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ネプチューンの迷宮(4/19)

佐々木譲の『ネプチューンの迷宮』を読了しました。これ、新作じゃなくてもう18年も前に出てた作品なんです。しかし、今読むことが最もお勧めです。話題のポプラ社から先々月に文庫版として売り出されたばかりです。

<引用開始>
クーデター勃発!直木賞作家による国際謀略小説の傑作! 赤道直下のポーレア共和国支配権をめぐって企てられた国際的陰謀。大統領派と反大統領派が激しく対立。その渦中に元海上保安庁特殊救難隊隊長の宇佐美が巻き込まれた。南国の小さな島を舞台に繰り広げられる謀略と陰謀の嵐!
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8D%E3%83%97%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%BF%B7%E5%AE%AE-%E3%83%9D%E3%83%97%E3%83%A9%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%BD%90%E3%80%85%E6%9C%A8%E8%AD%B2/dp/4591122751/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1303190339&sr=8-3
<引用終了>
佐々木譲の作品に出てくる主人公は、大体同じような人格です。
「基本的に拗ね者」で「愚直だがある種のプロ」であり「計算高さを嫌い」「小利口に立ち回ることを厭い」「ひたすら義に生きる」。物語の舞台は日本だったり世界のどこかだったりしますけど、基本的には西部劇に出てくる漂泊のガンマンということなんですね。大変魅力的なキャラクターを描き続けています。

本作でもそう。主人公宇佐美俊は元海上保安庁特殊救難隊所属のダイバーでしたが、不慮の事故で部下を死なせてしまい、贖罪もあって今は南方の島々でフリーのダイバーをして生計を立てています。海中に没している旧日本海軍の戦闘機の引き揚げを頼まれた宇佐美が、赤道直下の小国「ポーレア共和国」に赴くところから物語は始まります。
文庫本で700Pを越える大長編ですが、佐々木譲らしい巧みなリーダビリティによってあっという間に読みすすめられます。

佐々木譲は「警官の血」などの警察小説、「婢伝五稜郭」などの時代小説、「ベルリン飛行指令」などのミステリー小説など間口の大変広い作家です。
本作は、ミステリーものですが、佐々木作品のなかでは『夜にその名を呼べば』などの謀略ものが近いですね。

読み進めて行くとわかりますが、現今の日本の状況に気味悪いほどフィットしています。
蓋し、名作とはありうべき確実な未来を正確にトレースしていると痛感しました。
ご一読をお勧めします。

学者ゴロ(4/18)

『20年は住めない』という発言を政府内の誰がしたかで話題になりました。で、総理がいったのでなくて補佐官である松本健一が言った「らしい」ということに落ち着き、そろそろ罷免されるという観測があります。

筆者としてはスッキリしました。これで長年の疑問が氷解したからです。
ずっと「松本健一って何者?」という疑問があってここまで来ました。学者なのか評論家なのかその立ち位置がずっと不明だったのです。はるか昔、筆者が学生の頃にあった新左翼三大月刊誌といわれた『流動』とか『現代の眼』にたびたび寄稿したかと思えば「正論」「諸君」なんかにも原稿を載せていたりする。「世界」にも「文藝春秋」にも文章を載せていたと思うので左右両極で論陣を張っていたと記憶しています。内容は政治思想に関するものが殆ど。
こいつは一体何者なんだろう?と名前を見かけるたびに戸惑っていました。
一般的に、例えば「正論」とかに載せる人が「世界」とか昔の「中央公論」に意見を発表することはありません。旗幟鮮明にしているわけね。

これが80年代からニューアカが流行り、脱構築だとか不毛な二項対立からの脱却だからといって新しい論陣を張る人たちが増えました。柄谷行人あたりから始まる人たちね。松本健一についても、そういう流れで見るべきかと迷ったのですが、それにしては非常に頻繁にあらゆるメディアに頻出してくる。そして昨年の秋から、政府の補佐官に任命され、今回の発言で名前を聞くに及んでようやくわかったのです。単なる学者ゴロなんだと。男芸者だからお座敷かかればどこでも行くんですね。それにしても政治的嗅覚センスはゼロだな。
だまって柏の奥の研究室に籠もってればよいのにさ。http://www.reitaku-u.ac.jp/

しかし、政府主催の復興会議の議長が五百旗頭真だと聞いて脱力したもんな。いくらなんでもそれはないぞ。誰が推した?しかも、復旧をすっ飛ばして復興だと。私たちは、この言葉遣いのいかがわしさに警戒しないといけませんね。

すき間をねらう(4/17)

東京MXテレビ、熱いとは聞いていたがあれほどとは思いませんでした。
夕方やっている「五時に夢中」という番組があります。先々週見たときにジャーナリストの岩上安身がゲスト出演していて説明していた言葉を聞いて驚きました。

『売春行為とそれ以外の性的サービスって、どういう区分があるか知ってますか?』
『陰部同士の結合だけが売春行為であり、それ以外は該当しないんです』とミッツ・マングローブとか他の出演者に説明してました。
おいおい、日中の番組だろ。パラダイスチャンネルかと思っちゃいました。

先週の放送でも、実話ナックルズの久田将義がゲスト出演しており、曜日レギュラー岩井志麻子とのツーショットが見られました。なんという下世話なキャスティングだろう。深夜番組かと錯覚しました。

でも、こういうの好き。司会の逸見太郎も吹っ切れていて何か好感が持てます。いろんな苦労があったのでしょうが、彼の場合いい方向で昇華できているのではないかな。
そういえば、MXテレビでは夜九時の「ゴールデンアワー」の司会が徳光正行。こちらもなかなかいい味を出しています。期せずしてアナ二世同士ですが、嫌味な感じがしないのは彼らの人徳でしょうかね。

自動車メーカーも銀行も輪番制を真剣に検討している昨今、民放も輪番で放送休止すべきだと思っていますが、NHK以外ではテレ東とMXはやっててもいいかなと思い直しました。ギミックはやっぱり必要ですもんね。

プロについて(4/16)

今の時代こそプロという権威が堕ちてきているときもないような気がしてます。
それには二つの方向から考えられます。先日読んだ『出版大崩壊』のなかにも出てきますが、デジタル化とは失業者を産み出すことだ、と説明されていました。
例えば本を出そうというとき、少し前までなら、装丁・編集・構成・印刷などそれぞれ専門の人間に頼んで少しでもクオリティの良いものを出そうとするのが当たり前でした。しかし今ならば、装丁・編集などはアドビのillustratorなりInDesignなりを用いればそれなりの質感が素人でも出来てしまいます。
費用対効果とか、効率性だとかを重視すればそういう専門家に頼らない、全て自前で何とかするという意思決定は大手をふってまかり通る。いや、むしろそうすることが尊ばれるという風潮にあるのではないかという外的状況です。

もうひとつは、プロ(専門家といってもよい)と呼ばれる人たちに対する根本的な懐疑と不信感が我々のうちに胚胎してきていることです。
それは今回の一連の震災報道に接することで抜きがたい真理を獲得したようにも見えます。
「直ちに影響はない」「距離を稼げば薄まる」「念のために乳幼児の摂取は控えてもよいが、それができないときは摂っても構わない」など等の発言。額面どおりに受け取れるものがひとつもありません。

テレビに出る以上、スポンサーの意向とか研究費援助とか、政治的思惑もちらつくのでしょうが、個人的に見逃せないのは、彼らのうちにあるこちらを小ばかにしたような視線です。
マイクを向けられるたびに「しょうがないな」「専門的なことなんて教えたってわからないだろうけど」という苦笑したような顔をいつもすること。
「交通事故で死ぬより確率が低い」だの「どうせ人間の半数はがんに罹患して死ぬ。50%が51%になるようなものだから気にしたって仕方ない」とまで言い放つ専門家までいました。
誰のために専門家をやっているというのだろう。残念ながら、学者先生にはその手の人種が少なくありません。

ツィッターを見ていたら『御用学者というのは存在しない。学者とは世界中に向けて論文を書いてその数と内容で出世していくべきもの。おかしな意見を書いたら、排除の論理が働くから御用などという思惑が入る余地などない』といってる研究者が居て呆れました。どこまで能天気なんだろう。

経済的には苦境に喘ぐけど、学者としての自負は山よりも高い。平常時では我慢していても、何かことがあったときには、鬱憤晴らしも兼ねていろいろ言いたがる人がいるんですよね。若いときにはお金で苦労している人が多いから、基本的に学者はケチですよね。でも、自己肯定感は強いから一言いうタイミングをねらっているというわけ。
もう、度し難い連中だな。人間の生活を内在させていないプロなんて要らないよ。

気骨(4/16)

気骨あるなあ。「貸すも親切貸さぬも親切」か。小原鐵五郎の理念が今も息づいています。
城南信用金庫
http://www.youtube.com/watch?v=CeUoVA1Cn-A

川向こうの楽園(4/15)

朝から、自宅付近の上空をヘリが飛んでいてうるさかった。なんだろう?と訝しく思っていたら、ああ、これだったのかと得心しました。

東京ディズニーランドが再開 35日ぶり
<引用開始>
東日本大震災で閉園していた東京ディズニーランド(千葉県浦安市)が15日、営業を35日ぶりに再開した。震災で駐車場などが液状化被害を受けていた。午前8時ごろの開園時、入場ゲート前にはディズニーグッズを身につけたリピーターら来園者約1万人の行列ができた。
 開門直前、ミッキーマウスなど多数のディズニーキャラクターたちが手を振りながら入場ゲートに集まると、行列から「キャー」と歓声が上がった。午前0時半ごろから並び、年間70回訪れるという東京都荒川区の大学4年、鈴木悠(はるか)さん(21)は「感極まっています」と口を手で押さえ、涙を流した。開門と同時に行列は崩れ、各自お目当てのアトラクションを目指して駆けだした。再開にこぎ着けたオリエンタルランドの上西京一郎社長は「ゲストの笑顔を見てほっとし、感動しました」と話した。

 オリエンタルランドは、5月14日まで入園料のうち1人300円を義援金として日本赤十字社を通じて寄付する。ディズニーアンバサダーホテルと東京ディズニーランドホテルも同様に1室1泊につき1000円を寄付する
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110415k0000e040024000c.html?inb=yt
<引用終了>
ベランダからシンデレラ城が見えます。アンバサダーホテルもなんとかマウンテンも。今は中断しているが夜の八時半には花火があがります。
拙宅からだと、橋を渡って徒歩でも30分以内でこの施設の正門に着きます。
至近距離にあるのですが、実はこれまで一度も入ったことがありません。
遊園地にいくような人間ではないし、子どもがいないのが幸い(災い)している。

おかしなことに「オリエンタルランド」はこれまで随分行きました。TDLとは反対側に歩いていって、遊園地の裏です。仕事を通じて日常で知っていて非日常の遊園地を知らないわけです。オリエンタルランドは、アクセンチュアをはじめとして莫大なコンサルティング料を払っているんですよね。

スタッフは感じのよい人が多かったです。ただ、イメージ戦略やブランド戦略は用意周到ですね。近所の幼稚園で、砂場にミッキーのタイルを作っていたところを見つけて、版権侵害を理由に取り外させていたりとかやってました。夢を見させる会社が、子供の夢を壊すのかって複雑な気分にもなりましたね。

それから、日本とは異なり東南アジアではディズニーは人気があがらない。何度も書いてますが、鼠という害獣を主要キャラにしているところが嫌われています。作物を齧りますからね。逆にサンリオのキティは益獣の猫なので、人気が高いのです。
げっ歯類は基本的に愛嬌のある顔立ちをしてますが、一般的な鼠は尾の部分が嫌ですね。

子供の頃から、ディズニーは高嶺の花という感じ。いろんなキャラクター商品が昔からありましたけど、持っているのはお金持ちの子どもだけでした。
子供の頃、勉強はできないくせに金はある連中がある時期に涌いて出ました。
当時、大田区に住んでいましたが、海苔漁をやっていた人が再開発で漁業権放棄する代わりに多額の補償金を得たのです。知性も教養もないのにお金だけは得て、舞い上がったのです。アパート建てたり、お店を始めたり、ギャンブルに狂って身上を潰した人もいました。

そんな成金の子どもたちのステータスのひとつがディズニーの商品。これらを見せびらかしたりされるので子供心に軽い敗北感もあり、それが今日にいたるディズニー一般に関する忌避につながっているところもあると思います。

ともあれ、開園おめでとうございます。せいぜい楽しんでください。
当面は六時閉園らしいです。

出版大崩壊~電子書籍の罠(4/14)

山田順の『出版大崩壊~電子書籍の罠』を読了しました。大変面白かった。
<引用開始>
2010年は「電子書籍元年」と言われ、「Kindle」「iPad」の襲来に、出版界は激震に見舞われました。出版界に未来はあるのか? 本書は、大手出版社に34年間勤務した後、電子出版の世界に身を投じた編集者・山田順さんが、自らの体験を基に、既存メディアの希望的観測を打ち砕きます。デジタル化するほど収益が上がらなくなる出版社のジレンマから、「自炊」と不法コピーの実情まで、某大手出版社が出版を中止した禁断の書です。(SM)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166607983
<引用終了>
著者は、光文社に勤務されていて書籍も女性向け週刊誌も経験されておられる編集者です。
光文社は、カッパブックスでお馴染み。ご存知のように(ご存知じゃないか)講談社の直系子会社。講談社、光文社、キングレコードといったいわゆる音羽グループですな。
これに対するのが一ッ橋グループ。小学館、集英社、祥伝社、尚学図書という集まり。集英社と小学館が同じグループだなんてことを知らない人も多いのだろう。
この本は次のような章立てで構成されています。

第1章 「Kindle」「iPad」ショック
第2章 異常な電子書籍ブーム
第3章 そもそも電子書籍とはなにか?
第4章 岐路に出つ出版界
第5章 「中抜き」と「価格決定権」
第6章 日本市場の特殊性
第7章 「自炊」の不法コピー
第8章 著作権の呪縛
第9章 ビジネスとしての電子出版
第10章 「誰でも自費出版」の衆愚
第11章 コンテンツ産業がたどった道

目次を見ればわかりますが、出版社とその業界にとって、電子書籍の衝撃が如何に大きかったか、そしてそれは紙の出版の代替には決してなりえないことが縷々説明されています。
もう、これはいちいち膝をたたいて唸りたくなる。
自分も出版社の端くれに居たので、この人の考えていること、言いたいことが手に取るように分かります。そうだよなあって。

本の中にも出てきますが、紙の本をデジタルデータ化したものが電子書籍ではない。デジタルにした瞬間に別の性質を持ち、本の持っていた制約や条件や既存利得を全てふっ飛ばしてしまう。

電子書籍は、既存書籍のオルタナティブプランでもあるが決してそれだけではとどまらず、意味するところは果てしなく広い。そして、それは決して新しい恩恵『ばかり』を我々に与えてくれるものなのではないのだと。

電子書籍の概念が意味するところ、イシューを正確に捉えて扱いを考えていかないと大変な不幸を背負い込むことにもなってしまうのだ、と。

現状でも日本では、電子書籍がそろそろ流通しだしていますが大半は携帯をプラットフォームに見立てたエロ小説であること、読者の大半が十代から二十代であり、これまでの人生で殆どまったく本屋に縁のない人たちであること。衝撃の事実が次々暴かれていきます。

“出版社・書店など供給側が想定期待する読者・読者層・読みたいものと実際の購買者・その層・読みたいものが完全にずれている”結果、出版点数を『数うちゃあたる』方式として、見せ掛け売上を計上していくという、編集・営業の共犯馴れ合い関係に問題があった、と古巣の現状にも苦言を呈していく。

そればかりか、アメリカ在住の若手クリエイターもどきと組んで、当地で電子書籍ビジネスの会社を立ち上げるも見事に失敗してしまうという、自らの恥にもあたる部分を淡々と描いています。これは彼くらいの年齢ならば勇気がいったであろうな。素直に敬服しますし、好感を持ちました。
(本書に出てくる若手クリエイター、こういうやつっているよなあ。ちょっとITに詳しくて英語使いだから、自己効力感が高くて勘違いしちゃう未熟人間って)

電子書籍に興味があんまりない人にもお勧めします。ありうべき、あまり楽しくはないかもしれない、しかし確実にその一部は実現する未来のヒントが本書には書かれています。
ご一読をお勧めします。

ドネーション(4/13)

震災に関する募金や義捐金のPRがテレビをつけているととにかく喧しいです。
例えばテレビ朝日だと「ドラえもん募金」なる名称をつけていて、銀行振り込みに限定して募っています。なんとか財団とか事業団とかいう主体があるということなのだが、これをまともに信じていいものかどうか。
またまた、下衆の勘ぐりを働かせてしまうのです。

まさか、とは思うが壮大な中抜きしてないだろうな?
テレビ局は慢性的な広告減収に地デジ対策などでお金を使っている。
そこにきてACジャパン放映に見られるような広告料取り逃がしをするにあたって「可哀相な人にお金を」の可哀相な人たちの一部に、よもや自分たちが入ってないか?
振り込まれた浄財を「手数料だ」とかへ理屈つけてパクってないだろうな?

日本ユニセフ協会みたいに、東日本震災募金と銘打ちながら他のことにどうどうと遣うゲスな組織もありますからね。ここの親善大使のアグネスチャンも胡散臭い。何十年も日本に住んでて、いつまで片言なんだよって。

古くは、ビアフラにバングラデシュ、近くはスマトラにニュージーランド。人の不幸を養分に、救済募金に励む宗教団体も多いからな。貧者の一灯を献じるのにも注意が要ります。

お粗末な人・組織(4/12)

一ヶ月前に面談し、ずっと連絡をよこさなかった大手企業からやっと連絡がきました。

これまでの経緯はこちら
(最低の会社に巡り合う不幸:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1702072910&owner_id=297101

貴方の不作為はビジネス上でも常識的にも許されるものではない、しかしもはやそれは問わない。しかし、貸していた本だけでも返せと執行役員さん宛てに手紙を出したら、こちらの剣幕に慄いて連絡してきたのです。

「この度は大変申し訳ない。しかし、こちらの対応について釈明させてください」ときた。
彼女によれば「11日に地震があって業務が二週間ストップした。その折に関係者の皆さんにその旨を連絡した。貴方にもメール差し上げた」という。
そんなメールは届いてない、というと手違いがあったかもしれない、という。いただいたメールアドレスが間違っていたのかもしれない、とも。

では、送ったメールを見せてください、と言うとゴニョゴニョとはぐらかした。

ああ、送ってなんていないんだな・・・、忘れたな。さらに追い詰めます。

送ったアドレスが間違っていたらエラーで帰ってくる、間違ったアドレスが偶然アクティブだったとしても当人でなかったら何らかのレスポンスがある筈でしょ。
大体、重要な連絡をメール送信だけで済ませようというのはおかしいでしょ、送信に対するこちらからのレスポンスまで確認して初めて連絡ができたといえるのではないのか?
さらにだ、電話もメールも載った名刺をお渡ししているではないか、と追い詰める。
「すぐばれる様な下手な言い訳はまずいですよ」とたたみこみます。

さらに釈明は続く。「こちらとしては今後、連休明けにでも貴方様にお願いするつもりで検討を進めていた。連絡が遅れたのは申し訳ないが何とか続けられないか」と言う。

相手をするのに飽きてきました。「貴方の言い分は聞きましたが、それが真実かどうか確かめる術がない。お申し出については、三月末からお願いしたいという話であったはず。いわば証文の出し遅れであって、今になって受け入れられる話ではない。貸した資料を返してくれればそれでいい」と告げました。

「それでいい」と聞いた直後から、弛緩した雰囲気が電話越しにはっきり伝わってきました。「では、すぐにお送り返します。どうも本当にご迷惑おかけしました」と、せいせいしたと言わんばかりの弾むような口調で通話終了しました。

で、今朝の八時過ぎに宅急便で資料が送り返されてきました。詫び状も添えられていましたが、手書きでそれなりに気を遣っている様子です。
こういうときは、ドキドキ♪ やっぱり、誤字発見!

頭書きの決まり文句「平素はご厚情賜り誠に有難うございます」とあるが、
「賜り」が「腸り」になってやがる!「ちょうり」?「はらわたり」?新語か?
あんた、おそらく俺より年上だろうが・・・。

ほんと、腸(はらわた)煮えくり返る会社だという華麗なオチで一日がスタートです。

首長たちの革命(4/11)

出井康博著『首長たちの革命』を読了しました。

<引用開始>
仕事もせず高給取りの地方議員、税金の無駄遣いを続けてきた行政への庶民の怒りは、もう止められない。民主、自民両党は、統一地方選大敗後、「政界再編」で既得権益を守ろうとするが、日本新党ブーム以降、20年近く騙され続けてきた庶民の怒りは、決して収まらない。なぜなら、これは革命だからだ。

「庶民革命」の発信地となった名古屋、さらには阿久根、そして大阪で何が起きているのか。河村ら日本の行方を担うキーマン、さらには彼らの敵たちをも直撃し、現場の肉声をルポ。

序章
第一章 名古屋で始まった「庶民革命」
第二章 どうしても総理になりたい男 
第三章 河村たかしの人物像に迫る
第四章 「変人市長」竹原信一の正体
第五章 竹原信一が市長になれた理由
第六章 阿久根は日本のテストケース
第七章 地域政党「維新」の虚実
エピローグ
http://www.asukashinsha.co.jp/book/b86733.html
<引用終了>
折りよく統一地方選前半で読むことができました。出井康博は以前に『松下政経塾とは何か?』という優れたルポを出していたので、今回も期待して取り掛かりました。そして、期待以上の内容でした。

ポピュリズム、とはどんなものであるか。いわゆる『人たらし』の才能とはどんなことであるか、そのあたりが非常によくわかりました。
筆者は、保守派でも守旧派でもないが維新云々という掛け声には本質的に警戒感を抱きます。「ファシズムはシルクハットとステッキでやってくる」という言葉をいつも思い出すからです。それに「維新」という言葉にはどこか、「革命」より酷薄な響きがある。犠牲者を出さずにおかぬぞという凶暴な含意を抱きます。
この本では名古屋の河村たかし、阿久根の竹原信一、大阪の橋下徹が出てきますが、三人の気質がかなり違うこともよくわかりました。

野望の河村、絶望の竹原、そして遠謀の橋下という印象ですね。公務員という一種のエスタブリッシュメントに対する三人のスタンスが違います。それぞれの置いたゴールに対して、竹原信一は公務員そのもので動かないが、河村は市議会議員で橋下は大阪市、と巧妙に相手を摩り替えています。これは公務員(≒職員組合)と直接対峙することの面倒くささを忌避した結果でしょう。

そうか。河村たかしの政治家としてのスタートは、春日一幸であったのか。
彼に纏いつくいかがわしさの正体がわかったような気がしてスッキリした。西尾末広、春日一幸、佐々木良作、塚本三郎に大内啓伍の系譜か。民主党の抱える忌々しいDNAですね。

出井康博は、橋下にもインタビューを試みていますが彼はこれを黙殺しています。なるほど。テレビメディアは巧妙に利用しますが、フリーランスではコントロールできないと判断した彼の在りようがよくわかります。
橋下については講談社G2特集記事が参考になります。http://g2.kodansha.co.jp/

これは面白い。ご一読をお勧めします。

些細なことですが首長は「しゅちょう」と読みます。
なかには「クビチョウ」と呼ばわる向きもありますが、これは湯桶読みで音感的になんだか品が無い。「主張」と「首長」を取り違えさせない配慮なのだろうがそれなら「くびおさ」と訓読みで発語したほうがよい、と個人的には思います。

新書沖縄読本(4/10)

講談社現代新書『新書 沖縄読本』(下川裕治+仲村清司著)を読了しました。
<引用開始>
沖縄を知ることは日本を知ることだ

「癒し」イメージの裏で、長寿伝説の崩壊、格差、基地、サンゴなどで島は揺れる。近年の野球の強さ、音楽の魅力の源泉とは。

「沖縄ブーム」に深く関わった筆者たちがリアルな沖縄の歴史といまを照らし出す21の物語。
目次
第1部 沖縄人のいま
第2部 沖縄という場
第3部 沖縄と日本
第4部 離島にて
第5部 沖縄から遠く離れて
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=288092
<引用終了>
現代新書では異例の厚さ。400ページもあります。
つい先日、池上永一の『統ばる島』を読んだ余韻がありましたがこれが役に立ちました。
私たちが沖縄のことを考える際、白い雲に青空、碧の海、優しい現地の人たち、基地問題、米軍駐留など等、混沌とした情報に囚われがちです。
実際に住んでいる人、歴史を刻んでいる人の側から考えるということがやはりなかなか難しい。二人の著者は、美点や問題点、沖縄人の意識の在り方や内地の人たちが意識しておくことなど、一方からの礼賛でも非難でもない情報を私たちに教えてくれます。
長寿県が実は、そうでなくなってきていること、肥満や成人病が問題になっていること、多重債務や闇金の被害が大きいこと、移住ブームでの内地との細かい摩擦の数々、本島と宮古と八重山のギャップ、離島の離島という問題、台湾や中国との関係など等。ああ、そうであったのか、と気付かされるところしきりです。

下川裕治は、格安旅行の作家として名高いですが、八重山商工を取材したルポ「南の島の甲子園」など優れた作品をものしてます。旅行もので沖縄関係も多く、時には暢気すぎる琉球人を叱りますが、基底には温かい視線が感じられます。

本の帯に「沖縄を知ることは 日本を知ることだ」とありますが本当にその通りです。
特殊ではなくて普遍。日本の縮図とも思える。今日の投票日も悔いない選択をしたい。
ご一読をお勧めします。

今浦島(4/9)

六代目、本日早朝出所したんですね。

<引用開始>
指定暴力団山口組の篠田建市(通称・司忍)組長(69)が9日、5年4カ月の服役を終え、府中刑務所(東京都府中市)から出所した。「司令塔」不在が続いた組織の立て直しを図るとみられ、警察当局は情報収集を進めるとともに、あらゆる法令を駆使し、取り締まりを強化する。
 篠田組長は同日午前5時50分ごろに出所。サングラスに茶色の帽子、ダークグレーのスーツ姿で男7~8人に囲まれ、JR品川駅から新幹線に乗った。神戸市の山口組総本部に向かうとみられる。
 警察当局は2009年秋以降、一極集中を強める山口組と中核組織弘道会(名古屋市)の弱体化が急務だとして、中枢幹部の取り締まりを続けている。昨年1年間、全国の警察は「直参」と呼ばれる2次団体組長85人のうち、統計開始後の最多となる25人を摘発した。
 全国で制定が進む暴力団排除条例も駆使。暴力団と取引がある企業への勧告や企業名の公表などを積極的に推進し、資金源遮断に力を入れる。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110409-00000022-jij-soci
<引用終了>
写真を見ましたがやっぱり迫力あるな。さすがに少し痩せられたようです。
指定暴力団の場合、執行猶予とか仮釈はつかないことが多いから満期を過ごしたのですね。世間の状況はテレビやらで、多少は分かっているだろうけどこの六年間にあったことは殊更に凄かったから面食らうであろう。

今回も被災地に救援物資を運んだりしていたようですが、山口組は過去にも何度もやっているんですね。16年前の阪神淡路大震災でもそう。素早い対応で全国から物資をピストン輸送した。しかも、きめ細かい配慮がありました。例えば乳児用の紙おむつ。あれ、男の子用と女の子用があるんですってね。それぞれに用意して、まずどっちか聞いて被災者に配ったそうです。
本家の前で五代目組長が配っていた映像を覚えている人もいるでしょう。
宮崎学によれば阪神淡路で獅子奮迅の救援活動をしたのは三つ。『原付で走り回った田中康夫に神戸生協のあかつき行動隊と山口組』だそうです。

出所後に品川駅から新幹線に乗ったとありますが、乗り合わせた人たちは緊張したであろうな。何のために高い金払ってグリーン車乗ってるんだって。

自分自身もかってそういう場面に遭いました。神戸六甲の研修所で仕事が終わり、講師の先生と連れ立って新神戸からの帰路に着いたときです。先生と一緒だったのでグリーン車をおごったのですが、これが災いしました。

我々が乗ってから駅ホームを見ると、迫力のある皆さんが揃ってこちらを見てお辞儀しています。なんだろうと思って通路挟んだ向かいを見ると、頬に切り傷ある凄みある中年男性と、やや派手ながら綺麗な若い女性が乗っているではないですか。グリーン車は、通路挟んで2×2席ですが、斜向かい前にこの男女が、すぐ前に同じ稼業の中年男性二人が座られました。
我々は、新神戸からずっと寝たふりです。といっても緊張しているので黙って耳をそばだてておりました。

ひっきりなしに携帯電話が鳴り、何事か相談していました。通路を挟んで書類のやりとりをしており、目を凝らしてみるとどこかの不動産登記簿です。地上げか何かかなあ、やっぱり法律とか実務知識がないとやっていけないのかなと怖さ半分でじっくり見てしまいました。
結局この人たちは新横浜で下車。新神戸から乗ってきたところを見ると山口組関係者かな。それで東京に直接行くと、ややこしいから新横浜で降りたのか、それとも地元の益田組の人たちなのかなと、脳内のアサヒ芸能系知識をフル回転して考えておりました。

単純に乗り合わせただけなんですけど、とにかく緊張しましたです。

人足商売(4/8)

昨晩、揺れましたね。ちょうどトイレにいたのですが、手持ちの携帯のエリアメールがぶぶぶぶと鳴り、身をすくめた瞬間にどん!と下から突き上げがあり、ゆらーゆらーと揺れました。トイレが一番安心だというのでそのまま固まっていました。ただ、地震酔いがぶり返し、床についても体がずっと揺れている感じでまんじりともせずに朝まで過ごしました。

さて、今朝のニュースを見て再び頭に血が上りました。おかげで寝不足がすっかり解消。
それが商売だとはいえ、この連中はなんと因果な稼業なのでしょうか。

被災者へ優先的に求人情報 パソナなど支援活動を本格化
<引用開始>
大手人材派遣各社が、東日本大震災の被災者に対し、優先的に仕事を紹介するなど支援活動を本格化させている。ライフラインが復旧して仕事のできる環境が整った被災者や、避難所生活を送る被災者などに求人情報を提供し、復興の一助としたい考えだ。

 パソナグループは先月29日、被災者への就労支援活動の統括本部「震災ワークレスキュー」を発足した。盛岡や仙台、福島、日立など被災地の各拠点で、地元企業に関する求人情報の掲示や相談窓口を設置している。また、被災地域以外で生活を送る就労希望者に対し、全国各地の求人情報を案内したり、地方自治体などと連携して住居支援情報を提供したりする。

 テンプスタッフは、被災者に対する優先的な就業支援を始める方針を決めた。同社は「震災直後は安否の確認作業だったが、最近は被災者から『何か仕事はないか』という相談がある」ことから求人情報を掘り起こし提供することにした。

 スタッフサービスも、「地震保険の申請に伴う損保会社の事務業務や、乾電池、ロウソクなど需給が逼迫(ひっぱく)している製造業の求人が増えている」として、情報提供を強化している。

 人材派遣各社は、復興事業の本格化に伴って、新しいビジネスの求人が増えるとみている。一方、福島第1原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、関東圏から一時避難した外資系企業もあり、東京都内で勤務先を奪われた人が出ている。各社ともこうした労働環境の変化への対応を急いでいる。

 またパソナは首都圏の電力不足が懸念される7月以降、管理やデータ入力などの事務作業を請け負い、大阪市で作業するビジネスを検討している。政府は夏場の需要抑制策として電力の大口使用を制限する方針で、パソナはオフィスの電力消費抑制となるだけでなく、関西に避難した被災者を採用する支援策とも位置づけている。(鈴木正行)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110407-00000010-fsi-bus_all
<引用終了>
就労支援、などと言うけど実態は人材派遣なんでしょ。しかも無償で紹介するわけでもなんでもない。もし、そうするならそれを前面に押し立てて売り物にするはずでしょうから。
雇用機会を増やすわけでもない、そもそも雇用の受け皿づくりに貢献する話でもなんでもない。これは単なるパブ記事じゃないか。

言葉を選ばずいいましょう。他人の不幸につけ込んでそんなに儲けたいのか。被災者支援などと、都合よい理屈とさわりのよい言葉を使わないで欲しい。心の底から軽蔑します。

いかんいかん、自分のことがあるからつい書いてしまいました。

都知事選(4/7)

原発とか、最低な会社のこととか考えていて手がつかなかったがこれはこれで重要です。
そろそろ都知事選も真面目に考えなければならない事柄です。いや、考えるまでもない。今回の論点はあまりにも明確で、投票する相手はもう決まっている。それしか選択肢がない。

それは、谷山ゆうじろう、なんちゃってねw 政見放送とか面白かったです。
そう。予備校にこういう先生っていますよね。東進あたりスカウトしないかしら?
http://youtu.be/9mR_-pgpReE

選挙戦で数少ないお楽しみのひとつが泡沫とされる人たちの意見を聞くこと。大真面目にNHKなどでやられるのも痛快。Facebookで公約提示も画期的。
前回の選挙での外山恒一もいい味出してたなあ。
そういえば羽柴秀吉氏、夕張市長に当選の目が出てきたとも。泡沫を脱却する日があるか?最近、口げんか王の息子さん「三上大和」を見かけなくなったけど。

今回の都知事選では、佐々木譲さん津田大介さんが選ぶ同じ人に投票することにします。

最低の会社に巡り合う不幸(4/6)

原発関連で、ビクビクしながら毎日を過ごしていましたが今日は別の感情に支配されました。
それは怒り。
ある会社から仕事を頼みたいと言われました。のこのこと面談に赴いたのが先月の四日。
内容は、新卒まもないインターンシップにビジネスの実務を教えて欲しいというもの。
実は、去年、日記に書いた内容なんです。

「インターンシップ」2010年3/19
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1440532042&owner_id=297101

スムーズに就職できなかった新卒ホヤホヤの学生に、中小企業庁が企業をめあわせて数ヶ月間、その会社でインターンとして働いてもらい、マッチングがよければそのまま就職してもらおうというシステムです。
中小企業庁が実際にめあわせるわけではなく、仲介会社が運営を丸ごとやるんですね。
で、今回その仲介会社のひとつから、このインターンたちの職業教育の講師をやってくれないかという話が来たんですね。

三月四日の話では、三月末から六月末までの間に週二回、一回に二コマ三時間の講義を大手町にある三菱総研の教室でやってもらうという話。謝礼はお恥ずかしいくらい薄謝ですけど、まあ何もしないよりはいいかなと思って基本的に受諾したわけです。
その際に参考までにと自分が書いたテキストを見せると「カリキュラムを作るのに是非参考にしたいので、お借りできませんか」というんです。
いいですよ、と快諾してじゃあまた連絡しますといわれてその日は帰りました。

それから・・・。そう、筆者のいつものパターン。今日まで連絡が来ない。
なんと一ヶ月以上も音信不通。こちらから連絡をとろうかとも思いましたがなんといっても相手は上場企業だし、私が遭ったのが執行役員さんです。
まさか、ほったらかしになどしないだろうと一週間待ち、二週間が過ぎ。
とうとう新年度を迎えてしまいました。
この間に地震があったでしょう。だから、その影響でいろいろトラブルとか調整ごとがあって長引いているのだろう、と好意的に想像していたわけですよ。

今風に言えば「直ちに人体には影響ない」「微量だから問題ない」だろうと思ってました。

さすがにおかしいなと思い、先方企業のHPを見てみたら。こっちがやる予定であった研修スケジュール表が公開されていました。また、ハブられた!ダシにされました!

四月四日から15日までの日程が綺麗に埋まっている。しかも、自己PRだのプレゼンテーションだの、履歴書の書き方だのになっています。おいおいインターンの研修だぞ?当初話していたもっと高度な内容ですらありません。

一ヶ月以上も連絡よこさずに、全く違う内容になっている。週に二コマだ、一日に三時間だ、三月末からお願いしたいだ。思わせぶりに空手形をきっておいてこれかよ。

さすがに竹中平蔵が会長の会社だけある。最低だよな、パソナって会社は。
しかし、テキストは返してもらわないといけない。渡した一冊しか手持ちがない。
泥棒みたいな連中に頼むのも業腹だけど、やむを得ない。怒りを抑えつつ、きつい手紙を書いてやりました。相手のもっともいやーなとこを刺す。
これで午後の半日が費やされたので、原発の危険を一瞬忘れられました。

これは幸福なのかなあ、やっぱり不幸だよな。

そういえば面談の際に、見送ってくれた若いスタッフにいろいろ話しかけたら『実は僕もここのインターンなんです』と告白された。言葉が出ない。
搾取される側がそのままで搾取する側に加担する。やり切れないですよ。

皆さんもこんな最低の会社に引っかからないようにしてくださいね。
その名はパソナ。どんなにお身内が就職に困ってもこんなところに頼ってはダメですよ。

振り上げた拳(4/5)

やっぱり予想したとおりだ。振り上げた拳など、パフォーマンスに過ぎなかったのだろう。そんなしょっぱい所作など、土俵での八百長で慣れているだろうし。

<引用開始>
 八百長問題で引退勧告の厳罰を受けた20人の中で複数の力士が4日、協会へ引退届を提出した。

 処分者が「全面降伏」した。評議員会から一夜明けたこの日、幕内・琴春日(33)=佐渡ケ嶽=、春日王(33)=春日山=、猛虎浪(27)=立浪=に加え、提訴を強硬に主張していた十両・安壮富士(35)=伊勢ケ浜=、将司(26)=入間川=らが引退届を提出した。

 5日が提出期限だが、この日までに処分を受けた23人の半数近くが引退届を出した。将司は、さいたま市内で「引退届は出したけど、クロと認めたわけではない」と涙ながらに語った。国技館に姿を見せた琴春日の師匠、佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)も「納得はしていないが、女房、子供もいることだし」と厳しい表情。幕内・白馬(27)ら陸奥部屋の力士4人は5日に提出する方向。白馬を含めモンゴル出身力士5人は3日夜に横綱・白鵬(26)=宮城野=ら同国出身力士と都内で話し合い、受け入れを決めたという。

 処分者が勧告を拒否した場合、その師匠に更なる降格処分を下す可能性が浮上していたという。徹底抗戦の姿勢だった処分者が「全面降伏」に至った背景には、師匠に更に迷惑をかける事態を避けたいという弟子の思いが働いたとみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000010-sph-spo
<引用終了>
師匠に迷惑をかけたくない、という美談で締めくくっているところが白々しい。そんなの、金が絡むからに決まっているからでしょう。
期限の五日までに引退届けを出せば十両以上は退職金、幕下でも餞別金がもらえる。

親方連中が揃いも揃って白旗をあげた時点で、全員が引退届を出すだろうと予想してました。仮に裁判になったところで何年係争することになるかわからないし、それなら金をもらっておこうという計算が働いたのだろう。
八百長疑惑に関係ない執行部や親方はとにかく五月場所開催したいから、早めに問題の収拾をはかっておこうと押し切っただけに過ぎない。
リンチ殺人に麻薬に野球とばくに八百長。ここまで不祥事を連発する業界もない。自浄能力はゼロと判断していいでしょう。スポーツではない伝統芸能だけれど、やっぱり財団法人の資格は取り消しが妥当ですな。

辞めた力士はどうするんだろう。力以外に才覚がないデブはどうすべきか。
被災地に行って瓦礫の撤去を進んでやるとか、人の役に立つのであればまだまだ逆転の人生を歩める気がします。そういう発想は浮かばないかな。

ETV特集(4/4)

昨晩のETV特集玄侑宗久と吉岡忍の対談番組「複合災害の地にて」を視ました。
<引用開始>
大地震が襲った福島第一原発をめぐり、地元では何が起きているのか。二人の作家が現地で対談する。

福島県三春町在住の芥川賞作家・玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)さんは、事故発生以来、住職を務める福聚寺を守りながら放射線に翻弄される地元の人々の暮らしを見つめている。第一原発から45キロに位置する三春町は、避難地域に指定された20キロ圏内に住む人々の避難先となり、受け入れ限度をはるかに超える1000人以上が避難して来ている。津波により家族を亡くした人々の葬儀も出来ない状況となり、政府による野菜や牛乳の出荷停止措置に、このまま故郷が失われてしまうのではないかと懸念している。

ノンフィクション作家の吉岡忍さんは、地震発生後に三陸海岸に入りさんたんたる状況を取材してきた。吉岡氏にとっても大地震と原発事故の複合災害は取材経験のない未知の事態である。三陸から福島に移動してみると、被災地の様子が全く違うことに気づいた。30キロ圏外でありながら高い放射線量を記録するホットスポットで、自主避難の指示が出てもなお家を出ることがかなわない高齢者や、毎日自分で放射線量を計測しながら留まっている夫婦。原発や放射能に関する情報の不足に、福島の人たちはまだまだ未来を考えることが出来ないと痛感している。

見えない放射能に怯える現地に生きる玄侑宗久さん。阪神大震災はじめ多くの災害下で人々の営みをみつめてきた吉岡忍さん。福聚寺での二人の対談を軸に、今何が求められているのか、これからどう生きて行くのか、問題の核心に迫る。http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/110403.html
<引用終了>
昨晩の放映に関しては内外からかなり圧力がかかったという話も出ていましたが、前評判どおり素晴らしい内容でした。これこそがNHK。再放送望む。
吉岡忍が放射線を浴びながら人気の絶えたいわき市に入ると、線量計の針が振り切れていました。こんな映像は民放では絶対にできないでしょう。
危なくない避難所とか、高台からお涙頂戴の感動噺を悲壮な顔を作って伝えるしかない。これほど不作為による事故が鮮明になってきているのに東電を非難する番組は民放に皆無というのも恐ろしい。

昨日のサンデーモーニングでは出席者が揃って「作業者頑張れ」のコメントで朝から閉口。なかでも幸田真音なる女性は『日本の技術は誇れるんです、技術水準は高いんです』の連呼。あげくに『ただ、外部電源がダメだっただけなんだから』だと。いや、違うだろ。外部電源が正常に作動できて初めて高い技術力を誇ることができるのではないか?こんな程度の認識で作家やっているというから呆れました。彼女は税調委員とかNHK委員をやっているとか。わかりやすい人選だ。幸田といい、電事連の番組を持つ勝間和代といい、ろくでもないな。

それにしても玄侑宗久、一冊も読んでいないので今度取り組んでみましょう。

BSプレミアム(4/3)

新年度になって最大の変化は、NHKの衛星放送が3から2になったこと。これ、小泉内閣のときにNHKの多チャンネルが問題になっていて講じられた措置であったな。
で、BS1は基本的に同じなんですがBS2が無くなって、従来のハイビジョンと統合される形で登場してきたわけですね。スポーツや海外も含めたニュースが1、映画や文化的なものが2という分類だ。ハイビジョンでは魅力的な番組が結構あったのですがあまり見ていません。もう10年以上前に買ったデジタルチューナーがあるのでそれを通せば見られるのだが面倒なのでずっと放置。
今回のチャンネル変更では、こちら側で何も作業しなくて自動調整してくれるので楽です。

で、BSプレミアムの内容をずっとこれまで見ているのだけれどなかなかいいじゃないか。
四月一日の早朝六時の放送開始、キックオフ番組をやっていて司会の一人が仲間由紀恵。
昨日は被災地支援の音楽番組などもやっていた。映画では明日の夜から「山田洋次が選ぶ100本」として小津安二郎の東京物語が放映される。何度も見ているけれど今回はデジタルリマスターを施しているというので綺麗な画質で見られるらしい。
しかし笠智衆。この時代から老人を演じているが、この作品の時点でまだ49歳の若さです。

作中には印象的な場面や科白が出てきます。
例えば、亡くなった次男の嫁紀子(原節子)と周吉(笠)の会話。
<引用開始>
周吉(笠) やっぱりこのままじゃいけんよ。なんにも気兼ねはないけえ、ええとこがあったら、いつでもお嫁に行っておくれ。もう昌二のこたァ忘れて貰うてええんじゃ。いつまでもあんたにそのままでおられると、却ってこっちが心苦しうなる。――困るんじゃ
紀子(原節子) いいえそんなことはありません
周吉 いやァそうじゃよ。あんたぁみたいなええ人ぁない云うて、お母さんも褒めとったよ
紀子 お母さま、あたくしを買いかぶってらしったんですわ
周吉 買いかぶっとりゃせんよ
紀子 いいえ。わたくし、そんな、おっしゃるほどのいい人間じゃありません。お父さまにまでそんな風に思って頂いてたら、あたくしの方こそ却って心苦しくって・・・。
周吉 いやぁ、そんなことはない
紀子 いいえ、そうなんです。あたくし猾(ずる)いんです。お父さまやお母さまが思っていらっしゃるほど、そういつも昌二さんのことばっかり考えているわけじゃありません
周吉 いやぁ、忘れてくれてええんじゃよ
紀子 でもこのごろは思い出さない日さえあるんです。忘れてる日が多いんです。あたくし、いつまでもこのままじゃいられないような気もするんです。このままこうして一人でいたら、一体どうなるんだろうなんて、ふっと夜中に考えたりすることがあるんです。一日一日が何事もなく過ぎてゆくのがとても寂しいんです。どこか心の隅で何かを待っているんです。・・猾いんです・・・
<引用終了>
「あたくし猾いんです」「どこか心の隅で何かを待っているんです」。
凛とした原節子の科白を思い浮かべながら、どういうことだろうかとずっと考えています。

それにしても言葉遣いが上品。東山千栄子演じる母親が亡くなった後、実の娘であった杉村春子が周吉を気遣って「お寂しくなるわね」って敬語を使う場面もありましたっけ。
明日の夜十時にまた見られます。
http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/calendar.html

トラブルなう(4/2)

久田将義の「トラブルなう」を読了しました。久田将義は、実話ナックルズの発行人。本屋で手にとってパラパラ立ち読みしてたら、止まらなくなったので買いました。

<引用開始>
「いい加減な記事を書く奴は抹消するぞ!」

コンビニの片隅にひっそりと置いてある『実話ナックルズ』という雑誌。ひっそりと九年も置いてある。内容はゴシップ、スキャンダル、アウトロー、芸能、事件、ギャングカルチャー、都市伝説……。アウトロー雑誌として知る人ぞ知る存在になった。しかしその裏では当然のごとく数かぞえきれない抗議がある。編集者の仕事はページを作って雑誌を刊行するだけではなく、出版後の抗議への対応が実は編集の腕の見せ所。そのトラブル記とどういう風に対応してきたのか。編集の「裏仕事」が本書に記してある。
http://taiyohgroup.jp/index.php/module/Default/action/Detail?item_id=110127001
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB%E3%81%AA%E3%81%86-%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%BA%E9%81%B8%E6%9B%B8-%E4%B9%85%E7%94%B0-%E5%B0%86%E7%BE%A9/dp/4813021409
<引用終了>
これは面白い。アングラはサブカルとはまた異なる世界です。徹底的に下世話で猥雑ですが、編む人は常識があっていい人が多いんですね。
昔、女性向け雑誌で「微笑」って下世話なのがありましたが、スタッフが皆さんいい人ばかりで驚きました。単なる興味関心だけでは仕事にならんというね。
久田将義は、ぱっと見は草食系のようですが、その実かなり骨のある人という印象。本来は硬派で、竹中労-朝倉喬司の系譜を継ぐ人物なんでしょう。
テレビ東京のゴッドタンでは、吉田豪と組んで『ゲーセワニュース』という本当に下らない話題を大真面目に語りますが、次回も楽しみです。
ご一読をお勧めします。

デジアナ変換世代(4/1)

先日、テレビでクイズ番組「Qさま!」を見ました。「第2回芸能界本当の勉強王№1決定戦」といって、進研ゼミのベネッセが出題する300問を答えていって50人の中からナンバー1の人を決めるという趣向です。

中学から高校レベルの知識を主要教科別に問うわけです。シンプルに考えれば現役の高校三年生が最も高得点をあげられるのですが、はるかに年を取った芸能人が答えていくことに意味があるわけですね。当然、見ている我々も同じようにクイズを考え、答えをひねり出したりして、できた・間違ったと楽しむ。

そして予想されるメンバーが勝ち残っていったわけですが、今回最後の四人に残ったのが辰巳琢郎、ロザン宇治原、やくみつる、宮崎美子の各氏。
おお、三人までが自分と同い年(昭和33年)だ。そこに偶然ではない要素を感じました。

振り返ると自分たちの世代というのは、デジタルとアナログの両方に跨った世代であることも関係しているのではないかと考えたりします。そのことで結果的に世界観を広く持てているのではなかろうかと。

具体的な経験でいうとPCの操作などが象徴的です。20代後半でNECのPC8001が出てBASICを覚え、8800を挟んで9801に触れることができました。

30歳そこそこでMS-DOSの概念を覚えWindows前夜を体感した。一人一台PCが支給される時代になり、30代半ばでWindows3.1に驚嘆した。一太郎の親和性に感動しながらwordの使いにくさに文句を言っていた。コミュニケーションでは、携帯電話が出てきて情報環境が大幅に変わっていく。

記録メディアでも、カセットテープにデータが入ると喜び、五インチのFDを得意げに使いまわしたらあっというまに3.5インチに蹂躙された。(ZIPとかPDとかMOなんてのもありましたっけ)
音楽では、CDがいつのまにか塩化ビニールのレコードを駆逐した。CDなんて高価で手が出ないよなとつい昨日まで文句を言ってたのに。

以前に職場のインターンと音楽の話をしていて気付いたのだが、彼らはこう尋ねてきた。
『A面とB面って、なんですか?』。
そうか、デジタルだとその概念ってないんだ。物事には表と裏があるのよ。
これを口だけで説明するのが本当に大変だった。(今でもきちんと理解させられたかどうか自信がありません)

それはともかく、今の40代から50そこそこの人は、アナログ→デジタルで繋ぎ目の時代を過ごしたことに自信を持っていい様に思う。
ビジネスのやり取り、携帯電話やメールで話してもいいけど、それが謝罪だったら直接の訪問が絶対にいい。ここぞというアプローチでは、必ず直に接するようにする。一方で計算や検索では柔軟にPCを用いて作業する。
両方の概念について、矛盾無く接することができる我々はもっと誇りをもっていい。
そして、もっと世界を広くつかむことが出来ると確信してます。
これから、どんな新年度が始まっていくのだろうか。

原発・正力・CIA(3/31)

2008年に出版された「原発・正力・CIA」を読了しました。まさに今、読む意味がある。
<引用開始>
指令:讀賣新聞社主ノ正力ト協力シ、親米世論ヲ形成セヨ。CIA文書が語る「対日情報戦」の全貌!
一九五四年の第五福竜丸事件以降、日本では「反米」「反原子力」気運が高まっていく。そんな中、衆院議員に当選した正力松太郎・讀賣新聞社主とCIAは、原子力に好意的な親米世論を形成するための「工作」を開始する。原潜、讀賣新聞、日本テレビ、保守大合同、そしてディズニー。正力とCIAの協力関係から始まった、巨大メディア、政界、産業界を巡る連鎖とは――。機密文書が明らかにした衝撃の事実。
http://www.shinchosha.co.jp/book/610249/
<引用終了>
日本の原子力産業を後押しした張本人は読売新聞社と日本テレビ社長であった正力松太郎であることはよく知られています。戦前に、一介の警察官僚に過ぎなかった彼がどうやってメディア会社のトップにのし上がり、政界に入り、保守大合同の間隙をぬって総理大臣就任までも目指したか、その背景を現在公開されているCIA秘密文書によって書かれています。
資源がないからとか、低コストだからとか、産業復興のためだとか、原発推進者の意見はいろいろありますが、開祖である彼は全くそういうことに関心なく、原子力産業興しによる勲功で、ひたすら総理大臣を目指したのだと書かれている。昭和史を飾る一種の傑物であることは認めますが、その生臭さには辟易とするばかり。
そして、相変わらずCIAっていうのは不気味な連中だなと再確認しました。

それから、ディズニーについても認識を新たにしました。あのエンターティメントが如何にアメリカ国策と歩調を同じくしているのかが、本書を読むとよくわかります。
人々を楽しませるという本来の目的と等量で、プロパガンダとしての役割を帯びていることを我々は頭の片隅においておかなければならないなと、あらためて意を強くした次第です。

ディズニーはアジアでは人気がありそうでない。特に東南アジアではミッキーマウスは嫌悪の象徴です。それは、鼠だから。米や農作物を食い荒らす、忌むべき害獣であるからです。アメリカにとっても気を揉むところか。
逆に、益獣の猫のキティは東南アジアを中心に人気が高いことも付記しておきましょう。

ご一読をお勧めします。

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