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戦後史の正体

2012年11月02日
Sengo
孫崎享著「戦後史の正体」(創元社)を読了しました。この本かなり売れているそうですね。
<引用開始>
日本の戦後史は、アメリカからの圧力を前提に考察しなければ、その本質が見えてこない。元外務省・国際情報局長という日本のインテリジェンス(諜報)部門のトップで、「日本の外務省が生んだ唯一の国家戦略家」と呼ばれる著者が、これまでのタブーを破り、日米関係と戦後70年の真実について語る。

目次:
はじめに
序章 なぜ「高校生でも読める」戦後史の本を書くのか
第一章 「終戦」から占領へ 
第二章 冷戦の始まり 
第三章 講和条約と日米安保条約
第四章 保守合同と安保改定
第五章 自民党と経済成長の時代 
第六章 冷戦終結と米国の変容 
第七章 9・11とイラク戦争後の世界
あとがき
http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=30051
<引用終了>
本書で、常にアメリカからの介入や干渉を受けながら日本の戦後史は形作られてきたと孫崎氏は訴えます。たしかにそういう点もあると思いますが、そういう一面的な視覚だけでは見逃してしまうこともある。読後にそう感じました。

小説とは異なりますので気になる点や引っかかる箇所に付箋をつけながら読み進めました。
あっという間に付箋だらけになり、後半はつけるのを止めました。突っ込み所が満載です。

そして全体を通して読んでみて、特に目新しい情報は私にはありませんでした。
言わんとするところはわかるのですが、事実列挙と推測が整理されずに書かれており、事情を知らない人は混乱するかもしれない。
初めてこの方面の情報を得ようとする人たちをミスリードする危険性があります。

歴代総理大臣を、自主独立派と対米従属派とに色分けて説明をしているのですが、岸信介・佐藤栄作を自主独立派で三木武夫を対米従属派に置いています。この点は全く納得できません。
なるほど。安保条約改定と引き換えのように、社会保障関係で充実した政策をとった点だけは岸信介でも評価できる。だからといって、安保改定を強行した挙句「声なき声をきく」とうそぶいた人を再評価しようとは思いません。
60年安保の学生運動が、アメリカからの資金援助による岸倒閣運動であったとか、冷めるような解説をする。挙句の果ては日本国憲法は進駐軍からの押し付けであったとさらっと書いている。五日市憲法とか、色川大吉とかこの人は知らないのだろうか。

“昔の政治家は気骨がある人がいた。官僚もいいなりではなかった”とおそらく言いたいのだろう。岸・佐藤政権へのノスタルジーも感じさせます。
官僚出身の限界なのかもしれないですね。上意下達の徹底が理想なのだろう。

評論家の佐高信が今週号サンデー毎日の「政経外科」で、この本を酷評していました。
曰く「憲法に鈍感」「いささかならず有害」と。私もその印象に近い感想を持ちました。暇なときにでもどうぞ。

PS
本書に関しては、ITジャーナリストの佐々木俊尚が「陰謀史観だ」などと朝日の書評欄に書いて、それを孫崎が激怒して猛抗議。朝日が当該箇所を削るという措置をしました。孫崎と朝日の言動には問題が大有りです。特に朝日は橋下に全面屈服したばかりだし。
しかし、当該箇所を削除されて、何の意見も出さない佐々木俊尚という人はなんという意気地なしなんだろう。ネオリベ系の主張が目立ち、私はあまり好きではないけれど。この人、私と同じ会社にいたことが判明しました。時期もかぶっている。全く気付かなかった。くすんでいたのだろうね。

青春の責任

2012年11月01日
Kyon
月刊誌のミュージックマガジンをふと手にとると特集が小泉今日子。思わず読みました。
<引用開始>
中森明菜や松本伊代ら錚々たるメンツとともに1982年に登場し、自ら「なんてったってアイドル」と歌うトップ・アイドルに君臨、以降も渋谷系のミュージシャンなど多彩なクリエイターと共同作業を繰り広げ、今年デビュー30周年を迎えた小泉今日子。新作『コイズミ シャンソニエ』でも、小西康陽、二階堂和美、さかいゆう、ソイル&“ピンプ”セッションズら様々な世代の注目アーティストと共演しています。彼女の何がミュージシャンを、聴き手を惹きつけるのか。今回は“82年組”アイドルにまで話題を広げ、小泉今日子が活躍してきた時代とその魅力について、幅広く紹介していきます。

■ロング・インタヴュー~デビュー30周年に思うこと(吉田豪)
■シングルでたどる小泉今日子の歩み(編集部)
■オリジナル・アルバム・ガイド(池上尚志、岡村詩野、小川真一、小山守、原田和典、宮内健、宗像明将、安田謙一)
■みなさんと一緒に楽しんで歌いたい~30年目の宣言に大感激!(浅野純)
■円熟味を増した女優が歌うシャンソン(野々村文宏)
■小泉今日子、中森明菜、松本伊代らを輩出した「花の82年組」の時代背景(稲増龍夫)
■「花の82年組」ディスク・ガイド(稲増龍夫
http://musicmagazine.jp/mm/
<引用終了>
最近はシャンソン歌ったりしているのですが、このなかで吉田豪によるロング・インタビューが素晴らしかったのです。

彼女は高校中退して芸能活動を始めたのですが、デビューの段階で事務所社長から「お前は学校なんていかなくていい。いくとかえってろくなことがない」と言い含められたこと。そこで学校に行かず活動したが、大人の世界に早くから入ったことで厳しく揉まれ、かえってまともになったそうです。
これ、社長って周防郁夫ですよね。芸能界のドン、泣く子も黙るバーニングの現会長です。

82年デビュー曲が「私の16歳」というアイドルソングの王道でしたが、「艶姿ナミダ娘」「ヤマトナデシコ七変化」でブレークし、やがて秋元康の仕掛けによる「なんてったってアイドル」が大ヒット。このあざとい路線を訝りながらもこなしてきたことなどが語られています。

ただ本人が本当に好きな曲はもっと違うタッチだったようです。同時期に歌手だった高橋美枝の「ひとりぼっちは嫌い」が好きな曲と意外な一面を見せてます。高橋美枝、当時はレッツゴーヤングのサンデーズメンバーでしたね。

そして、次の言葉が非常に印象的でした。今も歌い続けている理由を聞かれて彼女はこう答えます。「私が今でもこうした活動を続けてこれたのは、10代のまだ何者でもなかった私に声援を送ってくれた人たちのおかげです。その人たちの青春に責任を取ろうと思います。いま歌っているのはそういう意味合いです」
“青春に責任をとる”。一本取られました。誠実で素晴らしい言葉です。
ファンにはこれ以上の贅言はないですよね。彼女を見直しました。

自動ブレーキ

2012年10月31日
Up
配備が進むのはとてもいいことだと思うんですが、ながら運転増えそうな予感がします。
<引用開始>
高速道走る大型バス、自動ブレーキ義務化方針

高速ツアーバスなどで事故が相次いでいることを受け、大型バスにも「自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)」の装着が義務化される見通しになった。

国土交通省は近く、有識者などでつくる検討会に義務化を提案。了承を得た後、年内にも正式決定する。すでに大型トラックでは義務化が決まっており、高速走行などを想定した新車の大型バスについても数年以内に同様の規制が始まる。

自動ブレーキは乗用車で普及が始まっており、大型トラックでは、22トン超は2014年11月以降、20トン超は16年11月から、それぞれ新車を対象に義務化される。一方、大型バスについては、高速走行中に自動ブレーキで急制動がかかると乗客がケガをする恐れがあるとして、国交省では義務化を見送ってきた。

しかし、今年4月、群馬県藤岡市の関越自動車道で、居眠り運転のツアーバスが道路左側の壁に衝突し、乗客7人が死亡、38人が重軽傷を負う事故が発生した。国交省では、バス運転手が夜間に1人で運行できる上限距離を見直す一方、車両の安全対策については有識者検討会などで協議。新車販売される大型バスを対象に、自動ブレーキのほか、居眠り運転で走行中に車両がふらついた場合などに運転席で警報を鳴らす「車線逸脱警報装置」など、新たな安全装置の義務化が可能かどうか検討してきた。
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20121030-OYT8T00545.htm
<引用終了>
ディーラーからDMで、新しくアップという車が出たからというのでちょっと見てきました。
テレビCMで久保田利伸が歌いながら運転しててよそ見する。すると自動でブレーキがかかって車が無事止まるというのがあるがアレです。シティエマージェンシーブレーキといったかな。厳密には衝突を軽減させる働きがあるということで、過信してはいけないというが、エアバッグも最初はそういう触込みでしたけど、これで死亡事故がかなり減りましたよね。
試乗運転しましたが、今乗っているのよりさらに小さいので窮屈に感じました。次に買うなら現行のポロかこれより大きいやつがいい。それで自動ブレーキがつけばいいんじゃないかと思いました。
いや、それよりもだ。VWはハイブリッドかディーゼルを投入しましょうよ。

で、自動ブレーキ普及もいいんですが飲酒運転検知機能が付けられないでしょうかね。
よく飲酒検問で息吹きかけろとやられる器具を改良して、ステアリング周辺に装着。呼気で一定量のアルコールを感知するとエンジンがかからなくさせるという感じでどうでしょうか。自動ブレーキより、開発は容易だと思います。
ただ、そうやっていって自動化がどんどん進むのが本当にいいことなのかどうか。スマホやりながら運転とか、流行りそうです。

見ていただけ

2012年10月30日
「見ていただけだ」って。そりゃそうでしょう。カモを熱心に物色していたのだろうから。
<引用開始>
スリ歴50年「駒崎姉妹」、大阪デパ地下で逮捕

大阪の繁華街、梅田の阪急百貨店の地下1階食料品売り場で買い物客の財布を盗んだとして、大阪府警は29日、京都府八幡市出身の駒崎恵美子(80)、妹の妙子(72)両容疑者を窃盗容疑で現行犯逮捕した、と発表した。

府警によると、2人はスリ歴50~60年で、大阪や京都の「デパ地下」を中心に出没する「駒崎姉妹」として捜査員の間で有名な存在。高齢で動きが鈍くなった姉が見張り役を務め、妹が財布を抜き取っていたという。

発表では、2人は今月26日午後3時50分頃、大阪市北区の同店食料品売り場で、買い物中の女性客(63)の手提げかばんから約7000円入りの財布を抜き取り、盗んだ疑い。警戒中の捜査員が見つけ、取り押さえた。恵美子容疑者は「店内を見ていただけ」と否認。妙子容疑者は「一人でやった。一緒にいたのは女友達で、無関係」と供述している。

建て替え中の同店は、25日からの一部先行開業で混雑しており、スリ犯専門の捜査員が警戒していた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121029-OYT1T01230.htm
<引用終了>
気になるなあ。日頃どうやって生計を立てていたんでしょうか?
警察からマークされていたということは逮捕歴も収監も頻繁にあるというわけで、司直の手にあるときは衣食住が保障されるとして、娑婆にいるときはやっぱりスリで暮らしていたんだろうかってことです。犯歴を考えると年金とか生活保護とか、まさか貰ってないでしょうしね。

更生の機会はないのかなあ。元スリ名人として、こういうときに気をつけろって全国を講演&実演できないものだろうかと考えてしまう。地域の社会福祉協議会に後援してもらうなりすれば、贖罪と社会貢献にいくらでも取り組めると思う私は甘いのだろうか。三つ子の魂百までなのか。もう百歳に手が届くまできている姉妹だけれども。年を取って動きが鈍くなったので見張り役になったなんて、不謹慎だが笑ってしまいましたよ。

ドラマなどで出てくるスリって、上着の内ポケットを神業の手先で狙うって演出が多いですが、実際には尻ポケットを狙うことが半分以上なんだそうですね。私も尻ポケットに財布を入れているので用心しなければなりません。

以前、中央線に乗っててスリ逮捕を目の前で見ましたが、やっぱり現行犯逮捕なんですね。

宇宙(そら)へ/ヒートアップ

2012年10月29日
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福田和代の最新作「宇宙(そら)へ」と中山七里の最新作「ヒートアップ」を読了しました。

「宇宙(そら)へ」
<引用開始>
職業メンテナンスマン。仕事場は、宇宙(そら)!

2031年、原田拓海は宇宙へ上がる。
天に向かい、まっすぐ伸びていく<宇宙エレベーター>で。
誰もが宇宙へ行ける時代の到来。夢のその先には、誰も味わったことのない未知なる“お仕事”が待っていた!
新時代の“お仕事”エンターテインメント!

子供の頃から宇宙へ行くことを夢見ていた原田拓海。高校生の時、身長が規定オーバーの192cmを超え、宇宙行士の夢は潰えた。だが、2031年、かねてから開発中だった地上と衛星軌道のステーションを結ぶ<宇宙エレベーター>が完成する。誰でも宇宙へ行ける時代の到来。拓海の夢は途絶えてはいなかった。天に向かいまっすぐ伸びていくケーブルで、拓海はついに宇宙へ上がる。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2179199
<引用終了>
これは、映画「宇宙兄弟」の関連した話らしいのですが、四本の中篇作品から成り立っています。以前の「痛み」「岩倉梓」でも思いましたが、この人は中篇作品が非常に上手です。長編も面白いのですが、ややもすると冗長になりがちなところもあり、先を読みたいこちらとしては少しはぐらかされたように思われるところもありましたが、ここ一年程度で出した中篇はどれもよくまとめられていると感じました。SF仕立てとはいえ、きちんと現在の状況にたどり着くような物語に編まれており、絵空事という感じがあまりしません。心にちょっとした鬱屈を抱えていながら、周囲には明るく大胆に行動するヒロインが彼女の作品にはよく出てきます。本作でもそんな人物が登場し、物語がテンポよく進みます。著者の願望の投影なんでしょう。

「ヒートアップ」
<引用開始>
七尾究一郎は、厚生労働省医薬食品局の麻薬対策課に所属する麻薬取締官。警視庁のみならず関東一円の捜査員の中で有名な存在だ。その理由は、おとり捜査を許された存在であることの他に、彼の特異体質が一役買っている。
現在は、渋谷など繁華街の若者の間で人気の違法薬物"ヒート"の捜査に身を投じている。
"ヒート"は、ドイツの製薬会社スタンバーグ社が局地戦用に開発した兵士のために向精神薬で、人間の破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、兵器に変えてしまう悪魔のクスリ。
それによって、繁華街の若者チームの抗争が激化しており、数ヶ月前敬愛する同志・宮條が殉職した。
絶望と怒りを胸に捜査を進める七尾に、ある日、広域指定暴力団の山崎から接触があった。目的は、ヒート売人・仙道の捜索について、手を組まないかというものだった。山崎の裏の狙いに気を付けながら、仙道確保のため情報を交換し共闘することを約束した七尾だったが、ある日仙道が殺される。そして、死体の側に転がっていた鉄パイプからは、七尾の指紋が検出された……。犯行時刻のアリバイがなく、特異体質のせいでヒート横領の動機があると見なされ拘留された七尾。これは山崎の仕掛けた罠なのか! ?
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-%E4%B8%AD%E5%B1%B1-%E4%B8%83%E9%87%8C/dp/4344022432/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1351486782&sr=8-1
<引用終了>
麻薬取締捜査官、通称「マトリ」を主人公とした作品です。
刑事ものでは、例えば大沢在昌の「新宿鮫シリーズ」にマトリを登場させたりしますが、あくまで脇役の位置づけでした。勿論、現実に存在する職務ですけど対象者が少なく、捜査自体も地道なものが多くて秘密保持が前提なので物語として描くには難しいのでしょう。日本の司法警察員で唯一、囮捜査の手法が認められている仕事でもありますが。

高校時代に世界史を教えていた教師が元マトリでした。職員の殆どが大学の薬学部を卒業して薬に対する知識が非常に深いそうです。拳銃携帯が許されている数少ない職業でもある。一番怖かったのは、ガサ入れで相手のアジトに踏み込む瞬間だったと話してくれました。それにしても何故、高校教師になったのだろう?緊張する日々の生活が嫌だったのかな。

現在の日本で公的に拳銃携帯が許可されているのは自衛官・警察官・海上保安官・麻薬取締捜査官です。少し前までは鉄道公安官もあったが国鉄民営化のあおりで警察に編入されたので現在はこの四つですね。話を戻します。

中山七里の特徴のひとつに、壮大などんでん返しがあります。このミス大賞受賞作品の「さよならドビュッシー」でも、え!と唸らせる箇所がありました。今回のヒートアップでも、終盤で大きな仕掛けがさりげなく用意されています。そうきたか・・という感じ。この仕掛け、小説ならではのものでして、仮に映像化されたら使えない。本でしか味わえないものでした。文句なく面白い。

どちらも、ご一読をお勧めします。

ブランド力

2012年10月28日
こんな記事を見つけました。逆転の発想というか。
<引用開始>
まさかのガンダム無料配信に中国驚愕 「本物」の魅力で海賊版駆逐へ

・・・「なぜ無料で流れているんだ」「本物の映像はこんなにきれいなのか」

 中国のネット掲示板に昨年、こんな「驚き」の書き込みが殺到し、話題が沸騰した日本発のコンテンツがある。バンダイナムコHD傘下の事業会社、バンダイが運営する人気アニメ「機動戦士ガンダム」の公式情報サイトで配信された最新テレビシリーズ「ガンダムAGE」だ。

 ガンダムはバンダイナムコのキャラクター商品の稼ぎ頭で、2012年3月期の関連収入は447億円と、連結総売上高の約1割を占めた。
だが売り上げの9割は国内から。「クールジャパン」の代表格として国際的に評価の高い日本アニメへの海外の関心を十分に生かせていない。

海外では、アニメのテレビ放送などのメディア利用と、キャラクター商品の販売戦略を連携する得意のビジネスモデルを思うように展開できず、中国などでは違法コピーの「海賊版」や模倣品が大量に出回っている影響もある。
 そこで繰り出したのが、情報発信の制約が小さいネットを舞台に思いきって知的財産を無料で公開し、「本物」の魅力で海賊版を駆逐する新手の手法だ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/121026/bsc1210260504015-n1.htm
<引用終了>
本物を無料公開。海賊版やコピーの氾濫に敢えて切り込もうという逆転の発想ですね。
厳しく取り締まろうとしても、もぐら叩きで新手をいろいろ繰り出してきます。それなら、本物の魅力で顧客を魅了してしまおうという戦略。
クリス・アンダーソンが提唱したところの「FREE」ですね。

無料で利用してもらう。このやり方、グーグル以外ではあまり目立った動きがありません。特にアメリカの企業でグーグル以外では思い浮かばない。
これ、Microsoftに対するアンチテーゼの意味合いも強い。ウィンドウズとかオフィスとか、もはや公共財に近いところまで世界中に普及したアプリをいまだにひとつも無料化せず、ソースコード公開もやろうとしない。一部の人から「EvilEmpire」(悪の帝国)と揶揄されても変わらない。
それどころかバージョンアップする度に買い替えを図々しく要求してくる。食うのはお金と容量ばかり。家計にもPCにも重く圧し掛かります。

それに比べてグーグルは基本的に無料。代わりに個人情報を差し出しているという現実はなかなか目には触れないので大きくシェアを伸ばしてます。
儲かった企業はそれなりに社会還元・貢献しないとね。

一方で、こんな面白い無料公開をやりだしたところもあります。
モンティパイソンのYoutube公式サイトです。
http://www.youtube.com/user/MontyPython?feature=g-user-u
画面右端にこんな挨拶文が載っています。
“For 7 years you YouTubers have been ripping us off, taking tens of thousands of our videos and putting them on YouTube. Now the tables are turned. It's time for us to take matters into our own hands・・”

翻訳:
“過去7年間、きみたちYoutubeユーザーは我々の作品をリッピングし続けてきた。
我々のビデオを無断でコピーしYoutubeにアップしてきたわけだ。
今、我々が立場を逆転する時がきた。
これからは我々は、自らの手で自ら映像を投稿する。

君たちがどこの誰かわかっている。
どこに住んでるかも知ってるし、どこまでも追いかけて死ぬほどビビらせることもできる。
しかし、我々は度を超した寛容な精神の持ち主であるので、もっといい方法を考え出した。
我々はモンティ・パイソン・チャンネルをYoutube上に開設することにした。

君らが投稿していたクソみたいな品質の動画のことは忘れたまえ。
代わりに、我々が本物を提供する。
コレクションの中から高品質な動画を直接お届けする。

そして、人気のある動画をどんどん新しい高品質バージョンに置き換えていく。
もちろんすべて無料で提供する。どうだ!

しかし我々はそれに対しての見返りを要求したい。
内容のない、心ないコメントが欲しいのではない。
我々はリンクをクリックしてもらいたいのだ。
そして、われわれの映画やTV番組を買って欲しいのだ。
そして我々が長年リッピングされてきたことによって受けた苦痛や不快感を少しでも軽減して欲しい。”

ユーモアたっぷり。イギリスらしいというか、皮肉を効かせた文章です。
アメリカだとこうは書かない。もっと直裁に効能を訴えると思います。

罰則と規制だけでは、人は動かない。そんな生理をよく分かっていらっしゃる。
勿論、前提にサービスや商品に相応のブランド力があればこそでしょうが。
日本もこういうのが広まればいいのに。ダウンロードの罰金だの止めてみろって。

伝える力

2012年10月27日
父親が用事で埼玉県の川越市まで出向くことになりました。知り合いと二人で行くのだが両人とも行きかたに不案内だという。そこで、どうやっていったらいいか教えてくれとリクエストがきました。

「そんなの、電車に乗っていくんだよ」とにべもない答えを出すと年寄りは絶対怒るので、駅すぱあとで経路を調べて渡しました。

拙宅からですと、東京メトロ東西線葛西駅か、JR京葉線葛西臨海公園駅から向かうことになります。
しかも両駅とも二キロ以上離れているので徒歩で行くのは辛い。バスから調べて欲しいという口ぶりだったので、それも駅すぱあとで探索します。

それを紙に印刷してそのまま渡して一件落着、とは行かなかった。

かかる時間からすると、葛西臨海公園→新木場→(有楽町線)→池袋→和光市→(東武東上線)→川越が一番楽にいけるのですが、これの乗り換えが分からないという。

「池袋で降りて東武線に乗らないといけないのか」と訊ねてきます。
いや、それはそのまま乗っていればいいんだよ、と答えたのですが十分に理解できていないご様子。有楽町線の相互乗り入れが複雑なのですね。

「とりあえず、池袋では絶対に降りなければいいんだな」というので「そうだよ」と生返事しました。で、後からそれじゃまずいことに気付きました。

西武線という問題があったんだった。もし乗れば見当違いな方向に行くぞ。

「新木場で有楽町線に乗るときは「小手指行き」「清瀬行き」と表示してあるのは絶対に乗らないでね。やり過ごしておくこと。「川越市行き」とか「和光市行き」とかが来るまで待っていることだ。そう申し渡しました。

「和光市行き」は川越までいくのか?と訊いてくるので、和光市駅ホームで待ってて、次に来る電車に乗っていけばよいと答えました。

「川越駅」と「川越市駅」があるけど、どちらで降りるのかと混乱してきたので「川越駅」だと強調。「川越市駅」は今回関係ないから、と念押ししました。

口頭だけだと忘却するので、これらをメモにし、駅すぱあとの経路を貼り込んで文書として印刷。電車に乗る前に必ず見て確認しろと念押しします。

何も知らない不案内なだけな人なら素直に聞いてくれるのでしょうが、父親は車に乗ります。今でも、近場は全て車で移動する。自分は道や地理に詳しい、という変な自信がある。だから時々おかしな判断をしてしまうのですよね。
道路には詳しいけど、線路には疎いという。老いては子に従え、だ。

というわけで先ほど、臨海公園駅までお二人を車で送ってきました。
ところが道中でも中途半端な知識を披露。「副都心線っていうのでもいけるんだろ?」なんてまたややこしくなることを訊ねてきやがった。

「あのね、副都心線なんてね。私らの生活に殆ど関係ないからね。今後とも乗る機会なんてないんだから、そんな電車はないものだと思っていいよ」と話を強引に終了させました。

帰り道は「川越駅で『新木場行き』の電車に乗れ。それ以外の電車は全て無視しとけ」と厳命しました。さて、無事に帰宅できるかどうか。ドキドキします。

伝えるって難しいです。

存在感だと

2012年10月26日
もう、この人の話題には触れないでおこうかと思ったのですが。失笑してしまった。
<引用開始>
五輪招致委、重い空気…石原ブランド消え衝撃

2020年の夏季五輪招致を目指す東京都が、石原慎太郎知事(80)の辞職表明に衝撃を受けている。

開催都市の最終選考が10か月後に迫り、早ければ12月には国際オリンピック委員会(IOC)の支持率調査が始まるが、「首都の顔」が決まるのは同月中旬。これまで石原知事の個性で世間の関心をつなぎ留めてきただけに、「都知事が代われば選考レースの行く末にも影響する」と不安の声も上がっている。

 ◆関係者に衝撃

「強烈な存在感のあった石原さんがいなくなることで、国民の関心が薄れないだろうか」。招致関係者の間には重たい空気が流れた。

東京招致のネックは国内支持率の低さ。IOCが5月に公表した各都市の支持率調査結果では、東京は47%。招致レースで東京とともに1次選考を通過したイスタンブール(トルコ)は73%、マドリード(スペイン)は78%と、東京よりはるかに高い。このため、都スポーツ文化事業団では国民の関心を高めようと、石原裕次郎さんをPR動画に起用するなど、「石原ブランド」を利用してきた。

トルコは隣国シリアの情勢不安、スペインは深刻な財政危機を抱え、「東京の勝機は十分に出てきた」(都幹部)と手応えを感じていただけに、招致活動の旗振り役を失った衝撃は大きい。

 ◆「なぜ今…」

「なぜこのタイミングで」。招致委員会の幹部は頭を抱える。IOCの支持率調査は早ければ12月から始まるとみられる。「もし五輪招致の是非が都知事選の争点になってしまったら……」と幹部は心配する。

実務的な問題も出ている。開催計画の詳細をまとめた立候補ファイルをIOCに提出する期限は来年1月7日。冒頭は当然、「首都の顔」のあいさつと顔写真を掲載することにしていたが、急きょ、「首都の顔」のページを除いて印刷する予定だ。都知事選の投開票日は12月16日が最有力とされ、都のスポーツ振興局は「新知事が決まってから急いで追加印刷をするが、間に合うのだろうか」と気をもむ。
(2012年10月26日16時55分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20121026-OYT1T01062.htm
<引用終了>
この期に及んで招致委員会の人は、何を錯乱しているのでしょうね。五輪の招致なんて、彼と彼を利用して儲けを企むごく一部の人たち以外で誰も関心持っていないじゃないの。
だいたい「石原ブランド」って何さ?強烈な存在感って?
英紙「エコノミスト」では彼を「rogue of the right」=右翼のごろつきと酷評してます。http://www.economist.com/node/21564263

まあ、確かに強烈な存在感ではあるが。顔を見るのも嫌なら一緒の空気を吸うのも嫌、と瞬時に思わせる人なんてなかなかいません。
その口は「閉経したババァは生きているだけで害悪」「(寝たきりの障害者を見て)ああいう人っていうのは自我があるのかね?」「今回の大震災は天罰、我欲を洗い流すいい機会だ」など等、暴言のオンパレードじゃないですか。

辞任は朗報。けれども後からジワジワと怒りも湧いてきました。だったらなんで去年出馬したんだろうって思い出してしまった。
新党なんて泡沫で終わるんだろうから、潔く引退すればいいのにねえ。
大物ぶりをアピールするだけのマスコミ報道で、頭痛がして熱まで出てきました。
いい加減に沈静して欲しい。

オカルト

2012年10月25日
まるで、腫れ物にさわるかの様です。羹に懲りて膾を吹く、ちょっと違うか。
<引用開始>
大阪の市立図書館、週刊朝日を閲覧制限

 日本維新の会代表の橋下徹大阪市長の出自を報じた週刊朝日に関し、大阪府八尾市教育委員会は24日までに、市立図書館で当該号の一部を閲覧できないようにすることを決めた。
 八尾市教委によると、制限対象となるのは、週刊朝日10月26日号の橋下市長に関する掲載記事6ページ。23日午前の市教育政策会議で「掲載記事は、市内のある地域を被差別地域として特定する内容で、差別を助長する恐れがある」として、閲覧制限を決めた。

 この決定を受け、23日午後から、市立図書館3館で当該号の閲覧ができなくなっている。今後、問題のページだけ隠し、他のページは閲覧できるようにする予定。

 問題の記事は週刊朝日が10月26日号に掲載した「ハシシタ 奴の本性」。橋下氏が「一線を越えた」と抗議し、発行元の親会社である朝日新聞の取材を拒否。19日に連載打ち切りが決まった。
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20121024-1036981.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=API
<引用終了>
八尾といえば今東光の「悪名」を思い出す。勝新太郎で映画といったほうが早いですね。勝新も田宮二郎も今東光も皆いなくなってしまったけど。

そういえば今は無い近鉄バファローズに、陽田浅吉という内野手がいました。藤井寺で主催試合があったときなど「浅吉、頼むでぇ~」などと声がかかっていた。代打で使われてましたね。70年代後半の西本幸雄監督時代。
これ、八尾の浅吉になぞらえたわけです。近鉄ファンは阪神とはまた違った、荒っぽい応援であったようですね。閑話休題。

出版物に制限をかける、ということはどうかな。差別を助長しかねないなどというが、逆に亢進させてしまうのではないか。現在は雑誌そのものが見られないが、今後は当該頁だけを制限するというのもおかしな措置ですよ。

でも、実際の八尾は自らを「維新」などと僭称する松井一郎氏の選挙地盤。また、件の市長が幼少時に育った場所でもある。今回の閲覧制限は市役所幹部による気を遣った末での英断?なのかもね。

オカルトとして扱うというわけか。心霊とか怪奇でなく「見えないようにする」「隠す」というのが本来のオカルトの語源だそうです。本当に差別を廃絶するつもりなら、むしろ徹底して明らかにすべきでしょう。なんだか「温存」したいのかと訝ってしまう。

八尾の浅吉はならず者だったけど、きっぷがよくて愛される人物像であった。「抹殺だ」「鬼畜だ」などと聞くに耐えない暴言を吐くならず者とは違う。しかも相手を選んで咬みつく。強気をくじき弱きを助けない。義侠でも人情の人でもない。肩入れする人たちはどうして冷静になれないのだろう。

挙句に全く関係ない朝日出版に抗議が殺到して「もう購読しない」だって。ここは雑誌も新聞も出していない。地味だが真面目な出版社じゃないか。

日頃に鬱屈したものを、弱いものに当り散らすことで発散したいがためか?
「怒りは、愚に始まって悔いに終わる」(ユダヤの格言)。
でも、やられた側はそれでは済まない。そのことを想像して欲しいです。

意外な転身

2012年10月24日
Momoko
先日たまたまNHKEテレを見ていましたら、意外な人が予想外な番組に出ていて驚きました。
夜八時からの「ハートネットTV」です。
<引用開始>
「シリーズ貧困拡大社会 若者を追い詰める“ブラック企業”」

Q.ブラック企業という言葉はご存知でしたか?

キャリアカウンセラーをしている友人からよく聞きます。
学生に就職支援のサポートをしていると、「この企業はブラックなんですか?」という相談が多いようなんです。
「どの辺を指してブラックと言っているの?」と聞くと、具体的なことはわからず、噂でブラックだと広まっているそうです。

ソーシャルネットワークが広がっていくといたずらに情報が膨らむ部分があるので、安易に恐れすぎないことも大切です。
そして噂に惑わされず、正しい実態を勉強していくことが、今の若者に求められているのかなと感じました。

Q.十分な説明もないまま給与承諾書にサインをさせるなど、ブラック企業の具体的な手口も紹介しましたが、いかがでしたか?

私自身もそうですが、法的な書類に目を通していると専門用語が並んでいたりするので、読めているようで本当に内容を理解しているか不安になることってあると思います。
ですから、同じようなミスを自分もしてしまう可能性があると考え、怖くなりました。

これからはこういう悪質な手口などへの立ち向かい方も学校教育(キャリア教育)の一環として必要かもしれないですね。
そして公的な広報活動や啓発も広がるならば、もっと効き目が出てくるのかなと感じました。放置していてはいけない問題ですね。

Q.収録を終えて、若者たちが必要としているものはなんだと感じましたか?

今の若者は十分に恐怖感を持っていますし、とても現実主義になっていますので、これ以上萎縮してはいけないと思うんです。

そこで重要になってくるのが、年長者のサポートかなと感じました。
20代30代の若者が、ソーシャルスキルをこれから身につける段階で死に至ってしまったという悲しい現状。悩む若者に人生経験豊かな大人がアドバイスを行えるような場所が作れないものでしょうか。

Q. 若者がアドバイスをもらえる場所、どうしたらそれはできると思いますか?
メンタルサポートの社会的な仕組みがもっと充実すれば良いのでしょうか?
それとも上司や家族のような身近な人の心がけでしょうか?

私は「近くにいる人々」という意味で捉えると一番いいかなと思います。
家族となると心配をかけてはいけないと感じて、言いづらい可能性もありますので、職場にそのような人がいればすごくいいと思います。

他には、たとえば地域コミュニティー、つまり町内会、自治会を活用するのもひとつではないでしょうか。
町内会などのコミュニティーは定年退職をした経験豊かな方たちが主となって活動していることが多いです。子供の頃から慣れ親しんだ地域で大人に悩みを打ち明けるということも有効ではないでしょうか?
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/500/135334.html
<引用終了>
回答者はなんと菊池桃子。現在は、戸板女子短大客員教授という身分であり、かつ法政大学大学院で「雇用政策」を研究しているのだと聞いて二度もビックリしました。

菊池桃子と雇用政策。両者は全くこれまで結びつかなかったです。まさか大学院に進むとは、しかも社会学系に行くとは。失礼ながら意外な取り合わせです。
法政で社会学ならば、大原社研を思い出す。雇用政策もきっとその系列に入るのだろう。
相変わらず優しそうな顔をしている。でも芯は強いのだろうな。中学生と小学生の子供を持つ親として彼らの将来につながる雇用政策に関心があるのだと見受けました。

何だかすごくいい。彼女を応援したいです。つまらない男と別れて正解だったのでしょう。

秋ドラマいろいろ

2012年10月23日
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改編期が一段落して今クールのドラマが出揃ってきました。
第一回を見逃した日テレ土曜の「悪夢ちゃん」が、予想以上に面白いことがわかりました。
恩田陸の「夢違」をもとにしているんですね。脚本の手腕も問われるところですが、第二回を見た限りではなかなか凝っていてよかったです。
主演は北川景子。この人、主演だとなかなか数字が取れない。以前にもプロファイラーに扮したドラマが視聴率で惨敗したことを思い出します。今回は期待したい。
主題歌はももいろクローバーZ。何でだろう?と少し考えて同じ事務所「スターダストプロモーション」だったと思い出しました。
まあ、北川景子だってもとは「セーラームーン」実写版から出てきたひとだし、いいか。

地上波ではないが、日曜十時のBSプレミアム「そこをなんとか」。WOWOWプライムで同時刻に始まった「ヒトリシズカ」。も楽しみ。一昨日の第一回は「ヒトリシズカ」を優先させて見ました。本仮屋ユイカと夏帆がそれぞれ主演。奇しくも事務所がスターダスト同士です。BSとはいえ、所属タレントがバッティングするのはまずいんじゃないかと余計な心配をしてしまいます。
これが、ジャニーズ事務所だとすると絶対にブッキングさせないですね。

「ヒトリシズカ」は、主演の警察官役に高橋一生ですと。これは珍しい。BSならではのキャスティングの妙ですね。しかも共演が村上淳だ。これまたいいところを衝いてきます。無料放送は第一回のみ。これは残念。どこかで探して視ます。

テレ朝は米倉涼子の「ドクターX」。相変わらず強い女を演じている。脚本が中園ミホで、派遣医師という立場を与えていて新味があります。「ハケンの品格」をうまくモデファイしましたね。なかなか面白い。
仲里依沙の医師ドラマ「レジデント」は、初回視聴率が奮わなかったようです。つるかめのイメージの名残があるのか、医者より患者だろっていう。

月9は木村拓哉。また食指が動かず。題名も彼同様に品というものがない。「あるわけねぇだろ、んなもん」とかあんな増上慢に言われたくないです。

今秋の楽しみはもうひとつあって、FOX238で「ウォーキングデッドseason3」が始まります。
ところが無料放送止めてしまった。毎週水曜日に放送で今シーズンは12話やる予定。
何とか放送を見たいのだが、有料に今さら加入するのも癪です。仕方ないので、あらすじを教えてくれるサイトを時々みて我慢。ある程度の本数が貯まったら、またHuluに登録して二週間のトライアル中に見てしまおうという遠大な作戦を計画しています。凄惨なシーンもありますが、これは本当に面白いです。
season1と2は、Huluで二週間以内なら無料で見られますので関心ある方はご覧下さい。
http://www2.hulu.jp/

ロコ

2012年10月22日
なんていいますか。居留地に留まるインディアンとかイヌイットを気取ったんでしょうか?
<引用開始>
暴走族の掟:破った仲間殴り、少年ら4人傷害容疑で逮捕

「足立区の外に出てはいけない」という暴走族の「掟(おきて)」を破ったのを理由に仲間を殴ったとして、警視庁は22日、東京都足立区の暴走族「侍誠會(じせいかい)」に所属する定時制高校1年の少年ら4人=いずれも18歳=を傷害などの疑いで逮捕したと発表した。いずれも容疑を認めているという。

少年事件課によると、緊急のけんかやもめ事にすぐに駆け付けられるように、メンバーが区外に出ることを禁止していたという。「硬派」を自称し、他にも「髪染め禁止。横と後ろは刈り上げる」「(メンバー以外の)同世代がヘルメットなしでバイクに乗ることを許さない」「バイクは自分で購入(盗まない)」などの掟を掲げていた。

逮捕容疑は7月15日、定時制高校1年の男子生徒(16)ら2人が掟を破り、埼玉県春日部市の祭りに遊びに行ったことに腹を立て、区内の公園で顔などを殴り重傷を負わせたとしている。16日に男子生徒を別の傷害事件で逮捕したところ、顔が腫れ上がっていたことから発覚した。
http://mainichi.jp/select/news/20121022k0000e040165000c.html
<引用終了>
祭りくらい、たまにいいじゃないかな。しかも春日部なら指呼の間だ。同じ伊勢崎線の延長だし、足立の豪快な気風が其処かしこに残る場所です。飛び地だ。喧嘩上等で私的制裁を加えたのはたしかに問題だけど。會の規則はこれだけ見てると私には真っ当に映ります。硬派のやせ我慢が粋にみえる。

区外に行くなってのがしびれます。ただ、この種の縛りは何だか懐かしい。私が高校生くらいまで、身近にありました。大田区で育ちましたが、蒲田に出向くときは気をつけろとか、京浜東北線の西側とか環七の北側に無闇やたらに行くな、とか。本門寺の近くを夕方に出歩くなとか。○○中の制服を見たらやり過ごせとかいろいろ。都市伝説がどんどん膨れ上がっていくんです。中学まではそんな感じで推移しました。

当時の私たちにとっての魔窟は墨田区の錦糸町。とても怖い町で改札から一歩出た瞬間によそ者はカツあげに遭うなんて話があった。キンチュウ=錦糸町中学には気をつけろなんて、あいつらヤッパを腹巻に呑んでるからヤバいぞとか。
そう話す連中の誰一人として、実際に錦糸町に行ったやつなんていない。
見たことないから、想像のなかではどんどん恐怖だけが積み重なっていきます。有り得ないくらい大人びた老けた不良が闊歩しているダークな町なんだろうなと想像。もう絶対に総武線には乗るまいって思いました。

で、高校に入ってみて東京中から同級生が集まってきてそうじゃないんだと初めてわかって安堵したり。当の錦糸町から通ってきたやつが「蒲田ってのがえらい怖いとこだって聞いてたから、緊張してた」なんていう。案外、いいやつだな。お互いに竦んでただけなんじゃん!と大笑いしました。

いつかロコも足立区から出て行くときが来る。そのときに備えて少しずつ電車に乗って練習しておけばよいと思います。まず荒川区とか草加市とかからスタートですよ。怖くないから。

ここまで書いてきて、半年近く区内から出ていないことに思い至る私です。
まずいぞ。もう、地下鉄に乗れないかもしれません。

百年法

2012年10月21日
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山田宗樹の「百年法」(角川書店・上下巻)を読了しました。
<引用開始>
1945年、太平洋戦争終結。
日本には原子爆弾が6発投下され、都市部は壊滅。人口は半減。日本全土を支配下に置いたアメリカは天皇制を廃し、共和制を敷いた。
そんな中、GHQはすでにアメリカで実用化されていたヒト不老化技術(human-ageless-virus inoculation:HAVI)を日本に導入することを決定する――。
そのHAVIの導入時に一つの法律が制定された。生存制限法。通称「百年法」。
「HAVIを受ける者は、処置後百年を経て、生存権を始めあらゆる権利を放棄することに同意せねばならない」つまり、百年後には死ななければならない。そんな日本で、その最初の百年が迫っていた……!? HAVIをつかさどる官僚・遊佐章仁、国益を追求する政治家・永尾聖水、母がまもなく百年法による死を迎える大学生「僕」、HAVIの世界に反旗をかかげる「阿那谷童仁」……様々に思惑が渦巻く“世界”はどこへ向かうのか!?
http://www.kadokawa.co.jp/sp/201207-05/
<引用終了>
上下巻で800ページを超える長編で、波乱万丈の話なのにすらすらと読み進められます。
物語のなかでは六発の原子爆弾を落とされて日本は降伏するという設定です。つまりSF仕立てでして、著者として初めてだそう。SFというと絵空事だから、と忌避してまるで読まないフォービアな人もいらっしゃいますが、書かれている内容は相当に深刻です。物語は文句無く面白いが、決して楽しい内容ではない。私は、ディストピアとしてこの物語を読みました。
他の作家で喩えれば曽根圭介の「あげくの果て」などにも通ずる世界観ですね。

新生日本共和国は、経済力や国力において中国や韓国に負けてしまい、電化製品など主だったものもこれらの国から輸入に頼っている有様。
百年間行き続けられる体を手に入れた日本国民は、その多くが不安定な派遣社員としての労働を余儀なくされます。工場などで三ヶ月ごとの契約更新で仕事をしています。なんだか身につまされる話です。現実に私たちの周りでいくらでもころがっていそうではありませんか。

この物語が異色なのはそこから先です。百年間生きられるとされる肉体を手に入れた人たちですが、百年経つと基本的人権を喪失してしまう。生活していくのに必要なIDカードが使えなくなります。このIDカードは買い物や交通などあらゆる局面で用いられており、便利ですが一人ひとりの活動が全て当局に把握されているということになっています。耳には直接脳内にメッセージとイメージが伝えられるイヤフォン状のシステムが装着されています。
百年が経過した人々はこれら全てを剥奪され、ターミナルセンター(通称TC)と呼ばれる処理施設に送られて処理されます。抹殺されるわけですね。

そして、この処置を拒否する人々も少ないながら存在します。IDカードを取り上げられて社会的生活が送れなくなりますが、目立たぬ場所に拒否者どうしでコミュニティを形成し、ひっそりと生きていこうとします。勿論、違法ですので取り締まりがあり、摘発されると否応無くTC送りにされます。

そうした状況でそれぞれの場所で複数の登場人物が生きていくわけですが、百年生きられる筈の不老システムに致命的欠陥があることがある日判明する。

全体にダークな基調ですが、時折明るい希望が仄見えかける。物語の終盤でその光は弱弱しくもしっかりと輝く。そんな感じでしょうか。破局のあとの希望。死と再生といったことが頭に浮かんできました。

楽しい愉快な話ではない。でも、興味深く飽きずに最後まで読めます。
ご一読をお勧めします。

公器の覚悟

2012年10月20日
新聞は「社会の公器」であるなどという。或いは新聞社自身もそう喧伝する。そのことをあらためて考えさせられました。
<引用開始>
消費税と新聞 軽減税率の議論を再開したい(10月18日付・読売社説)

 新聞は民主主義と活字文化を支える重要な基盤だ。消費税率引き上げでは、新聞に対する税率を低く抑える軽減税率を導入すべきである。

 日本新聞協会が青森市で開いた今年の新聞大会は、「新聞を含む知識への課税強化は民主主義の維持・発展を損なう。新聞には軽減税率を適用するよう強く求める」とする決議を採択した。

 消費増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法が8月に成立したことを受け、新聞業界として強いメッセージを打ち出した。

 討論会では、全国紙から「民主主義、文化の最低のライフラインを守るためには、軽減税率の導入が必要だ」との訴えがあった。

 地方紙からも「新聞の教育効果は高い」、「日本の高い新聞普及率は社会の財産だ」などといった意見が相次いだ。

 新聞は、全国で誰もが安く手に入れて活用できる特色があり、公共財的な社会インフラだ。コメなどの食料品と同じような必需品として、新聞の重要性を認める読者は少なくないのではないか。

 消費増税で経営が悪化した新聞社が発行をやめる事態になれば、言論の多様性は失われていく。行政への監視機能は弱まり、住民の政治への関心も薄まって、地域社会の活力低下が懸念される。

 新聞の公益性や活字文化を守る役割を重視し、軽減税率を採用している欧州を参考にしたい。

 欧州各国では、日本の消費税に当たる付加価値税の税率は20%前後だが、新聞に適用される税率は、フランス2・1%、スペイン4%、ドイツ7%と軒並み低い。イギリス、ベルギー、ノルウェーのように0%の国もある。

 一体改革法は、2014年4月に消費税率を現行の5%から8%、15年10月に10%に上げるとともに、軽減税率については、「様々な角度から総合的に検討する」と明記している。

 にもかかわらず、法律の成立から2か月以上が経過しても、政府が議論を本格化させていないのは問題と言える。

 公明党の井上幹事長が、軽減税率導入を求める約600万人の署名を城島財務相に提出し、税率8%時からの実施を要請した。これを機に議論を再開すべきだ。

 自民党も安倍総裁、石破幹事長が総裁選公約で、ともに軽減税率導入を訴えていた。

 軽減税率の導入には、対象品目を絞り込む作業などが不可欠だ。政府は時間を浪費せず、自公両党との調整を急ぐ必要がある。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20121017-OYT1T01494.htm
<引用終了>
もう、何から手をつけていいのかわからないくらい突っ込みどころ満載の社説ですな。
決まるまでの間、一方の立場から増税推進の旗を振ったのは一体どこの誰でしたっけ?日本がギリシャになるとか、将来世代にツケを残すなとか適当なこと言って。実際には付則で散々逃げ道を作った。表向きは社会保障にしか使わないといいながら公共事業や省益に資するところ大。復興予算の使い道と同じですよ。

夜郎自大って言葉がありますが、きっとこういう状態をいうんでしょうね。
公共財的な社会インフラで、米などと同じだなどと放言なさいますが、米と異なり、新聞は読めなくても死にませんよ。
増税の旗振りをしてあげた報償として、軽減税率のお目こぼしをいただこうという卑しい魂胆がもう言葉になりませんな。
私からすれば新聞の役割は、スーパーのチラシをまとめた紙バサミです。
特売やお値打ち品情報を満載したチラシを確実にホールドして朝夕届けてくれる存在です。

消費税増税推進をして公器を名乗るなら、むしろ加重税で国に貢献したら如何かな。10%でなく新聞社各社は30%分を上納いたしますとかね。軽減税率でないと新聞社の経営が成り立たないとかバカいっちゃいけない。
人も羨む高い禄を食んでてそんなことは信じられません。本当に成り立たないのなら、その高給を世間並みにするだけで捻出できるのです。いや、むしろそうやることこそが社会の公器たる新聞社の矜持ではありますまいか。

一方で昨日は公器であることを放棄するような事件もあった。そう。「ハシシタ」の連載中止です。作者の佐野眞一、取材に動いた今西憲之。相当な覚悟をもって臨んだことがわかりました。その文章は確かに過激な表現もあるけれど、いわゆる佐野節で全体に格調あるものと感じました。

抗議と連載中止の理由が、同和問題についての特定地域名や人物の名前が具体的に挙げられたってことだけど、これはおかしい。

大阪市長の出自については、週刊文春などで既報の事実だし、新潮45に昨年掲載された上原善広の「最も危険な政治家橋下徹」にても、同和だの親が暴力団云々であるといったことがはっきり書かれてます。しかもこれは「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」までとっているんですよね。
http://zasshi-journalismsyo.jp/ (中身もPDFで読めます)

敵対するものに容赦しないあの市長はこれに抗議したのか記憶にありません。聞くに耐えない暴言を連発するからこちらが麻痺してしまったかな。
のべつ幕なしに吠えているようで、相手を選んでるんでしょうけどね。

しかし、よりによって連載を中止するとは想像しませんでした。これでは作者がはしごを外されてしまう。「全ての内容を掲示した後、読者の判断を仰ぎたい」「記事には自信を持っている」。何故いえないのか。

いってましたよね。CMで「それでもわたしたちは信じたい、言葉のチカラを」だなんて。
やすやすと暴力の前に屈してどうするんだ。

自白の恐怖

2012年10月19日
誤認逮捕が堂々とまかり通ること、冷静に考えるととても恐ろしいです。
<引用開始>
三重県警、誤認逮捕認め謝罪=大阪地検も起訴取り消し請求―PC遠隔操作ウイルス

遠隔操作ウイルスに感染したパソコンから犯行予告が書き込まれた事件をめぐり、ネット掲示板に犯罪予告を書き込んだとして逮捕後に釈放された津市の無職男性(28)に対し、三重県警は19日、誤認逮捕を認め、謝罪した。

一方、大阪地検も同日、大阪市のホームページに殺人予告が書き込まれた事件で、偽計業務妨害罪で起訴されたアニメ演出家北村真咲さん(43)が事件に無関係だったとして、起訴の取り消しを大阪地裁に請求した。これを受け、地裁が職権で公訴棄却を決定するとみられる。検察当局が誤りを認め、起訴を取り消すのは極めて異例。

小平忠正国家公安委員長は同日の閣議後記者会見で「結果的に誤認逮捕という残念なことになった」と述べ、警視庁などに逮捕された他の3人についても、誤認逮捕と断定されれば、関係都府県警が謝罪するとの見通しを示した。 
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201210/2012101900316&rel=j&g=soc
<引用終了>
誤認が完全になくならないとしても、当事者となった場合の機会損失は計り知れません。
仕事と友人とステータスを失い、社会的に排除されたりする。あとで冤罪がわかっても「晴れて潔白」とはならず、名誉挽回が完全に出来るわけでもない。偏見という色眼鏡はどこかに残ったりもします。
それでも冤罪がわかる場合はまだまし、かもしれない。
冤罪のまま、罪を償わされただろう人たちがいることをはっきり想像させられました。
最も怖いのは、“自白させられる”こと。無から有を産み出し、ありもしない犯行を自覚させられる一連のプロセスがなんとも嫌です。
犯罪を構成させるために、単なるピースの一片として扱われるわけですね。

さらに私が杞憂するのは、サイバー犯罪に対する後手にまわる捜査能力だけではなく、それを口実とした焼け太りです。主に警察庁を中心としたところで「サイバー犯罪防止の特別予算」といった獲得を喧しく求めるのではないか。

肝心の捜査能力向上には殆ど資せず、各種委員会とか部門やポスト新設といった死に金に用いられるのだろうな。今から想像できて滅入ってきます。

天空の犬

2012年10月18日
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樋口明雄の新刊「天空の犬」を読了しました。
<引用開始>
南アルプス山岳救助隊の新人隊員・星野夏実は、相棒の救助犬、ボーダーコリー=メイとともに、北岳にある現地警備派出所に着任した。過酷な訓練と、相次ぐ山岳事故、そして仕事への情熱と誇り。そんな日々の苦楽をともにする仲間にも打ち明けられない秘密が、彼女にはあった。東日本大震災の被災地で目の当たりにした凄惨な光景―“共感覚”という能力を持つがゆえに受けてしまった深い心の疵が、今もなお越えられぬ岩壁のように夏実の前に立ちはだかっていた。やがて立て続けに起こり始める不審な出来事。招かれざるひとりの登山者に迫る陰謀と危難を察知した夏実は、猛り狂う暴風雨の中、メイとともに命をかえりみず救助に向かった…。
http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A9%E7%A9%BA%E3%81%AE%E7%8A%AC-%E6%A8%8B%E5%8F%A3%E6%98%8E%E9%9B%84/dp/4198634513
<引用終了>
ミステリーや冒険小説の多い樋口作品ですが、『光の山脈』など山岳を舞台にしたものも多い。今回の舞台は南アルプスの北岳。日本で二番目に高い名峰です。主人公は山梨県警南アルプス山岳救助隊の巡査と救助犬です。
このヒロイン、救助犬のハンドラー、つまり訓練者として犬とともに災害地で人命救助を任務としている。そして『共感覚』という人間や動物がまとっているある種のオーラを目視することができる能力を持っています。死や危険が迫っていれば赤や黒、生命と安らぎが見出されれば緑や青のイメージが見ているものにかかってくる。けれど、その能力を持っているが故、東日本大震災の被災地では大変辛いめにあうことにもなります。そこをなんとか乗り越えようとして、次に派遣された先が北岳中腹の派出所。遭難者の救助が主な任務となります。日々の訓練と遭難への対応で日々は過ぎていきますが、北岳にあるVIPが登攀することになり、そこにミステリーが加わってくる。山岳と冒険が好きな人にはこれだけでもたまらない内容です。

もうひとつ。救助犬の訓練やしつけの話が出てきますが、犬好きな人なら喜んで読めると思います。救助犬のトレーニングは警察犬などともまた違うのですね。これ、家庭などでの犬のしつけにも参考になるところがあります。

北岳を舞台にしたミステリーといえば高村薫「マークスの山」が有名ですが、山や登攀のシーンの描写はこちらが秀逸。ちょっとした旅行気分も味わえます。
犬と山と冒険が好きならきっと面白く読んでもらえると思います。ご一読をお勧めします。

尚、残念ながら実際に山岳救助犬を配置している警察はまだないそうです。

永久追放

2012年10月17日
自主規制の内規など、定めたところでどれだけ抑止できるものでしょうか。
<引用開始>
インサイダー社員、永久追放へ…証券営業から

企業の公募増資を巡るインサイダー取引問題を巡り、証券会社の自主規制団体、日本証券業協会は、情報漏えいに関わった証券会社の社員を証券営業から永久追放する制度の検討に入った。

証券会社に対する罰金に当たる過怠金の引き上げも検討する。証券業界に不信を招いた一連の問題を踏まえ、罰則の強化で未然防止を図る。

証券会社の社員らが営業活動を行う場合、国に「証券外務員」の登録を行うことが金融商品取引法に定められている。日証協は国から外務員の登録事務の委託を受けており、不正に関わった社員は外務員の資格を剥奪したうえで再取得できないようにするなど、事実上、証券営業に携われない仕組みを検討する。

現在も、日証協が不正を働いた外務員の資格を剥奪したり、その外務員の再雇用の無期限禁止などを求めたりする仕組みはある。ただ、その後の反省状況などを踏まえて処分を解除し、外務員資格を再取得する可能性を残していた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20121016-OYT1T01745.htm?from=ylist
<引用終了>
永久追放というと言葉だけは勇ましい。けれど解雇や免職というわけではないのでしょう。希望があれば内勤職員としてその組織に留まったりすることもできるのでしょう。
解雇や懲戒免職といった厳しい戒めなくして、一体何が綱紀粛正なのだといいたい。
「それをやれば労基法の違反になる」などのエクスキューズを用意しているのかしらないが、インサイダー犯罪は社会に与えるインパクトが刑法犯などよりはるかに大きい。被害を受ける人たちが桁違いに多いわけです。
それが永久追放などという問題のすり替えを行なっている。
まるで、お目こぼしを受ける側の人々の都合を考えての沙汰なのかと勘ぐりたくなります。

しかし、証券営業ってそんなにステータスのある職務なのでしょうか?
試しに外務員の資格について調べてみたら、法令違反による取り消しでない限り、有効であるとのこと。つまり、証券会社で外務員として何か問題を起こしても、投資顧問会社などには勤められるし資格も有効だということです。
http://www.jsda.or.jp/katsudou/open/faq.html#q1
門外漢から見れば、果てしなくお手盛りの措置という印象が残ります。

プリン依存症?

2012年10月16日
“そんなにもあなたはレモンをまってゐた・・・”(レモン哀歌)をふと思い出しました。
そんな哀切なものではないか。本人にとっては切実な問題だったのだろうが。
<引用開始>
「お菓子食べたかった」…従業員装いプリンなど窃盗容疑

 愛知県警稲沢署は14日、製菓工場から洋菓子を盗んだとして、愛知県北名古屋市六ツ師、アルバイト大野育代容疑者(36)を建造物侵入と窃盗の疑いで現行犯逮捕し、発表した。大野容疑者は「お菓子を食べたかった」と容疑を認めているという。

 同署によると、大野容疑者は14日午後0時半ごろ、同県清須市内の製菓工場に侵入し、焼き菓子やプリンなどの洋菓子18個を盗んだ疑いがある。大野容疑者は昨年2月から約5カ月間、この工場に勤務。当時会社から貸与された作業着を着て従業員になりすまし、工場内に侵入したという。

 工場では1週間前にも菓子が盗まれたため、従業員が警戒していた。侵入から約20分後に工場から出てきた大野容疑者を従業員が呼び止め、手提げバッグに入った洋菓子を発見。大野容疑者が盗みを認めたため、警察に通報したという。
http://www.asahi.com/national/update/1015/NGY201210150003.html
<引用終了>
買えばいいのにな。アルバイトでもそれくらいの贅沢はできるでしょう。
プリンが食べたくてたまらない、という依存症があるのですかね。甘いものが食べたくて仕方ない、というのは刑務所の受刑者に共通する渇望であるとよくいわれますが。

製菓工場でしたら、一部が潰れたりして売り物にならなくなったものを工場の脇でそのまま分けてくれたり安売りしてくれたりしてくれるんですよね。
中学生の頃に、近くのシュークリーム工場でちょっと型崩れしたベビーシュークリームを200グラム百円くらいで分けてくれました。本当は衛生上、やってはいけないらしいのだけどね。

夕方四時過ぎに、五人くらいで工場裏門を所在無げにウロウロしていると白衣の従業員が「今日はこれだけだよ」ってそっと持ってきてくれるんです。正直、あまり美味くなかったけど、秘密の共有という甘美な経験がそれを補ってくれたと思います。俺たちだけが享受できるって優越感も。

それがいつからか、工場がうるさくなってできなくなった。誰かが他に漏らして、殺到したのだと聞きました。一般化したときには終わり。そういうもんですね。

拙宅の近くに洋菓子のヒロタの工場らしき施設があり、門のそばで洋菓子類を販売してくれてます。でも安くもなんでもないので、一度買って止めました。永田町や溜池山王の駅売店と同じ価格なんだもの。もうすこし地域に還元しようよって言いました。

さて、この女性。貸与された服を使って侵入して窃盗というから、詐欺・不法侵入・窃盗の容疑がかかってくるのでしょう。でも、彼女のなかでは大それた犯行をしたという実感はなかったのだと思います。それには「たかがお菓子」「目こぼししてくれるわよ」という楽観的な観測があったのでしょうね。
ものが「シュークリーム」だけに甘い見通しだったわけだ。
これからは、甘いものはお預け。しばらく辛酸をなめることになるわけですね。

で、釈放後にさらに甘味依存症が亢進していそうで、ドキドキします。

張り込み

2012年10月15日
Ka
捕らえてみれば公務員か。一般住民を相手にしてストレスフルな人は確かに多いけれども。
<引用開始>
車傷つけられ警戒、取り押さえてみたら市係長

他人の車に傷をつけたとして、愛媛県警今治署は13日、今治市桜井団地、市保育課係長の谷口文彦容疑者(43)を、器物損壊容疑で現行犯逮捕した。

発表では、谷口容疑者は13日午前2時25分頃、今治市唐子台東の民家駐車場で、住人の男性(45)の軽乗用車の車体左側に、長さ約30センチの傷をつけた疑い。

同じ駐車場では今年3月以降に、男性の車2台に傷がつけられる被害が計約10回発生。土曜の朝に新たな傷が見つかるケースがあり、男性が夜間に警戒。異音が聞こえた後に走って逃げた谷口容疑者を追跡し、取り押さえて110番した。谷口容疑者の呼気からはアルコール分が検知され、同署の調べに対し、「やっていない」などと話しているという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121014-OYT1T00414.htm
<引用終了>
こういう愉快犯は多いんですよね。人が困ったり傷つくのを密やかに喜んでいるやつ。しかも、現場を見に行くのではなくて想像して愉しんでいるから始末に悪い。そうなれば現場を抑えるほかないわけですな。

実は、私も同じような被害を受けています。車のドア下側についているプロテクターモール?というのかな。そこの部分にポツポツと傷が付けられているんですよね。駐車場で隣は白いクラウンなんですが運転している人もよく知っているし、クラウンにはそれに対応するような傷もなし。誰かが意図的に引っかいたとしか思えません。車体そのものに傷がないのがなんだか陰湿。

プロテクターはドアを擦ったりぶつけられた時に最初に車体を守るものだから、傷がつくのは当たり前といえば当たり前。ですが何か釈然としません。
高校生くらいの連中が夜中に駐車場で悪戯をやっているのかもしれない。事実、イモビライザーなどない国産車で窓ガラスを割られてなかを物色されたという話もありました。ベンツにBMの7にサーブの95にアウディA6。近くにはもっといい車が止まっているのに、そっちには気が引けるんでしょうか。手近な、なんちゃって輸入車であるポロを狙われたのかもしれません。私も張り込みしてみようかな。刑事の苦労が嫌というほど体感できそう。

野球三昧

2012年10月14日
ポストシーズンが始まっていて朝からずっと観戦してます。ジーターの骨折は驚いた。
<引用開始>
ヤンキースに衝撃、D.ジーターが足首骨折

 ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーター遊撃手が現地13日、デトロイト・タイガースとのリーグ優勝決定シリーズ初戦で左足首を骨折した。

 ジーターは延長12回表、ジョニー・ペラルタ遊撃手が打った二遊間へのゴロをキャッチした際に負傷。グラウンドに倒れたまま立ち上がることができず、ジョー・ジラルディ監督とトレーナーに肩を借りながらベンチに下がった。

 ジラルディ監督によると、キャリアに影響する重傷ではないものの、ポストシーズンの残り試合出場は不可能。監督は「我々としてもジーターを失うのは残念」と嘆いている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121014-00000214-mlbjp-base
<引用終了>
Jeter's injury
http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=25406543&c_id=mlb
リードオフマンでバッティングも当たっていたから、これは衝撃でした。
昨晩、MLBハイライトなるBS番組を見ていて「ダブルプレーをきれいにとる最高の二遊間コンビは誰か?」を現役選手に訊くというコーナーがありました。ダントツの一位が、カノーとジーターの二人。その記憶が鮮やかなうちにこの骨折でしたので余計に衝撃を覚えました。

ヤンキースは格別好きというわけではないのですが日本人がいるチームを応援してます。そういう人がきっと多いことでしょう。

それにしても朝九時から試合放送があり、午後二時前までMLBを見続けました。そのままパ・リーグのクライマックスシリーズを見て、三回に西武が七点取ったのを見て一端終了。休憩の後に今また、セリーグの試合を見ています。さすがにお腹一杯になって飽きてきます。
パリーグは西武が大勝して五分に戻した。セリーグもヤクルトリードだから、タイになるかもしれません。となると、明日も朝から観戦するのか。
MLBは朝五時、プロ野球は午後六時開始か。その間にタスクを終えないといけません。野球中心で生活が進む。

暴排の欺瞞

2012年10月13日
企業が正当な事業活動にて利益を求めることの何が悪いのか。指導などと笑止千万です。
<引用開始>
山口組直系組長ら代紋入り戦闘服売買 府警、指導書を交付 大阪

 指定暴力団山口組の代紋が刺繍(ししゅう)された「戦闘服」と呼ばれる作業着を売買したとして、府警捜査4課は12日、府暴力団排除条例に基づき、発注した山口組直系組長10人と府内の衣類販売会社などに指導書を交付したと発表した。販売会社の社長は「利益優先で注文を受けてしまった」と話しているという。

 府警によると、戦闘服は胸の部分に組の代紋が入り、組事務所滞在時などに着用。この会社は昨年4月から約1年間、直系組長らの組織に戦闘服やベストなど221点(約110万円相当)を販売した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121013-00000015-san-l27
<引用終了>
暴力団排除条例。これくらい欺瞞に満ちた決まりごともないと思いますね。
私の理解するところでこれを解説するならば「暴力団に許可無く関わるな」「関わったら罰を与える」「襲われても守らない」「警察をあてにするな」
といったことです。被害を受ける側に問題がある、というスタンスですな。

本当に市民社会にとって害悪であるなら、暴力団の存在そのものが違法であるはず。
そのように認定して、必要な法整備と取り締まりをすべきなのに決してそれをしない。よく言われることだけど、街中に看板を出しているマフィアなど日本の暴力団以外どこの国にもない。これは法律で禁止されているから。

でも、集会・結社の自由だとかいろんな理由をつけて、存在そのものを違法としていない。
日本では必ずどこかにお目こぼしの余地を残している。どういうことだろうか?
パチンコのときと同じで、利権の確保を狙っているのかと勘ぐっています。

庶民の視点に立てば、暴力団と対立する新たな暴力組織=警察との板ばさみで苦しむという桎梏が続くわけですね。

昔、うちは工場をやっていたのだけど、警察官が時々訪ねてきて「何かありませんか?」と訊いてくるんです。
最初は「変わりないか?」と訊いてるのかと思ったけど違う。「何かください」ってわけなんです。工場だから、車の工具類とかそんなのを無心してくる。
立場が弱いし付き合いだと割り切って、こちらの損害にならない範囲で提供したりしてた。表面だけ見ればこれだって、暴力組織に対する利益供与ですよね。

もう、制服を着ているか着ていないかの違いだけ。あ、今回の戦闘服を制服だとみれば全く違いはないじゃないか・・・。どちらも粗暴で短絡。本当に悪いのはどちらかな?

お手柄

2012年10月12日
この中学生たち、もしかしたら私の後輩ではないか?そんな気がします。よくやった。
<引用開始>
「振り込め詐欺だと思います」お手柄中学生 携帯で現金受け渡し現場撮影受け子2人を逮捕

「振り込め詐欺だと思います」-。東京都港区の無職女性(75)が9月に長男を装った男に現金200万円をだまし取られる事件があり、現金引き渡しの様子を不審に思った中学1年の男子生徒2人が携帯電話のカメラで撮影。犯人逮捕に一役買っていたことが11日、分かった。

警視庁大森署によると、2生徒は港区内の駅改札前で高齢の女性が「大切なものだからよろしくお願いします」と、現金の入った封筒を男に渡しているのを目撃。犯行現場の様子を写真撮影し、その場で110番通報した。

写真の映像から、大森署は同じ日に別の振り込め詐欺未遂容疑で同署に現行犯逮捕された東村山市秋津町、無職、江頭昴(すばる)容疑者(22)と特定。同容疑者ら2人を同容疑で逮捕した。

同署によると、2人は現金受け取り役とみられ、江頭容疑者は容疑を認めているという。逮捕容疑は9月18日、女性方に長男を装って電話し「株の仕手戦に手を出し消費者金融から500万円借りてしまった。300万円払わないといけない」などと嘘を言って、現金200万円をだまし取ったとしている。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/598164/
<引用終了>
現場が港区内の駅改札で大森署という情報からすると、港区内の駅とはおそらく品川駅。
品川という名前でも駅は港区です。品川区に品川駅はありません。港区との隣接地に北品川というややこしい駅もあります。品川駅は北品川駅より北。よく考えるととても変です。

大森署管内の中学となると、JRか京急沿いにある学校だから、これは三つ程度。一番規模が大きい中学を私は出ましたので高い確率で後輩たちだろうと思います。というか、そう思いたいですね。誇らしいことですし。

それにしても犯人の名前は昴(すばる)ですか。やっぱりって感じの名前。
これで前科もついたことだし、年とってから悲惨な人生になりそうですね。

振り込め詐欺って最大級に卑劣な犯罪だと思います。受け子だろうが電話役だろうが、例外なく懲役10年は食らわせて欲しい。懲役より禁固刑がさらによい。如何にワリに合わない犯行であるかをその物覚えの悪い頭にも刻み込ませて欲しい。そういう刑法改正だったら賛成してもよいよ。

一番悪いのは、当然ながら犯行を重ねるやつら。でも二番目に悪いのは被害者の子供たちです。日頃から疎遠にしているから、付けこまれる余地が生まれる。
そして三番目に悪いのは被害者自身ですね。気の毒だとは思うが、全面的には同情できない。基本的に視野が狭隘すぎる。まず、消費者金融で500万も借りられるわけがない。それに、仕手戦で金失っただなんて、そんなの自己責任じゃないか。

でも周囲や窓口でどんなに注意喚起しても、子供のためと思って振り込んでしまう。後から気付いても、その瞬間はきっと一種の幸福感とか安堵感に包まれているんでしょう。あの子を助けられたって。これだけ世間で注意しろと喧伝されてても被害がなかなか減らないのは、こうしたある種の多幸感とか達成感が味わえるからではないかな。
勿論、付けこむ連中は最悪。でもそういう寂しい状況に被害者がおかれていることも問題がある。そんなことをいつも思うのです。

うちの母親にも、二度ほどかかってきたことがあります。ある日、電話がかかってきて何やら応答してたと思ったら「あなたは息子なんですか。では、私の前に今いるこの男はどこの誰なんでしょう?」なんて言っててうけました。

鉄のあけぼの

2012年10月11日
黒木亮「鉄のあけぼの」上下巻(毎日新聞社刊)を読了しました。
<引用開始>
灼熱の鉄づくりに命をかけ、経済大国・日本を創り出した男のドラマ。 日本は貿易立国しかない。だから鉄をつくるのだ。それがわたしの信念だ――。 銑鋼一貫工場を千葉に建設し、戦後日本企業が世界市場を席巻する礎を築いた。 「鉄のパイオニア」の生涯を描く大河小説。
http://books.mainichi.co.jp/2012/06/post-a7c2.html
初の世銀融資。夢の水島製鉄所――。 「世界をつくる火」が燃え上がる。 「暴挙」「二重投資」「製鉄所にぺんぺん草が生える」……。批判の嵐の中、信念を貫き、高炉メーカーへの脱皮を果たした川崎製鉄社長・西山弥太郎は、世界の鉄鋼需要拡大を見通し、さらなる巨額投資に踏み切る。 西山弥太郎が示した、真のリーダーシップとは?
http://books.mainichi.co.jp/2012/06/post-4dd9.html
<引用終了>
これは、川崎製鉄とその創業社長であった西山彌太郎の物語です。中堅の造船会社であった川崎造船所(現川崎重工)から、製鉄会社として分離独立した川崎製鉄が、高炉メーカーとして千葉製鉄所を建設していくのが上巻、千葉を軌道に乗せるために世界銀行から融資をとりつける苦闘と、新たに水島製鉄所を立ち上げるまでが下巻で展開されます。

小説の体裁をとっていますが限りなくノンフィクションですね。作中も実在の人物が沢山出てきます。永野重雄、稲山義寛、日向方斉、三鬼隆、酒井杏之助等。

官営でスタートした八幡製鉄等と異なり、造船業の横合いから製鉄会社を立ち上げていく苦闘と、高炉(いわゆる溶鉱炉)を持って前者に伍していく様がよく描かれています。

世銀からの借款、つまり製鉄所を建設し稼動させて利益を出すまでの間に必要な資金繰りを世界銀行から獲得するための各レベルでの交渉なども、事情に暗い私たちのよい参考になりました。著者はもともと投資銀行などに勤めていた人なのでこの分野の描写にも熱が入っているようです。

それから、高炉や転炉、銑鉄や圧延といった作業工程についても詳しい説明が出てきます。このあたりは、懐かしい感じがしました。扇島の京浜製鉄所や住金の鹿島製鉄所にしばらく通っていたこともあり、転炉や圧延などの工程を見学させてもらったことが何度もあったからです。川鉄千葉も一度だけお邪魔したことがありました。

そんな会社が今はもうない。川鉄は鋼管と合併してJFEとなり、新日鉄ですら住金と統合を進めていく。企業文化も志向も違うのに効率化と生き残りをひたすら賭ける。そういう行き方を否定はしない。でも、寂しいとは感じます。

とはいえ、製鉄会社など今まで全く縁のない人でも、本作は興味深く読み進められます。

企業を動かすのは、ひと・もの・かねなどと言いますがそれだけではない。
人の“熱”がそれらを動かすのだ、とあらためて思い知らされた次第です。
ご一読をお勧めします。

未踏峰

2012年10月10日
今日は倉橋由美子の誕生日だそうです。健在であれば七十七歳の喜寿。仰ぎ見る大先輩。

翻訳家の古屋美登里が彼女のエッセイをツィートしてるのを見つけました。
これは三一書房から発刊された中井英夫作品集に寄稿した「幻想の山塊」という文章で、単行本には未収録。しかし倉橋由美子らしい実に趣あるものでした。(旧仮名遣いです)
<引用開始>
“中井英夫氏の作品群は、誰もが安心して登る連峰から離れたところに突兀として聳えてゐる奇峰である。よく見ると海抜五〇〇〇メートルはありさうな山塊で、その主峰の『虚無への供物』はさらに高く、雲に隠れてゐる。
この大きな山塊に登山者の足が向かないのは、日本の文学の凡百の山が並び、人が集まつて賑はつてゐるところからそれが遠く離れてゐるといふだけの理由による。そしてまたそれだけの理由によつてもこちらがこちらが文学の本物であることは明らかであるが、勝手な予想と希望を言はせてもらふなら、近い将来その明らかなことが明らかになることはないであらうし、また明らかにならない方がよい。つまり中井山塊の存在は知る人ぞ知るでよくて、妙に人気を博して人の群れ集ふ山にはなつてもらひたくないのである。”(以下続きます。下記ツィッターで順番にご覧ください)
https://twitter.com/middymiddle/status/255684493065736193
<引用終了>
「突兀」なんて出てきて読めないから辞書引きました。これ「とっこつ」と読むのですね。
しかし、中井英夫。いいな。高く聳えている未踏峰です。短歌を除いた作品は殆ど読んでいますけど、完全に理解できているかといえば心もとない。いずれ時間をとってじっくり再読してみたいと思っています。

中井といえばミステリーとしても名高い「虚無への供物」が有名ですが、密室殺人の周到な仕掛けに舌を巻きながらも、犯行の動機についてはモヤモヤっとしたものが残りました。作品の背景にある時代性、たとえば洞爺丸の沈没とかきっちり理解してないとわかりませんね。

いや、それより倉橋由美子です。聳え立つ未踏峰ということなら倉橋作品も全く同じ。倉橋山塊に分け入らずして、知った風に語ってはなりませんね。

スピードを落とす発想

2012年10月09日
作業をしながら、チラチラこの試合を見ていましたがこの瞬間は釘付けになりました。
<引用開始>
完全にアウトがセーフ!イチロー 2度のタッチかいくぐり先制の生還

イチローの好走塁で、ヤンキースは先制点を奪った。

初回、イチローが一ゴロ失策で出塁し、無死一、二塁と好機を迎えたが、3番ロドリゲスの当たりは地をはうようなニ直。ゴロと判断した二走のジーターは三塁まで走ってしまい、併殺に。一気にチャンスがしぼんだが、4番カノの右翼線の当たりで、イチローがホームを狙った。

 が、タイミングは完全にアウト。イチローが走ってくる2メートル近く前で、オリオールズの捕手、ウィータースは余裕の表情で待ち構えていた。

 それでもイチローはあきらめなかった。素早く体をよじり、タッチをかわして大きく回り込むと、さらにタッチを試みるウィータースのミットが届かないように、イチローは右手でホームベースのはじを触れた。

 球審の両腕が2度大きく横に開くと、スタンドを埋め尽くしたオリオールズのファンからは激しいブーイング、対照的にヤンキースベンチは大いに盛り上がった。

 幸先よく先制点を入れたヤンキースだったが、チェンが立ち直り、イチローも2打席目に内野安打を放ったが、得点に結びつかず1点差の惜敗。地元ニューヨークに戻って仕切り直しとなった。
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/10/09/kiji/K20121009004293460.html
<引用終了>
凄いプロフェッショナルの仕事を見ました。キャッチャーのタッチを掻い潜って、しかもそれを二回もやってホームにタッチしました。

イチローは試合後に「スピードを上げたくなるが、落とすことが重要」と語っていました。
確かに、本塁クロスプレーの場合どうしてもスピードを上げてキャッチャーに激突し、ボールがこぼれるのを期待するというプレーが殆どです。大抵の場合は本塁で憤死。悪くすれば怪我まで負ってしまうところです。玉砕という自己満足だけの最低のプレー。イチローの美学には決してないんでしょうね。このプレーを見るだけでもお金を払って球場に行く価値があると思いました。

試合はオリオールズが勝って一勝一敗でNYに向かうことになりましたが、最初からこの負けは織り込み済みであったと思います。ヤンキースとしては一日おいて黒田が先発して、王手をかけるというつもりなのでしょう。

それにしてもあんなプレーはヤンキースに全くなかった要素ではないか。盗塁はあっても機動力や走力を積極的に使うことはない。基本的に大振りする打者ばかりだし。ああいう閃きは見てるほうも楽しいですね。

で、堪能しまくったので作業はすっかり滞ってしまいました。〆切りは迫る。今日は余韻に浸りまくって、明日気持ちを入れ替えて追いつこうっと。

霞む偉業

2012年10月08日
この試合、東京MXテレビで中継やっていたので見ていました。
<引用開始>
オリ・西勇輝、小久保引退試合でノーヒットノーラン
(パ・リーグ、ソフトバンク0-3オリックス、最終戦、ソフトバンク13勝9敗2分、8日、ヤフードーム)オリックス4年目の西勇輝投手が、ノーヒットノーランを達成した。今季プロ野球3人目。史上76人目(87度目)、オリックスでは1995年の佐藤義則以来、17年ぶりで、パ・リーグでは2000年の近鉄・エルビラ以来、今世紀初の快挙となった。

今季ソフトバンク戦3戦と相性抜群の西は、中6日で先発。小久保裕紀内野手の引退試合だったソフトバンク打線を、五回に松中へ与えた四球の1つだけに抑え、109球、9奪三振。安打を許さなかった。

 西はプロ初の完封勝利で今季8勝目(3敗)。オリックスは岡田監督解任後7勝2敗。今季初の5連勝で最終戦を締めくくった。
http://www.sanspo.com/baseball/news/20121008/buf12100815570002-n1.html
<引用終了>
打たせてとるタイプの投手だし、今年ノーヒットノーランやった杉内や前田に比べても地味。まさかと思ったが投げるにつれてどんどん調子がよくなってきました。同時に、ホークス側にも創意工夫があまり見られなかった。CSに出場が決定しているためか、各打者に大振りが目立ち、セーフティバントを仕掛けるとかの小技を発揮する場面もなかったと思います。
顔だけ見ると高校生みたいな感じの投手なのだけど、岡田監督が解任されたことで伸び伸びやっているように見える。これは選手全般にもいえます。

ところが今日は小久保裕紀の引退試合。試合後に行なわれるインタビューも割愛され、なんとも寂しい最終試合となりました。代わって最終試合と引退記念のセレモニーが行なわれ、小久保本人のなかなかよいスピーチもあったのだけれど、視聴者が本当に見たかったのは西投手のインタビューでなかったか。これは番組解説の山内孝徳も指摘していましたね。

私はこのことを昭和49年の中日ドラゴンズ優勝と重ね合わせます。V10が達成できなかった読売ジャイアンツはあのとき何をやったのか。
そう。長嶋茂雄の引退を大きく報じて、中日優勝をかき消したのですよね。それもあったかどうか、続く日本シリーズではロッテに日本一を持っていかれることにもなった。あのときロッテは成田・木樽と登板して負け、中日有利だったのだが、中盤から巻き返して金田正一が胴上げされました。

夜のスポーツニュースでこのノーヒットノーランが採り上げられるか注意して待ちます。

お礼参り

2012年10月07日
その後にどうなるかってことの想像が及ばないのか?それともテレビの見すぎなのか?
<引用開始>
中3と母親、教諭を殴る・踏む・土下座させる

奈良県吉野郡内の公立中学校で教諭に暴力を振るったとして、中吉野署は6日、中学3年の男子生徒(14)と飲食店員の母親(33)を傷害容疑で逮捕した。

発表によると、2人は3日午前9時40分頃、生徒の通う中学校で、担任の男性教諭(26)の顔などを殴ったり、踏みつけたりして軽傷を負わせた疑い。ともに容疑を認めているという。

教諭は、生徒が所属していたバスケットボール部の顧問。7月の引退試合で、教諭がこの生徒のユニホームを忘れたため、レギュラーだった生徒は補欠番号のユニホームで出場した。教諭が3日の学校行事の際に校内の掲示板に試合中の写真を貼り出したところ、生徒と母親が「何でこの写真を使っとんねん」と教諭に詰め寄り、生徒が約30回、母親が約5回暴行を加え、教諭に土下座をさせたという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121007-OYT1T00072.htm
<引用終了>
もう40年近くも前の中学でも“校内暴力”なんて言葉がありました。卒業式に“お礼参り”と称して自分たちを指導してきた教師に暴力で報復するイベントが用意されているって、まことしやかに伝えられたものです。
結局、私の通ってた中学ではそんなことは起こらなかった。体育教師とか生活指導教師に散々体罰を加えられた連中は、内心はともかくも、歯向かうようなのはいませんでした。卒業が決まっているとはいえ、次の進路でどんな影響があるかわからないと計算したのだな。
このニュースを見ていると、そういうことは想像の埒外であったようです。

腹が立ったから暴力で報復する、というシンプルすぎる行動に出ています。
難しいことは頭痛くなるからって考えないようにしているのかな。この生徒、卒業の先にどんな進路があるのかな?就職するから関係ないとか割り切ったのか。お母さんも若いから、息子の背中を押したのか。

補欠番号のユニフォームなんて、後から振り返ればきっといい思い出になるのに。レギュラーで頑張ってたことは周りが皆わかっている。別に人生の恥でもなんでもない。それどころか、人生始まってもいないじゃないか。

「怒りは愚に始まって悔いに終わる」  (ユダヤの格言)を贈りたいです。

相互乗り入れ

2012年10月06日
簡単に出来そうで出来なかった乗り入れですよね。東急⇔相鉄って。
<引用開始>
<相模鉄道>東急東横線乗り入れ認可、都心直通へ

 国土交通省は5日、相模鉄道(横浜市)と東急電鉄(東京都渋谷区)が申請していた「相鉄・東急直通線」の着工を認可した。19年に開通予定で、相鉄沿線の神奈川県中部から東京都心へのアクセスが大幅に向上する。

 相鉄線西谷駅(横浜市保土ケ谷区)からJR東海道貨物線付近に新設する羽沢(はざわ)駅(同市神奈川区、仮称)までは「相鉄・JR直通線」として着工済みで、15年開通予定。今回は羽沢駅から東急東横線日吉駅(同市港北区)までの約10キロ。ほぼ全線地下で途中に新横浜、新綱島(ともに仮称)の2駅を設ける。

 開通すれば相鉄・二俣川-東急・目黒間が現在の54分から38分、相鉄・大和-新横浜間は同42分が19分に短縮される。

 独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が整備。総事業費は約1957億円で国が約652億円、横浜市が約435億円、神奈川県が約217億円を補助する。

 羽沢から東海道貨物線、JR横須賀線を経由した都心直通運転も行う。
http://mainichi.jp/select/news/20121006k0000m040142000c.html
<引用終了>
東急・相鉄とも横浜駅で隣接しているのですが、そのまま物理的につなぐのは難しい。どうするかと思ってたら、こういう迂回路を使うのですね。

相鉄としては、東急経由とはいえはじめて都心直結の道が開けたわけです。しかも新線は新横浜を通るから、新幹線からの乗り換えが大きく期待できますね。しかし地下を通すというから工期も予算も大幅にかかりそう。さらに開通したらしたで、思い切り混雑しそうな新線ではあります。

人の流れは大きく変わるであろう。沿線地価もあがるかもしれないな。

真似して真似され二人旅

2012年10月05日
高齢だから、覚悟はしていた。映画は「あなたへ」が遺作になりましたね。
高倉健のNHKスペシャルで見たときは、人に支えられてやっと立っていた。
<引用開始>
訃報:大滝秀治さん87歳=俳優、舞台や映画で幅広く活躍

重厚な主役から個性的な脇役まで、舞台や映画に幅広く活躍した俳優で文化功労者の大滝秀治(おおたき・ひでじ)さんが2日午後3時17分、肺扁平(へんぺい)上皮がんのため東京都内の自宅で亡くなった。87歳。

通夜・葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻純子(じゅんこ)さん。「大滝秀治 お別れの会」は22日午後2時、東京都港区南青山の青山葬儀所。

東京都生まれ。中学卒業後、陸軍に入り、国外で終戦を迎えた。復員後、丸の内の連合国軍総司令部(GHQ)電話部勤務のかたわら、帝国劇場で演劇の魅力にはまり1948年、民衆芸術劇場(第1次民芸)付属養成所に入所。50年の滝沢修ら率いる劇団民芸創立に研究生として参加し、同年「風の吹く一幕」で初舞台を踏んだ。70年、東京裁判を描いた木下順二作品の舞台「審判」で注目され、以降、劇団の中心俳優となった。

http://mainichi.jp/select/news/20121005k0000e040199000c.html
<引用終了>
映画デビューは群馬交響楽団を描いた「ここに泉あり」(今井正)だったんですね。いかにも民芸という感じがします。滝沢修、宇野重吉と続く系譜を担ったといいますか。

飄々とした好々爺というより、生臭さも漂わせた人間くさい役者でしたね。
「真似して真似され二人旅」という番組がNHKのBSでありました。物まねタレントと、その真似される人の二人一組が旅行するという企画だったんですが、この第一回が大滝秀治と関根勤でした。これ、一度も再放送してくれなかったんじゃないかな。関根勤の大滝秀治に対する尊敬の念がこちらまで伝わってきて非常に印象に残る番組だったのです。
第二回と第三回が、松尾貴史&大島渚・松村邦博&掛布雅之でした。

Youtubeでアーカイブがないか探してますが見当たりません。権利関係に煩いNHKがブロックしているのか。それならせめて再放送でもして欲しいと思います。
この人のナレーションも味わい深かった。合掌 

悪質運転

2012年10月04日
まず、歩道をスピード出して走るのを止めてくれ。後ろからいきなり抜き去られるのは恐怖。
<引用開始>
悪質自転車、講習義務化も=摘発件数、5年で7倍-安全教育徹底へ・警察庁懇談会
 交通違反をした自転車の摘発件数は昨年3956件で過去最多となり、2006年からの5年間で6.8倍に急増したことが4日、警察庁のまとめで分かった。同庁は5日に有識者懇談会を立ち上げ、悪質な運転者への安全講習義務付けなどを議論。必要があれば法制化も検討する。
 同庁は「自転車には免許制度がなく、悪質運転者への安全教育の機会がない」と指摘。懇談会は「ピストバイク」と呼ばれるブレーキのない自転車での走行や信号無視などを講習義務の対象として検討、年内に報告書をまとめる。
 警察庁によると、自転車が絡む事故は昨年14万4018件起き、交通事故全体の2割を占めた。ほとんどの事故で負傷者が発生し、そのうち64.9%は周囲を確認しないまま交差点に進入するなどの違反があった。
 死亡事故は633件に上り、埼玉、東京、愛知、大阪など都市部で目立った。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012100400205
<引用終了>
先ほど車を運転してて、いきなり左前方から曲がってきてそのまま向かってきたのがいた。

逆車線を走行していて、おまけに携帯かスマホを見ているかで正面を見ていない。慌ててクラクションを鳴らすと、音にびっくりして不愉快な顔をして走り去っていった。そのままぶつかっていたらかなりの確率で事故の責任比率があがるのに。あなたの過失を未然に防いだのにその感謝もない。

冷や汗をかいたその直後に、信号を無視して横切ってくる自転車がいてこちらは急ブレーキ。こちらも携帯を見ていて正面に注意がいってない。
最近、老若男女に関係なく自転車で乱暴な運転をしている人が多いと感じます。

一番恐怖なのは、夕暮れから夜にかけて逆車線を無灯火で忍び寄ってくるやつ。こちらは直前までまず気付かない。道路交通法で軽車両の適用を受ける以上、左側通行遵守が当然なのに守らない。車のほうでどうにか回避するだろうと勝手に思い込む。自分はどこまでも悪くない、と甘えているんだよな。

去年自転車を手放してから、運転者と歩行者の立場に固定されました。どちらの状況下でも、自転車運転者は厄介な存在だったりします。運転中は勿論、歩道を歩いてるときでも後ろから急に狭い歩道を抜かれたりするとドキッとする。だいたい、ベルを鳴らすやつが殆どいません。

十年ほど前に大井町の商店街を歩いていたら、ハンドルの端がわき腹を掠めたことがあって、あとで調べたら擦り傷になってました。
そのときも、中学生くらいだったかさすがに後ろを向いて「すみません!」と頭を下げてはみたけど、止まらないでそのまま去ったからな。

自転車が原因で死亡事故も起きてますが、死亡や後遺症を伴った怪我など負わせた場合、最高で5000万円もの損害賠償がかかったという例があるそう。
自分だけは大丈夫などと軽い気持ちでいると人生台無しになるかもね。

さりとて今回のニュースにある、警察庁の音頭とりでの講習会義務化ってのもちょっと賛成は素直にできない。有識者を交えた検討会で今後の方向性を出すとか言うけど、結局、講習会などの有料化、免許化などを目論んでいる。お約束で、こちらは果てしなく利権の匂いが漂うのですよね。

交通事故被害者の救済資金に、罰金が充てられるような仕組みができればいいんだろうけど、そのあたりはグレーにするんだろうな。嫌だねえ。

暗闇に耐える思想

2012年10月03日Kurayami 
「暗闇に耐える思想~松下竜一講演録」を読了しました。
<引用開始>
「月に一夜でも、〈暗闇の思想〉に沈み込み、今の明るさの文化が虚妄ではないのかどうか、ひえびえとするまで思惟してみようではないか—」
東大入学式講演、「暗闇の思想 1991」ほか、ひとりの生活者として発言・行動しつづけた記録文学者が、今改めて私たちに問いかける。
http://karansha.com/kurayaminitaerusisou.html
<引用終了>
松下竜一、といっても知らない人も多いでしょう。かくいう私も学生時代は全く知らなかった。初めて手にとって読んだのが95年頃に出した「怒りていう、逃亡にはあらず」というノンフィクションでした。一読して衝撃を受けました。
「怒りて~」は、泉水博を主人公に据えた作品でして、彼については説明が少々必要です。

日本赤軍のハイジャック事件いわゆるダッカ事件をご記憶のことでしょう。飛行機をハイジャックしてダッカ空港に着陸し、政治犯として投獄されていた仲間を奪還したという話。ときの総理が福田赳夫だったと思う。「ひとの命は地球より重い」という言葉が流行りました。超法規的措置により、赤軍メンバーを釈放して、飛行機の乗客と交換した。そのとき赤軍メンバーと共に刑務所から釈放されたなかに泉水博がいたのです。といっても彼は赤軍メンバーでも、過激派活動をしていたわけでもありません。殺人事件を起こした無期懲役囚でしたが、所内での待遇改善と訴えて獄中者組合を作ったり派手な活動をしました。それが赤軍に評価されてスカウトされた。無期懲役ですが、それなりに正義感が強い人なのでしょう。変な話ですが。

その後、彼が極秘に入国を繰り返していたことが別のメンバーを逮捕した際に判明し、フィリピンにいるところを国際手配中だったので逮捕。送還されて収監され、現在に至ってます。この人のルポを松下竜一が「怒りていう~」として出したのです。

題名が内容を物語っていますが、当初は赤軍メンバーに加わることを彼は相当逡巡します。にも関わらず、ハイジャックされた乗客のために動いてくれと頼まれて人質交換に応じました。にも関わらず、国外逃亡犯として直後に国際手配されたことに対する憤りや悲しみを松下は丹念に綴っています。

松下竜一はノンフィクション作家といわれることを嫌い、自らの作品を記録文学と呼びました。本書にもその発言は採録されています。

目次
1. 私の現場主義
2. 豊前火力と闘う
3. 暗闇の思想 1991
4. 私はなぜ記録文学を書くか
5. 伊藤ルイさんを語る
6. 弱い人間として
7. 私の中の弱さとの闘い
8. 講演記録・初出一覧
9. 松下竜一略年譜 
10. 出会いの業 解説にかえて [藤永 伸]

160ページ程の内容ですぐに読めます。
これらの講演は今から十年以上も前であり、松下自身も2004年に亡くなっていますが、その内容は今の時代によく合っています。それも恐ろしいくらいに。

彼は大分県中津市の出身。あらためて思いますが、九州は記録文学の優れた作家が数多いですね。森崎和江、石牟礼道子、上野英信など等。

今年一年で一番記憶に残りそうな本です。ご一読をお勧めします。

混雑率

2012年10月02日
ワースト1はてっきり、中央線上りだろうと思っていました。ちょっと意外です。
<引用開始>
「錦糸町→両国」混雑率ワースト 11年度首都圏鉄道

国土交通省は一日、首都圏の鉄道各社について、二〇一一年度の混雑率を発表した。朝の通勤ラッシュ時に最も混んでいたのはJR中央・総武線(各駅停車)錦糸町-両国の201%で、三年連続の一位だった。乗客の体が触れ合い圧迫感がある200%以上は、他にJR山手線(外回り)の上野-御徒町(200%)の一区間。

国交省は一五年までに首都圏の全路線で180%以下とする目標を掲げている。一一年度に180%を超えたのは一〇年度から一減の十五区間で、うち十区間は混雑率が緩和された。国交省は「一両当たりの定員が多い車両の導入や、複々線化の効果が出ている」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012100202000109.html
<引用終了>
今、気付きました。錦糸町→両国が混むのは、半蔵門線錦糸町駅からの乗り換えが出てきたからですね。
もともと総武線快速で錦糸町で乗り換えて中央各線の駅に向かう人々が一定数いるのに加えて新たな乗り換え客、東武+東急線乗り入れの人が増加したんですね。こうなると乗り換えが便利になりすぎるのもよいことなのかどうか。

混雑率ワースト10の路線と駅を見ていると、大きな特徴があります。ひとつは都心ターミナル駅に向かう路線であって、近隣で代替する路線がないこと。中央線とか高崎線など。もうひとつは、それら路線に乗り入れる環状線で、武蔵野線と南武線など。こちらもやはり近隣に代替の交通手段がありません。

拙宅に関係する路線だと、メトロ東西線が不名誉なワースト10に入ってますが、これはJRと相互乗り入れしている関係が小さくありません。しょっちゅうポイント故障とか信号機不調とか人身事故で止まる。ほとんど中央線で発生したものです。月曜の午前中はまず、スムーズにいきません。ことに連休明けなんかは最悪。およそ七割が徐行運転になってます。

このように中央線の不調がダイレクトに響くので、皆さん用心して早めに出る。それもあってかなりの早朝から混んでいます。六時過ぎの上り電車で混みすぎてて葛西駅から乗れないことまであります。出張控えていたりすると新幹線に間に合うかどうかで毎度ドキドキします。
しかし、就労人口が漸減している現在、そんな光景もゆっくりと変わっていくのでしょう。いずれは満員電車なんてものがあった、と都市伝説みたいに語られることもあるんでしょうかね。それまでは我慢か。

電池交換

2012年10月01日
二ヶ月通った歯医者がようやく終わりました。ブリッジが外れてそれを接着しなおしてもらったついでに、奥歯のむし歯治療などしてたらこんなにかかった。
区内で最も評価が高い医院だったこともあり、治療には何も文句はありませんでしたが、いかんせんこんなに時間がかかるとは予想外でした。

これで憂いなく飲食できると思ってたら、今度は歯ブラシの調子が上がらなくなりました。
電動歯ブラシをずっと使っているのですが、振動が弱くなってきたのです。寿命かしら?

一度、電動を使うと手磨きに戻れなくなります。まして私は手磨きで力を入れすぎて知覚過敏で痛い思いをしたことがあります。磨きすぎると歯肉を傷つけて、水など沁みたりすると飛び上がるほど痛くなるのでした。

前にも振動が弱くなったときは新しいのに買い換えてましたが、何か不経済に思われます。

ちょっと調べてみました。すると、振動が弱くなるのは内臓充電池の寿命であることがわかってきました。とすると、充電池を交換することができればいいわけだ。

メーカのサポートセンターに問い合わせたら、修理に出せという。最大で5000円くらいで交換できる場合があります、とのこと。結構高いじゃん。
“自分で電池交換すればいいので、電池だけください”と提案しましたがそれはできませんと断られました。このあたりがメーカーの生命線なんでしょうね。
できれば新しいのを買え、修理には応じてやるがリスクヘッジしているその分高いぞ、か。

で、いろいろ調べたら自分でできるような記事を見つけました。
http://dental.rdy.jp/maintenance/battery-replace-part1.html
しかも、内臓充電池も売っている会社があるじゃないですか。473円で済む。
http://www.rakuten.ne.jp/gold/denkiti/oralcare.htm?scid=af_ich_link_urltxt_pc

うまくいけば、500円弱の出費でうまくいくかもしれない。失敗しても新しいのを買えばいいや。何より、いい経験になるだろうと思う。
早速、電池を購入してトライしてみることにします。

新しいのを素直に購入してもいいのですが、今使っている機種に対応した替えブラシの在庫があるんですよね。それを無駄にしたくないという一心から、より困難な道に進んでみることにします。いえね、単にケチってるという側面もあるわけです。

台風迫る

2012年09月30日
本日三時過ぎのこちらの気温は27度。陽射しはわりと強いですが西側に雲が出てきてあと十分ほどしたら太陽は隠れます。
飛行機の欠航が増えているようで、羽田を離発着する飛行機は疎らです。見ていると、着陸は夢の島から羽田に進入するいわゆる「ドリーム・アライバル」ルート。南風が強く、雲が低く垂れ込めているときはこのルートで飛んで来ます。用心しながら飛んでいるようです。

時折、強い風が吹きますがそれでも15メートルくらいのものでしょう。荒川大橋を軽自動車で横断中なら、運転していてふわっと持って行かれる感じですね。ちょっと怖い。

先ほど、区役所の広報車が通りかかり、拡声器で『台風がやってきます。雨と風が激しくなります。外出はなるべく控えましょう』と訴えていきました。
何十年も住んでいますが、こういうアピールを聞いたのは初めてですね。とりあえず物干し竿を下に置いたり、飛びそうなものを片付けておきます。

でも、怖いというより、なんとなく楽しいのですね。自分の対応力がどれほどのものかを試す機会だからかもしれない。
映画の『台風クラブ』を思い出します。

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