« 小人閑居して | トップページ | 「論破」幻想 »

死に金

2013年05月24日
福澤徹三著「死に金」(文藝春秋刊)を読了しました。
<引用開始>
金になることなら何でも手を出し、5億は下らない財産を貯め込んだ矢坂。彼が死病に倒れたとき、財産を狙う者たちが、次々と病室を訪れる――。著者の実経験をベースに書かれたこの作品は、大勢のアウトローが登場するピカレスク・ロマンです。金に狂った大勢の悪人たちと、清涼剤の様に存在する女子大生・瑞穂。彼女は矢坂にとってどのような存在だったのか。そして、矢坂はどこに5億もの金を隠し、何のために使おうとしているのか。衝撃のラストまで、目が離せません。
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163820507
<引用終了>
「俺たちに偏差値はない ガチバカ高校リターンズ」に続いて、この作家の小説を何冊か読んでいますが、いずれもなかなか面白いです。そのなかでも出色なのがこの物語です。

末期がんに倒れた冷酷無比な男が、貯め込んだとされる推定五億円の財産を巡る争奪劇です。アウトローな商売をやっていたことで彼の周りにはヤクザが多くいます。その誰もが、シノギや借金で首が回らなくなり、のどから手が出るほど金が欲しい。そこで、なんとか取り入って金の在り処を聞き出そうとあの手この手を使いますが、頑として応じない。墓場に金は持って行けないとはいいますが、そんな大金をどうしようというのか?謎を呼ぶ展開で物語は進みます。やがて、その金の行方と託される相手がわかってきます。また、執拗に金を狙い続ける有象無象には彼が講じた様々なトラップや仕掛けによって鉄槌が下され、自滅に追い込まれ、となんとも痛快な話になっています。

分野が少し違いますが、宮崎学の本を読んでいるような気分にもなりました。
続けて近作の「ジューン・ブラッド」を読みましたがこちらもハラハラドキドキさせられて面白い。
さらに「自分に適した仕事がないと思ったら読む本 落ちこぼれの就職・転職術」(幻冬舎新書)も視点が面白かった。アウトローとして強かに振舞えと説く視点。やはり宮崎学に通じているようです。

ご一読をお勧めします。

« 小人閑居して | トップページ | 「論破」幻想 »

2021年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ