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キャラ立ち民俗学

2013年05月15日
みうらじゅん著「キャラ立ち民俗学」(角川書店刊)を読了しました。
<引用開始>
みうらじゅんにかかれば、エロだろうがグッズだろうが祭りだろうが、世の中にあるすべての現象が深い! 些細なコトにも鋭い視点を注ぐ、みうらじゅん的民俗学エッセイ。 
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321208000058
<引用終了>
この人の本を読むたびに、先達の残した様々な研究や文献を思い出されます。
たとえば今和次郎の考現学とか、柳宗悦の民芸運動とか。社会風俗や実用品のなかに、普段ではわからない価値を見出させる契機になったりします。

といって、みうらじゅんはそういう人たちとは立脚点がまた違うようです。
無用の用、という言葉があります。一見、とるに足らないものでも実は優れた資質が隠されているときに用いられるのですが、著者の場合、本当にどうでもよいものに彼一流のこだわりで食い下がろうとします。

例えば、交通標識、道祖神、即身仏、海女、遮光器土偶、天狗、鍾乳洞、菊人形、ゴムヘビ。
そのものと、狂奔する姿にときに爆笑する。いまどきゴムヘビなんてこだわる人は他にはいない。誰も、みうらじゅんの真似ができない。しばし笑った後にはっと気づく。これは、常識とか習俗とか習慣とか、世俗にまみれてそうで一面の事実しか見ようとしない私たちに対する挑戦なのではないのか?

でも、縁日や駄菓子屋で見かけなくなったといってわざわざ台湾まで、ゴムヘビを大人買いするってやっぱり変だ。すごく可笑しい。とまた大笑いしてしまう。またしばらくして、彼の問いにふと立ち止まる。また思い出し笑いしてしまう。この無限の繰り返しが面白く、そしてもの悲しい。

そういえば、マイブームもゆるキャラも彼の造語でないか。最近では天狗をテングーと称してブーム起こしを耽々と狙っているみうらじゅん。私は同い年なので、彼のこだわりには共感させられることがすごくあります。
爆笑必死ですが、どこかで真面目に振り返らせてくれるのがこの本。
ご一読をお勧めします。

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