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遅かった謝罪

2013年04月30日
これで、東京開催は完全に無くなりましたね。招致活動の関係者は、責任追及できる相手ができたから安心か。謝らないよりははるかにいいけど、タイミングは少しばかり遅かった。あとはこれ以上のダメージを如何に抑えるか、ですね。
<引用開始>
猪瀬知事:発言を撤回し謝罪「「イスラム圏に誤解招く」

2020年夏季五輪招致を目指す東京都の猪瀬直樹知事は30日、米紙のインタビューで国際オリンピック委員会(IOC)の倫理規定に反して立候補都市のイスタンブールを「イスラム教国は互いにけんかしている」などと批判したとされる問題について、報道陣に「不適切な発言で撤回する」と述べた。また「イスラム圏の方に誤解を招く表現でおわびします」と謝罪した。

猪瀬知事はこの日、登庁しない予定を急きょ変更し、今後の対応協議のため午前11時過ぎに都庁入りし、報道陣に笑みも浮かべながら対応した。

問題とされた発言は、インタビュー終了後の雑談での「感想」だったとしたうえで、IOCの倫理規定の認識を問われると「甘かったと言えば甘かった」と釈明。今後については「他都市に敬意を払いながら(招致)活動を続けたい」として、5月にロシアである各立候補都市のプレゼンテーションにも参加する姿勢を示した。
http://mainichi.jp/select/news/20130430k0000e040127000c.html
<引用終了>
はじめは謝罪せずに、記事を書いた側に責任を持っていこうとしたんですね。「文脈が正しく理解されていない」とNew YorkTimesに責任をなすりつけようとした。

ところがNYTは「記事に絶対の自信がある」と反論しました。日本語の流暢な二人の記者がインタビューにあたったというから、これは分が悪くなったと判断して、遅まきながら謝ったたんでしょう。
http://mainichi.jp/select/news/20130430k0000e040086000c.html

最大の問題は、イスラムやトルコに対する偏見ですね。イスラムは喧嘩してばかりという主観での決め付け、トルコがそのイスラム教をベースにおいているという偏見です。しかしトルコが国家運営について、イスラムと距離を保つ世俗主義をとっていることを分かっていません。サウジやイランなどと比べて、厳しい戒律を生活の場に持ち込んでいるわけではない。お酒も飲めたりします。

彼はそうした無知ぶりを晒してしまったのだけど、これには新たに二つの問題があると考えます。
一つ目は、そういう主観・偏見を醸成する空気が日本にあるのか、と誤解されること。
二つ目は、謝罪の仕方について誤った思い込みがあるのではないかということです。

一つ目は、彼本人は勿論、メディアが報道する仕方に問題があると思います。イスラム=悪、不明、未開といったニュアンスが含まれているように見える。例を挙げればイラク・イラン・アルジェリア、或いはボストンでの報道について、そう感じられることがあります。

二つ目は「謝ったら負けだ」とする観念が強すぎるのではないかということ。よく、国際社会や交渉ごとにおいて、すぐに謝ったり譲歩したりすることは敗北につながるという考え方があります。
確かに言質をとられて、不利になる場合もありますがその観念があまりにも強すぎるのではないかと思えるのです。特に、権力の近くにいる人ほど、自ら恃むところが強いせいか、謝罪は即自己否定につながると確信しているんじゃないかと思える。

そんなことはないと思います。無用な誤解を避けるために、適宜の反省や訂正はどんどんやるべきではないか。それによって相手と自分の尊厳を守ることにもつながると思うんです。「これは間違っていた。訂正する。でも、私はこう思う」でいくらでも議論できると思うんですけどね。
揚げ足取りみたいな、変なディベート的観念に嵌まって身動きとれなくなる愚は避けたいところ。
虚心坦懐に構えて臨みたいです。

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