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千葉テレビ(6/7)

7/24の地デジ変換を前にして、拙宅を含む団地が揺れています。
団地ですから共同アンテナで、テレビ放送を受信します。自動設定でテレビを据えつけると、地上波+BS放送は全チャンネルが受信可能。MXテレビは勿論、放送大学も見られます。さらに個別に受信料を払い込むことで、WOWOWやスカパーもそのまま見ることができます。

ところが7/24を過ぎれば、チャンネル変換システムの技術的な問題で、千葉テレビだけが受信できなくなってしまいます。千葉県とは隣接しているのでU局のなかでもっとも鮮明に番組を見ることがこれまではできています。
ローカル局ですから、決して最先端でも洗練されているわけでもないんですが、妙に安堵できるコンテンツが番組ラインナップには並んでいます。

たとえば熱血BO-SOテレビ。題名とは裏腹に、出演は局アナと県知事とスケジュールが白そうなタレントばかり。司会は懐かしい八波一起。彼の父親が八波むとしだなんて知ってる人はどれだけいるのだろう?番組は千葉のローカルネタをひたすら追います。何週かに分けて「流山電鉄」の旅だとか、鴨川の美味しいパン屋さんとか市川のラーメン屋がどうだとか・・・。
低予算でそこはかとないうら悲しさを覚えて、とても素敵です。かっこよくないけど、安心できるっていうかな。このチャンネルが見られなくなるというから一大事です。

というわけで住民投票で賛否を募ることになりました。チャンネル変換装置で部分的工事をすれば千葉テレビも見られるようになるという。ところがその工事見積額を聞いて仰天。なんと1995000円と積算してきやがった。住民負担に換算すると一世帯あたり15000円の出費となります。それだけ払って流山電鉄の旅を見ようと思うかしら?投票の結果は一週間程度で判明。結果如何によっては覚悟しなければならない。

そこはかとない懐かしさは、もう東京MXテレビ一局に負ってもらうしかないかなあ。五時に夢中、ゴールデンアワー、これからはパリーグだ、など等。いずれも逸見太郎、徳光正行というアナ二世が絡んだ素敵番組ですが。

ペテン師(6/6)

菅直人を評して「ペテン師」と鳩山由紀夫は評しました。それを聞いてある人を思い出した。

二十年以上前、当時最年少で店頭公開市場に企業を上場させたある創業経営者がいます。ビル・ゲイツと同年齢でお友達でもある。一時期袂を分かつ時代もありましたが復縁し現在まで引き続き良好な関係を築いていて、多忙な彼とはノーアポで会える数少ない日本人でもあります。

筆者もこの会社にしばらくお世話になっていたのですが、件の経営者氏は毀誉褒貶の激しい人で、はっきりいって相手をするのは苦手でした。天才的な思いつきはあるのだが、しばしば激昂しやすく、それでいて人に騙されやすい。基本的にお育ちがよろしく、生来の人の良さがある。悪知恵の働くやつはそこにつけ込むわけです。

怪しげな投資話や事業計画などを持ってきては金を出させていずこともなく姿を消す。そんな輩を少なからず見てきました。そんななかでも一番のペテン師がN氏かなと思います。

彼(N氏)は、その経営者氏によく仕えて、営業で大きな実績を築いて最終的には副社長まで取り立てられました。尤も、モーレツ営業を社員に課していて定時が九時半始業にも関わらず、営業だけ八時半に出勤させてたりとか大きな代償を払わせてのものでしたから、どこまで実力があったのかはわかりません。第一、就業規則や労基法の違反ではないですか。

しかし、それを強制させてあまり波風を立たずに済ませたというのは、彼の能力によるところが大きかったと思います。一言で言えば「人たらし」というやつ。八時半出勤を営業マンに課したときも、強制したというより「頼むよぉ~○○ちゃーん!」と年若い部下に取り入って説得していったというもの。風貌は強面ですが、そんな人間に下手に出られたのでギャップにやられてしまうのですね。これ、女の子が不良に誑かされるのと同じ構造。誰からも一目置かれるワルでありながら、捨てられた子犬を可愛がる場面をある日見て、心奪われてしまうというパターンね。実は子犬も出会いも仕込みなんですけど、そういうディテールに注意は行かなくなってやられてしまう。これを男相手にやっているわけです。ギャップ演出というね。

ところがそんな陳腐な手でも結構引っかかるわけです。熱に浮かされたように仕事をしていましたっけ。自分も危うく引っかかりそうになりましたが、すんでのところで逃げ出せました。別の件で打ち合わせをしている最中に電話がかかってきて、相手との気安さからか『ペテン師の俺に任せとけば大丈夫』と言ってるのを聞いたからです。あ、こういうのがペテン師なんだって理解しました。これは付き合う相手としてはまずい、と歯止めがかかったのです。

そんな会社も行過ぎた事業拡大もあって傾き、あるIT会社向けに株式の第三者割当を行なって苦境を救ってもらう羽目となりました。
当然、現経営陣は責任を問われることにもなる。N氏は副社長で50過ぎていることもあって、あわや失職の危機に陥りました。

ところが、そこからがペテン師の本領発揮となったのです。今まで培った人脈をフル稼働させて、各社に足場を作りました。ある上場ITベンチャーの社長に取り入って事業拡大プランを囁き、職場仲間で起業を計画していたエンジニアを一方で手伝いました。その結果ITベンチャーでは副社長に就任し、起業組の会社では顧問の肩書きを得ることになりました。
しかも、起業した会社のほうは、創立まもないマザーズにて上場となり、保有していた株式が高騰してお金持ちにもなりました。確か一億五千万円程度のキャピタルゲインがあったはずです。

生来がペテン師ですから、やがて双方の経営者に正体がばれて、組織を離れていくことになりましたが、現在はホトボリもさめて、若い人を集めて練馬のほうで会社をやっています。その会社の若い人にも会いましたが、寝食を忘れて目をギラギラさせたナチュラルハイな状態になっていました。ああ、いつか醒めることがくるんだろうか、可哀想になあ。

現在は年賀状のやり取りしかしませんが、完全に嫌いにはならんのですね。
相手は本物のペテン師ですから、まだ騙されているのかもしれません。

連合(6/5)

これは菅直人にとっては一番の痛手かもしれません。

笹森・元連合会長、幅広い人脈で民主支える
<引用開始>
4日死去した笹森清・元連合会長は、「政権交代可能な2大政党制」の実現を目指し、労働界のリーダーとして政治に深く関わってきた。

 民主党は長年の助言役を失った。

 笹森氏は、東京電力労組委員長から電力総連会長を経て、97年に連合事務局長に就任した。同年末の新進党分裂の際は、鷲尾悦也連合会長(当時)とともに、菅首相や鳩山前首相ら当時の民主党幹部、羽田元首相ら新進党出身議員を「政権交代の塊を作ろう」と説得し、98年の民主党結党につなげた。99年には、自由党や社民党を支持する労組を抑え、連合の政治方針に「民主党基軸」と明記した。

 2001年から4年間の連合会長時代は与野党に幅広い人脈を築き、政策では当時の自民党政権とも連携する方針を打ち出した。民主党代表だった菅首相の年金未加入が問題化していた04年のメーデー中央大会では、菅氏を前に「全く残念だ」と語り、代表辞任に道筋を付けた。

 民主党内では、菅氏や小沢一郎元代表、仙谷由人官房副長官ら立場の異なる有力者に信頼され、政局の節目でたびたび助言してきた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110605-00000346-yom-pol
<引用終了>
例の「どうなっているんだ!」と総理が東電に怒鳴り込んだというのも、調整をつけたのが笹森清ですね。
あらゆる場面で調整役として各界と官邸をつなぐ役割を負ってきた人物です。突然の死去の報に、そこに謀略はないのか?と勘ぐってしまう悪い癖が頭をもたげます。

それにしても連合って労組の代表の筈なんですが、一体何をしているのでしょうかね。
ストもやらない、団交もしない。労働者を守る活動に不熱心にみえてしかたありません。これはつまり、電力労連など旧同盟系の経営に親和的な、いや、はっきりいえば御用組合の力が強いってことなのかね。旧総評だの新産別といった戦闘的な人たちはどこに消えたのだろう。日教組も一昔まえからすれば随分大人しくなっているし。
今回の事故、本来は電力労連こそ脱原発で先頭を走らなければならない筈なのにな。

山岸章、芦田甚之助、鷲尾悦也に笹森清。労働貴族という言葉をしみじみ思い出します。

消防車出動(6/4)

昨晩11時過ぎに、サイレンがあちこちから聞こえてきました。どこかで火事でもあったかと思って外を見たけどどこも明るくはなっていない。しかし、サイレンの音はどんどん大きくなる。拙宅の近くに通報場所があるようです。
みるみる全方向から消防車、はしご車、化学消防車に救急車、パトカーがきて大騒ぎ。
何事かと外に出てみたら、アパートで小火らしいと誰かが言っているのが聞こえました。

やがて消防車は皆帰っていったので、大したことないのかと思い帰宅して就寝。朝起きて「まちBBS」の地域版で調べてみると、脱力&憤慨する内容でありました。

片桐えりりか、という先月末で20歳になったばかりのソフト・オン・デマンド所属のAV女優がいます。今年の春にAVデビューしたばかり。で、彼女はニコニコ動画に自らの痴態をアップして名を売った方らしいのだな。
http://ec.sod.co.jp/special/k_debut/index.html

その彼女が、昨晩知り合い(恋人?)のアパートにて、室内で花火に火をつけるという悪戯をニコニコ動画に生中継した。
当然、アパートの火災検知器が感応して消防車など十数台が来る騒ぎになったというわけです。度し難いバカどもですね。
しかも、その一部始終をずっと動画で映しています。
最初は彼女も男も余裕あるけど、次第にパニックになっていく様子がわかる。
しかし、それでもカメラは止めない。死んでもラッパは離さずby小口上等兵って感じ。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm14643139

しかし、どういう関係かしらんが、この男のほうも問題だなあ。
地域から叩き出されることになるだろうな。もちろん叩き出すけどな。

いつまでどのくらい(6/3)

不発に終わった不信任案の顛末を見ていて果てしなくがっかりしたことがあります。
国会議員ってバカなんだな。普通の仕事も満足にできないだろうなあということ。そもそも相応しい能力が高くないのか、後天的な努力を怠っているのかはわからないが、両方揃っている可能性が高いですね。

「それはウソ」色をなす鳩山前首相
<引用開始>
攻防の舞台裏を検証した。(文中敬称略)

 ◆極秘作業◆

菅の退陣に関する条件なのかどうかを巡って解釈が割れた鳩山前首相と菅の間の覚書は、菅の指南役、北沢防衛相と鳩山の側近、平野博文元官房長官が極秘にまとめ上げたものだ。

「鳩山は時間をかけて話をすると、あっちへ行ったりこっちへ行ったり揺れるから、一気にやろう」

平野と北沢が覚書作りに着手したのは1日夜。鳩山は不信任案賛成の意向を表明済みだったが、平野は鳩山の、北沢は菅の意向を確認しながら、何度も電話で文案を詰めた。

2日午前、首相執務室。北沢は覚書を手に、枝野官房長官とともに菅に向き合った。

「2次補正の編成とは、成立のことか」

いぶかる菅に、北沢は「そこはぼかさないとダメです」と進言した。

約1時間後、菅は平野、岡田幹事長らの前で鳩山と覚書を交わした。鳩山は覚書を退陣条件と考え、署名を求めた。菅は「党の中のことだから、信用してほしい」とかわした。しかし、両者の意図の違いは、菅がこの日、一度も「退陣」という言葉を使わなかったことに表れていた。

◆「終わり」の始まり◆

玉虫色の合意のほころびは、すぐに表面化した。

「それはウソだ。私と首相との間で、辞めていただく条件の話をした」
 岡田が2日昼の党代議士会後、菅の退陣時期について「区切っていない。(確認事項が続投の条件とは)言ってない」と記者団に語ったことを伝え聞いた鳩山は色をなして反論した。

逆に、菅は「紙に書いてないのに、何を言っているんだ」と、鳩山への不信と怒りを周囲にぶちまけた。鳩山が代議士会で、2011年度第2次補正予算案の「編成のメド」をつけた段階で菅が辞任すると説明したからだ。

鳩山には、小沢一郎元代表の顔も立てなくてはいけない事情があった。2日午前の菅との会談内容を小沢に報告した際、「どこまでしっかり詰めたのか」と問われ、「私が代議士会できちっと話をします」と約束したのだ。ただ、不信任案否決後、鳩山が議員会館のエレベーター前で居合わせた側近議員に語りかけた言葉には、菅への不信が色濃くにじんでいた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110603-00000130-yom-pol
<引用終了>
二度目の伝書鳩失敗。詰めが甘い。昔の自分達を見ているようで、顔から火が出そうです。
管理職にとって最も頭の痛い部下がこういう人なんですよね。すなわち「敵の使い」になって戻ってくる人。いいように言いくるめられて肝心の条件を詰め切れていない人。交渉と強要を取り違えて「先方を怒らせてはいけない」などといって、お世辞ばっかりしゃべって面談を終えるようなやつ。

「話を決めてきたか?」「大丈夫です」「先方はどのくらいだと言ってた?」「これから決めるとのことです」「先方はいつまでにやると言ってた?」「近いうちに検討するそうです」。何も決められてないじゃん。
それでいて「先方はこういってます」と要望は正確にコピーしてくる。
貴様はどこに勤めているんだ?と聞きたくなります。

交渉ごとのイロハもわかっていない。対面状況ではとにかく緊張するから、その場で一定時間を過ごしてきたという「苦労」を分かって欲しいといわんばかりの顔で報告する部下が何人もいました。

怒鳴りつけたいところを我慢して、諄々と説きます。「いいか、仕事ってのはな『いつまで』と『どのくらい』をはっきりさせないと絶対に進まないんだ。それなくして合意できたと思うな」
「相手を不愉快にさせてはいけないと交渉を何もしないってことは、相手にとってもっとも失礼な振る舞いだ。何のために時間をとってくれたのかを考えろ。君と雑談をしたいがために割いたわけじゃないだろ」と諭します。

すると答えは大体同じものがかえって来る。
「私の手には余りますから、次は同行してください」とくる。
これは二つのメリットがあると考えているようです。ひとつは先方に対して「上長をあなたのために連れてきました」という点数稼ぎ、もうひとつは交渉が失敗したときの責任回避です。さらに、上長まで同行してもダメだというエクスキューズにもなるわけ。
とことん、身勝手で無責任な仕事ぶりではありませんか。これじゃ大きな仕事も出来ないし、裏打ちされた自信も備わらない。しかもこういうやつに限って「自分は正当に評価されてはいない」と考えて小利口に立ち回ろうともする。そんな壮大な勘違いをしたままで仕事人生を終えたりするわけです。

国会議員がこれほど出来ないとは思わなかった。それにしても指南役?がいるのか。北沢俊美に平野博文だって。こういう茶坊主たち、普通の会社にもいますね。普段は、仕事するふりだけして有事の際に立ち回って利得をねらうやつね。巨視的にとらえれば害毒でしかない。

英断(6/2)

前回の放送の続編が放送されます。今度の日曜日の夜です。
<引用開始>
ETV特集 『ネットワークでつくる放射能汚染地図 ~福島原発事故から2か月~』(5月15日放送)では、福島第一原発正門から1キロ地点の住宅地の一画の土壌を科学者の木村真三氏が採取。サンプルは、プルトニウムの有無を調べるため放射線解析の第一人者、金沢大学の山本政儀教授のもとに送られた。
番組放送後、結果を知りたいという問い合わせが殺到したが、この度ようやく解析結果が出る見通しとなった。果たしてプルトニウムは検出されるのか?
さらに、木村氏のその後の調査で、計画的避難区域や緊急時避難準備区域から外れた福島県南部のいわき市で新たなホットスポットが発見され、その実態が序々に明らかになってきた。
新たにわかった汚染の実態を続報として伝える。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0605_02.html
<引用終了>
NHKの英断を評価します。プルトニウムはどうだったのか今から気になります。
確かにプルトニウム検査は時間がかかるんですよね。

新しい動機(6/2)

読売新聞の記事、掘り下げがほんとに浅薄です。

<引用開始>
米国防総省が外国政府からのサイバー攻撃に武力による報復も辞さないとの新方針を打ち出した。

背景には、各国で被害が急増するなか、政府施設や原発などを狙ったサイバー攻撃で、軍事攻撃と同様の壊滅的打撃を被る可能性が出てきたことへの強い危機感がある。

米メディアは5月31日、国防総省が6月に公表する初のサイバー戦略に関する報告書で、外国政府からのサイバー攻撃を「戦争行為」とみなし、米軍による武力行使も辞さないとの新方針を明らかにすると報じた。

すでに韓国政府は3月、大統領府や韓国軍、在韓米軍などのウェブサイトが組織的なサイバー攻撃を受けたと発表している。フランスでも昨年末、財務省のシステムが大規模なサイバー攻撃を受け、機密情報が中国などへ流出した可能性が指摘されている。

北大西洋条約機構(NATO)は昨年11月の首脳会議でサイバー攻撃を「新たな脅威」と位置付け、防御能力の強化を急ぐ方針を打ち出したが、米政府のサイバー戦略はさらに大きく踏み込み、軍事的報復の可能性まで明文化するものだ。日本政府がサイバー攻撃された場合、米国が日米安全保障条約に基づく軍事措置をとるのかといった新たな課題の浮上も考えられる。

ただ、サイバー攻撃を仕掛けてきた「敵」を特定するのは、技術的に極めて困難とされる。武力報復を正当化するには、「敵国」のサイバー攻撃への関与を立証する必要があるが、これまで国家の関与が立証された事例は皆無に等しい。

こうした段階で、米国が武力報復を持ち出すのは「敵対勢力への警告」(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)の意味合いが大きい。世界各地のサイバー攻撃への関与が疑われる中国やロシア、北朝鮮などをけん制する狙いだ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110601-OYT1T01044.htm
<引用終了>
軍事報復まで、大きく踏み込んだ内容になっているだの、中露や北朝鮮への牽制などとサイバー攻撃対策をもっともらしく解説しているが、そうではない。
むしろ軍事報復、軍事行動をやりたいからそうする。サイバー攻撃云々はそのための新しい理由なのだ。テロとの戦いもそろそろネタ切れだから、新しい理由を求めたに過ぎない。世界中で常に戦争が起きてないと軍産複合体をはじめとしてアメリカに都合が悪いからでしょう。紛争で使われる兵器や設備を売り、調停に国家として介入し、跡地の復興に企業が割り込む。ひとの不幸で飯を喰うといういつものパターンだ。しかも「民主化」などという大義名分まで携えて。これがアメリカだけだったら無視していればいいのだが、残念ながらそうでもない。平成の治安維持法であるコンピュータ監視法案の可決も、この線上にあるととらえると薄ら寒くもなってきます。

火事場泥棒(6/1)

コンピュータ監視法が衆議院を通過しやがった。ちょっと前まで知らなかったぞ。そんなの。

コンピュータに溢れる悪意あるウィルスの作成や配布に厳罰で臨むというための法律らしいのだが、やっぱりそれだけではなかった。

ウィルスであるかどうかわからない、怪しいと断じたものを令状なしで押収し処罰できるという。例えば作成を記したメールのやりとりと思しきもの含めPCから、サーバのメール全部を警察がフリーハンドで持っていけるという稀代の悪法です。盗聴法ですら、令状が要るのにこれには不要だとよ。
ますます警察の捜査能力が下がるんだろうな。六億円の犯人の一人が捕まったのも、監視カメラのせいだもんな。個々の地どりとかのスキルはどんどん衰えていくのだ。そして犯罪は巧妙化し、それを上回ろうと国民を統制する悪法をさらに通す。この繰り返しになるわけだ。

今の状態の法務権力を信用することなんてとてもできない。一部の為政者やエスタブリッシュメントのためのみに機能する木っ端役人。彼らがさらに楽と利得を得るための仕掛けと化すのは今から目に見えている。

震災と不信任案にかまけてか、どこの新聞もテレビも報じていない。これは、あの忌まわしい「共謀罪」とセットで考えなければいけない。

復興法案すら通せないのに、こんなことは通しやがる。しかも全会一致だと。
一人も反対しなかったのは何故だ。除名が怖いから腰がひけた?ひとりでも戦え。
イデオロギーを忌避した結果、別のイデオロギーに掬われるんだよ。

ほんと腹立つなあ。爆弾でも投げ込みたいよ。ってこう書いてもガサ入れになるのな。

お宝映像(5/31)

日曜日のNHKプレミアム。「江」みて「新撰組血風録」を漫然とみていたらプレミアムといってよい番組がありました。

<引用開始>
『希代のヒットメーカー 作曲家 筒美京平』
BSプレミアム 5月29日(日)後7:30~8:59
日本のJ-POPを確立した作曲家・筒美京平さん。ヒットチャート登場曲500曲以上、1位獲得数39曲、という圧倒的なヒット作の数々が示すように、作曲家としてデビュー以来、音楽ファンを魅了するサウンドを提供し続けてきた。しかし、筒美京平その人が、マスコミに登場することはほとんど無い。表に立つことを嫌い、プロの職人として裏方に徹する、その美学を貫き通してきたからだ。その筒美京平さんが、今回一度限りという許諾のもと、NHKの番組に出演し、初めて自らを語る。
筒美さんの作品の特徴は、年齢・性別・時代を問わず、誰からも愛される親しみやすいメロディーを持つということ―。作曲家としてずっと今日まで、歌謡曲とポップス(洋楽)の融合を試みてきた。尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」など歌謡曲黄金時代のヒット曲から、小泉今日子さんの「なんてったってアイドル」などのアイドル系ポップス、そしてC-C-Bの「Romanticが止まらない」など、のちのJ-POPに繋がるヒット曲など、ジャンルを越えた筒美サウンドは日本の音楽界を牽引し、日本のポップスの確立において最も重要な影響力を持った音楽人である。また、昨今のカヴァーブームで、そのサウンドは新たな脚光を浴びている。番組では、筒美京平さんのヒット作品やサウンドを紹介しながら、個人として、また音楽家としての貴重なインタビューを紹介。作曲家・筒美京平を"知る"テレビで初めての試みとなる―。
【出演】筒美京平 伊集院静 郷ひろみ 
    ジュディ・オング 太田裕美 中川翔子 
    松本隆 橋本淳 船山基紀 草野浩二
http://www.nhk.or.jp/fm-blog/200/83014.html
<引用終了>
動く筒美京平をはじめて見ました。この人は記録を持っている。60年代から十年単位で区切って2000年代まで連続五回、ヒットチャートで№1を獲得した曲を作っているんです。直近の2000年代ではTOKIOの歌った「AMBITIOUS JAPAN」(2003)がそれ。新幹線品川駅開業記念ソングですね。現在71歳にして現役作曲家でもあります。

どれもが耳慣れたメロディで、若いときにはモヤモヤとした疑問がありました。端的にいうと「何のパクリなんだろう?」という疑問です。キャッチーな洋楽のワンフレーズを引用するのは例えば都倉俊一なんかもそうですが、筒美の場合はそれとも違う。源流はどこにあるんだろう?とこれまでずっと考えていました。それがこの番組を見て原因がよくわかり、すっきりしました。断じてパクリなどではないのだとわかった。
ひとつは先輩である浜口庫之助の影響なんですね。島倉千代子「愛のさざなみ」にインスパイアされたという。確かにこの曲は日本的でない、エキゾチックな響きがあります。大瀧詠一や山下達郎も似たようなことを言っている。
もうひとつは、膨大な最新洋楽のチェック。しかもフレーズごとにどんどん聞いていって体に叩き込むという作業を日常化していたことです。昔はレコード盤でしたから、針を落として少し聞いては上げ、聞いては上げを繰り返して一枚を短時間でチェックしてしまうやり方を自らに課していたとも。
さらには、ジャズや黒人音楽への傾倒も無視できないでしょう。今でも昔の仲間とコンボを組み、自らもピアノを弾いてエロール・ガーナー等をやるっていうんだからやっぱり本物です。
黒人音楽からの影響は提供楽曲にも端的に現れています。尾崎紀世彦「またあう日まで」は、70年代ソウルのテイストがありあり。例えばウィルソン・ピケットが歌っていても違和感がありません。
意外なところでは「サザエさん」のテーマ。お魚くわえたドラ猫♪ってやつ。あれ、モータウンのイメージだっていうんですね。そうだったのか!
言われてみればそのとおり。押し出されるようなリズム感と抑えたブラス音はシュープリームスやフォートップスが歌いだしそうです。

煌く才能と惜しまぬ努力。それでいて裏方に徹して表に出て行かない態度も実に潔いです。
最も印象的だったのは、若い作曲家に問われて答えた「いい歌と売れる歌は違う」「自分は売れる歌をつくる」のだといったこと。
それでいて「はやり歌作家の良心」は持ち「いい歌」をつくることを決して忘れない。
これ、いろんな仕事や生き方にも通ずる考え方ですよね。
本人の要望で一回限りの放送だというけど、再放送を強く望みます。
受信料を払っている甲斐があった。
AMBITIOUS JAPAN! TOKIO PV
http://www.youtube.com/watch?v=n69gk9cLLv0

還るべき場所(5/30)

胸の詰まるような話です。

強盗、おにぎり&お茶だけ奪う「刑務所に戻りたい」
<引用開始>
大阪府警東淀川署は29日、コンビニ店で食品を奪ったとして、強盗の現行犯で長野市吉田の無職、河村良治容疑者(63)を逮捕した。同署によると「刑務所を出たばかりだが、体力、気力もなく、(刑務所に)戻りたかった」などと供述しているという。

 逮捕容疑は29日午前4時50分ごろ、大阪市東淀川区のコンビニ店に買い物客を装って入店し、レジカウンター付近で男性店員(33)にカッターナイフ(刃渡り約5センチ)を突きつけ、「強盗だ」などと脅したうえ、おにぎりとお茶の2点(計246円相当)を奪った疑い。

 河村容疑者は4月末まで愛知県内の拘置支所にいた。所持金はわずか30円しかなく、男性店員を脅す際にわざわざ「警察を呼べ」などと“告知”していた。

 大阪府警によると、捜査関係者は、自ら刑務所に戻ることを目的にした犯行を「飯食い(めしくい)」と呼んでいるが、同容疑者はちゃんと罪が重くなるように、店から逃走し、約200メートル離れた路上で駆け付けた警察官に捕まっていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110530-00000513-san-soci
<引用終了>
刑務所は本来「戻りたくない場所」でなければいけないんじゃないか。
などと書くと、より厳しい労役や規律を課せばいいと短絡に考えてしまいそうだが違う。
体が一旦馴れてしまえば、やはり安寧の場になってしまうと思います。刑務所の外が還るべき場所であるのに、そこに居たくない居られない状態は非常に不健全。世間から様々に排除されたあげくに自らを排除(自殺)するか、隔離施設に戻るしかないという哀しい選択がある。
刑務所が福祉の一端を担わざるをえないという現実なんて当たり前だが見たくはない。

川崎のぼるの漫画(巨人の星?)にあったのだが、屋台に突然来た労務者風の男が、酒や食べ物を大量に注文して、これを訝った店主から「飯食い」を許さないという拒絶されるシーンがありました。そのときは、別の客が自らの長靴を脱いで金に替え、彼に恵むという筋立てで物語は進行します。社会に「溜め」があってかろうじて救われるという話でした。
ところが今は、救われるどころか、足を掬われかねないからな。

懲役と別に矯正施設としての性格もある刑務所では様々な職業訓練を施す。社会に戻っても復帰が容易なようにと配慮されているのだけど、木工作業など就いた労役によっては、復帰が容易ならざるものも少なくないのではないかな。なかには鎌倉彫などもあるが、これなど極めて狭い領域で労働力を吸収する力があるとは思えません。単なる職業体験で終わってはいないか。
今だったらコンピュータの領域など増やせばいいのではと思いますが、教える側の体制の問題とかもあるのだろうかな。

「ショーシャンクの空に」で、出所したはいいが居場所がなくて自殺してしまう男の話も思い出しました。そんなに娑婆は辛いか?他人事では決してないです。

俺俺(5/29)

一年前に話題になっていた星野智幸の「俺俺」を読了しました。
<引用開始>
なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司も俺だし母親も俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。俺でありすぎてもう何が何だかわからない。電源オフだ、オフ。壊れちまう。増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて――。現代社会で個人が生きる意味を突きつける衝撃的問題作!
http://www.shinchosha.co.jp/book/437203/
<引用終了>
自分そっくりの自分がいる世界。いろいろ他の作家も書いています。近いところでは「バイロケーション」(法条遥著)などもそう。アイデンティティの根幹に関わるテーマですので、筒井康隆「俺に関する噂」や安部公房「他人の顔」など別の角度からも傑作が出ています。概してこの系列は漠然とした気味の悪さや不安感を覚えるものですが、星野智幸の本作はさらに、深刻も含んでいるように思えました。

「俺」が何人も何人も増殖していく。同質化均一化の安堵感を覚える一方で、次第に明らかになってくる自らのダークサイド。過去の嫌な思い出や失敗の経験を全ての「俺」が抱えている。自分の嫌なところを「俺」に見出してしまう。それを正視したくないため「排除」、即ち殺し合いが始まるのです。「俺」が増殖していくのと反比例して、周囲の世界は縮まっていく。より荒涼な世界へと変貌する恐ろしさを覚えました。
それは決して、他人事などでは済まされない感覚です。

終わり近くで、わずかな希望が見えてきます。即ち、「俺」ではない自分の登場。
厄介で鬱陶しく思われた他者が如何に愛しい存在であったかを思い出す結末です。
ご一読をお勧めします。

Vote(5/28)

長年の友人とメールでやりとりしていたら、こんなことが書いてありました。

<引用開始>
ところで君に1票があるなら誰に入れるかい?
僕は1票だったら木崎に入れる
他にも票があれば 宮崎・市川・名取・仲俣・すみれ・島田に入れたい
<引用終了>
選挙なんてあったっけ?地方選は終わったばかりだし・・・。
しばらく気付かなかったのですが、ああこれはアレだとようやく合点がいきました。鈍い俺。

AKB総選挙のことだ。有名な人たちの名前でないからわからなかった。ここで置いてきぼりにされたらまずいので、取り急ぎキャッチアップします。

木崎ゆりあ(SKE48)、宮崎美穂(チームB)、市川美織、名取稚菜、仲俣汐里、島田晴香(以上研究生)、佐藤すみれ(チームB)だと。ふう。

彼がお気に入りのいわゆる推しメンについてチェック。成程、一定の傾向が分かります。
なかには早稲田の学生なんているじゃないか。しかも政経だと!ちょっとした敗北感がw

昨日テレビで彼女たちの新曲をはじめて見ました。このCDに投票券が付いていて、一人で何枚も購入する人がいるとか。CD不況にうまい手を考えましたね。

件の友人には、彼女たちと同年代の娘がいます。通常は、父親がそんなことにかまけてたら真っ先に軽蔑する年頃のはず。しかもモデルのスカウトが何度もくる可愛らしい娘です。
ところが、友人の教育がうまくいったのか彼女自身が大ファンで、父親と一緒になって見ているという微笑ましい状態。親子断絶とは無縁の麗しい関係が成立しています。
しかし好事魔多し。そんな二人にハブられたお母さんが段々苛立ってきている、という新たな火種が噂されています。
この手の嗜好には、大変厳しい評定を下す女性が多いですね。今後の成り行きに注目です。

ドーヴィル(5/27)

現在、G8が開催されているフランスのドーヴィルという場所。どこかで聞いたことがあるなと思っててわかりました。
ここ、映画「男と女」(Le Homme et La femme)の舞台だったところじゃないか。
主演の二人がアヌーク・エーメ、ジャン・ルイ・トランチニャン。監督がクロード・ルルーシュで音楽がフランシス・レイ。
海が見えるので、パリではないし南仏のマルセイユともなんか違う。ああ、そうか、ノルマンジーであったのかと得心がいきました。
フランスの北西部、ブルゴーニュからノルマンジーの一帯は歴史的にイギリスの影響も受けていて、ケルト系の人もまた多いようですね。パリやナントとはやっぱり町の感じが異なってみえます。

舞い上がって、妙な公約とか発言をしなければいいんだけどなあ。サルコジに唆されるなよ。

採るべき進路(5/26)

これは、とばっちりだわな。ワゴン車運転手にご同情申し上げたいです。

<引用開始>
大阪市浪速区の歩道で男性2人がタンクローリーにはねられ死亡した事故で、大阪府警は24日、自転車で道路を無理に横断して事故を誘発させたとして、大阪市西成区玉出東1丁目、無職越智茂容疑者(60)を重過失致死容疑で逮捕し発表した。「車を確認しないで道路を横断した」と容疑を認めているという。

浪速署によると、越智容疑者は12日朝、大阪市浪速区日本橋東3丁目の国道25号で、周囲の車の有無を確認しないまま横断。左から走ってきたワゴン車に急な車線変更をさせ、ワゴン車を避けようと歩道に乗り上げた後方のタンクローリーにより男性2人を死亡させた疑いがある。

ワゴン車を運転していた会社員笹部正男容疑者(43)=自動車運転過失致死容疑などで逮捕=が「直前に自転車が右から横断してくるのが見えて、左に車線変更した」と説明。周辺住民への聞き込みなどから越智容疑者が浮上した。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201105250044.html
<引用終了>
タンクローリーが歩道に乗り上げて、歩行者二人を撥ねて死亡。そのタンクローリーは急に進路変更してきたワゴン車を避けようとして歩道に入った。
ところがそのワゴン車は、目の前を反対車線の車の裏から突然出てきた自転車を避けようと進路を変えたというわけ。全ての原因は自転車にある。

歩行者・自転車は避けないといけない、と叩き込まれているドライバーは数多い。しかし。何の注意もなく物陰から突然飛び出してくる彼らを避けようもない。
二人も亡くなっている原因がこの自転車男の不注意に由来するというのがやりきれません。

国道25号ってどのくらいの通行量なのだろう。環七とか357並みだったら、ドライバーに100%同情してしまうな。自分だったらハンドルを切ってしまうだろうか。この場合は、停止できなければアクセル踏み込みで直進してしまうのが採りえる最善の進路ですね。勿論、自転車は撥ねるけれど、歩道の二人が死ぬところを無謀な自転車の一人で済ませられる。
差し引きで一人助けたことになるから、人命救助で表彰ってわけにはいかない・・よね。
まるで「白熱教室」。マイケル・サンデルばりの究極の選択意思決定ですね。

プリンセス・トヨトミ(5/25)

遅まきながら、万城目学の「プリンセス・トヨトミ」を読みました。最新作「偉大なる、しゅららぼん」に取り掛かる前にどうしても読みたかった。
<引用開始>
5月末日の木曜日、大阪が完全に止まる。あらゆる種類の営業活動、商業活動、地下鉄、バス等の公共機関も一切停止。しかしそのことは大阪人以外は全く知らない。その発端となったのが、会計検査院からやってきた個性豊かな調査官3人と、空堀商店街にあるお好み焼屋の中学生の息子に、その幼馴染の女子。彼らが、大阪人に連綿と引き継がれてきた、秘密の扉を開けてしまうのだった……。歴史と古典を巧みに取り入れた突飛な着想と独特のユーモアで人気を博す著者が京都、奈良を舞台にした物語の次は、いよいよ大阪。
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163278803
<引用終了>
東京生まれの筆者からすれば関西は常にエキゾチックな異世界に思えてなりません。
小説でも関西を舞台にしてあるものですと、あれこれ想像の翼が広がっていって読んでいて楽しくなります。
万城目学以外なら、有川浩や上甲宣之、懐かしいところでは小峰元など等。

東京の実在の街が舞台であれば、あそこはあれだったこうだったと自分の記憶と引き比べながら、リアルさを追求する読み方になります。けれども関西の場合は逆。ここはどんな風景があるのだろう?そんなところがあるんだ!とイメージしながら読み進められます。地方都市の多くが東京の町並みをなぞったように再開発されていくのは寂しいこと。その点、近代的な町並みを持っていても関西はかなり違う。文化も習俗も決定的に違うと感じています。

物語を読み進めるうち、はじめは「大阪城の抜け穴」とかそんな話しかと思ってたが外れました。しかし、予想を嬉しい方向で裏切る外れ方だったので500ページを越える長編を一気に読み進めることができました。
本作は映画化もされるので、ここであらすじめいたものは書きませんが、非常に面白く、しかも勇気付けられました。

“東京なるもの”に対抗する。それも肩肘張ってではなく、緩く茶化す人、気質、文化。そんなものが一杯に詰まっていると思います。特に大阪人の深層にある「東京的なものが嫌い」というところは、カウンターカルチャーの力強さを見せ付けられるようで痛快でした。

嬉しかったのが方言の使い方。作中での会話や発言は短いですが、関西弁の特徴をよくとらえていると思いました。本来の上品な言葉の感じを思い出しました。吉本のタレントがテレビで使う関西弁なるものとは全く別。押し付けがましく喧しい、あれらの下品な物言いではないと思った。

読了後に文春での著者インタビューを読んでみてびっくり。同じようなことを想定していて作品作りを心がけたというではありませんか。

“大阪を書くに当たっては、なるべく、いわゆる「吉本」が築き上げたイメージに乗っからない方向にしようと努力したんです。マスコミや、テレビのバラエティで強く出されている大阪色に染まらないように。それでうまく大阪の雰囲気が伝わるかなって心配しながら書いていました”
http://www.bunshun.co.jp/pickup/toyotomi/index02.htm

テレビが喧伝するそれらと、個人的に見知っている関西の人とのギャップにずっと違和感を覚えていたので、すっとしました。やっぱりそうだったんだって。
ご一読をお勧めします。

どちらでも脅威(5/24)

乗る人の民度に期待せざるをえないなんて。理不尽な感じがします。

自転車は原則車道通行…知らない人4割に
<引用開始>
 政府は24日の閣議で、2011年版「交通安全白書」を決定した。

 15年までに事故死者を3000人以下とする目標を掲げた「第9次交通安全基本計画」を特集し、自転車対策の重要性などについて言及した。

 警察庁によると、昨年の自転車と歩行者の衝突事故は2760件で、10年前より5割増えた。昨年11月に内閣府が自転車利用者1500人に行った調査では、自転車が原則、車道通行であることを知らない人が4割に上った。白書ではこうした実態に触れ、「自転車利用者にルールやマナー違反が多く、交通安全教育の充実が必要」と強調した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110524-OYT1T00293.htm
<引用終了>
早いうちから教育・啓蒙活動をするしかありませんが、根本で問われるのは民度かな。
自転車に乗らなくなって随分経ちますが、歩行者と運転者のどちらから見ても自転車には脅威を覚えます。
車道の端を走っている自転車を追い越すときはドキドキ。ペダルを漕いでいる人がイヤフォーンをつけてたりすると慎重に越します。
頭に来るのが、逆走してくるやつ。夕暮れで無灯火で角を曲がってこられたときは血の気が引きました。道では車は弱者。事故を起こされても文句はほとんどいえない。
道路交通法では、自転車は軽車両として法規に従わなければならない。これは馬車とか荷車などとも同じ扱いである。そんな文言を繰り返しながら運転者を睨みつけるのが精一杯です。
これが一転して歩行者となると、立場が逆転する。歩道を走った自転車と歩行者との事故責任比率は10:0で、現状では完全に自転車に責任がある。既に、重度後遺障害を与えた事故では6000万円もの損害賠償金を払えという判例もあります。
不機嫌そうな顔でイヤフォンして、下を向き無灯火で歩道を走るやつは反省して欲しい。ぶつかっても謝りもしないで逃走しやがる。これからの人生でも裏街道を通るつもりなのかね。

話は逸れますが、最近よく見かける板の真ん中で分離されているスケートボード。小学生が、オルガンみたいな足踏みしながら乗っていますが腹立ちますね。
スケボー自体が傍若無人な印象あるんだけど、小ばかにされてるみたいに錯覚してしまう。思わず小学生諸君の背中を車道に向かってやさしく押したくなります。なんていうか世の中の厳しさを教えたくなるのです。

鯨とり(5/23)

昨晩のNHKスペシャルで和歌山県の太地町の鯨とりの人たちの半年間を映したドキュメンタリーがありました。鯨で太地というと反捕鯨団体との衝突が中心に描かれているだろうから、見るのは辛いなと思いながらもちょっとだけ見ました。
案の定というか、予想通りシーシェパードなる反捕鯨の連中の態度は正視に耐えられない。
やっていることは威力業務妨害罪そのものではないですか。どうして通報しないんだろう?させられないんだろう。和歌山だと世耕弘成など親米の議員ばっかりだからか?愛国は口にしても米国には楯突かないってか。

「野蛮なことをしている野蛮人を啓蒙しているのだ」という差別者丸出しの意識であることに気がつこうともしない。彼らの姿を見ていてたとえば「イラクの民主化」「アフガンの民主化」「イスラム『原理』主義」の排除といった相手を理解しようともしない暴力を見出すのです。力による屈服や他者支配というか、十字軍以来の伝統なのか思い上がった錯覚が痛いです。

大体、十字軍遠征の時代って中東地域のほうが発達していました。上下水道があり、天文学が発達して識字率が極めて高く、麻酔による外科手術まであった。同じ時代のヨーロッパは疫病が流行して大変だったのに。

あの連中、ノルウェーとかアイスランドとか捕鯨国にも同じように暴虐の限りを尽くしているんだろうか?よく調べてないが、彼らにはやってないように思えます。なぜなら同じコーカソイドだから。話せばわかるという根拠のない安心感があるんでしょう。
理解できないものを排除するという一点張りでは何も進まない。彼らにはそれなりの崇高な理念があるのかもしれないが、それはわからないし分かりたくもない。

震災で被害を受けた岩手県大槌町にもシーシェパードは活動しているそうです。被害者救援とかボランティアでなく、捕鯨基地の監視だというから呆れる。三月の震災当日にも現地にいて、被災した。周りの日本人は彼らも助けたけど、代表者はツィッターで「違法な狩猟をしている天罰が日本を襲ったのだ」などと嘯く始末。まったく、都知事並みの人でなしではありませんか。
カメラでそこらじゅうを盗撮しているというから、今度こそしょっ引いて欲しいです。

『鯨とり』というと、そのタイトルの韓国映画がありますね。名優アン・ソンギが主演している一種のロードムービー。韓流ブーム遥か以前の1984年の作品だけど、いい映画です。古今東西でロードムービーは名作が多いですよね。

スキームとか(5/22)

「東京電力の賠償スキーム」などという言葉が飛び交っていて、いつのまにかスキームという言葉があたかも市民権を得たようになっています。これ、大変よろしくないと思う。

スキームは計画とかプランという意味で、無批判に用いている人が多いけど英語が母国語の方からすると、ぎょっとした顔をされます。今、英語の勉強を始めていて、英文法の本をあらためて読んだりしています。そこで近所のアメリカ人に聞いてみたら「それは、あんましいいニュアンスじゃないよ」「陰謀とか悪巧みといった意味もある」「普通にプランとかモデルとか使ったほうがいいじゃん」と、お土産の炙ったスルメイカを齧りながらフランクに答えられてしまいました。

馴染みのない言葉だからかっこいいんじゃないかと飛びついているんだろうけど、半可通ではよくない。第一、グローバル化の逆をいってるじゃないか。
他に、ナイーブなんて言葉もそうだな。「繊細」とか肯定的なニュアンスで理解されてるけど、本来はもっとネガティブな意味じゃないか。

使う日本人の大多数は「計画・プラン」といった言葉以上の意味をもたせてないつもりなんでしょう。でも、いざ外国人には通じない。日本人同士だけで「わかるだろ」の呼吸で軽薄なやりとりされる言葉たち。なんだか寂しいです。曖昧な理解はやっぱりよくない。それに、外国語にすることで、いざというときの「逃げ」を用意しているような卑劣さも感じます。

例えば「スキーム」「マニフェスト」。語感だけはよいが「逃げ」がある。いざとなったら「そういう意味で使ったわけではありません」という。なかでも極め付きは残業代払わないのを「ホワイトカラーエグゼンプション」って呼ばわったやつな。

半端な英語使いが「些細なこというなよ」と、周りに“共犯者”を増やそうとしてはいけない。少なくとも自分は絶対に加担しないからな。

でも、「株主・銀行に負わせず税金投入」という今回の賠償スキームって悪巧みであるのは間違いない。となると皮肉にも東電に用いられるのは正しくもあるのか。うーん。

劇場法(5/21)

失言とその後始末で失態をさらした平田オリザが何故内閣参与でいるのかと訝っていたら、劇場法(仮称)を制定させたいという思惑があったのですね。
劇場法なんて言葉、聞いたことがない。ちょっと調べてみました。
この法律、芸団協が推進していて中心的な役割を平田オリザが負っているようです。

社会の活力と創造的な発展をつくりだす劇場法(仮称)の提言
実演芸術の創造、公演、普及を促進し社会に活力をもたらす拠点の形成を
<引用開始>
私たち、俳優、歌手、演奏家、舞踊家、演芸家、制作者、スタッフなど演劇、音楽、舞踊、演芸、伝統芸能など実演芸術に関わる団体によって構成する社団法人日本芸能実演家団体協議会は、文化芸術の発展と平和でより豊かな社会の実現を希求し、多年にわたり芸能振興に関わる諸活動を意欲的に展開してきました。
2009年、社会、経済環境の厳しい中でこそ、我が国の人々がよりよく生き、地域社会の創造性を培い、活力をもたらし、豊かな社会・経済の発展を図るため、中長期の展望をもって、全国的に実演芸術の創造、参加、鑑賞の機会づくりを促進する拠点を整備し、優れた文化芸術環境のある地域をつくりだすことが必要だと考えます。具体的には実演芸術の専門家が配置された劇場・音楽堂等を整備する「社会の活力と創造的な発展をつくりだす実演芸術の創造、公演、普及を促進する拠点を整備する法律」(仮称:劇場法)の制定を提案いたします。
実演芸術活動を担う者、団体は、人々の芸術の鑑賞、参加の充実を進めることを共通の目的に、劇場・音楽堂と連携し、文化芸術振興基本法の理念を具現化するために貢献する所存です。
http://www.geidankyo.or.jp/06gei/s-forum/gekijoteigen09.pdf#search='文化庁 劇場法'
<引用終了>
中身も読んでみたけど、よくわからないです。
要旨が何点かあって

1.公共の劇場などの施設の管理を柔軟にかつコスト的に厳格にする
2.従来、劇団などの団体に支給されている助成金を劇場にまず与える
3.事業仕分けなどと絡ませて、文化庁から総務省へと監督官庁を移管する
4.各劇場には専門の管理者を常駐させることとする
5.管理者は、芸術監督・経営監督・技術監督など職分でそれぞれ置く
等など。

字面だけ追うと大変よいことのようにも思える。でも、なんとなくしっくりしません。
今、気付いた。そんな話を、今まで聞いたことがないから判断しようがないんです。直感的には大変いかがわしい法律に見えます。きちんと内容を理解しないといけませんが、ただ今はこの霊感を信じたいところ。

去年、芸団協からこの提言が出されて賛否両論が巻き起こっているようです。
まとめのサイト:http://www.geng.ecnet.jp/gekijyohou.html
流山児祥などは懸念を表明しています。首肯できる論点も少なくない。

知らなかったが、劇場とか劇団ってかなり派閥的な集まりがあるんですね。
どこそこの劇団の系列だとか、出身大学であるとかそんなこと。てっきり一匹狼ばかりで、誰も群れたがらないかと想像してたがそうでもないようです。特殊な世界のようで、しがらみや人間関係の漆黒がすごいようです。
そりゃそうか、そのまま芸能界にもつながってくるんだもの。

議論が十分になされていないことが問題に思えます。原発と同じで、なんとなく既成事実を積み上げられて終わりではいけない。万機公論に決すべし。

オフレコのマナー(5/20)

平田オリザの「汚染水海中廃棄は、米国からの強い要請があったからだ」という発言。あっという間に否定され、なかったことにされています。
発言がインターネットで紹介された翌日、テレビでも新聞でもそのことは全く触れられておらず、面妖なことに総理補佐官と官房長官から勘違いであったかのような発表だけが出てきました。そうした不自然な動きからも、逆に真実性が浮かび上がってくるようです。多分、その通りなんだろうな。

開かれた組織、とか民主的な合議制だとか、情報の偏在を無くしてフルオープンにする、とか。逼塞した組織ほどそういうことをことあるごとに言いたがります。でも、それらが無条件に成立することはまずない。制約条件として「これはオフレコ」という場合が非常に多いのですね。ひとつの共同体や組織の成員、多くはフォーマルでなくインフォーマルな集まりのなかで黙契が交わされる。そういうもんなのかなと思いながらも黙って従うという人が殆どです。
しかし、稀に組織から半分外れたような意識の人がいて、外界と内部との境界に存在する問題について、ぽろっと口を滑らせてしまうことがあります。

今回の平田発言もそれであり、「オフレコっていったでしょ」「もう、察してくださいよ」という諫言をあとからくらったのでしょう。
政治家同士なら、そのあたりだけは嗅覚が発達していてわざわざ言葉にしないでも「オフレコだな」と阿吽の呼吸で分かり合えることも、劇作家で片足を突っ込んでいるだけの平田オリザにはそのあたりの呼吸が理解できなかったということだろう。
「20年は原発周辺は住めなくなる」松本健一、「最悪の場合、東日本に住めなくなるかも」笹森清と、政府と民間との境界に位置する人間から相次いでぽろり発言が出るのも、その生理に染まっていないからなんでしょうね。

でも、そういう失策失言から、事態を類推しなければならない私たちも大変ではあります。
(ポロリが歓迎されるのは、水泳大会でのハプニングだけ。あれは演出だけど。懐かしい大磯ロングビーチ&小林大輔アナ)

ではどうして汚染水を海にわざわざ投棄したのだろう。要請だったとしたらどうしてそんなことをやらせたのか。
原発の廃炉ビジネスに参入したいと米国が考えているのは確かでしょう。
浜岡の停止も米国からの要請があったという説があります。これによって停止と廃炉に関わる作業を全て自国で受注しようというねらいがまずある。

ここからゲスの勘ぐり。恐ろしい想像をしてみます。米国に被災地の産業を一度根こそぎダメにしてしまえという思惑があったのではないかと思う。
地震と津波に加えて、ダメ押しで汚染水を廃棄させたのではないか。
即ち、放射性物質の拡散によって農産物は影響を受けるけど、海中まではダメージが広がってない。そこに大量の汚染水を流すことで沿岸及び海域の水産物を根こそぎダメにしようと狙ったのではないか。
農産物・水産物に壊滅的打撃を与えることでTPPとかを成立させて、自国の産物を日本に大量に売り込もうと考えたのではあるまいな。自国での震災・津波・原発特需を期待していないだろうか。
トモダチ作戦という目くらましを実施しながら、並行して見えない手で殴りつけるというか。
筆者の単なる妄想で済めばいいのですが。

それと、平田オリザが本名だってことにびっくり。同時に、自分よりも年下であったことに衝撃を受けております。老けてるよなー

見た目が同じ(5/19)

復旧は喜ばしい。仙石線の全線復旧も待ち望んでいます。
<引用開始>
東日本大震災で被害を受けたJR石巻線は19日、不通となっていた前谷地(宮城県石巻市)―石巻駅間の運転を再開した。

 小牛田(こごた)駅で乗り換え、内陸部を迂回(うかい)する形だが、宮城県の中心都市・仙台市と石巻市の中心部がようやく鉄道で結ばれた。

 下り始発列車(4両)が午前6時43分、通学客ら約40人を乗せて石巻駅に到着。震災後、石巻市中心部の高校にバスで通学していた宮城県涌谷町、高校3年霜野朱里さん(17)は「バスは本数も少なく、混んで大変だった。列車が通ったので久しぶりに部活の朝練に参加できる」と声を弾ませた。

 JR東日本によると、石巻駅より先の同線石巻―女川駅間や、沿岸部を走るJR仙石線全線などの運転再開の見通しは立っていない。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110519-OYT1T00357.htm
<引用終了>
あらためて思うのは高校生の制服ですね。東京と変わらないジャケット、丈の短いスカートにソックスときた。地下鉄や山手線で見かけるのも、赤城山を見下ろす上越線で見るのも、倶利伽羅峠を越える北陸本線で見るのも、ほぼ同じ服です。話している内容もそんなに大差はない。一点だけ、方言が違うのか。でも、訛りは国の手形ともいうし、それはそれでかなり魅力的でもあります。
そう考えているのは自分だけでないようで、専門の番組まであるんですね。
マニアはこういうの見て、ご飯三杯くらいはいけちゃうんだろうな。

方言彼女:http://hougen-kanojo.jp/ 

稗史を読む(5/18)

稗史(はいし)を辞書で引くと次のように説明されています。
「公認されない歴史。重要でない事柄を記した歴史。また、民間の歴史」。

教科書に残されているような正当な歴史記述、いわゆる「正史」に相対する概念ですね。
その優秀な書き手で昨年末に急死した朝倉喬司の「活劇日本共産党」を読了しました。

<引用開始>
南喜一、徳田球一、田中清玄―かつて日本の地で革命運動に邁進した3人の特異な共産党員の生涯を活写しながら、変革への情熱と挫折、そのリアルな姿を世界史のうねりのなかに描き出す。
20世紀の社会変革運動史を企図し、著者の死によって途絶した未完の遺稿。

1 南喜一、亀戸事件で殺された弟の恨みを晴らさんと非合法共産党員となる
2 徳田球一、「琉球人」から「革命家」に転生し、日本革命の前衛を猪突猛進する
3 田中清玄、「党」の再建と武装化に力を尽くすも入獄、獄中で母の遺書を読む

刺青をした共産党員・渡辺政之輔、右翼活動家への転向者・田中清玄ら異端の活動家の来歴を辿りながら、日本共産党の知られざる全貌を明らかにする。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4620320129_1.html
<引用終了>
最近は周到なネガキャンもあって、すっかり勢いを失っている日本の左翼勢力。とりわけ「共産党」という名称を聞くと、理解不能だが悪しき表象として拒絶する人が多いようです。
しかし、誤解を怖れずいうなら、主張していることの多くは庶民にとって賛同できる内容です。なぜなら、そうした活動に入るきっかけの多くは義憤で構成されているからです。先日、ニコニコ動画で、共産党衆議院議員吉井秀勝の記者会見を見たけれど、大変に説得力のある事故への説明が続きました。虚心坦懐に見ても国会議員で一番、今回の事故について精通していると思った。

今ですら、忌むべき対象として見られがちな共産党。まして1945年以前は非合法の存在でした。その時代に活動していた三人の人物を朝倉喬司は稗史の側から掘り下げています。アグレッシブで孤立を恐れず、体制に戦いを挑んでいった人たちが描かれます。

南喜一、徳田救一、田中清玄。不覚にもこの本を読むまで南喜一を知りませんでした。まさかヤクルト社長だった南喜一と同一人物であるとは思わなかった。産経新聞を興した水野成夫と昵懇であったことも驚きました。
北京で客死した徳田はともかく、南も田中も獄中に転向してそれぞれ実業家と右翼になっていきます。いったいに共産主義者の転向は非常にふり幅が大きいものになる。一旦転向すれば、正反対の立場から古巣に対して掣肘をくわえようとする人物のなんと多いことか。田中清玄しかり、渡邊恒雄しかり。裏切られた感が強いあまり、可愛さ余って憎さ100倍となるのか。こういう人が権力を握ると厄介な存在になる。閑話休題。

本書は著者死亡で未完の状態です。そのせいもあるのかもしれないが、筆者には大変読みづらい本でした。言いたいこと、伝えたいことが山ほどあって、文章が枝葉の事柄にどんどん進んでしまったりする。どんどん隘路に入り込んでいくような感覚を覚えました。予備知識もそれなりに持っているつもりでしたが、朝倉喬司の作品として最初に読むべきものではなかったのかもしれないと反省しました。
もともと週刊現代の記者だというから、「キツネ目の男」宮崎学などと接点があったのだと予想してました。宮崎学は非常に分かりやすい文章を書くひとなのでそんなつもりで読んだのですが、朝倉喬司はかなりの歯ごたえがありました。

しかしながら、その文章から意気と熱が伝わってきました。どこか懐かしい感覚。ご一読を。

研修という名の労働力(5/17)

また、こんな悪辣なことをやっているんですね。

愛知県:トイレ掃除いや! 観光人材育成研修、相次ぎ脱落
<引用開始>
愛知県が緊急雇用対策として10年度に実施した「観光地域づくり人材育成事業」で、雇用した6人のうち、研修修了者が1人しかいなかったことが14日分かった。関係者によると、中途退職した5人の中には「観光に役立つ人材を育てると説明されたのに、トイレ掃除や駐車場の誘導をやらされた」と不満を述べた人が複数いたという。県観光コンベンション課は「見解の相違だと思うが、誤解を招いたとしたら申し訳ない」と釈明している。

 同事業は「観光を担う地域のリーダーを育成する」とうたい、昨年6月~今年3月に実施。ハローワークなどで参加者を募った。予算は約2970万円。県観光協会に委託し、県の産業、歴史などを学ぶ講義研修35日間と、同協会や旅行会社、ホテルなどで観光業務を体験する実技研修56日間で構成された。

 参加者には研修中、月給二十数万円が支払われた。トイレ掃除などは実技研修の一環だったが、昨年11、12月に各1人、今年1月に2人、2月に1人が中途退職し、研修を終えたのは1人だった。

 同課は「観光業務の実態を知る意味で意義がある事業だったと思う。トイレ掃除などに不満な人がいたのは事実だが、どんな業務でもやり遂げてほしかった」と話している。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110515k0000e040032000c.html
<引用終了>
「観光地域づくり人材育成支援」と耳慣れぬ言葉を聞いたので調べたら観光庁のサイトに行き着きました。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/jinzai/ikusei.html
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/jinzai/renkei.html
要するに天下り先の開拓ネタのひとつだよね。
今年の三月一杯でHPでの紹介は終わっているから、おそらく上手くいかなかったんでしょう。
上の記事によれば、要請された愛知県はそのまま観光協会に丸投げするという無責任さを発揮したわけだね。人づくりという一見高邁な理想と、過剰なCS観念に縛られた単純労働の現場とのギャップの深さがすごいですね。
しかし、この「人材育成ガイドライン」マトリックス。ひどい内容で言葉も出ません。
さぞかし間抜けなコンサルタントが委員たちにサジェストして作ったんだろうな。
タイトル変えれば「マネージャー」でも「テラー」でも「店長」でも通用するような中身の無さではありませんか。

人材育成という美名に隠れて、単純労働力を欲した各地域の観光施設に労働者をあてがったというのが実態でしょう。キャンディデートは現場に派遣されて、ただただこき使われて頭にきてやめたってことなんでしょう。

これ、全く同じ構造が農業や漁業の現場に「研修」という名目で外国人が派遣されていますよね。先ほどのNHK昼ニュースでは茨城の農業団体が研修生を新たに獲得すべく中国に出発するシーンを放送してました。震災で怖がって帰国してしまった研修生の代わりをあてがわなければいけない、というわけです。替えがきく研修生、つまり低コストでの労働力確保に他ならない。さもしいなあ。

原発作業者も高齢者や外国人が多いといいます。そういう歪な構造の下に企業活動が成り立っているとすれば、薄々わかってる自分も共犯かもしれないけど、なんだか寂しいですね。

放射能汚染地図(5/16)

ETV特集「ネットワークで作る放射能汚染地図~福島原発事故から二ヶ月」見ました。
非常に重い内容でしたが、専ら正直なところが分かったので見てよかったと思います。

<引用開始>
福島原発事故は、周辺地域に未曾有(みぞう)の放射能災害を引き起こした。時間経過とともに拡大する避難エリア。住民たちが自分たちの村や町に、いつになったら帰れるのか、その展望は全く見えない。いま住民たちが求めているのは、被曝(ひばく)による人体影響と、今後の土壌汚染への対策を、客観的かつ冷静に考えてゆくための基礎となるデータ・放射能汚染地図である。
ETV特集では1954年のビキニ事件以来、放射線観測の第一線に立ち続けてきた元理化学研究所の岡野眞治博士の全面的な協力のもと、元放射線医学研究所の研究官・木村真三博士、京都大学、広島大学、長崎大学の放射線観測、放射線医学を専門とする科学者達のネットワークと連係し、震災の3日後から放射能の測定を始め汚染地図を作成してきた。観測チームは、周辺地域の土壌、植物、空気中の粒子を採取し放射線量を計測する一方、岡野博士が開発した計測機を自動車に搭載して、福島県内の道路2000キロを走破した。この計測器はビデオで撮った現場映像とともにGPS情報、放射線量、放射性核種のスペクトルを、同時記録してゆくことができる世界唯一の機器であり、チェルノブイリ事故での計測により国際的な評価を得ている。
一方、文部科学省や福島県、IAEA、アメリカエネルギー省も、独自に汚染の計測を進めており、その結果が公表され始めている。これらのデータと、独自収集データをつきあわせることで、原発周辺地域のきめ細かい土壌汚染のマッピングが可能になる。
番組は、放射能汚染地図を作成してゆくプロセスを追いながら、原発災害から避難する人々、故郷に残る人々、それぞれの混乱と苦悩をみつめた2か月の記録である。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0515.html
<引用終了>
世の中には、平気で嘘をつける人がいます。嘘ついてるって自覚がないからでなくて、顔色変えずに虚構を作り出せる人ってやっぱりいるんですね。
絵空事や世迷言ではなく、事実を坦懐に述べる役割を帯びているにも関わらず、そのことを進んで放棄して恥じない人々。
同じNHKで言えば九時の大越健介など、その代表格と見える。どんな余得が待つのか。こっちはたっぷり放射線シャワーを浴びせられて、炉心がどうしようもなくなってから実は漏れてました、はないだろう。

避難地域に指定されて、最後の餌やりに訪れた飼い主の車を追い続ける犬の姿で番組はエンドロールになりました。危うく泣きそうになりましたね。

たまたまブログを見ていたら、その犬はペット救済ボランティアによって救われたことが分かり、安堵しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/kumakitiji/folder/1804438.html

研究者たちは、発電所から一キロの土壌をサンプリングして、プルトニウムのチェックをするといってましたが結果が放送されていない。ちょっと心配。いうまでもない、察しろってことなのかな?

番組放送には相当な圧力がかかったらしいが、英断に感謝。再放送を強く望みます。

人海戦術(5/15)

最近で、もっとも理不尽に思ったのがこのニュースですね。

作業員の搬送に2時間…心筋梗塞で死亡か
<引用開始>
 東京電力福島第1原発で14日、集中廃棄物処理施設で作業していた60代の男性作業員が死亡した問題で、男性が体調不良を訴えてから病院に着くまでに2時間以上かかっていたことが分かった。救急車に乗せるには警戒区域(半径20キロ圏内)外まで出る必要があるためだ。過酷な作業環境で危険にさらされていると指摘される原発作業員を取り巻く救急体制の脆弱(ぜいじゃく)さが浮き彫りになった。
東電と双葉地方広域市町村圏組合消防本部によると、男性は13日から原発で収束作業に従事。14日は午前6時に作業を始め約50分後、体調不良を訴えて医務室に運ばれた。1人しかいない勤務医の勤務時間(午前10時~午後4時)外だったため、心臓マッサージなどの講習を受けた東電社員の「医療班」が応急手当てをした。既に意識は無く呼吸も確認できなかったという。

 原発からの救急搬送を巡り、県災害対策本部と消防、東電の3者は原発事故後、約20キロ南の拠点施設ナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」(楢葉町)で受け渡すよう取り決めている。このため同7時35分ごろ業務用車両に男性を乗せ原発を出発、8時10分ごろ着いたJヴィレッジで、常駐医師が心臓マッサージなどをしたが回復せず、同35分ごろ救急車に乗せられた。

 9時7分に原発から約45キロのいわき市立総合磐城共立病院に到着。発症から2時間が過ぎており、9時33分に死亡が確認された。福島県警は医師の診断結果などから心筋梗塞(こうそく)の可能性があるとみている。

 3者の取り決めは救急隊員の安全確保のためで、同消防本部は事故前なら原発から約4~5キロの病院に搬送していた可能性があるとしている。東電福島事務所は14日夜の会見で「診察できる医師を近くに置く態勢を検討したい」と述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110514-00000105-mai-soci
<引用終了>
昨日の東電記者会見で、この人の死亡を「被曝と直接関係ない」。しれっとして会見してたけど、異常な環境で特別な作業をした結果、不調をきたして死に至ったわけだから、因果関係は成立するじゃないか。『チェルノブイリと違って一人も死者は出ていない』という言い訳はもはや使えない。

さらに腹が経った科白がこれ。「東電で直接雇用しているわけではない」。
死のうがどうなろうが関係ないってか。お前たちのそんな魂胆が見透かされているから、決死隊でも普通の作業でも人が集まらないんじゃないか。

亡くなった方は作業に就いてたった二日目で異常をきたした。一日三時間しか作業ができなくてもこれだけストレスとダメージを受ける。
だから、物理的には何十人でなく、何千人単位で人を投入しないといけないのではないか。いっそ専門のGEでもアレバ社でもどこでもいいから頼んだらどうなのか。

そして、60歳を過ぎた人間が作業をしている現実を重く受け止めるべきと思う。そういう人しかいないこと、なり手を強制できないことの二点ね。
たしかに、未来のある若い人には頼むべきでないとも思う。自分のようなナイスミドルが行くべきなんだろうと。

それにしてもこの人、下請けの下請けという感じで仕事してたのだろう。
その仕事紹介において仲介手数料をたんまりとっている腐れ人材会社があるかと思うとはらわたが煮えくり返りそうです。福島の高校でも新卒求人に月給40万で出していたそうな。ほんと、ろくでもない最低な生業。パソナとかに関わってみてあらためてこの意を強くしましたね。

遺産違い(5/14)

やっちまった、ってところかな。
<引用開始>
 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のエリア内にある熊野速玉大社(和歌山県新宮市)が所有する山林約1ヘクタールを、地元の森林組合が無許可で伐採していたことが13日分かった。住民から「日照不足を解消してほしい」との要望を受け、伐採したという。森林は世界遺産の主要要素「コアゾーン」で、県教委は文化財保護法などに違反する疑いがあるとして調べる。

 県教委によると、現場は同大社のある千穂ケ峯(253メートル)の南部分。シイやカシなどの雑木林が伐採されていた。4月末に、新宮市の環境省熊野自然保護官事務所が確認した。

 この地域では数年前からふもとの住民が「日照や風通しが悪い」として解消を求めていたため、県が平成22年度に「間伐里山再生加速化事業」で枝打ちなどを計画。新宮市が実施主体となり、同市森林組合に作業を委託していた。

 組合は今年2月14日~3月24日に枝打ちや間引きを実施。しかし、地元住民が4月5日に現地を確認したところ、「日照不足が解消されていない」などと伐採を求めたため、組合員ら3人が同月6~21日のうちの5日間で伐採を行ったという。県教委によると、一帯は世界遺産のコアゾーンで、伐採には地元の市町村教委の許可が必要だった。

 同組合は「世界遺産のエリアという認識がなかった。確認不足で、市に相談すればよかった」と釈明している。県教委は「現状復帰も難しい。今後については、所有者や新宮市、文化庁などと相談したい」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110513-00000631-san-soci
<引用終了>
「世界遺産の認識がなかった」という点に注目。所詮はその程度の価値しかないって考えるべきなのか。或いは他に理由があるのか。
強弁するロジックもないではないんですよね。熊野一帯は世界「文化」遺産なんでしょ?
文化とは、人の生活のうえで作り出されるものであるので、経年での人為的作業は必要不可欠であるって考えを押し出す。補修・修繕だったというね。

世界「自然」遺産だったらまずかったけど、しょうがないんじゃないかな。
今度の候補地である小笠原は「自然」、平泉は「文化」でしたよね。そのあたりを留意して次に気をつければいいんじゃないかと思います。

日本の世界「自然」遺産は現状で三箇所。知床・白神・屋久島だけ。人の手が殆ど入らないとこばかりか。ここを増やしたいところですがね。
かって富士山を世界「自然」遺産に認定してもらおうと運動したことがあるけど、汚れているからとの理由で落選しているんですよね。ゴミとかトイレの後始末とかね。

森の風通しはよくなったけど、組織の風通しは不全のままってか。日本らしいともいえる。

気持ちはわかる(5/13)

・・・・わかるけれども、やったら絶対に後戻りできなくなる。

自分の評価見たくて…上司のメール盗み見、逮捕
<引用開始>
上司のメールを盗み見るために職場のメールサーバーに不正に接続したとして、警視庁は13日、埼玉県入間市、無職佐藤勝彦容疑者(28)を不正アクセス禁止法違反容疑で逮捕したと発表した。逮捕は11日。

発表によると、佐藤容疑者は2010年11月15日~12月22日頃、当時勤務していた東京都港区のシステム会社や自宅のパソコンから、計56回、上司のIDとパスワードを使って、勤務先の親会社のメールサーバーに不正アクセスし、上司のメール延べ510通を盗み見た疑い。

調べに対し「自分への評価を知りたかった。パスワードは上司が入力しているのを盗み見て覚えた」と容疑を認めているという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110513-OYT1T00693.htm?from=main5
<引用終了>
他人から自分への評価、たしかに気になりますよね。でも、気にしすぎるといいことはひとつもありません。第一、その評価内容を知ったことで何か得になることがあるんでしょうか。いい評価なら安堵。でも当たり障りない内容なら、軽く失望するだろうし、ネガティブなものであったら怨み骨髄ともなるでしょう。その感情が日常業務で端々に出るかもしれない。相手はそれを不審に受け止め、ますますネガティブな評価を硬いものとしてしまいます。

しかも評価の内容を知っていることを相手に明かすわけにはいかない。秘密をずっと抱え続けたままで、当人は長い間苦しむことになります。
いいことはひとつもない。
500通以上ものメールを盗み見たとのことですが、一通を見てしまったら際限なく見ずにはおれなくなるからでしょう。読むたびに一喜一憂していたんじゃないでしょうか。

直属上司のウケをよくしたいとは誰でも考えることでしょうが、敢えて申し上げたい。
レポートラインを複数作るべきである、と。直属上司が課長であるなら、その上の部長にもネットワークを張っておくべきである、と。これはフォーマルとインフォーマルという意識でもよい。どちらからも評価されるようなつもりで働けばよいのです。すると不思議なことに双方からそう悪い評価はもらわなくなります。しかも傍目には、決してゴマスリに映らず、誰にも与しないバランス感覚の富んだ人物だと見られる余禄もついてきます。
実際にやった経験から言うと、こちらの心持ちも軽くなるし、いいこと尽くめです。直属上司なんてずっと一緒にいるわけないんだからさ。

ネットワークに侵入するよりはるかに健全で正しい所作だと思うのですがね。

アメリカと闘った男(5/12)

ビンラディン殺害のニュース、彼なら一体どう思っただろうか?聞いてみたかった。
「大森実伝-アメリカと闘った男」(小倉孝保著)を読了しました。
著者は現役の毎日新聞外信部副部長。よく書けました。
<引用開始>
一九六五年九月二十三日。
大森実は、西側記者として初めてベトナム戦争下のハノイに入った。
世界的な快挙の後に待ち受けていたのは、その報道を批判するアメリカとの闘いであった―。
「エンピツ一本」。
現場にこだわり、アメリカに真っ向勝負を挑んだ国際ジャーナリストの実像に迫る。
渾身のノンフィクション。
88歳で生涯を閉じた、戦後日本を代表する国際ジャーナリスト大森実。ベトナム戦争中ハノイに西側記者として初潜入した「記者魂」に迫る。
http://www.kinokuniya.com/sg/index.php/fbs003?common_param=9784620320434
<引用終了>
大森実は、元毎日新聞の外信部長にして看板記者でした。ベトナム戦争当時、初めて北ベトナムに入り報道をした人として世界的にも有名です。
米軍がいわゆる「北爆」を開始した当時、ハンセン病の病院を爆撃で破壊した事件があり、それを報道した大森にライシャワー大使(当時)が激しく抗議したこと、その事件がきっかけで毎日新聞が日和り、孤立した大森は退社を余儀なくされたこと、その後の日々などが丁寧な取材で説き明かされていきます。
筆者には、大森実に関して長年の疑問がありました。何故、あれほど米軍を叩いていたのに、引退後はロス郊外のラグナビーチに終生住み続けたのか?
本書を読んで、何となく得心がいきました。アメリカに対して愛憎半ばする感情を隠そうとしなかったこと。生まれ育った日本に実は彼が居るべき場所がなかっただろうことです。

イラク戦争について著者に問われた際「アメリカべったりの記者が多いな。僕もアメリカは好きだけどね。二つ、三つ、四つのアメリカがあるというのを頭に入れないかんのよ」。いろんなアメリカがある、と大森は考えてそこに希望を見出そうとしたのでしょうが、果たしてそれはあったのだろうか?
ビンラディン殺害の報に狂喜する市民を見ていて、道は険しいとも感じました。

驚いたのは、ニール・シーハンやデビッド・ハルバースタムといった大物ジャーナリストとも親交があったこと。(同時代なので、付き合いがあってもおかしくはないのですが)
条件が揃えば、ピュリッツァー賞だって狙えたかもしれません。

それにしても、異能をけっして認めない硬直した日本社会やその組織。この評伝を読むかぎり、彼のような才能を去らせたその組織と社会の生理に、一種の悲劇を見ます。

読んでみてよかった。ご一読をお勧めします。

一矢報いる(5/11)

MSがSkype買収だと。かっての愛用者としては、この連中の軍門に下るようで癪です。

<引用開始>
米マイクロソフト(MS)は10日、インターネット電話のスカイプを85億ドルで買収すると発表した。ウェブサービス分野を強化し、グーグルなど競合他社に対抗する狙いがある。
買収額はMSが過去手がけたなかで最も高額。スカイプはMSの新部門となり、スカイプのベイツ最高経営責任者(CEO)が統括責任者となる。

今後、企業顧客へのアピールとして、MSのメール・情報管理ソフト「アウトルック」などにスカイプの音声・テレビ電話機能が追加される可能性があるほか、MSの家庭用ゲーム機「XBox(エックスボックス)」に同機能が搭載される可能性もある。

市場では買収の妥当性を疑問視する声が出ている。MSの株価は一時1.4%下落した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21018820110510
<引用終了>
語学学習用にもっていたヘッドセットを使って何人かと語らってSkypeを使っていた時期があります。コンテンツ開発の際は、作業しながら会話が出来たので非常に仕事が捗りました。
まさか、MS傘下とはな。名前を失念したがアメリカの記者でMSをEvilEmpire(悪の帝国)とまで称した記事を書いてた人がいたことを思い出します。
企業文化で、両社はどうだろう?水と油じゃないかしら。

そのニュースを見ながら、筆者はこの巨大企業に対して孤独な戦いをしていました。
使っていたofficeが「正規品でない。こっちをクリックしろ」というポップアップメッセージを、アプリ起動のたびに出してくるのを止めようと挑戦しました。もともと会社支給のソフトだから、プロダクトキーが同一とかで引っかかったのでしょう。プロダクトキーなんてわからないよ。電子化されてて普段はわからないようになっているんですよね。

Word・Excel・Powerpointを起動するたびに「this copy is not genuine」とアラート出てきてそのたんびに「後で見る」をクリックしていましたが、お前は不正だ、正規に買えと言われ続けているようでなんともストレスが溜まります。

前はこの挙動はなかったのですが、どうもofficeオンラインで更新した際に検知プログラムを仕込まれたのでしょう。いろいろ調べて、レジストリを書き換えることでこのポップアップを止められるとわかったので試してみました。なんとかうまくいった。少し気が晴れました。一矢報いました。

一時は買いに行くかとか、大学勤務の知り合いに頼んでアカデミーパックで入手するかとか真っ当なことも考えていたのですが、早まらないでよかったです。どうして中古品を売ろうとしないのだろう?車だったら、VWでもベンツでもアプルーブド車を真っ当に売っているではないですか。OSなんかはやったって罰が当たるまい。本当はソースコード公開でもいいくらい。

天袋(5/10)

体の節々が痛い。昨日、押入れの上部にある天袋(というのだよな)より夏用の扇風機を出したり、奥にしまい込まれていたステレオを取り出して分解したりしていたので、体をおかしな方向に捻ってしまいました。
このステレオ。40年ほど前の一体型の古い型式。高さ40センチ、幅130センチ、奥行き30センチあって大変に重い。おそらく20キロ弱はあるでしょう。
見た目はまるでサイドボードです。真ん中が上下観音開きになってターンテーブルと計器類が出てくるというもの。

場所とってしょうがないから捨てろ捨てろと毎回母親に命令していたのですが、勿体無いとか思い出がどうとか未練がましいことを言うのでなかなか処分できませんでした。とうに別のステレオもCDラジカセもあるのに理解不能な感傷をこの期に及んで見せます。

ようやく捨てる気になったかと取り出してみると「中身を取り出してくれ」と意味不明なことをいう。なかのスピーカーや真空管や基盤を取り去って物入れとして使う所存とな。本物のサイドボードみたいにしたいのだという。

訳分からないが、しょうがなく作業しました。二時間ほどかかって解体が終わり、ターンテーブル、スピーカー、各基盤などを外しました。スピーカーコーンの後の金属がすごく重かった。あれはたしか磁石だったよな。
ガワだけを残してスケルトン状態にしました。やってみてつくづく思ったのはその堅牢さと重厚さ。メイドインジャパンの誇りとでもいうか螺子一本でもものすごく丁寧に作っているのだなと感じました。

新品の電気製品を買ってきて箱を開けた瞬間、緩衝材や発泡スチロールにはめ込まれ、さあこれが貴方へのプレゼントですといわんばかりのメッセージ性を日本製品は持っていると思います。最初のコンタクトでやられる。
けれどiPodを購入した際、その種の感動はなかった。ひたすらシンプルで、マニュアルもないのかって拍子抜けしたものです。不親切だよな、CSなんにも考えてないよなって。今にいたるまでアップルなどアメリカ製品に抜きがたくつきまとう感覚ですな。話は逸れるけど、あのCMの得意げなナレーションにも腹が立つ。「iPhoneならできます」とかなんとかほざくやつ。

時ならぬ大掃除となったので、行方不明だったものが沢山見つかりました。トランペット、フルート、硬式テニスラケットに未使用のアタッシェとかも出てきました。折角だから使ってあげましょう。

今年初めて扇風機を回しました。

砂に消えた涙(5/9)

脳内でヘビーローテーション。
先日から、頭のなかで「砂に消えた涙」という曲がずっと鳴りつづけています。

NHKのBSプレミアムで「驚異の歌声」AmazingVoiceという番組を見たのがきっかけです。
<引用開始>
地球上にはまだ、日本人の知らない魂を揺さぶる歌声がある。声が心を打つのは何故?
メジャー音楽産業の光が当たらない分野にも歌声を探り当て、世界各地を代表する歌声を満喫する音楽番組。一回57分に数曲で登場。驚異の歌声をお楽しみください。
<引用終了>
というわけで、番組のMCが藤井フミヤ・元ちとせの二人。声の出演に林隆三。藤井フミヤってなんかいけ好かない人、というイメージがはじめて崩れました。案外いいやつじゃないか。真面目に歌のことを考えていることがよくわかります。そういえば林隆三も歌は大変に上手い人です。

で、砂に消えた涙は元歌がイタリアのミーナという歌手です。
<引用開始>
1978年のコンサートを最後に人前で歌うことを一切やめたイタリアの歌姫ミーナ。
以来毎年1~2枚のアルバムを創り続け、現在も健在。日本でもカヴァーされザ・ピーナツ(月影のナポリ)、弘田三枝子(砂に消えた涙)、矢沢永吉も歌っている。
なぜ人前から姿を消したか?それでも人々がCDを今も待ち続ける「声の秘密」は何?彼女のために曲を作った作曲家エンリオ・モリコーネの証言、カヴァーの歌声、ミーナに影響された若者たちの歌声、とっておきの映像に映るミーナ自身の円熟する歌声に耳を傾け続ける。
http://www.nhk.or.jp/amazing/onair/00thm02.html
<引用終了>
ミーナは今年で71才。毎年一度も休むことなくアルバムを出し続けています。これは日本でいえば美空ひばりが健在で毎年新曲を出し続けているのと同じような恐るべきことです。その歌声は古希を越えた現在も変わらない。まさに歌姫。今度の木曜日の深夜零時十分より再放送がBSプレミアムであります。見られる方は必見。いい番組です。

Mina 砂に消えた涙 Un buco nella sabbia
http://www.youtube.com/watch?v=GpZsUYXrh3c

真剣師小池重明(5/8)

団鬼六が先日亡くなりました。耽美的小説、いわゆるSM小説の大御所として一般には広く知られる存在ですが、実は将棋に関する技量と知識ももの凄いものがありました。

「真剣師小池重明」という作品が幻冬舎より出ています。
<引用開始>
プロよりも強いスゴイ奴がいた!“新宿の殺し屋”と呼ばれた将棋ギャンブラーが、闇の世界で繰り広げた戦いと破滅。日本一の真剣師を決める通天閣の死闘など、壮絶な軌跡を描く傑作評伝。
http://www.gentosha.co.jp/search/book.php?ID=200059
<引用終了>
真剣師とは、日常的に賭け将棋で生計を立てている人のことを指します。勿論、プロの将棋指しではありませんので違法な存在です。
しかし、将棋の棋力においてしばしばプロを打ち負かしたりする実力を持っています。
小池重明は抜群の棋力を持った真剣師でした。真っ当にいけばプロの将棋指しになって活躍していた可能性もあり、事実、彼の棋力は高く評価されて特例としてプロに認めようという動きすらありました。
しかし、棋力とは裏腹にその生活力は放蕩で無頼そのもの。酒と女と金にだらしなく、身を持ち崩してしまいます。
団鬼六のこの作品は、小池の晩年に密着したルポですが、娯楽作品としても文学作品としても一流の輝きを持っていると思わせます。
小池が、他の真剣師やプロと対局したり、その合間合間で人妻と駆け落ちしたり借金作って失踪したりする話が延々と続くのですが、実に読ませます。
一種の破滅譚なのですが、緊張と迫力がありつつ、滑稽にして哀切です。

将棋について知識が全くなくても大丈夫。問題なく読めます。
筆者は将棋が殆どわかりません。コマの動き方だけは知っていますが、そんな人間でも十分に楽しめました。
作家団鬼六のものす文章が素晴らしい証拠でしょうね。

「花と蛇」「夕顔夫人」など団の代表作ですが、手に取るには抵抗のある人も少なくないでしょう。そんな人にこそ是非ご一読をお勧めしたい。

「真剣師小池重明」「小池重明疾風三十一番勝負」。世界がきっと広がります。

レバ刺しは危険(5/7)

いよいよ大事になってきたユッケ流通問題。三年前に雁屋哲がブログに書いてました。

<引用開始>
(前略)・・・・・で、食べ物の話に一時避難する。
2008年8月22日の朝日新聞の「私の視点」欄に、藤井潤九州大学准教授が「牛レバーの生食、危険伝えよ」という意見を載せている。
要点は
1.牛の生レバーやユッケなどを食べて、0−157などに感染する人が目立つ。
2.厚生労働省は1998年に、牛と馬の生食に関する衛生基準を定めたが、強制力がないので、多くの飲食店は加熱用の肉を生で客に出している。
3.牛の肝臓には、一定の割合で食中毒原因菌カンビロバクターが存在する。
厚生労働省は、特に牛のレバーの危険について、積極的に国民に知らせて欲しい。
4.牛の生肉は時に人を死に至らしめることを良く認識し、飲食店は加熱用牛レバーを生食用として提供するのはやめ、消費者も口にすることは避けて欲しい。
と言うわけだが、どうも、参りましたね。
焼肉店で出している、「レバ刺し」や「ユッケ」が生食用の物ではなく加熱用のものだったとは露思わなかった。
我々日本人は、魚の刺身になれているから、肉の刺身の安全性も疑うことがない。
それに、刺身で出し来るからには、生で食べられるように、屠場の段階からきちんと生食用に分別されていると信じていた。
実は、そうではなかったとは、これは、ひどい裏切りだ。

私は、ステーキはレアで食べるが、ステーキのレアと、肉の刺身とは、根本的に違う。ステーキは、いくらレアでも、中まで火を通す。中の冷たいレアのステーキなんて、そんなのはステーキではない。
レアと言っても、ステーキの場合、ちゃんと熱が通っていないと、肉が活性化しないから美味しくない。
肉の刺身とは全く違った味わいなのだ。

魚の刺身だって、下ろすところから清潔でなければ食べる気にならない。
作る方も、魚の刺身の場合神経を使っている。
ところが、ユッケに、加熱用の肉を使っているとは全く驚いた。
魚は鮮度が落ちると臭みが出るので刺身には使えないが、肉の場合は魚ほど足が速くない。
それに、ユッケの場合、濃い味のタレをかけ、ニンニクなどの香辛料も使うので、ごまかしがきく。
今まで焼き肉屋に行くと、ユッケ・ビビンパを喜んで食べていたが、この藤井先生の話を読むと、ちょっと手が出なくなる。

私は若いときにははレバ刺しを好んでよく食べたが、最近は、体が弱くなったせいか妙に勾いに敏感になり、レバーの血の勾いが強くて辟易するようになった。
それに、素人考えだが、肝臓というのは、体内の毒素を分解する臓器だ。
と言うことは、肝臓には、分解前の毒素が溜まっているのではないか。
そんなことを考えて、最近はあまりレバ刺しは食べなくなった。
しかも、肝臓の中には一定程度の割合で食中毒原因菌カンビロバクターが存在する、と知っては、もうだめだ。

私の友人の中には、レバーの刺身は強壮剤だと言って、喜んで食べている者がいる。
私が、「今日のレバーは、においが良くない」などと言うと、「何を虚弱なことを言ってるんだ」と威嚇する。
今度から、その友人に、レバ刺しはやめろと言ってやろう。

「美味しんぼ」の中でも、レバーの刺身を推奨するような話を書いたんじゃないかしら。
困った、困った。
こんなこととは知らなかったからなあ。

だが、事実を知れば改めるのに遅すぎることもないし、恥じることもない。
これからは、漫画や、随筆の中で、レバーの刺身を推奨するのは止めにしよう。

とはいえ、生肉全般が駄目とは言えないだろう。
ちゃんと処理した生肉なら、危険はないはずだ。
ただ、どれが本当に生食用の肉のなのか分からないところが問題だ。
これは、食品の偽装とは問題が違うが、食の安全性から言えば、加熱用の肉を刺身で食べさせている方が、遙かに危険なのではないか。

今夜の我が家の夕食は、牛のタンシチューだ。
安全性の心配をせずに食べられる。

どうも、こんな話を読むと、食に対して保守的になってしまいますな。
http://kariyatetsu.com/nikki/701.php
<引用終了>
相変わらずの容赦なさと頑なさが素敵な文章です。好き嫌いは分かれる人なんでしょうが、大勢を敵に回すような物言いは筆者には魅力的に映ります。

浪人時代に、肉屋でアルバイトをしたことがあり、枝肉から骨を取り除いたり、安い部位を細切れにするのを手伝った時期があります。(高いものは触らせてもらえなかった)
その時の経験から言わせていただくと、肉の鮮度は素人目にはまず判断がつきません。赤みがどうとかテカリがどうとか臭いとかいいますが、個体差もあるので一概に言い切れません。
はっきりしているのは、解体から時間が経ってないものほど生で食べられるということです。

卸屋さんから運ばれてくる枝肉を小庖丁で切り掻いて口に入れると、仄かに甘い。牛だから当然なんですが、牛乳の味わいがあります。これに調味料と生卵をかけて臭みも消してしまうとユッケになるんだな、と思った。

今回の焼肉えびすのユッケは294円だというがこれはあまりにも安すぎる。
どこかに目利きの「見立て」が必要ですがその形跡はない。プロの出番が仕事のあらゆる局面で減っているな、と感じさせる事件でもあります。

鶏肉だのレバだの類似事件が出始めていますが、次は鮮魚関係でも起きるんじゃないかなと少し心配してます。サバあたりで。

自動車税(5/6)

毎年毎年、もっとも納得がいかない税である自動車税をいち早く納めてきました。連休の合間で郵便局もえらく込んでいますが、なんとか34500円もの大金を『泥棒に追い銭』しました。

今月末までに収めればいい、とされていますが嫌なことは早めに片付けてしまいたい。日にちが経てば経つほど、その理不尽さに腹が立って収めにくくなると思えたからです。払ってしまった・・・と後悔するほうがあとから延滞かかるよりはましかなって。来年車検もあるから、証明書にいるしな。

毎年思うのだが、いっそ車を商用車にしたらどうかと。ライトバンとかあんな類な。4ナンバーってやつです。すると自動車税はすごく安くなるから、お得。
と思ったら、4ナンバーって車検が一年ごとなんじゃん!大変じゃん。
しかもおしゃれなステーションワゴンで4ナンバーってない。まして外車はなし。地味なオシゴト用の車じゃ、見栄はれないしなあ。

しかもその恩典も風前の灯。自動車税と重量税を一本化する動きがあり、環境自動車税なる悪辣な新税を当局は画策中とか。これが通れば軽自動車の税金は四倍にも跳ね上がるという。傍証固めに、と二酸化炭素排出量は実は軽自動車のほうが小型自動車(1000cc)より多いとかテキトーなデータを出したりしているらしい。なら、どうしてそんな規格をこれまで守ってたの?
いい加減にとり易いところからとらず、東電の内部留保とか原子力特会とか真のエルドラドから鉱脈を掘り当てろ。

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