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すごい人のすごい話

2013年06月08日
荒俣宏著「すごい人のすごい話」(イーストプレス)を読了しました。
<引用開始>
荒俣宏氏が、どうしても話を聞いてみたかった15人の「すごい人」たち。渋滞、演歌、建築、オランウータン、死……生涯のテーマを持ち、探究の道を行く賢人たちの口から語られる「すごい話」の数々には、荒俣氏も「聞けば聞くほどよく分かる」と思わず脱帽。自ら考案したやり方でもって問題を読み解く15人の賢者たちと荒俣氏の“元気の出る歓談”は、暗い話題の多い昨今の日本を照らす一筋の光となり得る――「生の言葉」が詰まった一冊。
http://www.eastpress.co.jp/shosai.php?serial=1723
<引用終了>
読んでいて大変に興味深かったし、新たな発見もあり、感動もさせられました。
荒俣宏が対談した相手は次の15人です。

第1章 新しいからおもしろい、未知と未踏
1 竹村公太郎さんと楽しむ土地からの発想
2 西成活裕さんと体を張って実験する渋滞学
3 高田礼人さんと追跡する「変わり者」ウイルスの戦略
4 板見智さんと検証するハゲの噂
第2章 知れば知るほどすごい、日本の底力
1 鈴木一義さんと発掘する幕末大名の幅広い知性
2 林公義さんと推理する天皇陛下の自然学
3 船曳建夫さんと聴き惚れる演歌の神髄
4 町山智浩さんと解析するコミック王国アメリカの影響力
第3章 生き物は生き物に学べ、生命の叡智
1 鈴木晃さんと発見するオランウータンの高度な社会
2 小松正之さんと誇る日本人の深いクジラ愛
3 福岡伸一さんと再確認する生命の無常と有情
4 浜辺祐一さんと覚悟を決める「人の死に方」
第4章 挑戦して悔いなし、人生の壁と坂
1 迫慶一郎さんと乗り込む中国での街づくり
2 四至本アイさんと突破する近代日本の大きな障害
3 早坂暁さんと白装束で巡る死出の旅路

「帝都物語」で有名な荒俣ですが、それ以前にも面白い本をいろいろ出してます。私は彼の著作を40冊ほど持っていますが特に「本朝幻想文学縁起」「理科系の文学誌」など、工作舎から出している著作は好きです。

対談相手に選ばれた半分の人たちは今まで知らなかったです。しかし15人全員の話が、それぞれに尖がっていて実に面白い!一冊の本から千変万化の装いを見せられる思いです。

船曳建夫、どこかで聞いた名前だなと思ったら「知の技法」シリーズ編者でした。東大出版会の三冊全て持っていた。大昔に買ったままで忘れていた。町山智浩は読む前から面白いと想像できたし、迫慶一郎の中国での活動は現在の状況を考えると大きな示唆に富んでいます。
そして四至本アイさん。四至本という特徴ある名前が引っかかった。もしかして・・・。予想したとおり、あの大伴昌司のお母さんです。36歳で身罷ってしまった怪獣博士だ。現代でいうと誰にあたるのだろう。小松左京がもう一人いるともいえるし、メディアプロデュースの先駆けという点なら、秋元康にも通じる。いや、もっと大きなアイコンだろうな。

大伴昌司、円谷英二、小松崎茂・・・。我々の精神の一部を間違いなく創っていますよ。
四至本さん自身も凄い人だなと納得。102歳の大往生とはいえ、今年一月に亡くなられたのは本当に惜しい。

ラストの早坂暁。意外だった。こんな人だったのか。個人的には「天下御免」の人でスルーしていた。あれは毎週見ていました。出演者のサイン会まで行った。わざわざ渋谷のNHKまで出かけた。

「天下御免」だけじゃないんだ。
「夢千代日記」「花へんろ」どうして描かれたのかがよくわかりました。
“妹”の春子さんとのエピソードでは不覚にも泣いてしまった。お遍路の話も感動的。あれは諦念と再生の物語だったんですね。

15人それぞれが魅力的。持っている能力も凄いけど、人格がいいんですね。
しかも、それを引き出す荒俣宏の該博な知識と接する態度もよいです。博覧強記を絵に描いた人だけど、とにかく謙虚な聞き役に徹している。そういう姿勢がそこまでの知識を蓄えさせたのだとわかります。

こういう本から始まる。これで興味関心を持って15人の著作をまた読もうと思うのですね。
文句なしに、ご一読をお勧めします。

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