ムスリムの自殺率はなぜ低いのか
・孤独にならないシステム
・儲かるのも破産するのも神の御意志
今の時代を生き抜くヒントは、イスラムの発想法にある イスラム教徒は自殺しない? イスラム教徒の実像は好戦的ではなかった。張り巡らされる癒しの知恵は、助け合いから性にまでおよぶ。
 我々はイスラムを、ふだん異質の文化、宗教としてしか認識していないかもしれないが、既存の価値観が崩壊しつつある今、実は彼らから学ぶべき事は多い。日本ではまったく伝えられていない、平安と癒しをもたらすムスリムのメンタリティーを学ぶと同時に、日本人の心の処方箋ともなる一冊。
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0576-b/index.html
<引用終了>
これは素晴らしい内容です。
奥深いイスラムの世界を垣間見させてくれると同時に私たちの目の曇りを気付かせる。
一般的な我々からのイメージからすれば、目には目をとか、自爆テロとか、人権蹂躙してるとか、アルカイダだとか最近ならカダフィにムバラクの暴虐といったこととイスラムとを結びつけて考えてしまいがちです。
しかしそうしたことが本来のイスラムから見ればいかに的外れで矮小な視角であるのかをこの本は気付かせてくれます。
例えば「六信」(ろくしん)ということ。イスラムでは六つの信仰対象があります。
1.アラー2.天使3.啓典4.預言者5.終末6.運命 天使の名前はジブリール、キリスト教でいうガブリエルですね。啓典とはコーラン。預言者はマホメット(ムハンマド)。終末は来世、運命は神がその人に下す予定となる。神に認められれば楽園へとその人は誘われるわけです。

六信は五行(ごぎょう)によっても支えられる。イスラムが日常に守るべき義務です。
1.信仰告白2.礼拝3.喜捨4.断食5.巡礼となる。このうち4と5は簡単にできるものではない。断食はラマダン月の期間で行なわれ、巡礼にいたっては一生かけていくかどうかという一大事。日常生活で大事なのは1、2は勿論3の喜捨だったりします。露店でお茶を勧めたりされることがありますが、これも喜捨のひとつであり、お礼の代わりに買い物をしては逆に失礼になるといいます。
旅人や貧しい人に親切にするのは、終末に待ち受ける神の裁きに対する努力というもの。来世に楽園に行き着くために施すべき善行というわけです。だからといって、目先の欲で利益誘導的な行動をとっているというのとも違う。
人間は不完全なもので、ときには間違った判断や行動をとってしまうこともある。そのあたりもアラーが許容し、名誉挽回の機会を別途与えていく。イスラムは極めて度量の広い教えであることが解説されています。

今朝のワイドショーでもリビア争乱などが採り上げられており「政教分離しないとダメ」とか「本当の民主化の定着には混乱が予想」などとわかったような一知半解な意見を言うコメンテーターばかり。誰もイスラムの正しい実像に触れようともしません。
そんなに民主国家が正しいのならば、どうして先進国にこんなに自殺が多いのだろうか。イスラム社会のセーフティネットは、どこかに懐かしさもある。私たちの社会がかって持っていた種類の考えと知恵があると思い出されました。

文句なしにご一読をお勧めします。

冬のストレス(3/5)

今季の冬は風邪もひかず、花粉症もこれまで発症しておらず上々の出来なのですが、ただ一点のストレスがあります。すなわち足がとても痛くて歩けません。歩こうとするとビリッ!と脳天まで突き抜けるような痛みが走ります。

踵にアカギレが出来ては消えています。しかもパックリとカッターナイフで切り裂いたかのように真皮まで見えてます。塗り薬を塗って絆創膏を貼ってしばらく我慢する。また開く。これで二ヶ月以上も進退を繰り返しています。

正確にいうと、塞がってくるとまた掻いて開いてしまう。アレです。治りかけのカサブタをつい取ってしまうという癖ですね。綺麗にとれると気持ちがいいのですが、これがつい力が入って傷つけて血を出してしまいます。

左右左右と、直っては出来るいたちごっこを繰り返しております。もう少し経てば暖かくなって湿気も増すので消えてくれるのですが、それまでの間は踵を路面につけないような奇妙な歩きかたを披露しなければなりません。少し悩ましいです。

マグリブ(3/4)

ICC、カダフィ政権側の捜査に着手
<引用開始>
リビアのカダフィ政権による反体制デモの武力弾圧について、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)は3日、「人道に対する罪」の容疑で最高指導者カダフィ大佐や側近らの捜査に着手した。大佐側は国内に化学兵器を隠し持っていると報じられており、捜査開始には化学兵器使用や武力弾圧のエスカレートを阻止する狙いもある。

 同日会見したモレノオカンポ主任検察官は「政府が自国民を攻撃し、虐殺することがあるだろうか」と述べ、2月15日以降、北東部のベンガジなどで行われた反体制デモの弾圧について、カダフィ大佐や息子、軍・政権の幹部らの関与を捜査すると発表した。

 国連安全保障理事会は2月26日にリビア制裁を決議した際、ICCへの付託を決めた。ICCは今月1日、国連やアラブ連盟、国際刑事警察機構などと連携して予備調査を始めた。予備調査から正式な捜査開始までに通常は数カ月かかるが、ICC検察官は「人道犯罪は明白」としてわずか2日で捜査開始を決定。容疑が固まれば訴追する方針。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110304-00000109-san-int
<引用終了>
「化学兵器を隠し持つ」ってどこかで聞いたような話だな。
凶悪非道な独裁者としてのレッテル貼りをどこまでもしようということか。
ただ、素直にその意見をのみ込めない自分もいます。ちょうど数週間前にトリポリの風景をみたのですが、のんびりしていて風光明媚。どの人も優しそうですごく感じがよかった。まさにマグリブ。

マグリブとはアフリカの西の端を指す言葉です。国でいえばリビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコなどの一角を意味してます。(一角といっても大変大きいですが)

当地域は主にフランスが植民地にしていた影響でフランス語がかなり通じます。(リビアはイタリアが第二次大戦で進駐)。さらに北に地中海を控えてさながらリゾートのような装いです。それは、当地の事情をよくわかっていないこちらの勝手なメンタリティによるイメージかもしれません。エジプトやチュニジアの争乱以外でも過去には「アルジェの戦い」「トブルク戦線」なんて映画にもなったように紛争の多い場所でもある。しかし、それでも悪い感じはしないのだよな。

ムバラク、ベンアリ、ブーテフリカにカダフィか。それぞれに異なる事情があるが一緒くたに独裁者として報道されるのにはしっくりきません。
今、イスラムに関する本を読んでいますが学ぶべきことが沢山ある。後日書きます。

人助け(3/3)

京大のカンニング。容疑者は山形出身の仙台予備校生とか。センター試験を突破するくらいの学力なんだから、当地でいうと山形東とかおそらく進学校の出身なんでしょうな。
でも、数学はともかくも、英訳の問題はリスクを犯して聞くまでもないレベルに見えます。
現在行方不明だというけど、どういう決着になり、沙汰が下されるのだろうか。テレビが扇情的に騒いでて処分に影響を与えそうなのがなんとも。

カンニングというと、思い出すのは大学の前記後期の試験ですね。クラスには運動部所属の人がいたのだけれど、試験のたびに「たのむ!俺の前に座ってくれないか」と頼まれました。後ろからこちらの答案を見て書きたいってわけです。「体育会の限界なんだよう」と泣き言をいってきます。ってか講義にまず出ろや。しぶしぶと「・・構わないけど俺だって出来るとは限らないよ」とけん制を入れましたが彼は大喜び。「恩に着るよ!」。

で、当日試験の行なわれる大教室に入ると、彼は待ち構えていて「ここ!ここに頼む!」と前の席を指差します。やむなく座ると真後ろに彼、で終わりでなくて彼の後ろに丸刈りの学生服の男が何人も連なるではありませんか。
「お前ら!感謝しろよ」とか言ってる。
あ、こいつ。俺のを写し取った答案をその後ろに見せて、さらにその後ろにと続けていこうという作戦か・・・。間抜けな伝言ゲームみたいじゃん。

試験が始まりました。しばらく経って何気に後ろを振り返るとおかしなことになっている。
大教室で300人くらい入れる会場で、受験者が80人程度。で、自分の座っている列だけ固まって座っているのが丸わかりです。
格闘技のグレイシートレインとかあんな感じです。お前ら、不自然だろよ。
試験官として立ち会っている担当講師が苦笑いです。しょうがないよなって。阿吽の呼吸、惻隠の情の発揮。

「あんまり自信がなかったので『先生、俺、野球部です。よろしく頼みます』っていったんですが『こちらは文学部だよ』って答えられちゃいました」って間抜けな後輩もいました。

で、試験は知識確認問題だけでなくて、軽い作文もあったのだけど「作文は写させたのがばれるから見るなよ」って断っていたのにやりやがった。

おかげで「・・・あのね、君と同じような回答が何人もいたんだけどね」とあとで講師からそれとなく注意されました。
「完全に同じじゃあないから、これ以上は問題にはしないけどさ。厳重注意で留めておく」と助けられました。完全に同じじゃないってどういうことだろう?
あとでやつに聞いたら「ああ、お前の答案でわからない漢字とかあったからそれは飛ばして文章にしてたんだよ」だと。・・・お前、ほんと最低だよな。

彼の後ろに並んでいた後輩の中で、後から主将に選ばれたりプロに進んだのもいましたね。
丸写しでないから、何とかお目こぼしされた。よかった。バカに助けられました。

ポロの次(3/2)

VWのEV出たか。ちょっと欲しいです。ポロの次に考えようかしら。
<引用開始>
フォルクスワーゲンは2月28日、ジュネーブモーターショー開幕前夜のプレスイベントにおいて、EVコンセプトカーの『ブリ』(BULII)を初公開した。

ブリとは、ブルドッグの意味で、欧州ではフォルクスワーゲン『Type 2』(1950年デビュー)の愛称として知られる。同社は2001年、Type 2の復刻コンセプトカー、『マイクロバス』を披露。今回のジュネーブでは、その発展形としてのEVバージョンを出品する。

モーターは最大出力115ps、最大トルク26.5kgmを発生。2次電池は蓄電容量40kWhのリチウムイオンバッテリーで、2重構造のフロアにレイアウトした。0-100km/h加速は11.5秒、最高速は140km/h(リミッター作動)。1回の充電で最大300kmを走行可能だ。

スタイリングはType 2を現代流にアレンジしたもの。ボディサイズは全長3999×全幅1750×全高1700mm。全長4mを切るコンパクトボディでありながら、室内はフロント3名、リア3名が乗れる6シーターとした。荷室容量は370リットル(VDA計測法)で、後席を倒せば最大で1600リットルへ拡大する。

インテリアは非常にシンプル。ダッシュボードの中央には、『iPad』が装着され、各種情報を集中的に表示する。シフトレバーはなく、ダイヤル式のスイッチで前進と後退を切り替える方式だ。
http://response.jp/article/2011/03/01/152507.html
<引用終了>
iPadが装着できるとはなんともスノビッシュです。媚びることないのに。
でも、こういうギミックな形はいいですね。充電一回で300キロも魅力。問題は価格だよな。300までなら検討しようじゃありませんか。無理かね。

鶴丸(3/1)

日航、尾翼の鶴丸を復活させるのですね。
あのJALの字を袈裟懸けに切り裂いたような現状ロゴは縁起悪くていただけないので、よいことなのではないかな。
でも、こんなことなら鶴丸最初から変えなければよかったのにね。当時としてはエアシステムとの統合の象徴を新たに求めたのでしょうけど。筆者は鶴丸が好きです。

日航も全日空もエアシステムも付き合いがあったけど、一番話があったのがエアシステムの方たちでした。最初はまず会社への愚痴から始まるというね。甚だ人間味ある皆さんが多かったです。羽田に行ったら、人事・運航・整備の各部門にまわって一日費やしました。半分は愚痴聞きです。今は雰囲気も随分変わってしまっているのかな。統合会社っていつでも葛藤を抱えてますよね。

それにしても白地に赤い鶴丸でよかった。向かって左向きの鶴がデフォでよかった。
これで、右に向いてたり黒だったりしたらややこしいことになりますな。危ない危ない。

試験突破(2/28)

その手があったかと思いました。一度はやってみようと考えるんですよね、カンニングって。

<引用開始>
京都大や同志社大、立教大の入試問題が試験時間中にインターネットの「質問サイト」に投稿され、第三者が回答していた問題で、早稲田大の入試でも、同じハンドルネーム(ネット上の名前)の人物が同様の投稿をした疑いがあることが27日、分かった。京大は同日、業務妨害に当たるとして、京都府警に28日に被害届を提出することを明らかにした。府警は受理する方針だという。

 文部科学省は27日、各大学に対し、事実関係の調査と報告を指示した。今後、同省は調査結果の報告を受けた上、再発防止策などを指示する方針。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110228-00000073-san-soci
<引用終了>
何かアンチョコを用意して袖口に巻きつけといて、そろそろ見るとか思い切って手のひらかなんかに書いておくとか。そういうことを「夢想」した時期もあります。
カンニングをテーマにした漫画もありましたね。聖日出夫の「試験あらし」といったか。
それで、模擬試験でそれを試してみようと思いました。でも、緊張感があってとてもできないものだと気付きました。本番の試験なんかじゃとても無理。アンチョコも、山をかけてあらかじめつくっておくという手間を冷静に考えてみました。それって普通に勉強するのと変わらないじゃんと気付くことができて結局本番もやらずに終わりました。リスクの多い割には確実性が低いのだな。

しばらくして試験監督の仕事に就く機会がありました。代ゼミの単科に通ってたのですが、あそこはアルバイトで模擬試験監督ができたんです。朝八時から夕方四時。一日付き合って5000円くらいだったかな。ひとつの教室に四人くらい張り付くのです。その経験からするとカンニングはわかりますね。挙動が違う。肩とか頭が不自然に動きます。といいますか、そもそも模擬試験でカンニングをやる意味ってどこにもないんですけどね。

そうまでして京大や早大に入りたいものなのか。入ってしまえばそれで済むのか?割り切って学生生活を送れるのか?どうしてもそう思えないのです。自分はアンフェアな方法で入学したという思いに終生苦しむことになるのではないかなあ。何かちょっとした失敗をするたびに「カンニング」して入学したと思いだしては疎外感に苛まれるのではないか。そのストレスがいろんなところに影響して結局、不幸せな生活を余儀なくされるような気がしてなりません。一回やって一生後悔することになる。

演出(2/27)

今回の地震での被害者家族への応対について。外務省のスタンドプレーがあるのではないかって思っています。

<引用開始>
[クライストチャーチ 27日 ロイター] ニュージーランドのクライストチャーチを襲った地震は、発生から6日目を迎えた27日も、現地や海外の救助隊が被災地で懸命の捜索を続けている。当局によると、同日までに確認された死者数は、前日から1人増え146人となった。
 被災地で活動を続ける国際緊急援助隊は、日本のほか、米国、中国、オーストラリアなど7カ国が派遣。被害が大きい市内中心部や郊外で活動を行っている。

 クライストチャーチのボブ・パーカー市長は、記者団に「生存者が見つかるという希望は、警察や救助隊からそうした望みがなくなったと言われるまで捨てない」と語り、引き続き捜索に全力を挙げる考えを表明。ただ、23日に女性1人が救助されて以来、生存者は発見されておらず、死者数の一部と重複している可能性があるものの、行方不明者も200人以上いるとみられている。

 当局は、日本人生徒らを含む約65人が市内中心部のCTVビル倒壊現場で安否不明になっているとみており、これまで発見された遺体の半数以上がここで見つかったとしている。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19736720110227
<引用終了>
遺体が運ばれてくるたびに「日本人ですか?」と聞いているリポーターが居たけど、現場でどう思われているんだろうかとても気になります。日本人以外はどうなろうが関係ない、って思われるリスクを感じていないのではないか。外への影響ということを真剣に考えているのか?
ワイドショーのスタッフが数多く現地入りしてて、日テレの阿部祐二なんかも居る。この人、ヤラセで有名な芸能レポーターですね。

救出の際に、挟まれた右足をやむなく切断して救助された人がいました。その人の枕元で『右足を切断すると聞いたときどう思ったか』『サッカーできなくなるんだけど』などとデリカシーに欠けた質問をものしたアナウンサーがいたけど、このこといろいろ考えさせられた。勿論、不用意にそういう言葉を出す人に責任があるけど、そういう問いかけを強要するテレビ報道って何だろうと思った。
「もっと悲惨に」「もっと過酷に」「悲しみをフレームアップしろ」とでも言われているかのようです。ひたすら数字を上げるために。
しかも、この質問を発した大村正樹アナウンサーはフジの正社員ではなくフリーアナだといいます。このあたりも、狡猾というかすごく嫌な感じを受けます。つまり、何か問題があっても「弊社ではない」と逃げ道を作っているわけです。
「遺憾である」「再発防止策を講じたい」とワンクッション置けるわけですよね。

今回の事故現場に、被害者家族が現場入りしようとして断られたというけど、あれも話の進め方ってもっと他にあったのだと思う。でも、遺族の前で一生懸命やっているというポーズをとりたいがためにわざわざバスに乗せて外務官僚が引率していったのではないかって勘ぐってます。ダメだとなかば分かっていても現場の警察まで見学許可のネゴをやりにいくっていうか。
もしかして『俺は仕事している』って充実感を得るためだけにやっていやしないか。

NZの警察は「被災しているのは日本人だけじゃない。我々NZの人間も被災しているが、その家族も倒壊現場には危険だから入れない。このような状況で日本人だけを入れることはできない」と説明している。家族の気持ちもすごくわかるけど、邦人保護が第一である外務省スタッフがやるべき行動はバスで引率することだけではないでしょう。
そのあたりのミスリードが伏流としてあるのではないかって思う。立ち入り禁止の病院に侵入しようとして逮捕された日本人ジャーナリスト二名がいたというが、この事件もなんだか象徴的です。いずれも冷静さが感じられない。

« 2011年2月 | トップページ | 2011年4月 »

2021年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ