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2015年 磯野家の崩壊~アベノミクスの先にある『地獄』

2013年05月11日
山田順の新刊「2015年 磯野家の崩壊~アベノミクスの先にある『地獄』」を読了しました。
<引用開始>
アベノミクスで円安、株高が演出され、さながらバブルの様相を示しているが、それでも日本経済の破綻は避けられない!偽りの景気回復の裏で、消費税をはじめとする大増税が行われ、少子高齢化、格差拡大はますます進み、日本人の仕事や財産が奪われていく。さらに安倍バブル崩壊で日本経済は大混乱に……。これから起こる大破局で日本人の生活、仕事はどう変わるのか。あの「国民的家族」に投影しつつ解説する。
http://www.tokuma.jp/book/tokumabooks/20155e7478ef91ce5bb6306e5d2958ca
<引用終了>
山田順は、光文社の元編集者。これまで様々な書籍や雑誌を出してきました。最近でも「出版大崩壊」(文春)「出版・新聞絶望未来」(東洋経済新報社)を出しています。
近い仕事をやってきたせいか、この人の言いたいことや考えてることが私はよくわかります。出版業界のけっして明るくない将来、電子書籍というアダ花など等・・・。

少し前に「磯野家の謎」(東京サザエさん学会編)という本が出たことがあります。この本の編集者と著者は長年の付き合いがあり、サザエさんを引き合いにしながら、リアルな日本を書いたのが本作。しかし、本家の漫画と違ってどんよりとした陰鬱な読後感が私を浸しています。
著者はいわゆるアベノミクスをバブルと断じています。泡沫として消え行くもの。そのときがではいつ起こるのか?ということも書かれています。
二つのターニングポイントがあると著者はいいます。ひとつはアメリカからの「日本の円安は容認できない」という公的ステートメントが出る日。
いまひとつは、九月のIOC総会(九月七日)といいます。

ひとつめは、財政の崖に直面しているアメリカに助け舟を出すため、日本が外債購入を仕掛けようとしているのではないかということ。外債=アメリカ国債ですね。今、麻生財務大臣がG20に出かけては「財政健全化のための円安誘導」だと毎回声明を出しています。ヨーロッパ各国が日本の円安を非難していることに対するエクスキューズです。ところがアメリカだけは日本の円安政策について何もコメントを出していない。アメリカ国債を買い増しすると話しがついていれば、すんなりと筋が通ってくる。それが一段落すれば「円安は容認できない」と手のひらを返すだろうという。そのときが危ないのだといいます。

もうひとつはオリンピックの開催地決定。過去の五輪開催地は、直後から大きな経済成長を遂げています。アトランタ、シドニー、北京、ロンドン。そして2004年のアテネすらも、経済成長がありました。(その後に粉飾が発覚して現在の惨状になりますが)
現在はイスタンブール対東京の争い。ところがトルコの経済成長率って高いんですね。かてて加えてイスラム圏内初めての開催としての意義も立つ。東京が勝つ可能性は、限りなくゼロ。最近の都知事発言でトドメを刺されました。ここでイスタンブールが正式決定すれば、東京・日本は見捨てられたと見られるかもしれない。そのときに、一斉にマネーが引き上げられるかもしれないというわけです。
経済は、きまぐれな生き物と同じですから正確にどうなるかはわからないが、ありそうな話ではないかと思いました。

この本での出色は第八章の「女性差別社会の深刻な実態」です。
世界最低レベルの日本女性の地位、広がるばかりの男女格差、雇用機会均等法の欺瞞等など、私も漠然と考えていたことをよくまとめられていました。
聡明で能力ある女性を十分に活かせない社会って、大きな機会損失をしていること、非正規社員としての女性の奮闘があって地域や社会が支えられ続けたことなどなど、膝をうつ主張が多く出てきました。

それらが「女性手帳」などという倒錯した妄念に引き取られることに心底憤りを覚えます。

迫り来る災厄。では、個人で防衛できないことはないのか?
本書では最後にそれとなく、海外脱出を薦めています。それもアリといえばアリだが。
個人的には、もう少し足掻いてみたいです。
ご一読をお勧めします。

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