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血の轍

2013年03月07日
相場英雄の新刊「血の轍」(幻冬舎刊)を読了しました。
<引用開始>
命を賭した、刑事部と公安部の壮絶な覇権争い。
刑事たちを突き動かすのは、正義か、威信か、それとも本能か。

東京都内の公園で絞殺体が見つかった。被害者は元刑事。警視庁捜査一課の兎沢が調べると、被害者は殺される直前、パソコンのメモリーカードを知人に送っていた。兎沢はカードを追うが、入手寸前に邪魔が入る。立ちはだかるのは、かつて所轄時代に数々の事件を解決しながら兎沢に捜査のイロハを叩き込んだ公安部の志水だった。殺された元刑事は警視庁全体を揺るがす、ある事件の真相を掴んでいたのだ。事件を詳らかにしたい刑事部と、闇に葬り去りたい公安部の熾烈な争いが勃発し、兎沢と志水の絆が引き裂かれていく――。
http://www.amazon.co.jp/%E8%A1%80%E3%81%AE%E8%BD%8D-%E7%9B%B8%E5%A0%B4-%E8%8B%B1%E9%9B%84/dp/product-description/434402320X/ref=dp_proddesc_0?ie=UTF8&n=465392&s=books
<引用終了>
「震える牛」以来の相場作品を読みましたが、これも面白かった。書き下ろしです。
警察のなかにある二つの組織。公安部と刑事部。それぞれ全く異なる生理で動く組織の争いを中心に据えた話です。

「血の轍」と聞くとボブ・ディランの同名アルバムを思い出しますが、ここでは「流れている血が違うので、決して交わることはない」という意味合いで使われています。

犯人を挙げるために活動する刑事部、国家の安全を担保するために活動する公安部。同じ容疑者に対し、追跡逮捕と逃亡援助で激しく対立します。

なかでも公安警察のえげつなさといったら、これはちょっと凄い。青木理「日本の公安警察」を参考文献にしているだけあって、これでもかというくらい胸の悪くなる工作を、刑事部に対して仕掛ける場面がふんだんに出てきます。
こんな組織、万が一でも狙われたら我々の逃げる術はないんだろうなと思わせます。

両者のどちらにも属さない監察官が言う「残念ながら、正義は時と場合によってその姿を変える」という台詞が実に印象的に響く物語です。

今、冤罪や誤認逮捕で喧しいですが、タイムリーにその根深い問題を考えさせてくれます。
と同時に登場人物に絡む切ない「弔い合戦」も描かれていて、あっという間に読めます。
ご一読をお勧めします。

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