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脱法ハウス

2013年07月11日
これだったのか。最近、家賃収入が倍になるという奇妙なチラシが投函されてたのは。
<引用開始>
マンション:63平方mに12人…組合「脱法ハウスだ」

東京都江戸川区の分譲マンションで、部屋の持ち主(区分所有者)の1人が3LDK(63平方メートル)を「12人用のシェアハウスに改築する」と申し出て、管理組合とトラブルになっていることが分かった。中央区銀座のシェアハウス運営業者が持ち主に「家賃収入が倍になる」として計画を提案。組合は「実態は脱法ハウスであり、認められない」と主張している。この業者は同様物件を多数既に運営しているといい、今後他にも問題が広がる可能性もある。

◇管理組合と業者対立…マンション一室、改築計画
このマンションは築約30年で166戸が入り、出入り口はカード式オートロック。5月8日、シェアハウス業者から突然「カードを13枚ほしい」「明日から工事を始める」と組合の理事長に連絡があった。

業者や持ち主が組合に示した設計図面によると、改築で3LDKの間取りを崩し、廊下やトイレなどわずかな共用部分を残した上で、12の専有スペースに複雑に切り分ける。それぞれに鍵がかかり、広さは1.5~3.2畳と極端に狭く、大半に窓がない。「居室」とみれば建築基準法令に違反する。

理事長に連絡があった3日後、組合は持ち主と業者を呼んで説明を求めた。議事録などによると、「常識で考えて違和感がある」「騒音や利用者とのトラブルも心配だ」と難色を示す住人たちに、業者は「女性専用のハウスにする。管理規約はシェアハウスにすることを禁じていない」と主張。持ち主の女性も「シェアハウスとして貸すのは問題ないと国土交通省に確認した」などと訴えた。

持ち主に名指しされた同省マンション政策室の職員は「電話相談は受けたが、図面も見ていない。そもそも技術的に判断する部署ではない」と困惑する。組合は、法令上問題が無いことを証明する文書を示すよう持ち主に求めたが、正当性を主張する文書が届いただけで、公的機関が発行した書面の提示はないという。

組合の管理規約は「改修工事は1カ月前に理事長に書類申請し、承認を得なければならない」と定める。持ち主は6月18日付で申請書を組合に送付。今月13日の理事会で審査される。住人側には安全面だけでなく、資産価値下落を懸念する声もあり、不承認の公算が大きいが、女性は「自分の専有部分の使い方について他の住人に反対する権限はない」としており、工事を強行する可能性もある。
http://mainichi.jp/select/news/20130711k0000m040120000c.html
<引用終了>
拙宅のポストには従来から、マンション不要なら売ってくださいというチラシが沢山投函されます。ところが最近になって「投資用マンションとしてお売りください」という面妖な見出しのチラシも混ざってくるようになりました。単なる投資マンションだったら、ワンルームで大都市ターミナル駅に近接した環境に建てられる筈だから、変だなと思ってました。

記事では江戸川区内のマンションとあるので、その業者がポスティングした可能性があります。おそらく駅近くで、管理の緩いマンションで成功したから味をしめて拡販を狙っているのだろう。

63㎡で12部屋って、それは家ではなく寝床。文字通りのねぐらです。窓もないから建築基準法に抵触するし、消防法の観点からも危険な存在です。

拙宅の団地は居室内で80㎡くらいで広さからすると15人の居宅に相当するかもしれない。
しかし、実現は難しいだろう。駅から距離があり、徒歩で通うには無理がある。ましてわが管理組合は手ごわい。デベロッパーお仕着せの組織でなく、住民による自主管理なのでネゴひとつでも大変な時間がかかります。まして、一つの部屋に複数の人間が日夜出入りする状態を歓迎できるわけがない。荒れることを嫌います。

12人も住まわせようという発想が平然と浮かぶことにくらくらします。

唐獅子株式会社再び

2013年07月10日
記事を読んで、不謹慎かもしれないが爆笑してしまいました。
<引用開始>
山口組:機関紙を発行 直系組長に配布

全国最大の指定暴力団山口組が機関紙「山口組新報」を作り、直系組長らに配っていたことが捜査関係者への取材で分かった。1970年代にも機関紙が発行されたが、最近は確認されていないという。警察当局は、組織の結束を強めるのが狙いとみて、内容を分析するなどしている。

捜査関係者によると、直系組長が集まる今月5日の定例会で配布された。篠田建市(通称・司忍)組長の文章▽3代目組長の生誕100年特集▽最高幹部の釣り日記--などが掲載されている。今後、数カ月ごとに発行される可能性が高いという。

司組長の文章は(1)代紋を使ってシノギ(経済活動)ができる時代ではない(2)過去の成功体験を捨てよ--などと訴える内容が含まれるという。ある捜査幹部は「暴力団排除条例で口座開設や不動産売買が制限されるなど、組員としての活動が厳しくなっていることを意識しているのではないか」としている。

警察庁によると、全国の暴力団構成員と準構成員(2012年末)は6万3200人で前年より7100人減った。減少は8年連続。全体の4割を占める山口組も2万7700人と、前年比で3300人少なくなった。
http://mainichi.jp/select/news/20130710k0000m040125000c.html
<引用終了>
これ、小林信彦の「唐獅子株式会社」そのものじゃないですか。横山やすし主演で映画化もされた。

この小説、暴力団が社内報作って配布するというエピソードが書かれているんですが、山口組は実際に機関紙を作っていた経緯があります。その実話を小林が小説として膨らませたのが「唐獅子株式会社」なんですが、今度は小説を事実が追っていくという展開になりましたね。

もしかしたら、山口組は優秀なマネジメントやってるのかもしれません。
警察と対立関係にあるため、リーダーは収監のリスクを抱えているから、危急な場合での権限委譲、指示命令系統再編なども手慣れているでしょう。

親分などと慕われて、トップはリーダーシップに重要なカリスマ性も持っています。

さらに、一家という擬制家族を構成し、営利を目的とした会社よりもはるかに協力な組織でもある。

昨日日記に書いた「評価と贈与の経済学」で理想とされた人間関係や組織に近接しているかもしれません。
勿論、そのまんまであやかりたいとは思いませんが。

評価と贈与の経済学

2013年07月09日
内田樹と岡田斗司夫の「評価と贈与の経済学」(徳間書店)を読了しました。
<引用開始>
本書で示されるのは、新しい「交易」と「共同体」のありかた。貨幣も、情報も、評価も、動いているところに集まってくる。ならば、私たちはどのような動きをする集団を形成すればいいのか。そのために個々ができる第一歩とは。キーワードは「情けは人のためならず」。若者と年長者の生態を読み解き、ポストグローバル社会での経済活動の本義にせまる変幻自在の対談。笑って、うなって、ひざを打つこと間違いなし!
http://www.tokuma.jp/book/tokumabooks/8a554fa130688d084e0e306e7d4c6e085b66
<引用終了>
タイトルに経済学とありますが、しかつめらしく現代日本の経済を大上段から語るという内容ではありません。むしろ、その辺縁に表れる様々な現象、現代経済学で是とされているものたちの綻びに注目しつつ、そこを掘り下げようと努力している本です。

内田樹は時折、難解な言い回しを弄して読者を眩惑させるところがありますがこれは対談本なのでそれほど難しくなく、彼の思想となる根本がよく解き明かされています。
岡田斗司夫については、殆ど予備知識がない。昔、何か著作を読んだことがあるが忘れてしまった。彼について知っているのはあのエヴァンゲリオンを創作した会社、ガイナックスの設立メンバーであること、レコーディングダイエットによって見違える変貌を遂げたこと、この二つくらい。でも、彼とは同い年なので、考えていることや言いたいことはなんとなくわかる。
そんな感じで読み進めました。

第一章 イワシ化する社会
第二章 努力と報酬について
第三章 拡張型家族
第四章 身体ベースの人間関係を取り戻す
第五章 贈与経済、評価経済
第六章 日本の豊かな潜在力
第七章 恋愛と結婚

以上の七章で構成されています。
第一章でいう、イワシ化とは、責任なく個々に名乗ることなく、無名(匿名)でひとつの群れをつくり、物事に臨もうとする現代人を指し示す言葉だそうです。岡田が提唱した概念で、今でいえば自己責任を理由に様々なバッシングをはたらくひとたちなどが該当するでしょう。そのくせ、何らかの危機や反撃を窺うと、ぱっと雲散霧消してしまうという人たちでもあります。

岡田斗司夫は大学教員でもあるので、そういう最前線にいる今の若い人たちのことがよくわかっている。読んでいて大変参考になりました。
例えば、第四章「身体ベースの人間関係を取り戻す」では、目上の人と会話していても、片手でスマホをチェックしている若者が出てきます。私なんかがこれをやられたら不愉快に思ってしまうのだけれど、なぜかこの若者はそれが最大の礼儀であると思っている。目上の人と会話している自分、スマホのメール着信を確認している自分、それぞれに次元の異なる自分がいる。その複数次元での自分を上の次元からマネージする自分があるのだと。その姿を、わかってもらいたい、あなたには、素の自分をさらけ出しています、それが最大の礼儀である、というわけです。親しい、親しくなろうとする人にしかそういう姿は見せないのです、ともいう。

今は、そんな面倒くさいことになっているのか。頭ごなしに怒っては、理解できないまま終わってしまうところでした。

イワシ化から始まって第二章以降は、内田樹の持論「贈与」によって人間と社会を維持するということをベースとしつつ、岡田の唱える「評価・評判」を高めることによって、会社勤めだけでない多様な働き方やそのための価値観について展開していきます。それぞれ首肯できるところも、反論したくなることもありますが全体に面白く読めました。

今の社会構造の変化や、働き方や価値観、その多くはアメリカからもたらされていますが、そのアメリカを形容する言葉で「フルスイングでバカをやる」と岡田が評していて、これには爆笑してしまった。そのとおりだなって。
そんなバカをやる背景には、文化の蓄積する過程で、王様を持ったことがない彼らの歴史がある、とも。そういえばそうだよね。だから金を持ったら分かりやすくそれを使う。お金を蓄えても清貧に振舞うという感覚が理解できないのでしょう。それは偽善に見えるんだろうな。フェアじゃない、って。

彼らの考えることには概ね同意します。しかし、そのためにはどうするべきかというところではっきりとした答えを示しているわけではない。それぞれがその立場で動くべきということに落ち着いている。その点は読んでいて不満に思うかもしれません。

最終章の恋愛と結婚は、30ページもなくて一番短い。結婚が社会を構成する最小単位であり、両者ともそれを薦めてはいるけれど「男なんて幼児化する場所を家庭に求めているだけ」とやや平板にまとめてしまっている。
ここはお互いが離婚経験者という蹉跌を抱えているがゆえにスルーしたかもしれません。

選挙の前にはこういうものもよい。ご一読をお勧めします。

友好の重み

2013年07月08日
なんだか、ため息が出るような話です。大変に申し訳ない、という気持ちでいっぱいになります。
<引用開始>
母国はトルコライスに難色

「大人のお子さまランチ」と呼ばれて全国的にも知名度が上がっている長崎市の「トルコライス」。このご当地グルメに"母国"トルコの料理人が「トルコ料理にはない様式」としてトルコの名称を冠することに難色を示していることが分かった。西洋料理人でつくる全日本司厨士(しちゅうし)協会県本部会長の坂本洋司さんらが5月にトルコを親善訪問した際に指摘された。

トルコライスは豚カツ、ピラフ、スパゲティを一皿に盛り付けた料理。長崎市は、和歌山県沖で1890年9月16日に起きたトルコ(当時はオスマン帝国)軍艦「エルトゥールル号」の遭難事件にちなんで9月16日を「トルコライスの日」、9月を「トルコライス推進月間」と定めてPRしている。

坂本さんによると、在日トルコ大使館から食文化を通じた国際親善を図りたいと要請を受けて、5月下旬、全日本司厨士協会の宇都宮久俊会長らとトルコ・イスタンブールなどを訪問。トルコ料理人・シェフ連盟との間で「両国の食文化の発展に寄与する」とした国際料理友好親善宣言書に調印した。

指摘を受けたのは同連盟との会食の席。坂本さんがトルコライスを紹介したところ、同連盟のY・ヤルチュン・マナブ会長が「トルコには豚カツはない」と述べ、さらに「炭水化物が同じ皿に乗ることはない」とピラフとスパゲティを一皿に盛り付けることについても言及した。

イスラム教圏のトルコでは豚肉は食べない。坂本さんは「豚カツと決まっているわけではなく、牛肉でも魚介類でもいい」と理解を求めたが、マナブ会長からは「連盟の方で『こういうものなら出せる』というメニューを考えたい」との提案もあった。

トルコライスは1950年代に長崎で誕生したとされるが、その由来は諸説あり、トルコ料理とは直接関係ないともいわれる。

坂本さんは九州の料理店と協力して、トルコライスの魅力を満喫してもらう会員制の「長崎トルコライスクラブ」を創設する計画を進めており、トルコの本場料理と供宴する「トルコライスサミット」などのイベントも開く考え。「3種類の料理をワンプレートで提供する長崎オリジナルの洋食であることを理解してもらいながら、日本とトルコの懸け橋となる名物料理として発信したい」としている。
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2013/07/08085831010884.shtml
<引用終了>
日本のB級?グルメとしても名高いトルコライスが、本国から異論が出ましたという話。そりゃそうだ。
イスラム教において、豚は不浄な生き物とされていてその肉を食べるということは通常ありえません。
他の肉(羊・牛・鶏など)でも、ハラル(イスラムの流儀に則った加工)でなければ口に入らないのに。
ちょっと調べればわかることだと思うんですけど、それをしない。いや、知っていてやらなかった節があります。

記事後半で「料理店と協力して、会員制の長崎トルコライスクラブを創設する計画」とあるから、その商機拡大が理由にあるのですね。料理店や仕入先などの都合があるから、そう決めてしまったから豚肉を除くという発想にはならないんだろう。あくまで自己都合によるもので、トルコの事情など斟酌できないってことなんでしょうね。

なんという身勝手な振る舞いなんだろう。おためごかしの薄っぺらな友好だな。

トルコ風呂→ソープランドに続く、不名誉な名称変更第二弾になるかもしれません。

切り裂きジャックの告白

2013年07月07日
中山七里の新刊「切り裂きジャックの告白」(角川書店刊)を読了しました。
<引用開始>
東京・深川警察署の目の前で、若い女性の無残な死体が発見される。遺体は子宮を含めたほとんどの臓器をくり抜かれていた。戸惑いを隠せない捜査本部を嘲笑うかのように、「ジャック」と名乗る犯人からの声明文がテレビ局に送りつけられた。マスコミが扇情的に報道し世間が動揺するなか、またもや第二、第三の事件が発生。やがて被害者は同じドナーから臓器提供を受けていたという共通点が明らかになる。同時にそのドナーの母親が行方不明になっていた――。警視庁捜査一課の犬養隼人は、自身も臓器移植を控える娘を抱え、刑事と父親の狭間で揺れながら犯人を追い詰めていくが……。果たして「ジャック」は誰なのか? その狙いは何か? 憎悪と愛情が交錯するとき、予測不能の結末が明らかになる。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/kirisakijack/
<引用終了>
「さよならドビュッシー」で圧巻のどんでん返しを披露してくれた著者の新作ということで期待しつつ読みました。
冒頭から、臓器をまるまる刳り貫かれた遺体の描写があり、震撼させられます。
これは著者の既刊作「連続殺人鬼カエル男」や「魔女は甦る」に通じる凄惨な描写です。グロテスクだったらやだなあと思いながら読み進めると、もう一つの課題が横たわっていることに気づきました。

それは臓器移植。2009年に改正臓器移植法が成立し、ドナー本人の承諾を経ずとも、15歳以下のドナーであっても移植が可能になりました。これによって多くの命が救われたことも事実ですが、本書では陽の当たらない陰の部分についていろいろ書き記しています。移植を施されたレシピエントがどのような新しい生活を迎えているのか、他人の命と引き換えに近い形で長らえたレシピエントたち。その事実をかみ締めながらしっかり生きようとする人ばかりではないことをわれわれは知ることになります。死の淵から一転生還しながらも、ギャンブルやパチンコにはまって仕事をしないレシピエントもいる。性善説が前提でこの社会は成り立っている筈ですが、公共とか共助を利己的に享受しようという人たちが一定数はいることにあらためて気づくのです。

一方で人の死をどうとらえるかという問題もある。具体的には脳死の問題。脳死を人の死としてみるか、みないかで臓器移植は多くの議論を巻き起こしています。ラザロ徴候という脳死状態の人間が示す生きているかのような反応のことも初めて知りました。日本の場合、この脳死についてはっきりした結論と社会的な合意を取り付けていないまま、臓器移植が行なわれています。それは人の命を救いたい、という原初的な願いとは別な動機で進められている一面がある。臓器移植によって、医療機関、担当医、製薬会社、移植コーディネータといった人たちが活況を呈する側面を忘れてはなりません。
そして現状では、多額の費用が移植手術にはかかるという問題もあります。

さらにiPS細胞の登場により、近い将来、臓器移植そのものが不要になる可能性も出てきています。しかし現状では移植によって多くの人が救われている事実もある。このような難しい状況に現代は直面しています。そのことを本作ではよく書かれていると思いました。

とはいえ、ミステリーエンタテイメントとしての魅力もまた多く書かれている。「カエル男」「魔女は甦る」にも登場してきた若手刑事が本作も登場していて、その後の成長を垣間見せたりしてくれます。

最後の30ページは、ええ?っという驚きで締めくくられます。そうきたか。著者お得意のクラシック音楽の描写で最終章コーダを聞くような感じです。

ご一読をお勧めします。

寝落ち

2013年07月06日
ドラマ改変期のいま。昨晩は、肝心なときに寝落ちしてしまいました。
「みんなエスパーだよ!」の最終回を見逃してはならじと、目を凝らしてみていたが横になっていたのに、ふと気づいたら染谷将太が何かを宣言していてエンドロールになっていました。

見逃したあ、と悲嘆にくれていたら、明日の晩からBSジャパンで放送開始するんですね。さすがにテレ東。何重にもコンテンツを使いまわすか。勇者ヨシヒコといい、少ない予算で健闘してます。

園子温、ニッポンダンディの金曜レギュラーにもなりました。矢部謙三2も始まりましたので、金曜が楽しみです。

日テレでは、音楽の力とかで、ながながと歌番組の放送をしてます。
尾崎紀世彦の「また逢う日まで」。加山雄三に歌わせていたけど、本人はあきらかに戸惑って歌ってた。ミスマッチと思う。尾崎のフィルム出演でいいじゃないか。

ポスターで勢いをはかる

2013年07月05日
結果を考えると憂鬱になってしまうイベント。
参院選がいよいよ始まりましたね。

ポスターの掲示で各党の勢いが体感できます。

公示当日の昨日、午前十時現在で、拙宅前の掲示板には丸川珠代・武見敬三・山口那津男・吉良佳子・釈量子(幸福実現党だと!)に丸子安子(みどりの風)が六人が貼ってありました。組織力を見せ付けられるというか。みどりの風が意外ですが。

十時半になって、スポーツサイクルに乗ってきた若者が山本太郎のポスター貼りました。

一方で、民主党の鈴木寛や無所属となった大河原雅子のポスターが貼られていません。

結局、夕方四時過ぎに貼られたところを確認。大河原雅子もほぼ同じ時刻に貼付。

それから、六時過ぎに桐島ローランドが貼られた。みんなの党から出るんですね。この男って何者なんだ?ビジュアル担当?江角マキ子の元亭主なのか。

かれんにノエルにローランド。お母さんの活躍を考えるとこれらも一種の世襲といえなくもない。お母さんは「聡明な女は料理がうまい」というベストセラー本を出してたけど、その子供たちからは聡明な印象を受けません。

定数5の東京選挙区。私の予想では、丸川・山口・武見が当確。丸川は100万票(病?)は獲得。三年前の蓮舫の再現。四番目に共産党の吉良。五番目を鈴木寛と山本太郎が争って山本が滑り込むという見立てです。60万票とれれば当選ではないかしら。

公認をとり消された大河原が不利そうにみえて、実は鈴木が厳しいのではないかと思う。生活者ネットワークの基礎票が見込める大河原と異なり、連合の支援があるとはいえ無党派で風頼みの鈴木であります。

一昨日、公示直前なのに鈴木をPRする選挙カーがやってきてチラシを拙宅にもポスティングしていった。危機感ありあり。なのにポスター貼付は出遅れました。

そのチラシには応援するという有名人が推薦の言葉と共に何人も載っています。
岡田武史、大前研一、高野孟、古田敦也、大野忍、金子郁容に平田オリザ。いかにも〝らしい”人選ではあります。

だが、三枝成彰に三木谷浩史、平尾誠二で嘆息。揃いも揃っていけ好かない連中だ。
ことに三枝成彰!こういう、男から嫌われるような男はダメだよ。

それから、維新の会の小倉淳は今日にいたるもポスター貼付はありません。
泡沫確定だな。

丸川、落ちればいいのに。自民を選択した理由で「権力の中枢から変革しなければいけないと思った」ってよく言うよ。
彼女と大学同級生だった男と同じ職場でしたが、入学早々に声かけてあえなく撃沈したとのこと。当時からプライドと自己顕示欲のやたら強いひとであったらしい。ま、ふられた恨みもあるので話半分でしょうけれども。

世相反映

2013年07月04日
世相を反映したのかどうか。昨晩、十時から日テレで始まったドラマ「Woman」は楽しい内容ではけっしてありませんでしたね。シリアスで重いものでした。でも、見ないといけない。そんな気にさせられました。

主演が満島ひかり。共演者が田中裕子、小林薫、臼田あさ美、二階堂ふみ、谷村美月、高橋一生、桐谷健太など。個人的にわりと好きな俳優ばかりです。
子役は、鈴木梨央。八重の桜でヒロイン幼少期を演じた芸達者な子ですね。

三年前のこの枠が「Mother」。松雪泰子主演でこちらも田中裕子が母親役で出演。母娘の折り合いがよくない。今回の役柄と似通った設定でした。このときの子役が芦田愛菜。綾野剛がDV男を怪演してました。

シングルマザーの窮状や生活保護の水際作戦など、民放ゴールデンではなかなか触れられない内容をよく出していた。脚本がしっかりしていると感じました。芸達者な子供の演技に、つい釣られてしまうというところもありますが。

来週から同じ時間帯で「ショムニ」が始まりますが、こっちを優先してショムニは動画などであとから見ることにしようかなと考えてます。本田翼も見てみたいけれど。

旗幟鮮明

2013年07月03日
公共放送は公正中立、という前提があるように聞いていたが最近のNHKはおかしいですね。
昨晩の放送「ニュースウォッチ9」ではそれをますます確信させる報道がいくつかありました。
同時刻にMXテレビで放映されている「ニッポンダンディ」とザッピングしながら見ました。
私なりのバランス感覚とでもいいますかね。

冒頭、先般行なわれたG8において安倍晋三とオバマの立ち話映像を独自入手したとして流した。
ところが映像だけで音声はない。話の内容がまるでわからないまま、会談が行なわれたことだけが報道されてました。何のための報道であったのか。ゴルフか食事の話でもしたのか?安倍は英語ができないから、込み入った話は無理だろう。

日米首脳会談は今回のG8で組み込まれることはなかった。事実としてはオバマに忌避されているのだけれどそれには次のような理由をつけている。重要な事案は従前の電話会談で済んだ、だからG8で首脳会談を設定することはしない、と官房長官は談話で出してました。

わざわざそこまで断っているのに、今になり当時の立ち話を報道するのは、おかしな話ではないか。
緊密な日米関係を演出したい動機が官邸にあり、その意を受けてNHKが報道したとしか見えません。

もうひとつ、東電の柏崎刈羽原発における再稼動申請のニュース。このニュースについて、一般の人にインタビューをしていたけれど、福島の避難仮設住宅の住民に「再稼動は仕方ない」などと言わせていました。そりゃ、いろんな意見を持つ人がいるし、再稼動推進の人の声も出すべきではある。
でも、仮設住宅の人にわざわざ再稼動推進を言わせるとはどういうことなのか。住民の総意がこれでまとまっているとはとても信じられません。

例えばこんな声もある↓
福島で必死に生きる人々の生の声(6月下旬)
http://ameblo.jp/inochi-forum/entry-11565574424.html

大越の報道での偏向ぶりについては、前から気にはなっていたがここまで踏み込んでくるとはね。
これでは政府広報とあまり違わないではありませんか。

番組相方の井上あさひの生気を失ったような顔を見ていると萎えてきます。彼女、絶対にパワハラを大越から受けていますね。あの脅えたような顔を見ていてそう確信。一度だけ「あさひちゃん♪」と猫なで声で大越健介が発したことがあるが、こりゃセクハラもありそうと思わせました。

NHKはEテレやBSで相当優れた番組を作っていますが、七時と九時のニュースはいただけない。
参院選関連の報道でも、話半分で見るしかないかな。MXテレビと等量で見るとかがよさそう。

ライフルバード 機動隊狙撃手

2013年07月02日
深見真の「ライフルバード 機動隊狙撃手」(角川春樹事務所刊)を読了しました。
<引用開始>
熊本にある携帯電話会社のコールセンターで働く平田香織は、DVをふるう元彼とクレーマーに悩まされる日々を送っていたが、ある時、自分の父が覚えのない名前で銀行強盗をしたという報道を目にする。一方、銀行強盗事件を狙撃による犯人射殺で解決した機動隊狙撃手の大谷は、休暇中、その不可思議な事件から生まれる罪悪感から、殺した相手の娘である香織の元を訪れる。だが二人の出会いは、熊本に巣食う大きな陰謀を暴きかねない危険なものだった……。
http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=4504
<引用終了>
深見真は、主にライトノベル小説で活躍している作家です。今回初めて読んでみましたが、その文章に冒頭から引き込まれます。こんな書き出しです。

〝子供は親から才能を受け継ぐことがある。平田香織が母から受け継いだのは、「星の数ほどいる男の中からろくでなしを選び出す」という悪しき才能だった”

上手い導入。この先、平田香織なる人が巻き込まれる運命を見てみたいと思わせます。

前半は平田香織のDV男から逃げる展開と、機動隊狙撃手の大谷浩二の射殺への葛藤と贖罪を書いています。なんとなく謎がありそうですが、まだ物語は平坦。しかし、事件の鍵を握るという長崎の廃村に行ってから予想外の方向に物語は転がっていきます。

中盤からは、そんな筋になっていくのか!という驚きの連続。まさかそんな謀略があったとはと思わせました。それでも現況の日本を見ているとリアリティが十分あります。読んでからのお楽しみですね。

銃マニアや射撃の知識もつくし、機動隊狙撃手が日頃どのような活動をしているのかも勉強になります。そんなことを知る機会なんて普通はないもの。

題名のライフルバードとは「ゴクラクチョウ」の意味。森林でも目だって標的になりやすいからその通り名がつけられたそうです。

これは面白い。ご一読をお勧めします。

強制自決

2013年07月01日
昨晩の「八重の桜」。会津の城内に官軍が侵攻してくる前半のクライマックス。
毎週、楽しみに見ているのですが昨晩は見てて陰鬱になってしまいました。集団自決のシーンがいくつも出てきたからです。
飯盛山の白虎隊、西郷頼母の家族、家老田中土佐の自決と何度も出てきた。

「生きて虜囚の辱めを受けず」という言葉が浮かんできます。
もっともこの「戦陣訓」は、それより八十年くらい後に作られたものですが。

大人はまだいいかもしれない。理不尽でも、どこか従容として死に臨むひともいただろう。
(全く賛成できない話ではあるけれど)

でも、子供のそれは惨い。西郷頼母の家族は実母、妻、妹二人、娘五人がその道を選んだ。娘五人は上が15歳で一番下が僅か一歳。何もわからずに手にかかったかと思うと堪らない。
頼母の息子はお城の警備に向かわされ、家に残った女性ばかりが死を選ぶ。その報せを聞いた西郷頼母(西田敏行演ずる)が「そうか。そういうことにしたのか」と呟くシーンが心に残る。ちっともうつくしくない。なんと悲惨な話なんだろう。

相手の負担につながることから、捕虜になることも立派な戦いだと思うのだが、それは現代だからいえるのかな。しかし上の人間は殆ど生き残る。
「俺たちも後から続く」。この約束はたいてい護られない。

会津もまた例外ではない。藩主の松平容保も家老の西郷頼母も明治時代まで生きた。どんな気持ちでいたかはわからない。贖罪の日々を過ごしたかもしれないが、彼らの判断ひとつで助かった命が無数にある。

その後に、ひめゆりや特攻隊もあった。悲惨さの本質を学んでいない。
そして、原発事故とその後の棄民の時代に私たちは生きている。
立ち止まって、よくよくこのことを考えたいです。

週末メール

2013年06月30日
これ、わかるなあ。できれば金曜日の夕方以降は無視しておきたいものです。
<引用開始>
週末に来た上司から電子メール、どう対応すべき?!
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末、そしてWi-FiやLTEなど張り巡らされたネットワーク――これらは確かに便利だが、いつでもどこでもネットにアクセスできる環境は、同時に会社のメールから離れられないという状況も生んでいる。さらには、退勤後や週末も会社宛のメールに返事が来るだろうという推測や期待にもつながっている。

だが、面倒なメールになると手元の資料をチェックしたり、他のチームメンバーに問い合わせたりといったことが必要になる。残業代や時間外手当をもらっているわけではないとなると、おいそれと応じるのはためらわれる。社内、取引先、顧客とさまざまなメールがあるが、上司からの場合はどうすべきだろうか? Forbesの記事「時間外の上司からのメールへの対応法(原題 : How To Handle After-Hours Emails From The Boss)」を紹介する。

米国の調査では、上司から時間外に電子メールが来ると回答した人は36%。「休暇中でも」という人はほぼ10人に1人の9%、「週末にも」という人は6%いたという。

さっそくどう対応すべきかを考えよう。とはいえ、結論はケースバイケースだ。
http://news.mynavi.jp/news/2013/06/29/023/index.html
<引用終了>
結論がいきなりケースバイケース。それじゃ記事にならないんじゃないか。
記事の続きでは、周囲の反応などを見て態度を決めましょうという至極穏当なつまらないアドバイスで終わっています。でも、これは決めの問題ですよね。メールだけでは相対することにならない、これは割り切るべきと個人的には思います。

メールジャンキーという人がいます。いつでもどこでも自分宛のメールを様々な手段で確認しようとする人。

私もそうだったからわかるけど、不安になってくるんだよね。電車に乗ってる間、家路を急ぐとき、外で飲んでいるとき、今この瞬間にも自分あてに何らかのメッセージが来てないか?
前はインターネット絡みの仕事でしたので、急な停止や不具合があってはいけないので、年末年始でも外部からリモートチェックしてました。

人の休んでるときに気を配らなければいけないのは、何かこちらが損しているような錯覚があります。モチベーションが維持できないのです。また、そういう考えでいるときまってトラブルが起きたりするんですね。不思議なことに。

それでもメールならばいい。もし事態が緊急性を帯びているのなら電話が来るのでしょうから。メールは相手に届いたかどうかが確認できない分、自分は伝えたよという意思だけでやる場合も少なくないですね。返信は「了解しました。詳細は週明けに」でいいんだと思います。

前の職場で、今のようなメール全盛でない時代、Voiceメールというシステムがあったのです。個々人の会社の電話機に用件を吹き込むやつで、全社同報とか通達が入ってたりします。なかでも一番多いのが職場の上司・同僚からのメッセージで、これがもう嫌で嫌で。「あれはどうなった?」「あの件は報告したか?」「~までにレポートしてください」という上司からの要請ばかりだったのですね。自分では十分にやりきり、晴れ晴れと週末に突入したいのに金曜の十時過ぎなどにこんなメッセージを聞かされて何度出鼻をくじかれたことか。ドヨ~ンとなった。どこまでもどこまでも追いかけてくる。(その上司も相当まいっていたことが後から判明しました。欝病だったんですね)
会社側では、通常のレポートラインのつもりでいたんでしょうけど、私は神経が相当まいってしまいました。これが遠因ともなって、その会社を辞めました。

そんなこともあって、自分なりに反省もしました。あまり気にしすぎないように、神経も太くしよう。何より、コミュニケーションが不足と感じた人がそうやって聞いてくるのだから、平生からよく話しておけばいいかと割り切れるようになりました。小うるさいくらいに言えばいいやって。

あとは適度なヨイショ。そういう週末のメッセージって、結局は上下関係を確認したいという衝動なんだと思います。気にかけていただき有難うございます、とはじめにかましておけば、次第におさまってくるのでしょう。
あれも試練だったか。賢く働け、という教訓だったのかも。今更ですがそう思います。

商売優先

2013年06月29日
何をいまさら。買取=仕入れだもの。本気で取り締まるつもりもないのだろう。
<引用開始>
DVD・書籍買い取り、18歳未満で自主ルール

万引きの被害を食い止めようと警視庁と関係機関が合同で会議を開き、18歳未満の少年から中古のDVDや書籍を買い取る際のルールをより厳格化することが決まりました。

これは、28日午後、東京・霞ヶ関の警視庁で開催された「東京万引き防止官民合同会議」の席上で発表されました。

警視庁によりますと、東京都内で万引きで逮捕・補導された人は今年に入ってから5月末までに4866人に上っていますが、このうち20%余りが未成年だったということです。

28日の会議には「BOOK OFF」や「GEO」など大手の買取チェーンの事業者が参加し、小・中学生から中古のDVDや書籍、ゲームを買い取る際は「保護者の同伴が必要」としたほか、高校生の場合は「保護者直筆の買い取り同意書と電話での確認が必要」と定めた自主ルールを発表しました。

この自主ルールは、加盟する大手買取チェーンの全国およそ2000店舗で、今年10月から実施される予定です。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5370445.html
<引用終了>
中古品の売買は、古物商の免許がいります。古物商の申請・認可は店舗所在地の公安委員会・警察署で行ないます。ためしに、新橋あたりの金券屋に行ってみればわかる。贓品の売買は、想像以上に厳しく監視されています。

商品棚の横や裏側には、警察から配布された最新の贓品リストが貼られている。万が一それらが持ち込まれたらすぐに通報する仕組みが出来上がっています。一万円以上の高額商品買取に関しては売主の身分証明書が求められるし、店舗には大概、監視カメラもついている。普通の古物商であればこれらが商行為のなかに自然に息づいている。ところがそうでない業者がいるわけです。

今回、この万引きの自主ルールを定めるのは、BOOKOFFやGEOなどの大手買取チェーン。品質が確かであれば、どこから持ち込まれようが構わないというモラルハザードも感じられる対応です。むしろ、買取に関しては仕入れとほぼ同じなので、厳しく制限すると商売に差し支える。自主的に気をつけるから、多少のお目こぼしは許してね、ということなのでしょう。ついでに天下り枠も確保しておきますってなところじゃないか。

このような商売優先の動機があるから、これらの対応はどこかうそ臭い。
一回あたりの買取の量とか金額を限定すれば殆どの問題は解決する筈です。
勿論、贓品リストの活用を前提としつつ。それが甘いから付け込まれる。
大量仕入れは商売に関わるから、譲れないという業界の事情でしょう。
少年の補導や更生は、社会や地域で面倒みてくれといわんばかりですね。

我々の頃は、空き瓶回収で小銭を稼ぐくらいだったのだが。なんだかな。

統合の障害

2013年06月28日
「ほんとの統合まで、20年はかかるよ。一勧ですらそれだけの時間がかかった」。みずほが出来る直前に前の職場の役員がしみじみ語ってくれたことがあります。このひとは興銀からの出向でした。出向期間が終り、戻るときには興銀は無い。さぞ不安だったのだろうな。
<引用開始>
 みずほ銀:来月「ワンバンク」に 中核2行が合併 今月末、ATM一時停止

 みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のみずほ銀行と、みずほコーポレート銀行が7月1日合併し、新しいみずほ銀行が誕生する。東日本大震災直後の大規模システム障害を反省し、企業統治の強化、意思決定の迅速化、経営の効率化を図る。合併準備のため、週末に現金自動受払機(ATM)などのサービスを停止する。

 みずほ2行は、旧第一勧業、旧富士、旧日本興業の3行が統合・再編して2002年に発足。みずほ銀が中小企業・個人向け、コーポ銀が大企業向けに役割分担する「ツーバンク」制を取ってきたが、企業向け金融が分かれることで業務が非効率になりがちだったため、「ワンバンク」にする。

 従来はFGと傘下銀行のトップが別々のケースが多かったが、新みずほ銀頭取はFGの佐藤康博社長が兼務することで「ワントップ」体制を確立し、より指導力を発揮できるようにする。

 統合に伴い、システムの移行作業を行う。みずほ銀は、発足した02年4月と、東日本大震災後の11年3月に、給与などの振り込みが滞る大規模なシステム障害を起こした経緯がある。みずほFGの佐藤社長は25日の株主総会で「二度と起こさない強い決意で7月1日を迎える」と強調、万全の態勢で臨む考えを示した。

 システムの移行作業のため、29日午前0時から7月1日午前8時まで、すべてのオンラインサービスを休止する。みずほ銀のATMのほか、コンビニや他の銀行などのATMでも、みずほ銀のキャッシュカードは使えない。週末に現金が必要な顧客は、事前に現金を引き出しておくよう、呼びかけている。
http://mainichi.jp/select/news/20130628ddm008020062000c.html
<引用終了>
第一勧銀は、第一銀行と日本勧業銀行の統合によって出来た銀行です。太陽神戸三井銀行なんて、すごい名称もありましたね。その後継の三井住友銀行も覚えにくいといえば覚えにくい。あれ、和名では三井が先にきていますが、英名ではsumitomo mituiと住友が先なんだそうです。ややこしいことをするのはわけがあるそうで、旧両行出身者のプライドを考えてのことだと聞きました。

みずほ銀行は過去に、システムを更新する際、二度も事故を起こしています。
もともとメインフレームが別々。旧富士が日立で、旧一歓がIBMだったかな。
統合には互いの方言を読みこなさないといけないのに、情報システム部同士の会合があまり進んでいないということをよく聞きました。どちらかが音頭をとろうとして遠慮して互いを見合ってしまう。そんな状態が続いたと聞いてます。
みずほ、三菱東京UFJなどメガバンク統合は、政府主導で行なわれてますが、急いでやることにしたので社内組織体制を統合で刷新できなかったことが問題の根でした。同じような意思決定単位を重複して持ってしまったので、百家争鳴状態になってしまった。これにお互いの銀行同士のプライドが絡んできて、実のある話し合いがあまり進まないまま見切り発車してしまった。頭取を三行出身者から順繰りで出すとか、そうした取り決めばかりが決まった。
明日からのシステム統合も、予想外の障害が出るんじゃないか。

私もみずほで口座を持っていますが、支店の統廃合が何度もあって使いづらくなり、口座に一円も入れておりません。こういう人多いだろうな。

今回のシステム統合で、現預金が必要な人は予め払い出してください、とみずほでアナウンスしてますけど、少なくない量の預金流出が起きるんじゃないかな。この機会に他行にやっちゃえって。実は大きな機会損失だったりしてね。

補助給付

2013年06月27日
これ、ほんとに出しましたよってアリバイづくり。配慮はしたからな、とでもいいそう。
<引用開始>
住宅購入補助給付:現金購入なら50歳以上650万円以下

 自民、公明両党は26日、2014年4月の消費増税時の負担軽減策として、借金で住宅を買う年収510万円以下の人に10万~30万円を現金で給付すると発表した。現金のみで買う場合も50歳以上で年収650万円以下の人に限って給付する。消費増税で住宅販売が落ち込み、景気が悪くなるのを防ぐのが狙い。

 政府は2013年度税制改正で、13年末で期限が切れる住宅ローン減税の4年間延長を決定。来年4月から17年12月までに入居した人に、ローン残高の1%を10年間、所得税、住民税から差し引く。

 ただ、収入が低くて所得税などの納付額が少ない人は、減税効果を完全には受けられない。そのため、住宅ローン減税だけでは消費増税による負担増を補えない年収の人を対象に現金を配ることにした。

 15年10月に消費税率を10%に引き上げた後は、年収の上限を引き上げる。対象は床面積50平方メートル以上の新築住宅と不動産業者から買う中古住宅で、14年4月~17年末の入居分。退職金で住宅を買う人にも配慮し、ローンを組まずに現金で買う場合も50歳以上で年収650万円以下の人に、消費税率8%の時は10万~30万円、10%の時は10万~50万円を給付する。
http://mainichi.jp/select/news/20130627k0000m020125000c.html
<引用終了>
昔、ツービートの漫才ネタで「サラリーマンには新しい生き方だってある!出世と家を諦める!これで新しい人生が拓けるんです!」というのがありました。
上手いことをいうなあ。確かにそうだよなと当時は思ったのですが、いまや出世どころか、会社に在籍し続けることが困難になってしまいました。

昔に比べて経営環境が厳しくなったのか?ダメ社員がそれだけ増えたのか?いいえ、どれも違う。単に経営者が無能になっただけだったのです。環境変化が激烈になったとか、IT化が進んで意思決定が早くなったとかウダウダ理由をつける人がいるけど、昔の経営者に比べて無能になったのだと思う。人を解雇しやすくなり、固定費の圧縮が可能になったことで、経営の難題に常にリストラで臨む姿勢が常態化してしまったと思います。知恵や工夫を発揮する機会が減ったことで、昔の経営者より無能になった。それはともかく。

会社に居続けるのが難しくなった以上に、家を持つということが難しくなった。
万が一には破産も覚悟しなければならない。何よりローンが難しい。

それにしても30万円の現金支給って何か。消費税分を軽減するということは600万円で家を買うという計算しているのか。これが10パーセントになったとすると300万円で家が買えるという設定にもなってしまう。そんなバカな。しかも現金支給というのがいやらしい。日銀に刷らせた余り金を押し付ける、そんなイメージまで湧いてきます。

50歳以上で年収650万円以下で、かつ現金で家が買える人。そんな人いるのか?
30代から40代の働き盛り、メインの購買想定層にはけっしてヒットしない。あえてさせない。
ローン減税で十分に優遇しているのだから、そろそろ無理してでも買えとせっつくようです。

衣食住の三つのうち、住だけはいつまでもコストが下がってきませんね。
これが下がってくれば、悲惨な生活苦は減り、劇的に暮らしは変わるのですが。

デモの力

2013年06月26日
「ブラジルがもっと公正で、安全で、健康的で、正直になることを望んでいる。俺がブラジルのためにできることはフィールドで戦うことだけだが、今日はデモ隊から力をもらった」
これは、コンフェデ杯で日本戦後のコメントらしいです。とても健全な感覚ではないか。
<引用開始>
ブラジルデモ:ネイマール選手「デモ隊から力をもらった」

ブラジルで全国に拡大した反政府デモは、ルセフ政権の支持基盤である北東部にも拡大している。デモ参加者は、政府の貧困層への所得再配分政策で税金を負担してきた中産階級が中心となっており、反ルセフの色彩も強めている。一方、デモ隊が来年開催予定のサッカーワールドカップを「無駄遣い」として反対していることに関し、サッカー関係者に困惑が広がっている。

大統領の地盤のフォルタレザ市では約1万の若者が反コンフェデ杯や医療や教育の充実を叫んだ。デモに参加したロレナ・ベゼラさん(21)は「学生には公共交通料金をすべて無料にしてほしい。我々は目覚めた。国民が政府を恐れるのではなく、政府が国民を恐れるべきだ」と話した。同国北東部ベレン市の日系人団体幹部の堤剛太さん(65)は「今まではサッカーで不満が解消されていたのに、新しい世代の新しい形のデモだ」と驚く。(後略)
http://mainichi.jp/select/news/20130621k0000e030175000c.html
<引用終了>
前大統領のルラから現職のユセフへと一貫した政策。貧困対策に力を入れているブラジルですが中間層から税金を多めに徴収していることで、このクラスからの反発をかなり食らっているらしい。もともとはアメリカの草刈場として、新自由主義の猛威に曝された南米各国。現在ではその反動でか、殆どの国がアメリカと距離をおくようになっています。ブラジル、ベネズエラ、サンサルバドル、ニカラグア、ボリビア、アルゼンチン、ウルグアイ。親米はコロンビアくらいか。そういえば元NSA職員のスノーデンも、エクアドルに亡命かと噂されてました。ジュリアン・アサンジもエクアドル大使館に避難してましたね。

ブラジルのデモを巡っての日本の報道は、デモに対してネガティブな色合いが濃い。その参加者にも、対話に応じた政府にも批判的な論調で書かれているようです。安定が望まれる、とか五輪やW杯の開催への懸念とか等。
それはそれ、デモはデモという割り切りがブラジルにあることを認めようとはしません。

さらにトルコの反政府活動となると舌なめずりせんばかり。日々、これでもかと混乱の様子を遠目からレポートします。五輪開催地とか、背後に抱えたシリアのリスクとかを混ぜこぜにしつつ。そこには東京五輪にチャンスが出たとかもあるでしょうが、中東やイスラムに対して見下したような視線がありはしないか。

デモが起こらない≒成熟した市民社会、とでもいいたいのかな。国会前の反原発デモも長い間、無視してスルーしてたし。抗議の意思を示すのは許されないことなのか?本人からすればなんでもないであろうネイマールの発言に、こちらが勇気をもらった気持ちになってます。やはり意思を示そう、と。

法科大学院

2013年06月25日
あの司法試験改革って一体何だったのか?と思います。
<引用開始>
就職支援、学費減免… 苦境の法科大学院、生き残り懸命

西日本の私学法科大学院の状況
法科大学院の志願者離れが進み、西日本でも募集停止や定員の削減が相次いでいる。政府の検討会議は成績不振校に対する事実上の「強制退場」を提言した。生き残りを図るため、各校は就職支援の充実や学費減免など魅力のPRに懸命だ。

甲南大は、企業に就職して法務を担当する「企業内弁護士」の養成に力を入れる。「ビジネスに強いロースクール」をアピールしており、来年度から、社会人も学びやすいよう夜間・土曜の開講や9月入学制を導入する。

関西大は卒業生の弁護士を中心に、大学が法律事務所を設けることを検討中だ。就職の「受け皿」をつくる狙いがある。

龍谷大は2011年度から、法学既修者には授業料と施設費の計約80万円に相当する奨学金を支給している。下宿生には月3万円の補助も導入した。京都産業大は昨年度、授業料を半額以下の60万円に下げ、既修者は免除に。司法修習生に国が給与を出す制度が11年になくなり、出身の司法修習生に200万円を支給する制度も設けた。

四国唯一の法科大学院がある香川大は、来年度の入試を2回から4回に増やす。今年度の入学者は定員20人に対し6人だった。

法科大学院の志願者(延べ人数)は、制度発足の04年度は7万2800人だったが、13年度は5分の1の1万3924人に減少した。司法試験の合格率が低迷する上、合格しても就職が難しいことなどが理由に挙がる。

今月、大阪学院大は来年度、国立では初めて島根大が15年度の募集停止を決めた。大阪学院大は当初50人だった定員を10年度に5人、11年度にさらに15人減らしたが、今年度の入学者はわずか2人だったためだ。南川諦弘・法務研究科長は「教育効果を考えると1クラスに10人は必要だ」として撤退を決めた。すでに私学では姫路独協大と神戸学院大が募集を停止している。

一方、関西大は来年度、定員を60人減らす。関西学院大や立命館大もそれぞれ30人削減する。

政府の法曹養成制度検討会議は今月19日、教育の質を向上させるため統廃合などを進め、合格率が低ければ「法的措置」をとるよう提言した。文部科学省は昨年、補助金支給の条件を引き上げている。「入試競争倍率」と「司法試験の合格率」に加え、「入学定員の充足率」が基準を上回るよう求める。各校の担当者からは「補助金カット以上に『基準に満たない学校』とレッテルをはられるのが困る」との危機感がのぞく。
http://www.asahi.com/edu/articles/OSK201306220130.html
<引用終了>
二年間のアローアンスを持たせて、合格率を上げるというのが当初の主旨だった筈ですが合格率がこれほど上がらないとは想像もできていなかったのか?というより、学生を集めちゃえばあとはどうなってもいいという大学側の底意があるように思います。

リカレント教育という言葉があります。学校を出た社会人がもう一度学校に戻って高度な教育を受ける機会を得るというもの。これを大学側からの事情だけで考えれば、再び入学金と授業料を稼ぐ機会ということになる。リカレントの本来の意味ならば、様々な学びの仕掛けを大学側で企図しなければならない。ところが、法科大学院という制度が出来たのだから安易にそこに乗ってしまえということになった。学費が稼げるし学生も集まる、あわよくば合格者続出で大学の評判がよくなり、現役大学生を集めることも容易になってくる。と、とらぬ狸の皮算用をはじいたのだろう。

大学では器さえ用意すればあとは文科省がなんとかしてくれる、そう考えたのではないか。
一方で文科省側も、法科大学院という新たな機関を設置認可する権限を得て、さらに省益拡大のチャンスを得たと思ったのだろう。また、法務省にも権益拡大の機会があったかもしれない。最も権益に縁遠い省庁であったから、千載一遇の好機ととらえたのではないか。

当事者の学生になんら便益が感じられない今回の話、誰が得をしたのかがなんとなくわかります。

だいたい、甲南大での企業内弁護士を増やすなんて話、本末転倒じゃないですか。有資格者でも社員としての給料は変わらないってわけでしょう。損得だけで考えるものではないが、苦労して勉強してその挙句に報われないのなら可哀相すぎます。

私には、もうひとつ先の段階があるようにも思います。外国人の弁護士を参入させようという意図がひょっとしてないだろうかと。TPPなどにもし参加すれば、国際交渉や海を跨いだ様々な訴訟案件が増える。そのときに国際感覚を持った外国人(主に米国)弁護士を重用していこうという深慮遠謀があるかもと邪推します。そのために受験ハードルを下げておいたのではないか。考えすぎだったらいいのですが。

御用とお急ぎ

2013年06月24日
都議選、ほぼ予測したとおりの結果になってしまいました。都民の意思のひとつであるとはいえ、三分の二の有権者が棄権した選挙が有効かどうかは意見の分かれるところです。拙宅では投票へ朝七時過ぎにいってきました。

これで築地移転とか拍車がかかる懸念がありますね。築地市場の豊洲への移転とかなったら嫌だから、反対する人に投票しました。入れないで決まってから恨み言をいうより、入れておいて文句をつけるほうが精神的にも健全です。

テレビで各党のインタビューを聞いていて、あらためて気になる言葉遣いがありました。
「この結果を受けて、スピード感をもって都政運営にあたりたい」。石原伸輝が放ったこの「スピード『感』」という言葉。最近よく耳にしますがよく考えるとおかしな言葉ですね。

「感」というのは主観的な意味合いがあるので、第三者に向けて放った場合にどのくらいの速度なのかが曖昧にとらえられてしまう。何か重要なことを言ったつもりで何も伝えてはいないんじゃないかって思いました。

スピーディーに、スピードを上げて、などでいいじゃないか。

同じようなもので「スケジュール『感』」って言い方もありますね。この場合は、放った相手に問うている場合が殆どです。

「今度の仕事、どんなスケジュール感でしょうか?」なんて使い方です。
自分は曖昧に聞いておいて、相手に正確な期日を答えさせる。ちょっと卑怯な物言いです。
私自身も使われることがありましたが、気の立っているときに怒鳴ったことがある。「感ってなんだよ?スケジュールはお前の感覚なのかよ?!」
相手は固まってしまった。これは申し訳ないことをしたと思う。

「スケジュール的にはどのくらいか」を「スケジュール感」と短縮して問いかけ、そこに悪気まではなかったのだと後から気づいた。

でもね。スピードとかスケジュールって一番大事な条件なんだから、短縮しないで普通に問いかけておくれ。

御用とお急ぎの方が増えたのかしらないが、肝心な点をぼやかして聞くのはよくないよ。

「基本」「原則」「結果」なんて言葉も、短縮されたままで使われてますね。

〝前の球でも打っていたし、これから(球が)変わるわけではない。基本、興味はない。飛ぶボール、飛ばないボールでも”

上の文は、日本ハムの中田翔がインタビューで答えた言葉です。例の統一球問題です。
「基本的にはボールがどんなものでもかまわない」というスタンスを宣言しているのですが、基本という二字だけで副詞的意味も含ませているわけです。
これがいいのかどうかわからない。でも、意味がとりづらくなってきていると思う。
そう考えるのはこちらが年をとったせいなのかな。今はこれでいいのかね。 

見切り出航

2013年06月23日
どうして船体の不備があったのに出航しなければならなかったのか?
答えはシンプルで、テレビ番組の企画だったからなんですね。なんだかなあ。
<引用開始>
辛坊治郎さん:ヨット浸水、救命ボートに 救助の巡視船は23日到着
第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)によると、21日午前7時45分ごろ、小型ヨットで太平洋横断に挑戦している全盲のセーラー、岩本光弘さんと、フリーキャスター、辛坊治郎(しんぼうじろう)さんの事務所から「船内に海水が浸入している」と救助要請の通報があった。

2管は巡視船と航空機を現場に派遣した。岩本さんらは同8時10分ごろ、ヨットから備え付けの救命ボートに乗り移った。2人にけがはなく、救命ボートには水と食料が積み込まれているという。巡視船は23日未明に到着予定。

現場は宮城・金華山の東南東約1200キロの太平洋上。ヨットは今月8日、大阪・北港を出港、福島県いわき市に寄港し、8月の米サンディエゴ到着を目指していた。
http://mainichi.jp/select/news/20130621mog00m040008000c.html
<引用終了>
この人の顔を見るたびに「辛抱しろ!」と言われている錯覚を覚えます。
辛坊治郎=しんぼうしろ、と脳内で変換。忍耐や服従を庶民に教宣する発言ばかりだから。
この人の発言や思考方向にこれまで何ひとつ共感を覚えませんでした。その発想はネオリベラリストにして極右という始末に悪いものです。両者は本質的に矛盾する概念なのにね。

今回の救出劇でかかった費用は自己責任なんだから全て負担しろ、とネットで散々言われていますがよほど嫌われていたのだろうな。

彼が書いていたブログ記事で遭難の後に削除された記述があります。削除の前にアーカイブ化した人がいて読むことができます。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:Lz5ybUuFGGUJ:www.b-sailing.com/archives/date/2013/06/14+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp&client=opera

重要な箇所がいくつかあります。
<引用開始>
〝遂に出航の時を迎えました。

この日から3か月、読売テレビの現場スタッフが企画書を書き、最高幹部のゴーサインをもらった時点で、ヒロさんの夢実現に向けての私の仕事の半分は終わったようなもんです。それから9か月間、エオラス号には、プロ、ボランティアの皆さん等々、総勢数十人の力と情熱で、太平洋横断に向けてあらゆる準備が施されて行きました。”

〝それにしても今回の大阪~福島回航は、とても実りの多いものでした。まさに「荒天」に恵まれたために、完璧に整備したと皆が思い込んでいたエオラス号にいくつかの問題点が見つかったんです。まず一つは、船の舳先に突き出ている大きな棒、これをバウスプリットって言うんですが、この根元から少量の漏水が発見されました。エオラス号には既に太平洋横断用の資材をすべて積み込んでいたために相当喫水が下がっていて、台風の余波のうねりに舳先から突っ込んで派手に海水をすくい上げる局面が何回かあったんですが、この時バウスプリットの止水に不具合があって、水が漏れることが分かったんです。

当初、この2日間で舳先をすべて解体して、充填剤を入れなおすことも計画されたんですが、様々なリスクを計算した結果、内側からの充填で対処することになりました。余程荒れた海でない限り漏水しませんし、エオラスの設備で簡単に排水できる程度のものですから、これで、まず大丈夫でしょう。

もう一つ、これも想定外だったんですが、オートパイロットという舵を電気的に操作するシステムの軸受けにガタつきが見つかりました。オーパイ本体は代替品三本を積んでいますので海上でも故障に対処できるんですが、軸受けは盲点でした。さっそく代替部品を入手して、念には念をというわけで、普通はねじ止めの部品を、さらに溶接する処置を「まさに今」施しています。

たぶん現在のエオラス号は、日本で最もよく整備された外洋帆走船になっているはずです。しかし、これで完璧かというと、完璧はあり得ないのがこの世界です。ジョージクルーニー演じる練達の船乗りでさえ、「パーフェクトストーム」に巻き込まれたら助かりません。極端な話、どんなに整備された船でも、隕石にぶつかったり、中国の潜水艦に当てられたらひとたまりもありませんからね。でも、そんなことを言い出したらキリがありません。”
<引用終了>
やはりテレビの企画じゃないか。サンディエゴ到着が八月。24時間テレビしかないぞ。

一年も前から準備しているのなら、万全に整備するのが当然。遺漏なく整備をしたならそれで書けばいいのに、何故か隕石や潜水艦を引き合いに事故の蓋然性を言い募る。ここに、なんらかの疚しさが窺えます。

番組の都合上、八月に到着することが必須。だから船体整備で出航を延期させるわけには行かなかったのでしょう。疚しさと楽観が混在した文章です。

24時間テレビはよく、元気な障害者を採り上げてその不断の努力をこれでもかと見せるけれど、今回の件で反省はないのか。
辛坊は早くも想定外などと逃げているが、見切り出航である以上、人災ではないか。
自粛で済ませられる話ではない。

シャッター通りの死にぞこない

2013年06月22日
福澤徹三著「シャッター通りの死にぞこない」(双葉社刊)を読了しました。
<引用開始>
潰れかけたシャッター商店街に、元ヤミ金の男が流れついた。
影山清(偽名)32歳、口を開けばウソをつく。
最後の町おこしをサイテー男に託した子鹿商店街の、あしたはどっちだ!
3ページに1回は腹筋が痛くなる、ハイテンションコメディ!
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-23761-0.html
<引用終了>
同じ作家の「死に金」「ジューンブラッド」とバイオレンス色の濃い作品を続けたせいか、最初はあれれ?と思いましたが、途中から疾走感が出だして後半は声を出して笑ってしまった。

昭和30年代の黄金期、東宝の喜劇映画を見るような感覚が起こりました。
ドラマ化してもきっと面白いでしょうが、下ネタが多いのでそれをどうクリアするか。
でも、そういう猥雑さとは、実は生命力の証でもあるので、テイストとしては失って欲しくない。

変に上品に修正してはいけない。生かす道はないか?やはり深夜ドラマかな。
テレビ東京の金曜深夜枠なんかでやったらきっとヒットするだろうと実感させられました。
読むと元気になります。最低な人間の狡猾な身過ぎ世過ぎの術に、なぜか快哉を叫びたくなる。

ご一読をお勧めします。

「夢学園」の悪夢

2013年06月21日
昔から大人しい学校って印象があります。郁文館。文京区内の私立ってどこもそうですが。
京華とか本郷は、元気かなと思ってたが京華はすっかり進学校化していてびっくりです。
それにしてもこの男、本当に次から次へと悪行三昧だな。
<引用開始>
渡辺美樹理事長の学校法人 生徒に反省文100枚書かせるなどして退学者続出

今夏の参院選に自民党公認で出馬する渡辺美樹・ワタミ会長が理事長を務める学校法人「郁文館夢学園」で、生徒に反省文100枚を書かせるなどして、退学者が相次いでいることが週刊文春の取材でわかった。

渡辺氏は2003年、破綻寸前だった郁文館高校・中学の経営再建に名乗りをあげ、理事長に就任。渡辺氏は、「私たちの学校経営は先生が生徒のために死ねる経営です。その経営についてこられない人はどうぞやめてください」と全教職員に話し、教員に携帯電話番号を生徒に教えさせ、「365日24時間電話していい」と伝えるよう求めた。また、給料削減を実施するなどした結果、2003年から2年間で100人弱の教員のうち30人が退職した。

問題を起こした生徒に対しては、400字詰め原稿用紙100枚の反省文を書かせ、提出するまでは授業を受けさせないなどのペナルティを与え、反省文を書きたくなくて転校する生徒もいたという。今年3月に郁文館中学を卒業した生徒によれば、一学年約160人のうち10人以上が退学している。

郁文館は次のように回答した。

「(2年で30名の教師が退職したのは)事実です。(今年卒業した中学生で)転退学したのは14名です。(100枚の反省文を書かせるのは)二度と同じ過ちを繰り返さないという気持ちになってもらいたいと考えているからです」

渡辺氏にも取材を申し込んだが、回答はなかった。

渡辺氏は自著で、<つぶれそうな学校をさらに引き受けて、夢教育を導入し、「夢教育学校連合」を日本全国につくる事業に私は邁進する>(『教育崩壊』)と宣言しており、国会議員に当選後、どのような教育政策を推進していくのか注目される。
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2827
<引用終了>
この郁文館の再生って話、テレビ番組に一度なりましたね。フジの「ザ・ノンフィクション」で採り上げていた記憶があります。

伝統ある私学ですが、はっきりいってあんまり勉強はできない。スポーツにも秀でているわけでもない。生徒は大概が大人しい子ばかり。昔からその印象は変わりません。

郁文館「夢」学園って名前に変更したのは渡辺美樹の意向だそうです。伝えられていることをみると、本当に悪い冗談ですよね。

再生の第一歩として自らは理事長に就任し、校長には慶応の教授だった小林節を起用しました。改憲を唱えている法学者ですね。小林節を起用ときいてこれはマッチョな「改革」をやるつもりだなと。生徒に厳しくあたるのだろうなと予想しました。

番組はそう予想したとおりの進行でした。大人しい生徒にしてみればものすごい暴力を振るわれたくらいに思っただろうな。
同時に教員に対しても、容赦ない「マネジメント」が発揮された。「マネジメント」といっても実質はコントロール。マネジメントの要諦である自主性など欠片も認めないことは言うまでもありません。単純にワタミ方式をそのまま取り入れたのだな。

どうしてワンマンと言われる人は教育を語りたがるのだろう。思うに、彼らが夢見る教育とは≒洗脳なんでしょう。言われたとおりに動き、我儘をいわず、危急の際には身体をはって自分たちを護る。死に行く運命にあっても自分たちへの感謝の言葉をなお口にする。そんな人間を育てたいと思っているのだろう。

高杉良に「青年社長」という小説があります。渡辺美樹が実名で登場してくる話なのだが、彼の生い立ちを知る上で興味深いエピソードがいくつかある。
若くして母親が亡くなり、会社経営していた父親も一転破産の憂き目に遭う。そんななかで起業を図る主人公の奮闘ぶりを書いているのだけれど、順風満帆とはけっしていえない。仲間の度重なる離反もあるが、それでもやがて彼の居酒屋は大きく成長していく。

亡き母親への思慕と父親の没落を目のあたりにして、強烈なルサンチマンを抱えるようになったのではないか。彼の言動は世の中に対する一種の復讐なのかな。
そう捉えると可哀相な人ではあるが、やっていることを見るととても共感はできません。

後年、高杉はインタビューで「ある起業社長の物語を小説として書いたが、志あふれる作中人物と実際は全く違い、ただただ息子に相続させたいというだけであることがわかって幻滅した」と語ってました。会社名は明言してないがこれはワタミのことではないかなと思う。
その割には「新・青年社長」って続編を書いているのだが。生活のためかな。切ない。
こんな人物、議員になんか絶対させたくないです。

選良の役割

2013年06月20日
代議士は別名を「選良」ともいわれるのに。日経オンラインに載っていた記事で脱力です。
<引用開始>
公約は募集しようと思っている。政治家は本来、皆さんの声を聞いて国会に届けるのが仕事だ。私の前職であるアナウンサーという仕事を「話す」仕事だと思っている方も多いが、実は7割が人の話を聞くのが仕事だ。みなさんが小倉に公約として掲げてほしいものを、これからネットを使って募集していこうと思っている。
 6月中旬から公約募集を始める。公約会議を毎週開き、ネットの番組で流す。配信プラットフォームにはUstreamとニコニコ動画(ニコ動)とYouTubeを使うつもりだ。意見を書き込めるニコ動をメーンに据えるつもりだ。80個ほどの公約が集まってくればいいなと思っている。その中からネットを介して皆で議論し、最終的には10個ほどの公約に絞る。その過程をすべてネットで中継して可視化するつもりだ。
 これまでの政治家からすればバカかと言われそうだが(笑)。しかし、バカと言われようがアホと言われようが、本来の政治というのはそういうものではなかったかと、強く反論したい。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130617/249798/
<引用終了>
元日本テレビアナウンサーの小倉淳が来月の参院選に立候補するといいます。
しかも話題の日本維新からだという。供託金さえ払えれば誰でも立候補は可能だからそれはいい。ただ、許せないのは「選挙公約を募集する」などとほざいていること。前代未聞です。
年のわりには若く見えるけど、見かけどおりに中身も軽薄であったとは。

では一体何で、国会議員になりたいのか。なること自体が目的であとはどうでもよいといわんばかりではないですか。
バカといわれようがアホといわれようが構わないともいう。その意気はまあ、よし。でも、貴方が所属しようとする日本維新の会が、個別の公約を認める可能性はどれだけあるのか?むしろ全くないのじゃないか。

慰安婦など一連の問題発言を通して分かるのは、あの組織がワンマン(ツーメンか?)で独裁で全て決められること。橋下か石原が進めようとしていることしか決め事にはならない。それ以外の成員の意思は通らない。言葉を選ばず言えば兵隊と同じ。単なる人数合せではないか。

小倉淳は江戸川大学の教授であるが、週末のゲンダイに「ものはいいよう」という短めのコラムを持っている。主に現代の言葉遣いについて書いていて、同年代の彼の意見には頷けるものも多かったのだが、まさかここで維新を選ぶとは思いもしませんでしたよ。アナクロの極みだろうに。

アントニオ猪木は、ああいう人だからもう仕方がないだろう。しかし、藤巻健史といい、小倉淳といい、最も大切な岐路でどうして派手に間違うのか。よりによって維新などに身を委ねるのか。麻痺しているのかな。人生の蹉跌を味わいたい、ってそんなわけはないだろうが。生暖かく今後を見守りたいです。

気休め

2013年06月19日
気休めであるかもしれない。しかし何も対策を講じないのも癪に障ります。
例のエドワード・スノーデン氏が告発した米検索サイト等による個人情報の提供問題です。
プリズム(prism)なるスパイプログラムが個々人の検索内容やプロフィールについてフリーハンドで手に入れていたこと。それを、グーグル・ヤフー・フェースブック、youtubeなどがすすんで協力していたことに憤りをおぼえます。

勿論、エシュロンなどの存在が公然と囁かれていたので何にも意識していなかったわけではない。けれど、実際にやっていたとあらためて聞くと衝撃はかなりあります。

何か対抗する方策はないだろうか。探してみたら、ありました。
オランダ発の「StartPage」なる検索サイトです。https://startpage.com/
これはよさそう。英語のページが出てきますが、検索窓に日本語入力して検索してみると、検索結果が日本語で出てきます。

これはプロキシサーバを介しているので、検索してる個人のIPがサイト側に直接見えない仕掛けになっているようです。

解説してあるページはこちら→ カレイドスコープ
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-2163.html
<引用開始>
ここに提供するのは、匿名の状態をキープしたまま、ネット検索ができる(Google, Yahoo, Bing、その他の)代替となる検索エンジンです。
これを利用していただくに際しては、完全無料です。アフィリエイトなどもございません。

インターネット検索は、あなたがやっているものではありませんが(検索エンジンの仕事)、しかし、それはあなた自身のものです。特に、あなたの政府のものなどでは決してありません。
PRISMはありません
サーベイランスはありません。
政府のバックドアもありません。
その上で検索することができます。

フェースブック、マイクロソフト、グーグル、アップル、ヤフー、ユーチューブ、AOLおよびスカイプを含む、9つの米国サービス・プロバイダーのサーバをNSAとFBIが直接利用しており、少なくとも7年前にこの監視計画を始めたことが報道されました。

StartPageは、人々のプライバシーと市民の自由を保護することとなると、非常に率直で開放的です。

当然のことながら、私たちは、PRISMのような詐欺的で不可解なスパイ・プログラムに対しては強力な反対者なのです。

過去において、善意から始められた政府の監視プログラムでさえ、次第に乱用されるツールになってしまったのです。
(たとえば、市民権や反戦抗議者を追跡する、というような)

PRISMのようなプログラムは、私たちのプライバシーを害し、政府への信頼を壊してしまうので、自由なインターネットにとっては大変、危険な存在なのです。

StartPageと、その姉妹検索エンジンIxquickは、サービス開始から14年経った今日まで、米国政府や他の国の政府、それらの機関に、ユーザー・データのただの1バイトさえ、提供したことはありません。

PRISMの下ででもなく、また、米国の、どんなプログラムの下ででも、また、世界のいかなるプログラムの下ででも、提供したことがないのです。

私たちは、フェースブック、グーグル、アップル、ヤフー、スカイプ、あるいは、PRISM監視のウェブの中に取り込まれていった米国の他の会社とは、まったく似ていません。

以下に、その違いを説明します。

StartPageは、ユーザーのデータを格納しません。
私たちは、このことを、すべての政府機関を含む、どんな人にも完全に明らかにしています。

私たちは、ユーザのIPアドレスを記録しません。

また、私たちは追跡クッキー(トラッキング・クッキー)を使用しません。
したがって、アクセスする私たちのサーバ上には、あなたに関するデータは、文字通り一切ありません。

私たちは、利用者が誰か知りさえしないのですから、ビッグブラザーと共有するものなど、あるはずがないのです。

実際のところ、サービス開始以来14年間で、ユーザーのデータを提供して欲しい、という政府機関からの要望は、ただの一度もありませんでした。

StartPageは、デフォルトで暗号化(HTTPS)を使用しています。
暗号化はスヌープ(他から侵入して、覗き見する)を防ぎます。

あなたの探索は暗号化されます。
したがって、他人が、あなたが何を検索しているのかスヌープするために、インターネット接続をタップすることは不可能なのです。

データを格納しないこと、接続のための強力な暗号化を使用すること、この組み合わせは、あなたのプライバシーを保護する鍵になります。

私たちの会社は、ヨーロッパのオランダに本拠地を置いています。
米国の管轄は、少なくとも直接ではなく、私たちには当てはまらないのです。

ユーザーのデータを運ぶ(米国を含む)どんな政府からのリクエストや要求は、私たちの弁護士によって、徹底的にチェックされることでしょう。

私たちに適用されている法律によって、データを提供することを拒むことができない場合以外には、その要求に応じることはありません。

また、そうした状況を仮定した場合でさえ、私たちの最初のポイントに照らし合わせます。

・私たちには、そもそも、与えるべきユーザーのデータが存在していない。
・私たちは、PRISMのような任意のスパイ行為をするプログラムと協力することは決してない。

StartPageは、スパイ行為を行なうことを、強いられることはありえません。

ヨーロッパにおいては、プライバシー保護に関して強力な権利を与えられているので、ヨーロッパ政府は、私たちのようなサービス・プロバイダーに包括的なスパイ・プログラムをインプリメントさせることはできません。

もし、その約束事が変わるようなことがあれば、私たちは最後まで闘うつもりです。
<引用終了>
何だか頼もしい。こうしたアメリカ主導には必ずカウンターがヨーロッパから起こるのですね。それも大国ではない国から。

これで、StartPageの表示Languageに日本語が加わればさらに良いのですがね。

繁栄なき活況

2013年06月18日の仕事に関わってきた経験からすると、どこまでこの状態に持ちこたえられるのかと思う。
<引用開始>
「ネット予備校」ビジネス活況 ネットで授業見放題、参入相次ぐ

大学受験対策の授業の動画をインターネット配信により低料金で手軽に見られる「ネット予備校」ビジネスが活況だ。受験生にとってスマートフォン(高機能携帯電話)などがあれば、いつでも授業を受けられるのが人気の理由。リクルートは今年3月、受験生向け無料会員サイト「受験サプリ」内に月額980円で、動画配信された授業を受け放題の受験基礎講座を開設し、すでに約1万人の会員を獲得した。対する大手予備校は高付加価値をアピールしており、ネット予備校生の獲得争いが過熱してきた。

多彩な人気講師陣

「家が経済的に厳しく、塾や予備校に通ったことがなかったが、授業を低価格で受けることができ、感謝している」。リクルートの「受験サプリ オンライン予備校」会員となった高校3年生は、授業料を気にせずに利用できることを評価する。

 同予備校は月980円を払えば、超難関大から中堅大までレベル別に5教科8科目、600以上の授業を好きなときに、何回でもスマホやパソコンで受けることができるのが売りだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130618/bsd1306180502004-n1.htm
<引用終了>
今から六年前、代々木にある予備校の講師を務める人から似たような相談を受けたことがあります。その人はその学校でいわゆる人気講師。名前と教科が関連づけられて呼ばれていました。たとえば東進予備校でいう「国語の林」や「英語の安河内」といった存在です。

自分が各地の教室で登壇して教えている内容をデジタル化して配信ができないかというもの。そのために必要な情報・システム・労力・準備期間などなど、数ヶ月にわたり相談に乗りました。
私が抱いた最初の疑問は「どうして予備校に相談しないのか?」というもの。その答えは「体質が保守的で新しいものをなかなか受け付けられない」というものでした。
「自分が金を出して独自にやろうかと思っているのでいろいろ相談に乗って欲しい」ということでした。予備校の講師は学校とは対等の関係です。学校の職員でなく、業務委託契約を個々に結んで授業を行なっているだけなので労使の関係が生じません。委託契約にない事柄は基本的に自由にやってよいということなので、自分はネットを通じて自らの授業を配信するビジネスを別途やりたいというわけ。徐々に受験生が減少してきて、各地の教室稼働率も段々落ちてきていることに、彼なりに危機感があっての企画であることを感じ取りました。

そこで数ヶ月の間、知りうるありったけの情報と経験を話しました。講義の空き時間に彼のいる教室に通った。代々木本校とか船橋校とか各地校舎に行きました。

ガジェットを何に据えるかが最大の議論となりました。ガジェットとはこの場合、通信端末。PCを想定していた私に対し、講師の彼は携帯でダメだろうかといってきます。出来ないことはないけれど、学習としての質は落ちてしまうこと、画面が小さいので情報量が制限されること、学習した内容が身についたかどうかのテストに制限が出てしまうことなど懸念点をいくつも出しました。それでも、学生の殆どが携帯を用いていて、PC利用者は限られるという説明に納得して、携帯版でネット配信を考えることに決定。あとはコンテンツを用意していくだけです。ここが一番肝要で、一番簡単なのは講師が教壇で話している様子を録画しておいてそれを配信すること。それにいくつかのチェックテストを付して理解度を確認するという方法があること。受講生個々人にはIDを振って、得点や順位をサーバに格納する方向で構想がまとまりました。DB構築に一番初期コストがかかるだろうと言い添えました。

大概がまとまり、いよいよ作り出すということになった。予備校本体に再びその企画案をふったのだけど色よい返事がまだこない。見切り発車の形で自分だけでまずは始めていこうと思う、そんな決意を彼から聞きました。そこで、信頼できるコンテンツ製作者を紹介しました。「また、後から手伝っていただくことになると思います」という言葉を聴いてそのプロジェクトは終わりました。
プロジェクトといっても、特段お金を貰ったりはしなかった。面白そうだったので、交通費も自腹で校舎に通いつめて終わったのだった。
今にして思うと、いくらかチャージしておけばよかったなあ。俺は人がいい。いや、単に気弱なのか。コンサルタントとしてみた場合は失格だろう。

で、あれから六年経ちますがまだ動きません。実際にやろうとするといろんな障害があるのでしょう。最大の障害は予備校本体からの強硬な反対があったのだろうと想像します。
予備校の授業とはそのときその場所でその先生からしか受け取れない貴重な情報。それをデジタル化して流すということになれば、壮大な自己否定になってしまうからです。タコ足喰いでカニばるどころでは済まない。既存事業に最大の脅威を自ら呼びこんでしまうことになります。

このサンケイビズの記事ではリクルートが参入したとある。あそこはいいんです。その事業だけで採算をとろうとは思っていないから。むしろ受験生のプロフィールや個人情報をとることに意味を感じているだけと思う。十分な量のデータが吸いあがったら、いきなり撤退という可能性もあるからです。
社会人向けにeラーニング事業に参入したこともあるが数年で撤退した過去もあります。

上記記事では、さも未来産業みたいな能天気な予測を漂わせていますが、単体のビジネスとしてはリスクが大きすぎます。まずコンテンツを何らかの形で保有していなければならない。しかし、ネット配信事業を既存事業の脅威にしてはいけない。

たとえばユーキャンという通信教育の大手会社があります。年商が推定で500億円程度。大変な優良企業で高田馬場や大久保、代々木に自社ビルを何軒も抱えている。たしか無借金経営。ここのウリは、平均単価3~4万円の個人向け通信教育講座。資格取得講座が中心で200コースくらいあります。
つい最近もAKBの横山由依という子が講座を受講して、調剤薬局事務という資格に合格してます。
http://www.u-can.co.jp/index.html?vl=_semo_s10014050

しかしここのコンテンツは基本的に紙のテキストでのサービス。それに郵送を介した採点サービスがついているものばかりです。今のデジタルの時代からするとすごく遅れているようにも見えます。
では何故、ユーキャンはネット配信に乗り出さないのか。答えは明らかですね。折角造ってきた市場を自ら壊しかねないからです。
教材をなまじデジタルにしてしまったら、価値が低下してしまう。最悪はタダでやられてしまうかもしれない。この恐怖感は相当なものがありましょう。
ユーキャンが本格的に参入するなどということはとても無理です。

一方で、学習効果という面でも私は疑念を持ちます。特にガジェットをスマホとした場合、どれだけ学習したことが定着するかが未知数だと思う。
コンテンツを眺めることは容易ですが、学びえたかどうかが判定しづらい。
入力環境がPCに比べて弱いこと、学習効果をチェックテストのような問題に頼らざるを得ないこと、これら二点をどう克服していくんだろうか。
現状では限界がある。どこかに属人的な要素を残しておかないといけない。私はそう思っています。いろいろ考えさせられた記事でした。

金星の価値

2013年06月17日
土曜日にラグビーでウェールズに勝ったこと、今頃ジワジワと嬉しさがこみ上げてきます。
<引用開始>
日本、ウェールズ破る新伝説!/ラグビー
 日本が歴史的大金星だ! 世界ランク15位の日本は、SH田中史朗(28=パナソニック)のスピードある球さばきなどで、同5位のウェールズに23-8で完勝した。北半球最強決定戦の欧州6カ国対抗を12、13年と連覇している強豪相手に、13戦目にしてテストマッチ初勝利を挙げた。6カ国対抗所属チームからの勝利は、89年のスコットランド戦以来、24年ぶり2度目となった。
http://www.nikkansports.com/sports/news/p-sp-tp0-20130616-1143383.html
<引用終了>
1975年の来日で、日本×ウェールズ戦を見ている身としては今回の勝ちは凄く嬉しいです。あのときは史上最強といわれて名選手ばかりだった。フィル・ベネット、ガレス・エドワーズ、JPR・ウィリアムス等など。日本のボールが全く取れなかったことをよく覚えています。

ウェールズの年間での最高気温は21度。土曜日は30度をはるかに越えていたのであちらは辛かったろうと思う。そして四年に一度行なわれるブリティッシュライオンズ遠征に、主力メンバーの殆どが召喚されて若手主体だったことも今回の点差に影響はしたでしょう。だとしても、国同士のフル代表で戦って勝ったという事実は大きい。

タックルがよかった。相手の攻撃の芽を悉く潰していた。早い仕掛けもよかった。「個」の力に頼らず「団結して敵に当たった」ところもよかった。

静かに勝利の余韻をかみ締めつつ、日曜朝のテレビを見ていてその気分が破られた。
関口宏「サンデーモーニング」。スポーツコーナーでの張本勲の発言です。
「勝利は嬉しいけれども、外国人が日本代表として参加しているのはいただけない。純然たる日本人のみの編成でやってもらいたい」だのなんだの。
ゲストで来ていたラモスも「ボクも散々苦労して帰化しました」だの言い出して、日本代表の外国人選手がおかしいという話がひとしきり続きました。

確かにサッカーと異なり、ラグビーの代表選手選考は国籍が第一とはなりません。協会主義といって、その国や地域で一定期間プレーした選手から代表を選りすぐろうという仕掛けになっています。選ばれたなかでは金髪や肌の白い人、肌の黒い人と混成されるわけです。張本勲はこれが気に入らないらしい。日本人だけで編成しろといいたいらしい。狭隘で倒錯した純血嗜好。
持論をもつのは構わないが、テレビの場でさも公論のごとく話すのはよろしくありません。

外国人であっても日本代表に選ばれるということに名誉と誇りを感じ、日本とその文化に敬意を払いつつプレーしている彼らに失礼でしょう。それから代表に選ばれることと関係なく、帰化する外国出身の選手も少なくない。今回もそんな人がいる。最も日本を理解し愛そうとする人たちです。

そういう事情もわからずに単なる「助っ人」として、狭隘な視点でしか捉えられない彼を寂しく思います。本来なら、彼自身がそういうことを最も理解できる境遇にある筈ではないですか。

そういえば岩隈久志の姿勢を巡って、かって番組レギュラーであった江川紹子とぶつかって降板させたのも張本勲でありましたね。反省の機会はなさそうだな。
ともかく、見事な金星でありました。

ロックバンドランキング

2013年06月16日
日本のロックバンドランキングなるものを見かけました。その結果に唸ってしまいました。
<引用開始>
hideの死去から15年が経った先月、X JAPANメンバーは追悼コメントを寄せました。時を経ても色あせず輝き続けるロックバンドはいくつも存在しますね。そこで今回みなさんに、日本を代表するロックバンドについて聞いてみました。
ギター&作曲担当の松本孝弘とボーカル&作詞担当の稲葉浩志の《B’z》が圧倒的1位に選ばれました。本日デビュー25年を記念し、『B'z 25th Anniversary BEST ALBUM』として2タイトル同時リリース。デビュー曲から最新曲まで52曲の全シングルをリリース順に完全収録しているとか。『ultra soul』が世界水泳バルセロナ2013のテレビ朝日系番組のテーマソングに、新曲『Q&A』 がアニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマになるなどタイアップ曲も複数あり、ますますファン層が拡大されていくことでしょうね。さらに、6月中旬には、「B'z Official YouTube Channel」としてスペシャルプログラムを提供し、番組限定のトークを展開するそう。ファンならずとも必見の企画といえそうですね。

 数々の記録と記憶に残る作品を世に送り続けてきた《サザンオールスターズ》が2位にランク・イン。シャレた歌詞と桑田佳祐の独特のボーカルで旋風を巻き起こしてから35年を迎え、大人のグループとなった今も「サザン」の愛称で親しまれる彼らは、国民的ロックバンドとして今後も音楽界をリードし続けていくことでしょう。3位に入ったのは衝撃の解散から25年を経てなお根強い人気を誇るカリスマバンド《BOOWY》でした。今年は《BOOWY》の解散に焦点を当てたドキュメンタリームービーが映画館で初めて上映され、音楽史に残るバンドの真実が明らかに。あらためて復活を熱望したファンも多かったのではないでしょうか。
http://ranking.goo.ne.jp/column/article/goorank/35705/
<引用終了>
「この結果は科学的な根拠に基づくものではありません」とは最後に結んでいます。一応、逃げ道を作ったということなんでしょうが。

歴代のロックバンドが勢ぞろいしてのランキングなのかなと思っていたのでB’zが断トツの一位と聞いて軽くショックを受けました。

B’zってロックバンドのカテゴリーだったのか!そういえばと思い出す。昔、B’z好きの女性に「あれって歌謡曲でしょ?テンポの速い歌謡曲」と言ったら、三ヶ月くらい口をきいてくれなかったことがありましたっけ。

B’zに限らず、T-BOLAN、DEEN、WANDSに倉木麻衣やかってのZARDなどの一連の人たち。長戸大幸率いるビーイング所属の皆さんはセールスは凄いです。
それは認めます。でも、ロックバンドなのかな?しっくりときません。

ハードなロックバンドは入ってないんですね。ラウドネスとかアースシェイカーとか。
わりと口当たりのいい曲をやっているバンドばかりがランキングには並んでいます。
ONEOKROCK(ワンオクロック)って森進一の息子がやってるバンドだったか。
こういうランキングに有用性があるのかないのか。科学的根拠に基づいてないと断っているから、気にしないでいいんでしょうけど。ちょっと考えさせられます。

東京ダンジョン

2013年06月15日
福田和代著「東京ダンジョン」(PHP研究所刊)を読了しました。PHPで小説読むのは初です。
<引用開始>
地下鉄、全線緊急停止!!
 地下鉄の新線開業を間近に控えたある日、保線作業員の的場哲也は、勤務中にトンネルの中で怪しげな人影を見つける。またインターネット上でも、東京の地下に「地底人」が出現するという噂が飛び交っていた。そんな中、的場は母から、弟の洋次が鬼童征夫なる経済学者が主宰する怪しげな勉強会に通っていると相談を受ける。事情を探るために鬼童の講演会に出かけた的場は、そこで意外な人物を見かけるのだが……。

 東京の地下鉄や地下街に爆弾を仕掛け、「東京の地下を支配した」と宣言する、テロリストたちの意外な正体と、その目的とは何か? 複雑怪奇な地下迷宮(ダンジョン)と化した東京の地下を舞台に繰り広げられる攻防。警察や的場たちは、果たして地下鉄を、そして東京を守れるのか。『TOKYO BLACKOUT』『迎撃せよ』『怪物』などが話題の、クライシス小説の旗手が描く、緊迫のサスペンス。
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-81208-3
<引用終了>
「ヴィズ・ゼロ」で関空をジャックし、「TOKYO BLACKOUT」で東京を丸ごと停電させ、「タワーリング」で六本木ヒルズをジャックした著者が今回選んだのは地下鉄。東京メトロ全線でした。この14路線全てに爆弾を仕掛けたと犯人は犯行声明を出します。そして、犯人が要求したものが実に意外なことだった。
東京メトロは営業キロ数が195キロもあるんですね。これは東急全線の倍の長さもあります。東急で104キロ、京急で87キロ、京王で84キロ。この路線が突然停止してしまう。当然、大混乱が起きます。

最初はパニックものかと、わくわく期待して読みすすめました。ところが、途中から物語の様相が変わってくる。ずっとシリアスで深刻な懊悩を犯人たちが抱えているのがわかる。そして犯行後に彼らが第二の戦いを用意していることが浮かび上がってきます。主人公は、メトロで保線作業を担当している的場哲也という人物ですが、物語に影響を与える鬼童征夫なる学者が興味深いです。こういう人って今は少なくなったなと思います。

大きな賭けに出た犯人のその後も気になります。純粋なパニックものを期待すると肩透かしを喰らう感じかもしれないが、私は面白く読めました。

ご一読をお勧めします。

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